管理業務主任者 一問一答セレクト1000 2019年度
はじめに
管理業務主任者試験は,ここ数年難易度が上昇傾向にあり,十分な受験対策をしていないと合格することが難しい試験となっています。この試験に合格するために必要不可欠となるのが、過去に出題された本試験の問題(過去問)の内容を十分検討し、きちんと理解しておくことです。
本書は,当試験の創設以降18年分のすべての過去問から直近の出題傾向に基づいて重要問題を厳選し,簡潔でわかりやすい解説を加え,一問一答形式に編集した問題集です。本書を繰り返し利用されることで,合格に必要な知識を,短期間で効率良くマスターしていただくことができます。
本書を手にされた皆さんが,合格の栄冠を勝ち取られ,管理業務主任者としてご活躍されることを願ってやみません。
2019年3月
TAC管理業務主任者講座
本書の執筆は、2019年3月現在施行の法令等に基づいています。法改正等については、『法律改正点レジュメ」をWeb登録で無料でご提供いたします。
【登録方法】お手元に本書をご用意の上,インターネットの「情報会員登録ページ」からご登録ください(要・パスワード)。
【登録用パスワード】本書の裏表紙の一番下・右側に記載の13桁の数字
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本書の効果的な利用法
1問ごとに4段階で「重要度」を表示しています。
重要度S★★★ 今年の出題が予想される最重要事項です!
重要度A 過去に3回以上の出題実績がある頻出事項,もしくは2回の出題でも絶対押さえておくべき基本事項です。
重要度B 過去2回の出題がある,もしくは1回の出題でもきちんと押さえておくべき事項です。
重要度C 過去1回のみの出題ですが、今後も出題される可能性のある事項です。
間違ったら必ず「レ」印をつけておきましょう。弱点のチェックと試験直前の補強に役立ちます。
過去18年分(H13~30年度)の全出題から頻出かつ重要な1000肢を厳選,インプット学習に便利な○×形式で収録しました。この1冊で合格のための基礎知識は,ばっちりカバーできます。
その章で着目すべき論点を簡潔にまとめています。問題にチャレンジする前に一読すると理解がスムーズです。
「出題年度」を表示しています。
付属のシートで正解を隠してチャレンジしましょう。
設問に関連する知識をまとめています。
設問と対比させて覚えておきたい重要ポイントです。
ポイントをしっかりまとめた簡潔な解説です。特に重要なキーワードや暗記すべき数字は赤ゴシックで表記しています。赤シートをかぶせれば,そのまま「穴埋め問題」として利用できます。
学習の進捗と達成度を記録しておきましょう。
目次
はじめに
本書の効果的な利用法
管理業務主任者試験 受験ガイダンス
第1編 民法・区分所有法等
第1章 民法
1 制限行為能力者等
2 意思表示等
3 代理
4 時効
5 共有等
6 抵当権・先取特権等
7 債務不履行
8 多数当事者の債権債務関係等
9 債権譲渡・債権の消滅
10 契約等
11 売買契約
12 その他の契約
13 不法行為等
14 相続
第2章 借地借家法
第3章 区分所有法・建替え等円滑化法・被災区分所有法
1 総則
2 共用部分等
3 敷地利用権
4 管理者
5 管理組合法人
6 規約および集会
7 義務違反者に対する措置
8 復旧・建替え
9 団地
10罰則
11 建替え等円滑化法・被災区分所有法
第2編 マンション標準管理規約・管理事務に関する諸法令
第4章 マンション標準管理規約
1 総則・専有部分の範囲
2 用法
3 管理
4 管理組合
5 会計
6 雑則
7 団地型
第5章 不動産登記法
第6章 宅地建物取引業法
第7章 住宅品質確保法
第8章 アフターサービス
第9章 消費者契約法
第10章 個人情報保護法
第3編 マンション管理適正化法・マンション標準管理委託契約書等
第11章 マンション管理適正化法
1 総則
2 管理業務主任者
3 マンション管理業者
4 マンション管理適正化指針
第12章 マンション標準管理委託契約書
