2019年版 ひとりで学べる診療報酬請求事務能力認定試験テキスト&問題集




はじめに

本書は、医療事務資格取得を目指す方の受験対策本です。これまで、高い合格実績を誇ってきた受験者必勝の特別講義の内容を公開することで、広く合格を目指す方々に効率よく学習していただくことを目的に作成しました。解き方を身につける手順書としてご使用ください。

医療事務の資格試験は、診療報酬請求事務能力認定試験、医療秘書技能検定試験、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)など、複数の主催者によって実施されています。
一般にどの試験も「学科問題」と「実技問題(レセプト作成)」による出題構成で、どちらも一定レベルに達していないと合格はできません。

これから受験を考えている方は、各試験の学科・実技の出題傾向を把握し、効率よく学習していくことが合格の近道となるでしょう。

本書では、特に診療報酬請求事務能力認定試験(医科)の合格をサポートするために、過去5年間、10回分の問題分析を行い、“どこを押さえておくべきか“、出題傾向などを明らかにしました。

受験生の皆さま自身が“押さえておくべき点はどこなのか!!”を理解した上で取り組まれることが、合格につながります。

本書は、一問一答にとどまらず、主要部分には丁寧な説明を加え、これから基本を習得しようとする方にも、しっかり基礎知識をマスターした方にも、活用していただけるように作成しました。

第1章では、医療保険制度や療養担当規則など、医療事務を行う上での基本内容について丁寧に説明し、どのような問題が学科問題として出題されているのかを紹介しながら、重要箇所を厳選して解説しました。随所に設けた「keyword」には、ポイントとなる用語をできるだけ平易な表現を用いて解説しています。

第2章では、診療報酬の基本診療料について、第3章では特掲診療料について主要項目をレセプトコードに従って解説しました。第4章は、外来レセプトおよび入院レセプトを作成するにあたっての手順書です。カルテのどこに着目し、どんな手順で仕上げていくのか、試験時間内に完成させるためのポイントやノウハウをこの章で紹介しました。巻末には調べたい箇所をすばやく探せる索引もついています。

別冊②の模擬試験は、本番のつもりで3時間でトライしてみましょう。外来および入院レセプトの作成ポイント、算定手順も付けました。

また、別冊①には、診療報酬点数早見表、公費負担医療制度一覧表、年齢早見表を収載しました。本体から取り外しができますので、受験準備期間から試験当日に至るまで、ぜひご活用ください。なお、今回の改訂においては、藤田勝弘先生にご協力いただけたことを感謝いたします。

皆さまがこの1冊を読み終え、診療報酬請求事務能力認定試験(医科)や各種医療事務の試験にトライされた時“合格”への扉が開きますよう、本書を通して応援しております。

本書が皆さまのお役に立てば幸いです。

2019年5月
青山美智子

青山 美智子 (著)
出版社: ナツメ社; 初版 (2019/6/14)、出典:出版社HP

目次

はじめに
診療報酬請求事務能力認定試験について
本書の特長と使い方

第1章 医療保険制度の基礎知識

医療保険制度の概要
社会保障制度/日本の医療保険制度の特徴/医療保険のしくみ/被用者保険の被扶養者の範囲(三親等の親族図)/年齢別の給付割合(自己負担割合)/あなたの保険証を見てみよう/医療保険制度/保険料および被保険者の資格取得と資格喪失/社保各種被用者保険(職域保険)/国保各種国民健康保険(地域保険)/退職者医療制度/後期高齢者医療制度

保険給付の概要
保険給付の範囲(療養の給付)/保険給付の時効/保険外併用療養費/法定給付(現物給付と現金給付)と付加給付(独自)/現金給付の詳細

医療関係法規の概要
保険医療機関と保険医の二重指定制度/医療関係法規

医療施設に関する法律(医療法)
医療機関の特色と役割/一次(初期)医療、二次医療、三次医療の役割分担/医療法主要抜粋

医療従事者に関する法規(抜粋)
医療従事者に関する法規

療養担当規則
診療に関する法規(療養担当規則)

介護保険の概要
介護保険のしくみ/介護保険法(抜粋)

公費負担医療制度の概要
公費負担医療制度のしくみ

●要点確認!一問一答テスト

2章 基本診療料

初診料
初診料とは/初診料算定の留意点

再診料(外来診療料)
再診とは/再診料算定の留意点

入院料入院基本料・入院基本料等加質
A100急性期入院基本料/急性期一般入院基本料等加算

入院時食事療養

●要点確認!一問一答テスト

第3章 特掲診療料

医学管理等(B000~B014)
指導管理/医学管理/医学管理等の留意点/意見書と診断書

在宅医療(C000~C116)
在宅医療とは

投薬(F000~F500)
投薬/投薬の留意点

注射(G000~G020)
注射/注射料の加算/注射の留意点/注射の算定例

処置(J000~J129-4)
処置/処置の留意点

手術(K000~K915)・輸血(K920~L939-5)、麻酔(LO00~LO10)・神経ブロック(L100~L105)
手術とは

検査(D000~D419)・病理診断(N000~NO07)
検査とは

画像診断(E000~E203)
画像診断とは

処方箋料(F400)・リハビリテーション(H000~H008)、精神科専門療法(1000~1016)、放射線治療(M000~M005)
処方箋料/リハビリテーション料/精神科専門療法/放射線治療

