ホームインスペクター試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
ホームインスペクター(住宅診断士)試験概要
中古住宅を購入する場合、その不動産の状態、損失の有無、おおよその購入費用を判断する住宅検査(住宅診断/検査)を行う仕事です。この家の診断(家の検査)を第三者および専門家の中立の立場から行う人がホームインスペクターです。
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目次 – JSHI公認 ホームインスペクター資格試験テキスト 令和新版 【住宅診断士】
はしがき
元号が「令和」となり、住宅市場も大きな変革の時を迎えています。15年後には全国の空き家数は2000万戸を超え、空き家率は30パーセントに上ると見込まれる中、中古住宅の利活用は喫緊の課題です。
一方2018年に宅地建物取引業法が改正され「インスペクション説明義務化」がスタートしましたが、実際のところほとんど効果は発揮されていないようです。
その理由は明白です。第一に「宅建士が説明する」としているところ。宅建士には建物知識の乏しさから、説明の失敗を避けたいといったモチベーションがあること。第二に、売主が不動産売却前に積極的にインスペクションを行うモチベーションに欠けていること。第三に「たとえインスペクション済みであっても、買主に寄り添ったアドバイスはできないであろうこと」などです。
当協会が標榜するインスペクションは「主にモチベーションの高い買主の立場から」「その住宅を長く大事に住むためにどうしたらよいのかといったアドバイス」をメインストリームとしており、そのために必要な知識を獲得できるよう、本テキストや試験を設定しています。もちろんたゆまぬ研鑽が必要で、試験に合格し会員登録後には、各種の情報提供や支部ごとの勉強会などの機会を設けています。
もちろんホームインスペクション(住宅診断)だけで、次世代の住宅市場ができるわけではありません。そこには住宅政策や都市政策の根本的な見直し、既存住宅の金融評価など複合的な制度設計の構築が必要です。しかしいずれにしてもそこにインスペクションの存在は不可欠でしょう。
インスペクションの本場アメリカでは、ホームインスペクター(住宅診断)は非常に稼げる職業。約2万4000名いるホームインスペクターの中には、年間400~500件のインスペクションをこなす者がゴロゴロいます。やがて日本にも既存住宅流通とリフォーム・リノベーションが主流となる時代がやってきます。来たる時代に備えるべく、本テキストや過去問題を通じてホームインスペクション(住宅診断)の知識を身につけてください。
NPO法人 日本ホームインスペクターズ協会 理事長
長嶋 修
目次
はしがき
第1章 ホームインスペクター(住宅診断士)を取り巻く社会情勢
第1節 ホームインスペクターとは
1 「JSHI公認ホームインスペクター」とは
2 業法改正で「インスペクションの説明義務化」がスタート
3 インスペクションは普及するのか?
4 海外事例に学ぶ「インスペクターにとって大事なこと」
5 インスペクション先進国アメリカの事例に学ぶ
6 アメリカのインスペクション現地で行われていること
第2節 日本の既存住宅市場の現状と今後
1 日本の住宅政策の変遷
2 既に判っている未来
第3節 既存住宅インスペクション・ガイドライン
1 既存住宅・リフォームトータルプラン
2 既存住宅インスペクション・ガイドライン・
第4節 日本ホームインスペクターズ協会倫理行動規定
第5節 保険制度
1 保険制度の成り立ち
2 インスペクター自身のリスクヘッジ(消費者に対する責任として)
第6節 建築瑕疵の法律と実務
1 建築瑕疵の概念
2 実務における瑕疵の扱い
3 瑕疵の類型
第7節 インスペクターが行うべき契約
1 国土交通省「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に示されている契約手順
2 日本ホームインスペクターズ協会の「モデル契約書」について
第8節 顧客対応時のマナーなど、診断時の注意点
1 中立性の維持
2 商取引の意識をもってトラブルを未然に防ぐ
3 診断対象となる住宅の所有者への配慮
