ぜんぶ絵で見て覚える 第1種電気工事士 技能試験すい~っと合格2019年版




CONTENTS

2019年度第一種技能試験公表候補問題
2019年の第一種技能試験に出る公表候補問題10問
候補問題No.1~No.10
課題の留意点
「不合格になる」主な判定基準
合格への道を開く本書の上手な活用法

1第一種電気工事士技能試験の概要
高圧受電設備の施工知識と技術がとくに求められる
技能試験の受験スケジュール
2ストリッパは合格への必須工具です
これだけあれば作業できる「指定工具」
合格のためにぜひ用意したい推奨工具
3技能試験の準備と本番への心がまえ
受験対策/試験当日に持参する物
4最新情報はホームページでチェック!

第1章 第一種課題のポイント理解
1配線図の変圧器回路を理解する
1変圧器について
2計器用変圧器(VT)と変流器(CT)
2図記号から施工ポイントを理解する
1第一種で特徴的な器具
2試験では端子台で代用される器具
3絶縁電線とケーブル
4電線管とブッシング
3三相電源配線上の基本
4低圧回路の基本
1電灯回路の読み解き方
2低圧器具の図記号と施工の注意点
3電灯回路の主な施工条件を理解する

第2章 実技の基本作業
1課題寸法の理解とケーブル長さの測りかた
1課題の施工寸法の理解
2手のひらを目安にしたケーブルの採寸法
2電線の絶縁被覆とケーブル外装のはぎ取り
1ケーブルストリッパの正しい使いかた
2「より線」の絶縁被覆のはぎ取り
3KIP(高圧絶縁電線)の絶縁被覆のはぎ取り
4VVR、CVVケーブル外装のはぎ取り
3露出形器具への結線(輪作り)ランプレセプタクルと露出形コンセント
1「輪作り」の手順
2ランプレセプタクルへの結線
3露出形コンセントへの結線
4引掛シーリングへの結線
5ねじ止め端子の器具への結線
端子台、配線用遮断器、動力用コンセント、押しボタン
1端子台への結線
2配線用遮断器への結線
3動力用コンセントへの結線
4押しボタンスイッチへの結線
6埋込連用器具への結線タンブラスイッチ、コンセント
1取付枠への器具取り付け作業
2埋込連用器具への結線の基本手順
7「わたり線」の作りかた
1「わたり線」をケーブルから作る手順
8アウトレットボックスと電線管の接続
1合成樹脂製可とう電線管(PF管)の接続
2ねじなし(金属)電線管の接続
3電線管に通すIV線の採寸法
9電線の接続
1ケーブル外装のはぎ取り作業
2電線接続部分の絶縁被覆のはぎ取り作業
3リングスリーブによる圧着接続
4差込形コネクタによる接続
10【参考手順】電工ナイフを使う被覆のはぎ取りかた
1心線が「単線」のときの絶縁被覆のはぎ取り(段むき)
2心線が「より線」やエコケーブルの絶縁被覆のはぎ取り(鉛筆むき)
3VVFケーブル外装のはぎ取り
4エコケーブル(EM-EEF)の外装はぎ取り

第3章 実践!作業シミュレート
1候補問題No.3で手順を詳しくシミュレート
1作業の流れ
2複線図で施工の概要を確認する
2課題施工作業の実践
1変圧器部分を施工する
2アウトレットボックスを施工する
3低圧部の器具を結線する
4被覆のはぎ取り
5電線の接続

第4章 候補問題模範解答と解説
候補問題No.1模擬試験
単相変圧器回路と3路2極スイッチの電灯回路
候補問題No.2模擬試験
単相3線式配線と自動・手動点滅切替え電灯回路
候補問題No.3模擬試験
単相変圧器のV-V結線と電灯・コンセント回路
候補問題No.4模擬試験
単相3線式配線と電灯・コンセント回路
候補問題No.5模擬試験
単相変圧器のV-V結線と三相機器の動力用コンセント回路
候補問題No.6模擬試験
三相3線式配線と電動機の手動運転停止回路
候補問題No.7模擬試験
三相高圧の変圧とCTおよび過電流継電器施設回路
候補問題No.8模擬試験
三相変圧器と三相電動機の電磁開閉器による運転制御回路
候補問題No.9模擬試験
単相2線式配線と時限/自動点滅併用電灯回路
候補問題No.10模擬試験
三相高圧配線の電圧監視と高圧真空遮断器の動作表示回路
技能試験でよくある質問

