2020年版 エネルギー管理士(熱分野)過去問題集




はじめに

今から約半世紀前の昭和48年(1973年)に第一次オイルショックが起こりました,エネルギー源である石油のほとんどを海外輸入,特に中東に頼っていた日本は,石油価格高騰の高波をまともに受けてパニックに陥りました.街ではトイレットペーパーがなくなり,スーパーマーケットではその奪い合いになり,高速道路でのガソリン給油もできず,夜のネオンサインの消灯や深夜テレビ放送も打切りとなりました.

その後もオイルショックが起こり,これを契機に「エネルギーの合理化に関する法律」(いわゆる省エネ法)が制定され,昭和54年(1979年)に第1回目のエネルギー管理士試験(電気・熱)」が行われました.

近年では,平成23年(2011年)3月11日の東日本大震災を契機として,電気やガスなどのエネルギー不足や節電など新しい課題に,社会全体や企業,個人も直面しています.

また,地球温暖化によるゲリラ豪雨や猛暑,台風の大型化,山崩れや河川の氾濫など,二酸化炭素(CO2)などの低減は,待ったなしの状況にあります.したがって,エネルギー管理士の担う役割は省エネルギーだけにとどまらず,よりいっそう重要度を増した時代になりました.

本書は,エネルギー管理士(熱分野)を受験する方のための合格対策書です.特徴として,文頭で各年度の「出題範囲と学習のポイント」をまとめわかりやすく解説しています.また,平成22年度から令和元年度まで,各年度ごとに試験の4課目である「エネルギー総合管理及び法規」,「熱と流体の流れの基礎」,「燃料と燃焼」,「熱利用設備及びその管理」を10年間分まとめ,各問題の解答と解き方を説明しています.

エネルギー管理士試験は通常,毎年8月の第1週に実施され,課目合格制度の導入やマークシート方式の採用などにより受験しやすくなっています.また,平成20年(2008年)の省エネ法改正では,一定規模以上のチェーン店であるコンビニ・ファーストフード店等も法律の対象になり,企業の経営層である役員もエネルギー管理統括者に選任されることになりました.さらに,平成25年の改正では,電力不足に対応するために電気の需要の平準化が導入され,エネルギー管理士がより身近な資格になりました.

これからは,男女を問わず,技術系の人だけでなく,事務系の方や市民の皆様が,このエネルギー管理士(熱分野)を受験する機会が増えると思われます.なお,熱と電気を合算したエネルギー管理強化の法改正に伴い,現行法と合わなくなった旧法規関連の設問については,解説において現行法での考え方を追記してあります.

最後に,本書が受験者の皆様にとって合格のためのよき参考書になれば幸いです.

オーム社

オーム社 (編集)
出版社: オーム社 (2019/11/17)、出典:出版社HP

CONTENTS

第1章 受験ガイド
1. エネルギー管理士試験受験ガイド
2. 各課目の出題範囲と学習のポイント
3. 過去問の出題分類(令和元年度~平成22年度)

第2章 試験問題と解答・解説
(令和元年~平成22年度)
令和元年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説
平成30年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説
平成29年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説
平成28年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説
平成27年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説
平成26年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説
平成25年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説
平成24年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説
平成23年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説
平成22年度エネルギー管理士試験問題と解答・解説

資料
●マークシート方式における答案用紙記入上の注意事項
●受験にあたっての注意事項
●試験における電卓の取扱いについて
●特定事業者,特定連鎖化事業者の義務内容
●エネルギー官理統括者等の選任・資格要件および選任数
●省エネ法における手続きとスケジュール
●事業者が遵守すべき判断基準
●エネルギー管理士試験の課目

オーム社 (編集)
出版社: オーム社 (2019/11/17)、出典:出版社HP