家電製品エンジニア資格 AV情報家電の基礎と製品技術 2020年版 (家電製品協会認定資格シリーズ)




まえがき

ご高承のとおり、わが国では、スーパーシティ構想・Society5.0の具現化に向け、IoT・AI、ロボット、ビッグデータなどの革新的技術がこれまでのパラダイムを大きく変えようとしており、さらに、間もなく商用化される第5世代移動通信システム(5G)がその変化の行方を確定させようとしています。

この変化の原動力となっている上述の新たな各技術は、これまでの消費財としての家電 製品の価値を大きく変化させ、また、異なる価値として変容させようとしています。とりわけ、IoTが意味する『つながる』というコンセプトは、単体製品では実現しえなかった新たなサービスを生み出し、さらには、AIの特徴能力である『経験の蓄積による成長(Deep Learning)』は、かつて私たちが経験したことのない未知の価値創造に挑もうとしています。

このような大きな変化のなかで、私たち家電関連ビジネスに携わる者が、将来にわたりこのビジネスを維持・拡大していくためには、自らが現下の変化に追随し、あるいは自ら変化 を先導することで、顧客の信頼と期待を得つづける必要があることは言うまでもありません。

「家電製品エンジニア」は、知識面で『今、知っておくべきこと』を追求する資格です。その知識は、「①原理・基本構造などの普遍的な基礎知識」「②普遍化しつつある新知識」、「③注目すべき新知識」という3層構造として捉え、これらをバランスよく習得することで、顧客と向き合った際に役立つ“実践力”が養われます。

もちろん、本書も家電製品の設置やトラブル解決、あるいは顧客からの相談業務等に従事される方々などの実践力向上を目指し、より効率的・効果的に学習していただけるように、各種AV情報機器の動作原理と仕組み、音声や映像のデジタル化手法といった基礎的な知識、および製品の故障診断・修理における留意点と作業のポイント、さらには家庭内ネットワークや新4K8K衛星放送など新たな技術や製品等の動向に至るまで、体系的かつ簡潔に編集しています。ぜひ、ご精読いただき、実践力の向上、資格の取得に役立てていただけることを願っています。

なお、本書の発行時期(2019年12月)では、最新の技術・製品情報、あるいは法規の情報を盛り込むように努めましたが、ご承知のとおり、変化のスピードはすさまじいものがありますので、日頃より、当協会、メーカーが発信いたします情報などを自ら収集され学習いただきますようお願いします。

2019年12月
一般財団法人 家電製品協会

編集委員・執筆委員・監修

【編集委員】
シャープマーケティングジャパン株式会社 青木泰道
ソニーカスタマーサービス株式会社 杉原雅司
パナソニック株式会社 松尾泰伸
日立グローバルライフソリューションズ株式会社 山本淳

【執筆委員】
一般財団法人 家電製品協会 徳山満

【監修】 一般財団法人 家電製品協会 森拓生

[目次]

まえがき

1章 修理の基礎

1.1 電子回路上の部品
1.2 電源回路
1.3 テレビの点検
1.4 点検を行う主な部品
1.5 デジタル放送の測定
1.6 故障診断

2章 デジタル信号処理技術

2.1 デジタル変換
2.2 音声信号の符号化
2.3 音声信号の圧縮
2.4 静止画の符号化
2.5 映像(動画像)の圧縮
2.6 MPEG4 AVC/H.264
2.7 MPEG-H HEVC/H.265(HEVC)

3章 ネットワーク技術

3.1 通信プロトコル
3.2 IP通信技術
3.3 インターネット技術の基礎
3.4 電子メールの基礎
3.5 LAN接続(有線LAN)
3.6 無線接続
3.7 インターネット接続
3.8 ネットワーク関連技術
3.9 情報セキュリティ対策

4章 デジタル放送とテレビ

4.1 デジタル放送の概要
4.2 地上デジタル放送
4.3 衛星放送
4.4 IPTV(Internet Protocol TV)ほか
4.5 各種サービス
4.6 マルチメディア放送
4.7 デジタル放送のリモート視聴
4.8 テレビのブロック構成
4.9 著作権保護受信
4.10 受信障害
4.11 テレビでよくある質問

5章 ディスプレイ

5.1 画質
5.2 ディスプレイの種類
5.3 プロジェクター
5.4 スクリーン

6章 オーディオシステム

6.1 音の物理
6.2 CD
6.3 システムステレオ
6.4 メモリーオーディオプレーヤー
6.5 ネットワーク・オーディオ
6.6 ハイレゾオーディオ(ハイレゾリューションオーディオ)
6.7 ホームシアター
6.8 オーディオ機器でよくある質問

7章 デジタルスチルカメラ・デジタルビデオカメラ

7.1 デジタルスチルカメラの概要
7.2 デジタルビデオカメラの種類
7.3 オートフォーカス機能
7.4 手ブレ補正
7.5 主な付加機能
7.6 パソコンへの画像データ転送と印刷
7.7 静止画像ファイルの規格
7.8 静止画像のファイル形式
7.9 記録画素数
7.10 動画像のファイル形式
7.11 Wi-Fi Direct, Miracast, Pict Bridge
7.12 顔料インクと染料インク
7.13 記録媒体
7.14 CMOSセンサーの進化
7.15 その他の知識
7.16 カメラで起こる症状
7.17 デジタルカメラのよくある質問

8章 デジタルディスクレコーダー

8.1 BD/HDDレコーダー
8.2 ブルーレイディスク
8.3 ディスクレコーダーの音声形式
8.4 ディスクレコーダーの著作権保護
8.5 外付けUSB HDD録画
8.6 Ultra HD Blu-ray規格
8.7 BD/HDDレコーダーでよくある質問

9章 映像機器の接続・設定

9.1 端子の種類と信号
9.2 接続端子による映像信号の種類と画質の関係
9.3 映像機器の接続・設定の実際例

10章 電話機/ファクシミリ

10.1 電話通信回線
10.2 IP電話
10.3 デジタル方式の電話機
10.4 携帯電話(スマートフォン)の通信
10.5 ファクシミリ
10.6 電話/ファクシミリのよくある質問

11章 カーナビゲーションシステム

11.1 ナビゲーションシステムの種類
11.2 仕組み
11.3 付加機能
11.4 準天頂衛星システム「みちびき」

12章 電池

12.1 電池の種類
12.2 電池の形状と極性
12.3 電池の表示記号
12.4 使用済み電池の廃棄方法
12.5 化学電池
12.6 物理電池
12.7 給電技術
12.8 次世代電池

13章 スマートハウス

13.1 “スマート”を求める背景
13.2 スマートハウスを支える技術

14章 CS(顧客満足)活動

14.1 CS(顧客満足)概要
14.2 アフターサービスにおけるCS

15章 関連法規/規格

15.1 電気用品安全法(電安法)
15.2 電波法
15.3 電気通信事業法
15.4 防じん・防水
15.5 お知らせアイコン
15.6 図記号
15.7 個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)
15.8 著作権法
15.9 製造物責任法(PL法)

索引

一般財団法人 家電製品協会認定の「家電製品エンジニア試験」について