巻末付録 なぞり書き式公表問題複線図の練習帳
1複線図を正しく描けるようにしておこう
1なぜ複線図を描く必要があるのか
2複線図を描く基本手順
2なぞり書き式公表問題複線図の練習帳
本書で使用した材料一式

藤瀧和弘 (著)
ツールボックス (2019/5/18)、出典:出版社HP

1 第一種電気工事士技能試験の概要

高圧受電設備の施工知識と技術がとくに求められる

(一財)電気技術者試験センターが実施する第一種電気工事士技能試験は、電気工事のエキスパートを目指す人のための最終関門です。
この技能試験には、年齢や性別、国籍などの制限はありませんが、受験できるのは、①前もって実施される筆記試験に合格した人、②電気主任技術者の免状(通称「電験資格」)を持っている人、③旧電気事業主任技術者資格検定規則による電気事業主任技術者の資格を有する人、の3者に限られます。
つまりこの技能試験を受けるには、電気工事に携わるために必要となる電気の知識と、電気の安全を確保するために法令で定められた技術基準を理解している必要があるのです。

とくに、電気工事のエントリー資格である第二種電気工事士の技能試験との違いは、高圧受電部の施工知識と技能が求められる点です。
技能試験で出題される課題は、毎年4月初旬に候補問題として試験センターから発表されていて、本書ではその作業手順を詳しく説明していますので、この解説に従って候補問題を確実に完成できるようにしておけば、本番でも必ず完成することができます。

また、第一種の資格に挑戦される方の多くはすでに第二種の資格を持っておられるため、技能試験の課題に含まれる低圧部分の施工についてはすでに習得済みのはずですから、高圧回路から低圧回路への変圧回路や制御回路の技能を追加でマスターするだけで、ほぼ一種技能試験の内容をクリアすることができます。

技能試験の受験スケジュール

第一種電気工事士の試験は、筆記試験と技能試験の2度に分けて実施されます。2019年度の試験日程は下図のとおりです。10月初旬の筆記試験に合格した人が12月初旬の技能試験を受けられます。技能試験は試験地の都道府県によって、土曜または日曜に行われるので、最寄りの試験地の試験日に受験できない場合は、他の都道府県での受験を申請します。
なお、筆記試験に合格しながら、技能試験が不合格だったり、都合が悪くて技能試験が受けられなかった場合は、翌年の筆記試験が免除され、もう一度技能試験だけを受験することができます。

2 ストリッパは合格への必須工具です

試験には、電動工具以外ならどんな工具でも持ち込みできますが、試験会場の作業机の狭いスペースを考えても、許されるからといってあまり多くの工具を持ち込むのは考えものです。

これだけあれば作業できる「指定工具」

試験では、電工ナイフ、ペンチ、圧着ペンチ(握り部分が黄色く、JISC9711、1997、1990、1928適合品)、ドライバ(プラスとマイナス)、ウォータポンププライヤ、スケールの7つの工具が「指定工具」として定められていて、これだけあれば作品を完成できます。使い慣れた工具がいちばんですが、一式セットで販売されているものを用意すると便利です。

なお、第一種の作業では、高圧部で太いより線の被覆をはぎ取る作業が多いので、限られた時間内に確実に課題を仕上げるためには、次ページで紹介しているようならケーブルストリッパとより線用ワイヤーストリッパ、太い電線を切断できるケーブルカッタを準備しておくことをおすすめします。

図3 電工技能受験用には、ペンチは長さ175mm型、プラスドライバル21、マイナン刃幅5.5mmのものが最適です。また、第一種の作業には、基本工具のほかに、より線用ワイヤーストリッパと太い電線を切断するためのケーブルカッタがあると便利です。上の写真はコストパフォーマンスに優れた第一種技能受験用工具セット『TB-10KS-SK111(ツールボックスオリジナル、本書巻末の注文書で購入できます)。
(問い合わせ:(株)ツールボックスhttps://www.tool-box.co.jpTel.03-6250-924

合格のためにぜひ用意したい推奨工具

1ケーブルストリッパ
ケーブルの外装や絶縁被覆のはぎ取りをスピードアップさせるには、ケーブルストリッパがあると便利です。1.6mm3心と2mm3心ケーブルの外装被覆まではぎ取れるもので、とくに第一種では、2mmの絶縁被覆が3本一緒にはぎ取れるものがおすすめです。

2より線用ワイヤーストリッパー
一種の課題作りでは、太いより線の絶縁被覆をはぎ取る作業が多くなります。より線の絶縁被覆のはぎ取りには、専用のワイヤーストリッパがあると作業が格段にはかどります。心線断面積が2mm、3.5mm2、5.5mm2の3種類に対応しているものを選びます。