第13章 管理組合の会計等
1 管理組合会計の特徴
2 滞納管理費等の処理
3 管理組合の税務
第4編 建物および設備の維持保全・関連諸法
第14章 建築基準法等
1 建築基準法
2 耐震改修法
3 省エネルギー法
4 バリアフリー法
5 警備業法・自動車保管法等
第15章 設備・構造
1 エレベーター設備
2 消防法・消防用設備等
3 水道法・給水設備
4 排水設備・浄化槽法
5 その他の設備
6 建築構造の分類等
7 建築各部の構成
8 建築材料
9 コンクリート
第16章 維持・保全
1 大規模修繕・長期修繕計画
2 劣化症状・診断等
3 防水・断熱・その他改修等
管理業務主任者試験 受験ガイダンス
受験ガイダンス
管理業務主任者は,マンション等の管理の前提となる管理受託契約にかかる重要事項の説明から,受託した管理業務の処理状況のチェックやその報告まで,マンション管理のマネジメントを 担っており,事務所ごとに,30組合につき1名の設置が義務付けられています。
管理業務主任者となるには,管理業務主任者試験にし,管理業務主任者証の付を受ける必要があります。
■管理業務主任者試験の内容
試験内容(分野) | 本書の該当章 |
1 管理事務の委託契約に関すること (民法,マンション標準管理委託契約書 等) |
第1章・第2章・第12章 |
2 管理組合の会計の収入および支出の調定 ならびに出納に関すること (簿記,財務諸表論 等) |
第13章 |
3 建物および附属設備の維持または修繕に 関する企画または実施の調整に関すること (建築物の構造・設備・維持保全に関する知識 等および建築基準法,水道法等関係法令等) |
第14章〜第16章 |
4マンションの管理の適正化の推進に関す る法律に関すること (マンション管理適正化法,マンション管理適正化指針等) |
第11章 |
5 上記1~4のほか、管理事務の実施に関 すること (区分所有法、マンション標準管理規約等) |
第3章〜第10章 |
管理業務主任者試験 受験ガイダンス
■試験実施時期 12月2日(日)(平成30年度)
■受験料 8,900円(平成30年度)
■試験機関 一般社団法人 マンション管理業協会
[TEL] 03-3500-2720 [HP] http://www.kanrikyo.or.jp
■ここ数年の受験傾向 受験者数はほぼ1万7,000~2万人,合格点は平成25年度(32点)を除いて34~37点,合格率は20%程度で,それぞれ推移しています。
[学習のポイント] 本試験の出題内容は、マンション管理全般にわたるため広範囲ですが,あるメリハリをつけて学習することが試験対策として効率的です。具体的には,前出「管理業務主任者試験の内容」の表のうち,本書の第1章~第13章に該当する1000をまず重点的に学習して,しっかり得点を確保できるように準備しましょう。そして,本書の第14章~第16章に該当する3の分野は,毎年,事前準備が不可能なほどの難問が出題されたりもするため,「基本事項や過去問レベルの問題は落とさない」程度の習熟レベルを目指すことが,ムリなくムダなく,なるべく短期間で合格するためのコツといえるでしょう。
[各章の学習方法] 第1章 民法例年10問程度の出題です。民法の基本的な理解がないと区分所有法等他の法律のマスターも困難ですので,ある程度時間をかけて学習して“核”となる内容をしっかり理解することが肝要です。
第2章 借地借家法
例年1問程度の出題です。借地権については,試験の性質上出題はほとんどなく,借家権に関するものが中心です。民法の賃貸借との比較学習が大切です。
第3章 区分所有法・建替え等円滑化法、被災区分所有法
例年10問程度は出題され,また,区分所有法は民法や標準管理規約と絡めた「複合形式」での出題も多くみられる。マンション管理に関する最も基本的な法律です。難問は少ないものの細かい規定についても出題される可能性が高いため,基本事項は繰り返し学習しておかなければなりません。
