建築設備士のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)
建築設備士試験 学科〔建築一般知識・建築法規〕〔第2版〕
まえがき
本書の読者ならすでにご存じのように、建築設備士は、建築設備全般に関する知識および技能を有し、建築士に対して建築設備の設計・工事監理に関する適切なアドバイスを行える資格で、今後、その進展にともない、ますます、その重要度が増してくるものと考えられます。
本書は、新しい切り口から編集された、「建築設備士第一次試験」(学科)のうち「建築一般知識、建築法規」に関する受験対策書です。
そもそも、市販されている「建築設備士」関する受験対策書や、それに類する書籍は少ないのですが、既刊書は過去の問題を中心とした問題集が中心で、それらも、かなり頁数がある白科事典タイプのものや、過去問題とその簡単な解説を中心としたものがほとんどです。
そこで、このような「建築設備士」の受験対策書に現状に鑑みて、本書では以下の特徴を有するものとして企画いたしました。
(1) 多忙を極める合格をめざす読者に対して、能率的に学習できるように、各章ごとに「学習のポイント」を各章末に示して、技術的な知識をできるだけ簡潔にまとめ、学習したことの復習のみならず、ポイント学習、試験直前の総まとめなど、読者自身がそれぞれに活用できるよう工夫した。
(2) それらの知識を確認すべく、各章ごとに正誤を問うスタイルの「例題」を配し、さらに、第一次試験(学科)の過去3年間の問題を解答とともに巻末に掲載し、各章に関連した即戦力、実践力に磨きをかけられるように工夫した。以上が、他の類書と大きく違う特徴といえます。ぜひ、合格をめざす読者が本書を十二分に活用して、反復的にかつ体系的に学習していただき、本試験の即戦力、実践力を養い、身につけ、1日も早く建築設備士試験に合格できることを祈念いたしております。
末筆ながら、本書の刊行にあたり、お世話になった社団法人電気設備学会の皆様はじめ、社団法人日本設備設計事務所協会、社団法人空気調和・衛生工学会主催の講習会におけるテキスト編募者各位、地人書館の上條宰代表取締役社長、永山幸男編集部長に感謝の意を表します。
第2版の出版にあたって
初版が出版されて数年たち、多くの読者の方々に支えられ、ご意見等も賜りました。また、最新の法令に準拠し、かつ建築設備士試験の新傾向の内容も加味し、さらには、この3年の過去問題(学科全間)を巻末に一挙掲載するなど工夫して、ここに第2版を出版することになりました。初版同様、ぜひ愛用いただければ幸いです。
2016年1月
田中毅弘、西井久人
目次
第1章 建築計画
1.1 共同住宅の計画
1.1.1 通路型式、アクセス方式による分類と特徴
1.1.2 住戸型式による分類と特徴
1.1.3 共同住宅の計画に関する重要用語、留意点
1.1.4 地域・都市計画
1.1.5 特徴ある共同住宅の事例
1.2 公共建築の計画
1.2.1 学校(小学校、中学校、高等学校)
1.2.2 幼稚園、保育所
1.2.3 図書館
1.2.4 美術館、博物館
1.2.5 医療施設
1.2.6 社会福祉施設
1.2.7 高齢者、身体障害者に配慮した計画
1.2.8 駐車場
1.3 商業建築の計画
1.3.1 事務所ビル
1.3.2 銀行
1.3.3 劇場、映画館
1.3.4 ホテル
1.3.5 店舗建築
学習のポイント
例題
第2章 建築防災
2.1 防災計画の基本的な考え方
2.2 建築計画と防災計画
2.2.1 敷地計画・配置計画
2.2.2 平面計画
2.2.3 内装計画
2.2.4 防災設備の計画
2.3 出火・初期拡大防止
2.3.1 出火防止対策
2.3.2 発見・通報などの設備
2.3.3 初期拡大防止の対策
2.4 延焼拡大防止
2.4.1 防火区画の計画
2.4.2 防火区画の設計
2.5 避難計画
2.5.1 避難計画の原則
2.5.2 避難施設の設計
2.5.3 避難計算
2.5.4 階・全館避難安全検証法による性能検証の概要
2.6 煙制御
2.6.1 煙制御・排煙システムの考え方