●要点確認!一問一答テスト

第4章 レセプトの作成の手順

第4章で使用する薬剤一覧
外来レセプトのポイント
レセプト解答
入院レセプトのポイント
レセプト解答

索引
レセプト用紙

青山 美智子 (著)
出版社: ナツメ社; 初版 (2019/6/14)、出典:出版社HP

診療報酬請求事務能力認定試験について

診療報酬請求事務能力認定試驗は、診療報酬請求事務に従事する者の資質の向上及び医療保事務の効率化を図ることを目的とし、次のとおり全国一斉統一試験が実施されています。

全国一斉統一試験の医療事務検定試験の中でも難易度が高い試験です。平成25年4月1日から公益財団法人として内閣府より認定された(公財)日本医療保険事務協会が試験の主催者です。

診療報酬請求事務能力認定試験の概要

本書の「別冊①オールカラーレセプト主要点数早見表」は試験会場に持ち込むことができます。レセプト作成に使用してください。

●受験資格
受験資格は問いません。

●出題範囲
出題範囲は「診療報酬請求事務能力認定試験ガイドライン」のとおりです。

●持ち込み
試験場への診療報酬点数表、その他の資料の持ち込みは自由です。

●試験日時
年2回7月及び12月(日曜日または祝日)13時00分~16時00分で実施。

●試驗時間
3時間

●試験会場
札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、東京都、横浜市、新潟市、金沢市、静岡市、名古屋市、大阪府、岡山市、広島市、高松市、福岡市、熊本市、那覇市

●受験料
7,500円

●受験申込(願書提出)期間

(1)インターネットによる受験申込
インターネットを使って、協会のホームページから申し込むことができます。個人申込と団体申込の2種類があります。

(2)郵送による提出
郵送の場合は、受験申込者別の申込用封筒(簡易書留)を使用します。学校等で団体扱いを希望する場合は、あらかじめ、その旨を申し出ます。
申込期間は日本医療保険事務協会のホームページでご確認ください。http://www.shaho.co.jp/iryojimu/

●受験願書の提出先(問い合わせ先)
T101-0047東京都千代田区内神田2-5-3児谷ビル公益財団法人日本医療保険事務協会(電話03-3252-3811/FAX03-3252-2233)

●合格者発表
試験日の約2カ月後

●受験案内・願書の請求
郵送による願書請求
返信用封筒(角形2号)にあて先(自宅の郵便番号、住所及び氏名)を明記のうえ、切手140円(2部以上は205円)を貼り、別途、定形封筒等に入れて協会に送付します。
なお、学校等でまとめて請求する場合は、電話又はFAXを利用します。

本書の特長と使い方

本書は、診療報酬請求事務能力認定試験(医科)に合格するため、解き方を身につける手順書です。主要項目を抜粋し、必要な知識を効率的に学習できるようにつくられています。第1~3章で診療報酬請求事務に必要な知識を身につけ、第4章でレセプト作成の方法を学んでいきます。

本文で重要な部分は文字が赤くなっています。
付属の赤シートを使って暗記に使用してください。

ココでた!!
試験に出題された箇所を記しています。要チェックです。
ココをCHECK!
試験に出やすい箇所、間違えやすい箇所などを解説しています。

Keyword本文に関係する用語を平易な表現で解説しています。
押さえておきましょう。

学習のポイント!
項目ごとに、覚えておきたいポイントや気をつけたい箇所、用語などをピックアップしています。本文を読む前に確認しておきましょう。確認できたらチェックボックスに印を付けておくとよいでしょう。

第1章~第3章の章末に掲載している一問一答テストは、学習した内容がしっかり理解できているか、実力を確認するためのものです。学科試験の対策にもなりますので、挑戦してみましょう。

ZOOMUP!
さらに掘り下げておきたい内容をまとめています。

先生からのアドバイス
注意しておきたい内容、試験に関することなど、先生からの学習のアドバイスです。

別冊①オールカラーレセプト早見表
診療報酬請求事務能力認定試験のレセプト作成に必要な内容をまとめています。試験会場に持ち込むことができますので、本体から外して使用してください。

別冊②模擬試験(3時間トライアル)
第49回診療報酬請求事務能力認定試験(医科)の問題にチャレンジしてみましょう。詳しい解説も掲載していますので、実力試しに挑戦してみてください。
P.221~223にレセプト用紙を掲載しているので、コピーをして使用してください。

青山 美智子 (著)
出版社: ナツメ社; 初版 (2019/6/14)、出典:出版社HP