4訂版 イラストでわかる消防訓練マニュアル




改訂に寄せて

4訂版を発行するに当たり、まず私どもが目指したのは、消防という専門性が高く、分かりにくい資機材の操法を少しでも理解しやすくするため、図・イラストを多用した訓練の実態に即した手引書の提供です。また、消防を取り巻く環境は複雑・多様化し、その対応を図るため技術革新が進んでいます。これらのことを念頭に置き、定番の資機材等に展定することなく、最新の情報を組み入れることで、災害現場で活躍する消防職団員の皆様の手助けとなるテキストといたしました。

今回の改訂作業では、消防隊が現場で使用することを想定していないため消防職団員には馴染みの薄い「易操作性1号消火栓」の項目を新たに追加し、内容の一層の充実を図りました。

また、JRC蘇生ガイドライン2015の公表に伴い応急手当についても改訂作業をし、傷病者が心停止かどうかの判断に自信が持てない場合でも、直ちに胸骨圧迫をすることとなりました。さらに、JRC蘇生ガイドライン2015では「ファーストエイド」の章が設けられたため、本書では「その他の応急手当(ファーストエイド)」といたしました。今後も、読者の皆様からご意見を賜りながら必要な改善に努め、更に良い教本となるよう努力してまいります。

平成28年7月
消防教育訓練研究会 菊地勝也

消防教育訓練研究会 (編集), 菊地 勝也 (編集)
出版社: 東京法令出版; 4版 (2016/9/30)、出典:出版社HP

はじめに

消防の初心者にとっては、消防訓練等は専門用語が多くなかなかその内容を理解しにくいものがあります。現在、消防教科書をはじめとして参考書や解説書が刊行されていますが、解説書の解説が欲しいくらい難解であることから、初心者の悩みは尽きないところです。

消防の入り口のところでは、いろいろな解説書を読んではみたが、何かもう一つイメージできず、釈然としない、いわゆるストレス兆候の出る段階でもあるのです。そこで、この本は全体像を明らかにしながら、部分的な解説を行うとともに、基本的な事柄を確実に理解することをねらいとして工夫してみました。

本書は、イラストレーションを中心にそれらの動きを解説したもので、これならば、初心者の方々にも親しみを感じながら、抵抗感なく消防訓練等に入門していただけるものと思っております。この本を基にして、ある程度理解を深めて、次の理解を深めて、次のステージへ階段を上がっていただくための入門書として活用さみの入門書として活用されるよう希望するものです。

平成13年6月
消防教育訓練研究会 菊池勝也

消防教育訓練研究会 (編集), 菊地 勝也 (編集)
出版社: 東京法令出版; 4版 (2016/9/30)、出典:出版社HP

目次

第1章 訓練礼式

第1節各個訓練

1基本の姿勢
2整列休めの姿勢
3休めの姿勢
4右(左)向け動作
5後ろ向き動作
6速足行進の要領
7速足行進の停止要領
8右(左)向け発進
9行進中の右(左)向け
10右(左)向け停止の要領
右向け停止の場合
左向け停止の場合
11斜行進
12行進中の後ろ向きの要領
13かけ足行進の要領
14かけ足行進の後ろ向きの要領
15かけ足行進の停止の要領
16速足行進からかけ足行進への移行の要領
17足踏み及び足踏みの停止の要領
18足踏みから速足(かけ足)への移行の要領
19足の踏みかえの要領
20速足で行動中の右(左)向き停止の要領
21度の深い右(左)向き要領

第2節礼式

1敬礼の種類
2敬礼動作
挙手注目の敬礼
最敬礼
かしら右(中、左)及び注目の敬礼
姿勢を正す敬礼
注目の敬礼
3目迎目送の要領
4室内で辞令・賞状等の受領
5室外で辞令・賞状等の受領
6旗の敬礼
停止間の旗の敬礼
行進中の旗の敬礼

第3節部隊訓練

1小隊編成未了時の集合要領
2横隊の整頓
右へならえの姿勢
左へならえの姿勢
3人員の掌握
4縦隊の集合
5縦隊の整頓
6縦隊の人員掌握
7横隊の整頓の的確性
8小隊の編成
9横隊の右(左)向き
10横隊の直行進
行進中の右向き
行進中の左向き
11側面縦隊から同方向への横隊変換
12行進間の側面縦隊から同方向へ横隊変換
13行進中の横隊の側面縦隊への変換
14小隊の解散
15側面縦隊及び縦隊の方向変換
側面縦隊及び縦隊の半ば方向変換
45度以外の方向変換
16側面縦隊の行進及び停止
側面縦隊の行進中の左向き
側面縦隊の行進中の右向き
17縦隊の行進中の方向変換
縦隊の行進中の左向き
縦隊の行進中の右向き
18縦隊の停止間から縦隊の右(左)向け発進
19側面縦隊の行進中の左(右)向き停止
側面縦隊の行進中の左向き停止
側面縦隊の行進中の右向き停止
20斜行進の要領
21みち足行進の要領
22小隊の行進の停止
23方向変換、隊形変換等
横隊が停止間において方向変換する場合
横隊が行進間において方向変換する場合
行進方向を変え停止する場合
行進中に半ば右(左)に方向を変換する場合

第4節通常点検

1隊員の集合及び部隊編成
2点検者の臨場
3人員等の報告
4点検準備
5手帳の点検
6点検実施上の留意点
7点検の終了

第5節部隊行進

1分列行進
2観閲の隊形
徒歩での観閲
車両での観閲

第2章 消防用設備

第1節消防用設備

1火災事例
2屋内・屋外消火栓設備の構造
3消火栓ポンプの起動装置の種類
消火栓始動用押ボタン
P型発信機
4屋内消火栓の種類
1号消火栓
易操作性1号消火栓
2号消火栓
消火栓の停止要領
5防火戸
6防火シャッター

