ビジネス心理検定試験公式テキスト <2>マネジメント心理編




『ビジネス心理検定試験公式テキスト(全3巻)』の刊行にあたって

■“心理学のMBA”にふさわしい認定資格をめざして
本シリーズ全3巻は,日本ビジネス心理学会が認定する「ビジネス心理マスター」資格の公式テキストとして,企画編集されたものですが,同時に,現代のビジネス現場に求められる,人材を育てビジネスの現場をカイゼンするための「ビジネス心理」の本格的な専門書として執筆されたものです。

ビジネス心理は,たんに従来の“心理学”をビジネスに応用したものではありません。ビジネス心理で扱う領域を,大きくマネジメント領域(経営と人事)とマーケティング領域(営業と広告)の2つに分け,そこで求められる能力や解決策を「心の科学」として理解できるようにしたものです。脳科学,社会学,言語学,認知科学,行動経済学など「心の科学」全般を実務に応用できるようにすることを重視しているためです。

そこで本シリーズは,「ビジネス心理マスター」の認定資格を受けるための共通教養としての第1巻,マネジメント領域の第2巻,マーケティング領域の第3巻という構成になっています。

各章の内容は,専門性の高いものからビジネスノウハウとして,すぐに活用できる実践的なものまで多様ですが,その内容を無理に統一的なひとつの理論で固定化するようなことはしていません。それぞれの理論的な背景が異なることを前提としながら,その内容がビジネスの現場で役に立つことを期待しているからです。

心理カウンセラーや産業カウンセラー,キャリアコンサルタントなど,心理系の資格は多様化していますが,総合的な科学として人の心と行動を捉えようとする視点に基づいて,ビジネスの課題に正面から応える心理系資格は他に類例がなく,その意味で「ビジネス心理マスター」は日本初の「心理学のMBA」ともいえるでしょう。

■各巻の内容紹介
第1巻は,初級コースのテキストとして,基本的な心の科学の考え方や基礎概念の理解を促すため,発達,学習,動機,能力,対人コミュニケーション心理などを解説しています。

第2巻は,中・上級コースのテキストとして,マネジメント系の心理とし組織心理,リスク管理,人材開発,交渉・リーダーシップ,ストレスマネジメントなどを中心に解説しています。

ここでは,よりビジネス実践に即したものとなり,カウンセリング的な「治療のための心理学」とは異なり,本来のビジネス心理に求められる内容となっています。昇進・昇格をめざすマネージャーや,中小企業診断士の資格に関心がある方にも学ぶ価値があるものといえます。

そして,第3巻は,中・上級コースのテキストとして,マーケティング系の心理を対象とし営業の仕方から顧客満足・購買心理,広告心理などを解説しています。とくに最後の章では,実験事例をまとめて解説し,心理分析の仕方も紹介しています。

第2巻では,社員の心理をテーマにしていますが,第3巻では,顧客の心理が中心になります。一般に,「顧客満足度」などはかなり誤解されていますが,その調査や分析の仕方も含めてビジネスの場面での実践的な応用について紹介しています。

各巻の各章ともに,章末に事例や演習問題を設けて,試験をイメージしやすいようにしています。事例は,対話式に状況を設定してその中でどんな心理課題があるかを示しています。また,演習問題は,試験で出題されるような形式に統一していますので,この問題のスタイルを練習することが試験対策の眼目となります。

このような演習問題は,日本ビジネス心理学会のWEBサイト(www.bpa-j.org)にも随時,追加で掲載されるので参考にするとよいでしょう。

■新しい認定試験を目指して
資格試験の勉強というと,専門用語を覚えることが中心になり,テキストの内容を理解するよりも暗記型の学習になりがちです。しかし,ビジネス心理の中核である「心の科学」は,固定的なメソッドや理論ではなく他分野からも学ぶ姿勢を重視しています。