2.6.2 煙制御・排煙システムの計画
2.6.3 排煙設備などの設計
2.6.4 具体的な煙制御
2.7 消火・救助
2.7.1 消火・救助の考え方
2.7.2 消火・救助と建築計画
2.7.3 消火・救助活動に必要な設備
2.8 維持管理
2.8.1 維持管理体制
2.8.2 防災センター
学習のポイント
例題
第3章 環境計画
3.1 屋内外の環境
3.1.1 地球温暖化、ヒートアイランド現象
3.1.2 風と気圧
3.1.3 気温と湿度
3.2 日照、日射
3.2.1 太陽エネルギーと日照、日射
3.2.2 可照時間、日照時間、日照率
3.2.3 日射
3.2.4 日射調整(ブリーズ・ソレイユ)、日照調整
3.2.5 日影の形状と太陽位置図
3.2.6 日影曲線
3.2.7 隣棟間隔
3.2.8 日照、日射に関する留意点
3.3 採光、照明
3.3.1 光と視覚
3.3.2 光の単位と法則
3.3.3 採光
3.3.4 明視
3.3.5 人工光源
3.3.6 立体物の見え方
3.3.7 色温度、演色性
3.3.8 照度基準
3.3.9 照明設備による省エネルギー
3.4 温熱環境、室内環境物質
3.4.1 人体の熱平衡と代謝量
3.4.2 温熱要素、温熱指標
3.4.3 温熱環境の関連知識
3.4.4 空気汚染の原因
3.4.5 室内の空気環境における汚染物質
3.5 換気、通風
3.5.1 換気の種類
3.5.2 自然換気
3.5.3 換気量
3.5.4 空気清浄
3.5.5 換気・通風に関連した例題
3.5.6 換気・油風に関連する留意点
3.6 伝熱、結露
3.6.1 伝熱過程と熱の性質
3.6.2 熱貫流量(熱通過量)
3.6.3 熱伝導と熱伝導率
3.6.4 熱対流
3.6.5 熱放射
3.6.6 熱容量
3.6.7 伝熱に関連した例題
3.6.8 伝熱に関連する留意点
3.6.9 結露とその防止方法
3.7 音響、振動
3.7.1 音の物理的性質、音の属性
3.7.2 音の単位と評価
3.7.3 騒音
3.7.4 騒音防止
3.7.5 透過損失、遮音等級
3.7.6 床衝撃音の防止
3.7.7 音圧と残響
3.7.8 吸音
3.7.9 振動
3.7.10 音響・振動に関する留意点
3.8 水環境
3.8.1 地球上の水循環
3.8.2 水に関する物理的性質
3.8.3 水に関する化学的性質
3.8.4 水と健康、水質基準
3.9 建築・設備の評価システム
3.9.1 建築・設備の長寿命化技術とその評価
3.9.2 建築・設備の評価システム(CASBEE を中心として)
学習のポイント
例題
第4章 建築構造 2011年
4.1 構造力学
4.1.1 力のつりあい
4.1.2 反力
4.1.3 応力・ひずみ
4.1.4 断面の性質
4.1.5 応力
4.1.6 座屈
4.1.7 はりの変形
4.2 構造設計
4.2.1 構造計画
4.3 荷重・外力
4.4 地盤・基礎
4.5 鉄筋コンクリート造
4.5.1 性質・設計
4.5.2 配筋・定着・継手
4.5.3 各部材
4.6 鉄骨構造
4.6.1 各部構造
4.6.2 接合
4.6.3 部材の設計
4.6.4 その他——耐火被覆
4.7 木構造
4.7.1 木材の性質
4.7.2 各部の設計
学習のポイント
例題
第5章 建築材料
5.1 コンクリート
5.1.1 コンクリートの特徴
5.1.2 コンクリートの材料
5.1.3 コンクリートの調合
5.1.4 混和材
5.1.5 コンクリートの性質
5.2 鋼材
5.2.1 鉄の分類
5.2.2 鋼材の規格
5.2.3 鋼材の性質
5.2.4 特殊鋼の種類と性質
5.3 非鉄金属材料
5.3.1アルミニウム
5.3.3 その他の非鉄金属材料
5.3.4 金属の腐食と防食
5.4 木材
5.4.1 木材の組織
5.4.2 樹木の分類
5.4.3 木材の性質
5.4.4 木材加工品
5.5 ガラス
5.6 石材
5.7 防水材料
5.8 その他の材料
学習のポイント
例題
第6章 建築施工
6.1 施工計画
6.1.1 施工計画の目的
6.1.2 工程計画