第2節屋内消火栓操法

1消火栓操法の基本的事項
屋内消火栓の基本的な取扱い
用語の意義
操作実施上の留意事項
ホースの結合及び離脱要領
操法の人員
使用ホース
意図の伝達及び要領
集合、点呼等の号令及び要領
ホースの取扱要領
2屋内消火栓基本操法

第3章 応急手当(救急法)

1救命処置
心肺蘇生法
AED(自動体外式除細動器)の使用
気道異物の除去
2その他の応急手当(ファーストエイド)
傷病者の管理方法
搬送法
止血法
傷に対する応急手当
やけど(熱傷)に対する応急手当
その他の応急手当
3感染症の対応

消防教育訓練研究会 (編集), 菊地 勝也 (編集)
出版社: 東京法令出版; 4版 (2016/9/30)、出典:出版社HP

第4章 消防ポンプ

第1節消防ポンプの概要

1ポンプの定義
2ポンプの種別
3ポンプの型式
4渦巻ポンプの特徴
長所
短所
5渦巻ポンプの構造
6呼び水
7消防ポンプの呼水装置
真空ポンプ
止水弁
逆止弁
真空ポンプクラッチ及び自動切断弁
自動放口閉塞弁(逆止弁)
8遠心ポンプの構造
羽根車(インペラー)
案内羽根
渦巻室(ケーシング)
密封装置(パッキン類)
9消防ポンプの各装置
ポンプ駆動装置
主ポンプ(ポンプ本体).
10消防ポンプの構造と機能
メインポンプ(主ポンプ)
放水配管
吸水配管
冷却装置
エジェクター装置
流量計
エンジンガバナ
ポンプ圧力制御装置

第2節ポンプの取扱い

1使用前の点検
2無圧水利による操作
3有圧水利(消火栓)による操作
4放水一時停止
5放水停止操作
6中継送水操作
7ポンプの取扱い上の注意事項
8ポンプの故障と原因
9漏気箇所
10キャビテーション(cavitation)現象
11エンジン出力
12給油脂
13放水量の測定
14凍結防止装置
15乾燥真空試験.
16計器類
17ブルドン管
18流量計

第3節可搬消防ポンプ(小型ポンプ)

12サイクルエンジンの潤滑装置
潤滑装置
燃料の取扱上の注意事項
2放水部
主ポンプ
真空ポンプ
止水弁・逆止弁

第4節ポンプの故障と原因

1揚水しない
2揚水する
3計器に現れる異常とその原因
4騒音、振動の発生
5発熱
6保守・点検

第5章 消防ポンプ操法

第1節消防ポンプ操法の基準

第1条(目的)
第2条(用語の意義等)
第3条(操法実施上の留意事項)
第4条(指揮者の留意事項)
第5条(意図の伝達及び要領)
第6条(集合、点呼、想定、定位、点検、解散及び休憩の号令並びに要領)
第7条(消防用器具操法の種別)
第8条(器具操作の姿勢)
第9条(筒先各部の名称及び定位)
第10条(筒先を背負う要領)
第11条(筒先をおろす要領)
第12条(筒先の結合要領)
第13条(筒先の離脱要領)
第14条(基本注水姿勢)
第15条(注水補助)
第16条(注水姿勢の変換)
第17条(注水方向の変換)
第18条(注水位置の変換)
第19条(注水形状の変換)
第19条の2(筒先員の交替)
第20条(筒先の収納)
第21条(ホースの各部の名称及び定位)
第22条(二重巻ホースをつくる要領)
第23条(折りたたみホースをつくる要領)
第24条(ホースの結合要領)
第25条(ホースの離脱要領)
第26条(二重巻ホースの延長)
第27条(折りたたみホースの延長)
第28条(ホースの格納)
第29条(ホースカー各部の名称及び定位)
第30条(ホースをホースカーに積み込む要領)
第31条(ホースカーによるホース延長)
第32条(ホース及びホースカーの収納)
第33条(吸管各部の名称及び定位)
第34条(消防ポンプ自動車の吸管伸長)
第35条(消防ポンプ自動車の吸管収納)
第36条(小型ポンプの吸管伸長)
第37条(小型ポンプの吸管収納)
第38条(とび口各部の名称及び定位)
第39条(とび口搬送)
第40条(とび口の基本のかまえ)
第41条(とび口の収納)
第42条~第63条[略]

第2節消防ポンプ操法

第64条(消防ポンプ操法の種別)
第65条(ポンプ車、タンク車及び小型ポンプ各部の名称及び定位)
第66条(水利、使用ホース数及び余裕ホース)
第67条(放水開始及び放水中止の伝達要領)
第68条(放水開始及び放水中止の受達要領)
第69条(操法の開始)
第70条(放水中止)
第71条(収納)
第72条(第2線延長)
第73条(放水中止)
第74条(収納)

第3節第1線延長

開始報告要領
想定の付与
待機・集合等
自主整頓要領
点呼
乘車乘車要領
下車

第4節第2線延長

点検報告
終了報告
退場
解散

第5節小型ポンプ操法

待機·集合等
自主整頓要領
点呼
開始報告要領
想定付与
定位

消防教育訓練研究会 (編集), 菊地 勝也 (編集)
出版社: 東京法令出版; 4版 (2016/9/30)、出典:出版社HP