そのために,ビジネス心理検定試験では,多様な専門家の講座を用意して,その受講者に「ポイント」を付与し,それを試験の得点に追加できるようにしているのです。

ただし,意見や価値の多様性を認めるとしても,実証性も追求していくことが重要です。根拠がない理論ではなく,現場や実験でのエビデンスを重視する姿勢です。これは“心”が視えないものであるため難しい面もありますが,認知科学や行動経済学をはじめとする新しい科学が日々追求してきていることです。

このような特徴を持つ「ビジネス心理マスター」の資格は,当然ながら認定する側の能力も問われるものといえます。

そこで,2010年に「日本ビジネス心理学会」(会長:齊藤勇・立正大学心理学部長)を創設し,実務者と大学研究者らの産学協働による支援体制を設置し,会員制で「継続した学び」をできるようにしました。

「ビジネス心理マスター」の資格で得られる知見を,ビジネスの専門職に活かしたい方,企業のマネージャー職で昇進を目指す方,また就職活動のために専門性を持ちたい方など多くの方に,積極的にチャレンジいただければ幸いです。

2013年7月
日本ビジネス心理学会編集委員会

山口 生史 (監修), 匠 英一 (監修), 日本ビジネス心理学会 (編集)
出版社: 中央経済社 (2013/8/7)、出典:出版社HP

はしがき

本書(第2巻)は,「ビジネス心理マスター」の中級コースの認定資格のテキストとして編集されたものであり,「マネジメント心理」分野を「経営心理部門」と「人事心理部門」という2つの分野に分けて理論と事例を解説しています。

組織を構成するのは人です。そのために,組織構造や制度などのマクロ的視点のマネジメントだけでなく,人の心理的側面に焦点を当てるミクロ的視点からの人材マネジメントが求められています。すぐれた組織マネジメントは,働く人々の心理的ダイナミクスを十分理解して策定されるものだからです。

現代の多様なビジネスパーソンの心理状態に対応できるコンピテンシー(能力)が,組織のリーダーには必須です。それだけでなく,多様なメンバーの相互作用を通して組織は発展していくのですから,その心理がダイナミックに変化することも理解する必要があります。

そういった活動のプロセスで生じるコンフリクト(対立)や新たな視点をうまくマネジメントできれば,学習のシナジー効果が生まれます。現代では,従業員の自律性の尊重・権限移譲,協働を促すチームマネジメント,ビジネスのグローバル展開,異文化も含めた多様性マネジメントなどが必須の課題といえるでしょう。

本書では,そうした課題に応えるように,人材育成のあり方や経営管理に係る能力・スキルを網羅しています。また,最新の「組織心理学」や「ポジティブ心理学」の内容を重視し,他の心理系の資格との違いを明確にしています。

組織を活性化させ,カイゼンする風土・文化創り,チームワークやミッションを意識した目標管理など,「経営心理」と「人事心理」の専門家をめざしたい方,または実務のマネージャーとして昇進等で悩む方にも最適な内容です。

本書は企画から刊行に至るまで3年を要しましたが,執筆者各位,ならびに中央経済社のご担当の方々,またご助言・ご協力いただきました関係各位に心より感謝申し上げます。

2013年7月
監修者 山口生史
匠英一

山口 生史 (監修), 匠 英一 (監修), 日本ビジネス心理学会 (編集)
出版社: 中央経済社 (2013/8/7)、出典:出版社HP

ビジネス心理マスターの資格を取得するためには

ビジネス心理の学び方と認定資格を取得するためのポイントを解説しておきます。

【目的】心理学の“MBA”をめざそう!

