スッキリわかる 建設業経理士1級 原価計算 第2版 (スッキリわかるシリーズ)




はしがき

大切なのは基本をしっかりと理解すること
建設業経理士1級は、財務諸表・財務分析・原価計算の3科目で実施されます。1級3科目の中で、比較的合格率の高いのが原価計算です。理論問題と計算問題が問われますが、基礎的な問題が多く問われますので、やるべきことをきちんとやっていれば、合格できる試験です。そこで、原価計算については、毎回問われるような基礎的な問題を落とさないように学習を進めていきましょう。

本書では、合格に必要な知識を基礎からしっかりと身につけることを目標とし、合格に必要なポイントを丁寧に説明しています。

特徴1 読みやすく、場面をイメージしやすいテキストにこだわりました
1級原価計算の試験範囲は非常に広いため、効率的に学習する必要があります。そこで、1級初学者の方が内容をきちんと理解し、最後までスラスラ読めるよう、やさしい、一般的なことばを用いて、専門用語等の解説をしています。

さらに、取引の場面を具体的にイメージできるように、2級でおなじみのゴエモン(キャラクター)を登場させ、みなさんがゴエモンと一緒に事例ごとに原価計算を学んでいくというスタイルにしています。

特徴2 準拠問題集を完備
テキストを読んだだけでは知識を身につけることはできません。テキストを読んだあと、問題を解くことによって、知識が定着するのです。

そこで、テキストのあとに必ず問題を解いていただけるよう、本書に完全準拠した「スッキリとける問題集 建設業経理士1級原価計算」を準備しました。

2級以上の合格者は公共工事の入札に関わる経営事項審査の評価対象となっています。本書を活用することで読者のみなさんがいちはやく建設業経理検定に合格され、日本の建設業界を担う人材として活躍されることを願っています。

2016年5月

・第2版刊行にあたって
以下の論点につき、論点の追加をしています。
・常備材料と引当材料
・一般管理業務と現場管理業務を兼務する役員の報酬

TAC出版開発グループ (著)
出版社: TAC出版; 第2版 (2016/6/10)、出典:出版社HP

建設業経理士1級の学習方法と合格まで

1. テキスト『スッキリわかる』を読む
まずは、テキスト(本書)を読みます。

テキストは自宅でも電車内でも、どこでも手軽に読んでいただけるよう。作成していますが、机に向かって学習する際には、鉛筆と紙を用意し、例や新しい用語がでてきたら、実際に紙に書いてみましょう。

また、本書はみなさんが考えながら読み進めることができるように構成していますので、ぜひ答えを考えながら読んでみてください。

2. テキストを読んだら問題を解く!
簿記は問題を解くことによって、知識が定着します。本書のテキスト内には、姉妹本『スッキリとける問題集 建設業経理士1級 原価計算』内で対応する問題番号を付していますので、それにしたがって、問題を解きましょう。

また、まちがえた問題には付箋などを貼っておき、あとでもう一度、解きなおすようにしてください。

3. もう一度、すべての問題を解く!
上記1、2を繰り返し、本書の内容理解に自信がもてたら、本書を見ないで『スッキリとける問題集』の問題をもう一度最初から全部解いてみましょう。

4. そして過去問題を解く!
『スッキリとける問題集』には、本試験レベルの問題も収載していま本試験の出題形式に慣れ、時間内に効率的に合格点をとるために同書の別冊内にある3回分の過去問題を解くことをおすすめします。

なお、別売の過去問題集*には10回分の過去問題を収載しています。

* TAC出版刊行の過去問題集
・「合格するための過去問題集 建設業経理士1級原価計算」

建設業経理士1級はどんな試験?
1. 試験概要

主催団体 一般財団法人建設業振興基金
受験資格 特に制限なし
試験日 毎年度  9月・3月
試驗時間 財務諸表 9:30~11:00 財務分析 12:00~13:30
原価計算 14:40~16:10
申込手続き インターネット・郵送
申込期間 おおむね試験日の3ヵ月前より1カ月間
※主催団体の発表をご確認ください。
受験料
(8%税込)
1科目:7,410円
2科目同日受験:10,600円
3科目同日受験:13,680円
※別途申込書代金、もしくは決済手数料として310円が必要となります。
問合せ 一般財団法人建設業振興基金 建設業経理検定試験センター
URL: https://www.keiri-kentei.jp/

2. 配点(原価計算)
過去5回はおおむね次のような配点で出題されており、合格基準は100点満点中70点以上となります。

第1問 第2問 第3問 第4問 第5問 合計
20点 10点 14点 16点 40点 100点

3. 受験データ(原価計算)

回数 第15回 第16回 第17回 第18回 第19回
受験者数 1,589人 1,504人 1,690人 1,682人 1,828人
合格者数 469人 413人 364人 232人 349人
合格率 29.5% 27.5% 21.5% 13.8% 19.1%

財務諸表、財務分析、原価計算の3科目すべてに合格すると、1級資格者となります。科目合格の有効期限は5年間です。

TAC出版開発グループ (著)
出版社: TAC出版; 第2版 (2016/6/10)、出典:出版社HP

CONTENTS

はしがき
建設業経理士1級の学習方法と合格まで
建設業経理士1級はどんな試験?