3大型ペンチかケーブルカッタ
太いケーブルや絶縁電線を切断するときには、各社の指定工具セットに付属している175mm型ペンチでは力が入らず一苦労です。大型のペンチかケーブルカッタがあると重宝します。

3 技能試験の準備と本番への心がまえ

受験対策

●基本作業を完璧にマスターしておくことが大切
技能試験は、あらかじめ候補問題が公表されています。受験対策としては、候補問題のどれが出題されてもよいように、事前に課題作りを繰り返し練習しておくことが必要であることは言うまでもありません。しかし、候補問題を見ればわかるように、第一種の技能試験は試験当日に問題を見てみないと施工内容がわからない部分が多いので、どのように施工条件を指示されても正しく対応できるように、基本作業をまんべんなくマスターしておく必要があります。

実際の試験は会場独特の緊張感があり、普段は何でもなかった作業が手間取ったり、あがってしまってうっかりミスをしてしまう人もたくさんいます。さらに、欠陥と判断される項目の多くは、基本作業のポイントをしっかり理解していないことが原因です。まずは、本書の第2章で基本をしっかり身に付けた上で、候補問題に取りかかりましょう。すでに第二種で低圧回路の施工法を習得している方も、高圧部の作業だけでなく、おさらいのつもりで低圧部の作業も一度目を通しておいてください。

●試験と同じ条件で、椅子に座って練習を
実際の試験では、各人が着席した机の上で作業をします。作業机はあまりスペースがないので、練習でも狭いスペースで手際よく作業を進める練習を心がけましょう。
工具は使う頻度を考えて配置しましょう。作業の8割は同じ工具を使います。

Memo 練習材料はどうやって入手すればよい?

本書の巻末ページには、候補問題の作業で使う材料を「本書で使用した材料一式」として掲載しています。自分で揃えられる人は、それを元に材料を集めて練習してください。なお、近くに材料店がない方は、本書巻末の注文書で特別価格でのご購入もいただけます。
ホームページからでも特別価格でご購入いただけます。
https://www.tool-box.co.jp((株)ツールボックス)

試験当日に持参する物

試験当日に慌てなくてよいように、前日には必ず持ち物をチェックして、準備を済ませておきましょう。

●受験票、筆記用具、工具類
受験票と筆記用具(鉛筆)、そして工具は必ず試験会場に持参しなければいけません。工具に関しては、34ページで詳しく解説していますので参照してください。なお、試験直前に工具を購入するのはおすすめできません。慣れない工具では手間取るばかりか、材料を傷つけるなど欠陥を引き起こすことにもなりかねません。練習で慣れた工具を使うのが最善です。
また、会場に時計があるとは限りません。必ず時計を持参しましょう。携帯電話は時計代わりには使えません。

●圧着ペンチの圧着マークを確認しておく
使い慣れた工具のなかで、リングスリーブ用圧着ペンチは、ダイスがすり減っていないかを早めに確認しておきましょう。万一圧着マークが確認できなかったり、JISC9711-1977、1990、1982などの適合品でなかったりすると、試験でリングスリーブに圧着マークが入らず、欠陥とみなされてしまいます。

Memo 事前に試験会場を下見しておくと安心です

それでなくても試験が始まれば緊張してしまうものです。落ち着いて試験に臨むために、あらかじめ試験会場を下見しておくとよいでしょう。試験日が決まったら、同じ曜日に下見をしておくと、交通の所要時間も計れて安心です。試験会場には時間の余裕をもたせて到着するようにします。

4 最新情報をホームページでチェック

2019年度の技能試験は、12月7日(土)または8日(日)に行」電気技術者試験センターで無料配付される「受験申込書・受験案内」を読んで確認してください。なお、詳細は同試験センターのホームページでも確認できます。
また、各試験日出題の内容は、筆者ホームページ「かずわん先生の電気工事士技能試験教室」でもお知らせする予定です。ぜひご覧ください。

(一財)電気技術者試験センターのホームページhttps://www.shiken.or.jp/
かずわん先生の電気工事士技能試験教室https://www.denkou-shiken.jp/

Memo (一財)電気技術者試験センター

ホームページhttps://www.shiken.or.jp/
〒104-8584東京都中央区八丁堀2-9-1RBM東八重洲ビル8階
TEL.03-3552-7691FAX.03-3552-7847E-mail.info@shiken.or.jp
問い合わせは平日の午前9時から午後5時15分まで。
ただし、候補問題に関する問い合わせは受け付けていません。

藤瀧和弘 (著)
ツールボックス (2019/5/18)、出典:出版社HP