「ビジネス心理」は,従来の心理学をビジネスに応用したものではありません。
総合的な「心の科学」として,社会学や認知科学など学際的な知見を取り入れています。

心理カウンセリングは主に“個人”への“治療”が基本であり,コーチングは主に“個人”の特定スキル向上を指導するものです。

それに比べて「ビジネス心理」は,個人だけでなくチームや組織,顧客も対象となるものです。そこでは,経営,リーダーシップ,営業,広告,顧客満足や消費者行動といったビジネス上の心理が問われることになるからです。

また,資格名称はすべて「ビジネス心理マスター」としています。ただし,専門分野として「ビジネス心理」をマネジメント分野の「経営心理部門」「人事心理部門」と,マーケティング分野の「営業心理部門」「広告心理部門」に区分しています。

たとえるならば,「MBA」が経営学のビジネス資格であるように,心理学のビジネス資格に相当するものといえます。

もちろん,一般にMBAは大学院でなくては取得できません。そのため,産学共同の学会として「日本ビジネス心理学会」(会長:齊藤勇/立正大学心理学部長)が2010年に創設され,資格認定の事業を行っています。そのテキストとして本シリーズ全3巻が刊行されることになったのです。

【内容】9種類のコース

ビジネス心理マスターの資格には,初級・中級・上級の3段階の計9種のコースがあります。基礎となる初級から,段階的に中級,上級へとステップアップする昇格型の資格です。

(1)初級コース  ⇒ 名称・ビジネス心理初級マスター

(2)中級コースA ⇒ 名称・ビジネス心理マスター(経営心理部門)
(3)中級コースB ⇒ 名称・ビジネス心理マスター(人事心理部門)
(4)中級コースC ⇒ 名称・ビジネス心理マスター(営業心理部門)
(5)中級コースD ⇒ 名称・ビジネス心理マスター(広告心理部門)

(6)上級コースA ⇒ 名称・ビジネス心理上級マスター(経営心理部門)
(7)上級コースB ⇒ 名称・ビジネス心理上級マスター(人事心理部門)
(8)上級コースC ⇒ 名称・ビジネス心理上級マスター(営業心理部門)
(9)上級コースD ⇒ 名称・ビジネス心理上級マスター(広告心理部門)

(注1)初級コースは本書の第1巻,中・上級コースのA・B(経営心理部門と人事心理部門)は第2巻,中・上級コースのC・D(営業心理部門と広告心理部門)は第3巻の内容と対応しています。
受験者は第1巻が初級取得に必須であり,中・上級では第2巻または第3巻を選ぶ形で必須となります。

(注2)中級コースと上級コースの資格名称については,肩書の後に(○○心理部門)のように部門領域名称を入れる形で4分類しています。

(注3)初級コースの受験条件は,20歳以上の成人とします。
中級コースの受験条件は,初級の合格者とします。
上級コースの受験条件は,中級の合格者で,2年以上の実務経験を必要とします。

【試験】資格認定の試験の特徴と開催日程

試験方式は3タイプあり,初級⇒中級⇒上級というように,飛び級のできない積上げ方式としています。
出題内容は各テキストの内容に合わせています。ペーパー試験の問題形式は「4択式問題」や「穴埋め問題」の方式で,とくにテキストにある「演習問題」の形式に準じるものにしています(例題等は別途日本ビジネス心理学会のWEBサイトで紹介)。

(1)初級コース ⇒ ペーパー試験+(選択)認定講座の“受講ポイント”
(2)中級コース ⇒ ペーパー試験+(選択)認定講座の“受講ポイント”
(3)上級コース ⇒ ペーパー試験+(必修)認定講座の“受講ポイント”+(必修)“メンター制”

(注1)“受講ポイント”は,日本ビジネス心理学会の「認定講座」を受けた場合に付与されるポイントのことです。受講ポイントは試験の点数に加算されますので,試験に有利になりますが,受講は義務ではありません(ただし,上級コースは必修です)。

(注2)“メンター制”とは,日本ビジネス心理学会の専用WEBサイトで,メールやブログ機能を使って,初心者のよくある質問に回答したり,試験の資料作成(WEBサイトにアップします)をサポートする活動です。学会が指定する一定期間(1年以内に6ヵ月程度)活動してもらいます。作業時間は,1ヵ月に4時間程です。
初心者への助言をすることで学びを強化していく狙いがあります。