建替え等円滑化法は,平成15~17,19,24,29年に各1問出題されており,狙われるポイントはマンションの建替えの主体である「建替組合」に集中していますが,近年の法改正により新設された「マンション敷地売却決議」も注意しておきましょう。
そして被災区分所有法は,平成19年に1肢出題されたのみですが,区分所有法の「建替え決議」と比較しながら,基本事項は押さえておきましょう。
第4章 マンション標準管理規約
区分所有法や民法との「複合問題」を含めて,例年8問前後出題されています。標準管理規約は,区分所有法と比較する視点をもって学習することが大切で,区分所有法の内容を変更する規定と,標準管理規約特有の規定に注意しましょう。なお,条文だけではなく,「関係コメント」にもひととおり目を通しておきましょう。
第5章 不動産登記法
平成15年に1肢,18,21,23,28,30年に各1問出題されています。専門的で奥が深いので,受験対策としては、あまり時間をかけずに,過去問で頻出の「登記の仕組みと手続」と「区分所有建物の登記」を押さえておけば十分でしょう。
第6章 写地建物取引業法
例年2問程度の出題です。その重要性から,近年出題範囲が広がりつつある科目ですが,手を広げすぎずに過去に問われた内容をきちんと押さえておきましょう。
第7章 住宅品質確保法
平成13,14,16,18,19,22,28.29年に各1問、平成15年には2問出題されています。「住宅性能表示制度」「紛争処理」「瑕疵担保責任の特例」の”3本柱”がありますが,民法の修正規定である「瑕疵担保責任の特例」からの出題が多いことが特徴です。
第8章 アフターサービス
例年1問程度の出題です。民法や宅建業法,品確法との複合問題として多く出題されます。
第9章 消費者契約法
平成17,18,23,26,28,30年に各1問出題されました。「消費者契約の定義(消費者契約法の適用範囲)」と「消費者契約の免責条項の無効」に関する基本事項を押さえ,あまり学習に時間をかけないようにしましょう。
第10章 個人情報保護法
平成17,20,22,25,27,30年に各1回出題されました。「用語の定義」と「個人情報取扱事業者の義務」に関する基本事項が出題の中心ですので,そこに学習を絞りましょう。
第11章 マンション管理適正化法
例年5問出題されます。適正化法から4問,適正化指針から1問というのが基本的な出題パターンです。網羅的な学習が必要ですが,難易度はそれほど高くはないので,ぜひとも満点を狙いたい科目です。
第12章 マンション標準管理委託契約書
例年3~4問の出題です。試験では,条文だけではなく,管理委託契約の具体的内容を定めた「別表」や「関係コメント」についても細かく問われています。本書を解きながら内容をひととおり確認し,次にテキストの読み込みもしてほしいところです。
第13章 管理組合の会計等
「会計の仕訳」に関する出題が2問,「標準管理規約・委託契約書・適正化法等の会計関連の規定」が1問,「税務」が1問,「管理費等の滞納処理に関する民事訴訟法等の知識」が1問程度,それぞれ出題されるのが,ここ数年のパターンです。仕訳で難問が出題される可能性もありますが,まずは本書にあるような過去問の範囲をきっちり押さえましょう。
なお,「会計の仕訳」の問題は,一問一答という形式上,掲載しておりません。
第14章 建築基準法等
例年3問程度の出題ですが,建築関連の法律(耐震改修法,バリアフリー法)から2問程度出題されることもあります。技術的かつ詳細な知識が問われることもありますので,頻出の過去問に関連する知識には,ひととおり目を通しておきましょう。
第15章 設備・構造
例年5問程度の出題です。細かい知識に関する出題が多いものの,基本事項や過去問に酷似した出題もよく見るため,頻出である「エレベーター設備」「給排水設備」「消防用設備等」については、必ず押さえておきましょう。
第16章 維持・保全
例年3問程度の出題です。マンションの劣化症状やその診断・改修方法,長期修繕計画に関する事項等です。技術的な知識が必要ですが過去問の範囲とその周辺の知識を確実に押さえることに徹し、ムリをしないようにしましょう。