第1章 原価計算の基礎

CASE1 原価計算で学習すること
CASE2 原価計算の目的
CASE3 原価計算の種類
CASE4 原価とは?
CASE5 原価の具体的な分類

第2章 建設業の特質と建設業原価計算

CASE6 建設業の特質と建設業原価計算

第3章 工事原価の費目別計算

CASE7 材料費の分類
CASE8 材料を購入したときの処理
CASE9 材料副費の予定配賦
CASE10 予定価格による材料の購入原価の計算
CASE11 材料消費額の計算
CASE12 予定価格による材料消費額の計算①
CASE13 予定価格による材料消費額の計算②
CASE14 仮設材料の処理
CASE15 労務費の分類
CASE16 賃金や給料を支払ったときの処理
CASE17賃金や給料の消費額の計算
CASE18 直接作業員の賃金消費額の計算
CASE19 直接作業員の予定賃率による賃金消費額の計算① 賃金を消費したときの処理
CASE20 直接作業員の予定賃率による賃金消費額の計算② 月末の処理
CASE21 間接作業員賃金消費額とその他の人件費の計算
CASE22 外注費の処理
CASE23 経費の分類
CASE24 間接経費の計算

第4章 工事間接費(現場共通費)の配賦

CASE25 工事間接費(現場共通費)の配賦
CASE26 工事間接費の予定配賦・正常配賦(全体像)
CASE27 工事間接費の差異の把握
CASE28 予定配賦率の算定
CASE29 予算差異と操業度差異
CASE30 活動基準原価計算

第5章 工事原価の部門別計算

CASE31 工事間接費を正確に配賦するには?
CASE32 部門個別費と部門共通費の集計(第1次集計)
CASE33 補助部門費の施工部門への配賦① (第2次集計) 直接配賦法
CASE34 補助部門費の施工部門への配賦② (第2次集計) 相互配賦法(簡便法)
CASE35 補助部門費の施工部門への配賦③ (第2次集計) 純粋の相互配賦法(連立方程式法)
CASE36 補助部門費の施工部門への配賦④ (第2次集計) 階梯式配賦法
CASE37 単一基準配賦法
CASE38 複数基準配賦法
CASE39 施工部門費の各工事台帳への配賦(第3次集計)
CASE40 施工部門費の予定配賦① (第3次集計) 部門別予定配賦率の決定と予定配賦
CASE41 施工部門費の予定配賦② (第3次集計) 月末の処理

第6章 機材等使用率の決定

CASE42 機材等使用率とは?
CASE43 社内センター制度による使用率の決定
CASE44 社内損料計算制度
CASE45 仮設材料の損料計算
CASE46 建設機械の損料計算

第7章 工事別原価の計算

CASE47 工事別原価の計算

第8章 工事契約会計における原価計算

CASE48 工事契約に関する会計基準
CASE49 工事契約に係る認識基準
CASE50 適正な原価計算の基本
CASE51 工事契約会計の原価計算方法
CASE52 営業費と財務費用

第9章 建設業と総合原価計算

CASE53 総合原価計算とは?
CASE54 単純総合原価計算(平均法)
CASE55 単純総合原価計算(先入先出法)
CASE56 工程別総合原価計算(累加法)
CASE57 工程別総合原価計算(非累加法① 累加法と計算結果が一致する方法)
CASE58 工程別総合原価計算(非累加法② 通常の非累加法)
CASE59 組別総合原価計算
CASE60 単純総合原価計算に近い等級別総合原価計算
CASE61 組別総合原価計算に近い等級別総合原価計算
CASE62 物量基準と市価基準
CASE63 副産物の処理

第10章 事前原価計算と予算管理

CASE64 事前原価計算とは?
CASE65 期間予算の編成と管理
CASE66 工事実行予算の編成と管理

第11章 原価管理としての標準原価計算

CASE67 建設業における標準原価計算
CASE68 標準原価計算の目的と種類
CASE69 建設業における原価差異の分析
CASE70 原価差異の分析①直接材料費差異の分析
CASE71 原価差異の分析②直接労務費差異の分析
CASE72 原価差異の分析③工事間接費差異の分析
CASE73 原価差異の財務会計的処理

第12章 原価管理の展開

CASE74 原価企画
CASE75 品質原価計算
CASE76 ライフサイクル・コスティング

第13章 経営意思決定の特殊原価分析

CASE77 経営意思決定とは?
CASE78 経営意思決定における原価
CASE79 差額原価収益分析とは?
CASE80 新規注文引受可否の意思決定
CASE81 内製か購入かの意思決定
CASE82 設備投資の意思決定とは?
CASE83 貨幣の時間価値
CASE84 設備投資の意思決定の評価モデル~時間価値を考慮する方法
CASE85 設備投資の意思決定の評価モデル~時間価値を考慮しない方法
CASE86 タックス・シールドとは?
CASE87 タックス・シールドを考慮したキャッシュ・フロー計算

さくいん

TAC出版開発グループ (著)
出版社: TAC出版; 第2版 (2016/6/10)、出典:出版社HP