4 言葉の影響力を考慮する
第2章 インスペクションに必要な「建築知識の基本」
第1節 建築構造
1 荷重
2 一般構造
3 部材設計
4 壁量計算
5 接合部
6 小屋組
7 枠組壁工法(2×4工法)
8 既存木造住宅の耐震診断と補強
9 その他の建築構造など
第2節 建築材料
1木材
2 コンクリート
3 鋼材
4 主な内外装材
第3節 建築施工
1 地業工事
2 木工事
3 継手・仕口
第4節 建築基準法
1 建築基準法の目的と仕組み
2 用語の定義
3 面積・高さの算定方法
4 建築確認
5 単体規定
6 集団規定
第3章 インスペクションの実践
第1節 ホームインスペクションの概要と要点
1 ホームインスペクションの位置付け
2 ホームインスペクションの対象となる「住宅」とは
3 ホームインスペクションの調査・診断レベルの位置づけ
第2節 戸建て住宅のインスペクション1 (概要)
1 戸建て住宅の診断・検査項目の概要
2 事前確認
3 報告書に記載する範囲について
第3節 戸建て住宅のインスペクション2 (外部からの調査)
1 概要
2 基礎(A-1)
3 外壁・軒裏(A-4)
4 バルコニーなど(A-7)
5 屋根(A-1)
第4節 戸建て住宅のインスペクション3 (内部からの調査)
1 基礎
2 土台・床組(C-1)
3 床(B-2、C-2)
4 内壁(B-1)
5 天井(B-3)
6 小屋組(屋根A-3)
7 天井裏・下屋の小屋裏
8 基礎および床下面
9 柱・梁
第5節 戸建て住宅のインスペクション4 (その他の部位)
1 雨どい(A-5)
2 外部に取り付けられている金物など
3 外部階段(A-8)
4 階段 (室内階段)
5 開口部
第6節 戸建て住宅のインスペクション5 (設備)
1 給水設備
2 給湯設備
3 排水設備
4 換気設備
5 火災警報器
6 照明設備
第7節 共同住宅のインスペクション1 (概要)
1 共同住宅のホームインスペクション(概要)
2 事前確認
第8節 共同住宅のインスペクション2 (専有部分)
1 壁、柱および梁のうち屋内に面する部分
2 床(A-2)
3 天井(A-3)
4 サッシ・ドアなど(A-4)
5 二重床の床下
6 天井裏
7 設備
第9節 共同住宅のインスペクション3 (専用使用部分)
1 バルコニー・ルーフバルコニー(B-1)
2 玄関ポーチ
第10節 共同住宅のインスペクション4 (共用部分)アドバイス項目
1 概要
2 勾配屋根・陸屋根・大庇
3 その他
第11節 共同住宅のインスペクション5 (管理運営状況)
1 修繕積立金
2 管理規約・総会議事録
3 竣工図書
4 耐震性に関する調査
第12節 他のタイプの住宅への応用
1 概要
2 鉄筋コンクリート造の戸建て住宅への応用
3 混構造の戸建て住宅への応用
4 木造タウンハウス(区分所有者向け)への応用
第13節 地域特性
1 すが漏れ(すが漏り)
2 凍上
3 凍害
4 火山灰
第14節 インスペクションにおける新技術
1 赤外線建物診断
第4章 不動産取引の基礎知識
第1節 既存住宅取引とホームインスペクション
第2節 既存住宅取引の仕組みと流れ
1 概要
2 具体的な流れ
第3節 契約・権利関係の基礎知識
1 売買契約
2 瑕疵担保責任
3 区分所有建物とインスペクション
第4節 既存住宅流通の仕組みと宅建業法上のインスペクション
1 既存住宅流通の仕組み
2 宅地建物取引業法上のインスペクション
索引
目次 – JSHI公認ホームインスペクター(住宅診断士)過去問題集 2019年度試験対応
●本書の使い方
本書はNPO法人日本ホームインスペクターズ協会が実施した「JSHI公認ホームインスペクター資格 試験」の問題と正解・問題解説を、2014年から2018年度までの5回分収録したものです。収録した問題の順序はすべて本試験と同じです。
各試験は制限時間90分、すべて四肢択一問題となっています。4つの選択肢から正しい答え1つを 選んでください。
(第10回)
2018年度 資格試験問題 正解・解説
2018年11月18日(日)実施
試験結果
合格点:35点
出題4分野ごとに合格基準点あり
受験者数:884名
合格者数:282名
合格率:31.9%