(注3)2013年12月に初級コース(1回目)を実施し,2014年春には初級(2回目)と中級を実施します。以降,初級,中級,上級の各コースを,順次実施していく予定です。
また,試験会場は,開始当初は東京と大阪の2ヵ所を予定しています。
なお,試験に関する詳細は,日本ビジネス心理学会のWEBサイトをご参照下さい。

【準備】

「日本ビジネス心理学会」では,WEBサイト上(www.bpa-j.org)で会員制の学びの場を設置しています。より継続した学習ができるように,最新のネットラーニングの仕組みで動画・教材資料などが視聴できます。

法人会員と個人会員で区分がありますが,法人でまとめて複数受講することも可能で,費用も安くなり,受験でも有利なポイントを取得することができます。

資格取得のために学ぶ場合は,まず公式テキストである第1巻と,自分の専門としたい領域の第2巻(マネジメント心理編),または第3巻(マーケティング心理編)を購入してください。資格試験では,各コースに応じてテキストの内容から主に出題されるからです。

出題の形式なども,各テキストの章末にある問題形式(四択式など)に準じます。そのため,自分の専門分野に応じてテキストをよく学習しましょう。

章によってレベルや内容は多岐にわたりますが,書かれたコトバそのものを覚えるというよりも考え方や,視点の置き方などを理解することが重要です。

日本ビジネス心理学会のWEBサイト上で,その他の「指定参考書」も紹介しているので,より深く理解するためにそれらも参考にしてください。

試験の合格率の目安としては,初級=80%,中級=60%,上級=50%です。まずはチャレンジすることが大切です。「ビジネス心理初級マスター」を取得してみましょう!

山口 生史 (監修), 匠 英一 (監修), 日本ビジネス心理学会 (編集)
出版社: 中央経済社 (2013/8/7)、出典:出版社HP

第2巻各章の心理分野と難易度

本書(第2巻)各章の「心理分野」と「難易度」は下表のとおりです。
難易度を知っておくと学習を効率よく進めることができます。最も難易度が高いのが5つ星ですが,それらの章は,あまり細かい内容に捉われず,全体を理解するようにしておきましょう。

ただし,上級コースの検定試験では,5つ星レベルの出題率が高くなります。中級コースの試験では,3つ星レベルのところが主な出題範囲となりますので,難しいからと時間をかけるよりも考え方などを重点的に学ぶようにしておけばよいでしょう。

逆に,難易度の低い2つ星レベルでは,具体的な実践でのポイントをよく理解しておくことが大切です。難易度が低いからといって,出題が多いということではありません。わかりやすいからと適当に済ませるのではなく,根拠となる理論と事例を関連させて理解しておくようにしましょう。

※下記の表で,心理分野の「共通」というのは,その巻の中で経営部門と人事部門に共通する内容だということです。

章タイトル 心理分野 難易度
第1章 「マネジメント心理」とは何か 共通(一般概要) ★★★ p.3
第2章 組織コミュニケーションと人材開発の心理 人事(人材開発) ★★★ p.25
第3章 高信頼性組織の構築 経営(リスク管理) ★★★ p.47
第4章 組織コミットメントと組織文化の改革 経営(組織風土) ★★★ p.71
第5章 交渉・会議の心理 経営(交渉) ★★★ p.96
第6章 組織化学とナレッジ・マネジメントの心理 経営(知識管理) ★★★★★ p.117
第7章 セクシュアルハラスメントと”職場いじめ”の心理 人事(ハラスメント) ★★ p.147
第8章 職場におけるストレス対策の心理 人事(ストレス) ★★★ p.168
第9章 メンタル・タフネスの理論と実践 人事(ストレス) ★★★ p.189
第10章 チームのモチベーションと組織の活性化 経営(組織開発) ★★★ p.213
第11章 リーダーシップ 人事(リーダー育成) ★★★★ p.232
第12章 人材開発と組織における人材マネジメント 人事(人材開発) ★★★★ p.252
第13章 キャリア心理学からキャリア・カウンセリングへ 人事(キャリア) ★★★ p.275
第14章 多様性マネジメント 人事(多様性) ★★★ p.298
第15章 自己ブランディングによる自己実現 人事(自己管理) ★★★ p.317
第16章 ポジティブ心理学の意義と可能性 人事(人材開発) ★★★ p.341
第17章 ポジティブ心理学の考え方 人事(自己管理) ★★★ p.359
第18章 文化心理学から見た心理の働き 共通(組織文化) ★★★★ p.380