6.2 施工管理
6.2.1 現場管理
6.2.2 品質管理
6.2.3 材料管理
6.3 仮設工事
6.4 土工事
6.5 基礎工事
6.6 鉄筋工事
6.6.1 鉄筋の加工、組立て
6.6.2 鉄筋の定着、継手
6.7型枠工事
6.8 コンクリート工事
6.8.1 コンクリートの調合
6.8.2 コンクリートの打込み
6.8.3 コンクリートの品質管理
6.9 鉄骨工事
6.9.1 鉄骨の施工順序
6.9.2 鉄骨の接合
6.10 防水工事
6.11 左官工事
6.12 石工事
6.13 タイル工事
6.14 塗装工事
6.15 内装工事
学習のポイント
例題
第7章 建築法規
7.1 はじめに(法の用語)
7.2 建築基準法
7.2.1 法の目的と体系
7.2.2 用語の定義
7.2.3 建築基準法の適用除外(法第3条)
7.2.4 面積・高さ等の算定方法
7.2.5 確認申請・建築手続
7.2.6 一般構造
7.2.7 構造強度
7.2.8 耐火・防火
7.2.9 内装制限
7.2.10 避難施設
7.2.11 防火地域、準防火地域
7.2.12 換気設備、建築設備
7.3 建築士法
7.3.1 総則
7.3.2 建築士の業務
7.3.3 免許および登録
7.4 消防法
7.4.1 法の目的
7.4.2 防火対象物、特定防火対象物、消防用設備等
7.5 電気事業法
7.5.1 電気事業法
7.5.2 電気事業法施行規則
7.6 電気設備に関する技術基準を定める省令
7.7 その他電気設備に関連した法令
7.8 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(通称、高齢者移動等円滑化促進法)
7.8.1 法の目的(法第1条)
7.8.2 用語の定義(法第2条)
7.8.3 基本方針(法第3条)
7.8.4 特別特定建築物の建築主等の基準適合義務(法第14条)
7.8.5 特定建築物の建築主等の努力義務等(法第16条)
7.8.6 特定建築物の計画の認定(法第17条)
7.8.7 報告及び立入検査 (法第 53 条)
7.9 建設業法
7.9.1 概要
7.9.2 建設業の許可等
7.9.3 請負契約の適正等
7.9.4 一括下請けの禁止(業法第22条)
7.9.5 工事に関する報告(業法第23条の2)
7.9.6 下請負人の保護
7.9.7 主任技術者、監理技術者等
7.10 建築物の耐震改修の促進に関する法律
7.10.1 用語の定義(法第2条)
7.10.2 都道府県耐震改修促進計画等(法第5条)
7.10.3 特定建築物の所有者の努力(法第6条)
7.11 その他の法令
7.11.1 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称、廃棄物処理法)
7.11.2 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(通称、資材再資源化法)
7.11.3 労働安全衛生法(昭和47年6月8日法律第57号)
7.11.4 エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年6月22日法律第49号)
7.11.5 建築物二十衛生的環境確保に関する法律(昭和45年4月14日法律第20号)
7.11.6 水道法(昭和32年6月15日法律第177号)
7.11.7 下水道法
7.11.8 水質汚濁防止法
7.11.9 净化槽法
7.11.10 駐車場法(昭和32年5月16日法律第106号)
学習のポイント
例題
過去問題
平成25年建築設備士試驗「第一次試驗(学科)」
建築一般知識
建築法規
建築設備
平成26年建築設備士試驗「第一次試驗(学科)」
建築一般知識
建築法規
建築設備
平成27年建築設備士試驗「第一次試驗(学科)」
建築一般知識
建築法規
建築設備
過去問題解答
参考文献
索引
執筆者の担当章
田中毅弘
第1章 建築計画
第3章 環境計画
第7章 建築法規
西井久人
第2章 建築防災
第4章 建築構造
第5章 建築材料
第6章 建築施工