*5つ星の難易度が最も高い。

山口 生史 (監修), 匠 英一 (監修), 日本ビジネス心理学会 (編集)
出版社: 中央経済社 (2013/8/7)、出典:出版社HP

CONTENTS

『ビジネス心理検定試験公式テキスト(全3巻)』の刊行にあたって
はしがき
ビジネス心理マスターの資格を取得するためには
第2巻各章の心理分野と難易度

第Ⅰ部 現代における「マネジメント心理」の意義と課題

第1章 「マネジメント心理」とは何か
個と組織の活力を創る心理に向けて
①マネジメント心理の定義と課題
②マネジメント心理の学び方と理論
③人材変革型のマネジメント心理
④仕組み変革型のマネジメント心理
⑤目標変革型のマネジメント心理
⑥「心の科学」としてのマネジメント心理とその発展
⑦まとめ
ケース・スタディ 営業力のコンピテンシーを調査するにはどうするか?
演習問題

第2章 組織コミュニケーションと人材開発の心理
アクション・ラーニングによる組織力強化策
①組織の本質と現代組織の課題
②組織学習
③アクション・ラーニング(AL)のコンセプト
④アクション・ラーニング(AL)の活用
⑤組織コミュニケーションを支えるリーダーシップ
ケース・スタディ 対話としての組織コミュニケーション
演習問題

第3章 高信頼性組織の構築
不測の事態に強い組織になるには
①高信頼性組織とは
②高信頼性組織の行動に見られる5つの特徴
③気づきにあふれる「鋭敏さ」
④「正直さ」が危機を救う
⑤多様性を活かす「慎重な」組織
⑥「機敏な」対応で,問題解決に全力を尽くす
⑦組織の「柔軟さ」
⑧マインドフルな組織へ
ケース・スタディ 不測の事態に強くなるための日常の努力
演習問題

第Ⅱ部 組織コミュニケーション①
―価値目的・知識・情報をどう共有するか

第4章 組織コミットメントと組織文化の改革
組織変革における組織文化に着目し,心理的抵抗の予知と対応を学ぶ
①経営理念
②組織文化
③インターナル・マーケティング
④組織文化の機能と共有
⑤組織変革
⑥組織変革のプログラム
⑦組織変革におけるソフト構造の重要性
⑧組織変革における組織文化の問題,望ましい組織文化
⑨組織変革を阻害する組織文化(組織のくせ・思考行動)の問題と改善
⑩組織変革プロセスにおける心理的抵抗の予知
⑪組織変革における心理的抵抗やコンフリクトに対するリーダーシップの役割
⑫組織変革における内発的意欲の維持と向上
⑬まとめ―実質的な組織変革に必要なのは
ケース・スタディ 内発的意欲向上への取り組みで時間の有効活用策が見つかった
演習問題

第5章 交渉・会議の心理
交渉戦略,説得と納得の認知プロセス
①交渉の全体像
②交渉前の心構え
③交渉のメカニズム
④交渉における3つの戦術
⑤交渉は準備が命
⑥まとめ
ケース・スタディ Win-Win型交渉とWin-Lose型交渉の判断の意義
演習問題

第6章 組織科学とナレッジ・マネジメントの心理
認知的組織科学のアプローチより
①組織をどのように見るか
②組織学習論
③初期のナレッジ・マネジメント―知識共有のナレッジ・マネジメント
④情報技術を用いたナレッジ・マネジメント―知識共有から知識発見へ
⑤「認知的組織科学」とは何か
ケース・スタディ 個人と組織の関係についての考え方の違いを分析する
演習問題

第Ⅲ部 組織コミュニケーション2一いじめとストレス対策の心理

第7章 セクシュアルハラスメントと“職場いじめ”の心理
職場のハラスメント防止
①ハラスメント
②ハラスメントの影響と発生の背景
③ハラスメント防止
ケース・スタディ
①セクシュアルハラスメントの相談があったとき
②これはパワハラか?
演習問題

第8章 職場におけるストレス対策の心理
メンタルヘルスケアの意義とポイント
①メンタルヘルスケアの意義
②メンタルヘルス指針について
③まとめ
ケース・スタディ メンタルヘルス不調が気になる部下への対処法
演習問題

第9章 メンタル・タフネスの理論と実践
ストレス耐性とリラクセーション,ワーク・ライフ・バランスを学ぶ
①メンタル・タフネスの重要性と理論
②メンタフ・ダイアリーの活用
③テクノ・ストレス
④ストレスケアと「4つのR」
⑤ワーク・ライフ・バランスとメンタル・タフネス
演習問題

第Ⅳ部 人材開発―組織と個人の目的の調整・人材の価値を高める

第10章 チームのモチベーションと組織の活性化
①エンゲージメント
②360度フィードバック
③達成動機
④モチベーション3.0
ケース・スタディ 金銭的報酬による動機づけは有効か
演習問題

第11章 リーダーシップ
スタイル,倫理性,育成
①リーダーシップ・スタイル
②変革型リーダーシップに必要なスキル
③リーダーシップの倫理性
④リーダーの育成
ケース・スタディ
変革型リーダーの影響戦術とコミュニケーション
演習問題

第12章 人材開発と組織における人材マネジメント
①現代の人材開発
②人材開発の推進
ケース・スタディ 職場(部門)ビジョンの設定
演習問題

第V部 キャリア開発と仕事を通じた自己実現の心理

第13章 キャリア心理学からキャリア・カウンセリングへ
①キャリア・カウンセリング
②自己概念の成長とキャリア・アンカー
ケース・スタディ キャリア・カウンセリングの場面で実際に聞かれた会話を分析する
演習問題

第14章 多様性マネジメント
文化・性差を認め,活かし合う組織の在り方とは?
①多様性マネジメントの理解
②多様性マネジメントの主な視点
③集団における認知カテゴリー化,類似性と異質性
④違いを活かしてプラス効果を引き出すには
ケース・スタディ 「違いを認め,活かす」組織であるための条件とは
演習問題

第15章 自己ブランディングによる自己実現
成熟社会における自律的キャリア開発を考える
①自己ブランディングの時代
②自己ブランディングの特徴
③自己ブランディングの実践
④真の自己実現と自己ブランディングの推進
ケース・スタディ 組織内の相互支援による自己ブランディングの推進
演習問題

第Ⅵ部 希望と成功のためのポジティブ心理学へ

第16章 ポジティブ心理学の意義と可能性
①ポジティブ心理学とは
②ポジティブ心理学から見た働く人の幸せ
ケース・スタディ 幸せや主観的人生満足度の視点とモチベーション
演習問題

第17章 ポジティブ心理学の考え方
①ポジティビティ
②楽観と悲観
③フロー理論
ケース・スタディ 組織における対話的なコミュニケーションの意義と方法
演習問題

第18章 文化心理学から見た心理の働き
文化によって「幸せ」の意味がどう異なるのか
①ポジティブ心理学と文化
②「幸せ」の意味
③「幸せ」の重要性
④「幸せ」を促進する要因
⑤まとめ
ケース・スタディ キャリア・カウンセリングにおける文化の影響の検討
演習問題

Key Wordの解説

索引

山口 生史 (監修), 匠 英一 (監修), 日本ビジネス心理学会 (編集)
出版社: 中央経済社 (2013/8/7)、出典:出版社HP