[改訂6版]食品表示検定認定テキスト・中級




改訂6版発刊に寄せて

私たちの食生活は、日々豊かになり、流通する食品も年々多種多様化しています。

こうした状況のもと、健全な食生活を実現するためには、供給されている食品の中から自主的かつ合理的に商品を選択するとともに、安全な状態で食することが求められます。

そのためには、供給サイドの事業者等が、個々の食品に関して必要かつ有効な情報を、食品とセットで提供する必要があり、消費者はこうした情報を正しく理解し日常生活に積極的に活用することが望まれます。こうした中、食品の表示は、食品の情報の伝達媒体として重要な役割を担っており、供給サイドと消費サイドの両者が正しく理解し活用することを前提として法令等によりルールが定められています。

特に、2013年(平成25年)6月に公布された食品表示法に基づく食品表示基準の施行は、経過措置期間(猶予期間)が2020年3月末までとなっており、その対応に追われている事業者の方も少なくないと思われます。加えて、2017年(平成29年)9月に従来の加工食品の原料原産地表示の制度が大幅に改正・施行されたことから、新たな基準に対する消費者の理解や経過措置期間(2022年3月末まで)内における事業者の新制度への円滑な転換も重要な課題となっています。

このように、社会情勢の変化とともに設定される新たな基準や改正される基準、およびこれらのルールに関するQ&Aやガイドラインは、いずれも膨大な量となっており、ルール全体を理解することは容易でないことも事実です。

こうした状況を踏まえ、本書は消費者及び事業者を問わず、初めて食品表示に関するルールを学ぶ方々はもとより、食品表示制度の改正点等についてもわかりやすく解説することに努めました。

今回、前回改訂された内容を基本に、大幅に改正された加工食品の原料原産地表示の制度の解説を加えるとともに、より正確でわかりやすい内容になるよう改訂を加えました。

本書は、食品表示検定試験を受験される方々のみならず、食品表示制度全般を学ぶ方々の参考書としてもお役に立つものと確信しています。

最後に、本書の活用を通じて適正な食品表示制度が普及し、わが国で世界に誇りうる健全な食生活が実現するとともに、食産業のさらなる健全な発展につながることを大いに期待しています。

一般社団法人食品表示検定協会理事長 池戸重信

一般社団法人 食品表示検定協会 (著)
ダイヤモンド社、出典:出版社HP

食品表示検定について

後援:一般社団法人 日本農林規格協会(JAS協会):日本チェーンストア協会

食品表示は消費者と事業者との信頼の架け橋です

食品表示は、消費者にとってその商品の品質を判断し購入する上で、貴重な情報源となっています。また、食品に関わる事業者は常に、安全・安心な食品を提供することが求められており、正しい食品情報を消費者に伝える上で、食品表示は重要な役割を果たしています。

生産者、食品メーカー、小売業者、消費者まで含めた、幅広い分野の皆さんに、食品表示の知識を習得する機会として「食品表示検定」を活用していただきたいと考えています。

【各級の概要】
初級と中級は、どちらからでも受験していただけます。また、同日に初級・中級を両方受験することも可能です。なお、上級は中級合格者の方が対象です。

初級

<対象者>
・食品表示を理解し、商品を選択したい消費者の方
・商品の生産、製造、流通に携わり、食品表示の基本を知りたい方(学生、販売員、販売パートの方など)

<メリット>
・食品表示の基礎知識を得ることができ、安心・安全な食品を選択する目を養える。
・販売などの実際の業務の場で知識を役立てることができる。

中級

<対象者>
・中級・食品表示の知識が必要とされる、生産、製造、流通の現場の方(品質管理部門員、販売部門員の方など)

<メリット>
・食品表示に関するお客様からの質問に的確に答えられるようになる。
・食品表示に関する専門的な知識を得て、業務に活かすことができる。

上級

<対象者>
・中級合格者の方が対象です。
・食品表示を食品の生産、製造、流通において責任を持って業務を行う方(品質管理部門)責任者、販売部門責任者の方など)

<メリット>
・食品表示に責任を持ち業務を実施することができる。
・食品表示の不備等があった場合、的確な対応をすることができる。
・社内資格制度、昇格制度の要件の1つとすることができる。

食品表示検定・中級のご案内

試験概要

実施時期
年2回、6月と11月に実施しています。

受験資格
年齢・資格などは問いません。
食品表示の知識が必要とされる生産、製造、流通の現場の方(品質管理部門員、販売部門員の方など)をはじめ、どなたにでも受験いただけます。

試験内容
認定テキストからの基礎知識と、それを理解した上での応用力を問います。

出題形式
マークシート方式による選択問題です。

試験時間
90分

合格基準
70点以上が合格です(100点満点)。

試験場所
全国主要都市で実施予定です。
※受験料、試験日時、試験場所、申込み期間、申込み方法等の詳細は、(一社)食品表示検定協会のホームページでご確認ください。

お問い合わせ先
主催 一般社団法人 食品表示検定協会
住所 〒102-0082 東京都千代田区一番町 23番地3 千代田一番町ビル1階
連絡先 TEL:03-5226-6737 FAX:03-5226-6723
E-Mail: info@shokuhyoji.jp

最新情報
検定試験の最新情報は、食品表示検定協会ホームページでご確認ください。
https://www.shokuhyoji.jp

上記の記載内容は、予告なしで変更する場合があります。

一般社団法人 食品表示検定協会 (著)
ダイヤモンド社、出典:出版社HP

本書の使い方

●本書は、一般社団法人食品表示検定協会が主催する「食品表示検定・中級」向けの協会認定テキストとして作成したものです。食品表示についての考え方を学ぶためのものであり、食品メーカーやスーパー等での食品表示ラベル作成のためのマニュアルではありません。法律の改正は随時行われていまので、実際に食品表示ラベルを作成される際は、関連する法律や基準等の最新版を入手の上、各法律の表示担当機関にご確認ください(法律・基準のみ容は、特別な年月日の記載がない場合は2018年10月1日現在の内容に基づいています)。

●本書で触れている食品表示に関する法令の内容は、一部抜粋したものであり、各法律の全内容を解説しているものではありません。また、わかりやすさを優先しているため、法令の用語をそのまま使用していない場合もあります。

●食品表示ラベルの実例は、食品表示の知識を学ぶことを目的として一般的な事例を採用しています。ただし別記様式枠外へ表示すべき内容については、紙面の都合上、一般的な表示位置とは異なる場合がありますのでご注意ください。また、例示した表示が必ずしも「推奨される表示」とは限りませんのでご了解ください。

●栄養成分表示については、すべての加工食品に義務付けられていますが、原則として表示を掲載していません。また、米トレーサビリティ法による産地情報の伝達については、別記様式欄外に表示することも可能なため、本文中の表示例では省略している場合があります。

●学習のために、食品表示例に太文字、下線等で内容を強調したものがありますが、実際の食品表示にはありません。あくまでも学習用に付加したものです。

●索引を付けていますので、知りたい項目を探す際にご活用ください。

○本書に関するご意見・ご質問は、以下の宛先まで書面、メール、FAXにてお送ください(電話でのお問い合わせにはお答えいたしかねますのでご了承ください)。

○個別の商品の表示等、本書の記述を超えた内容のご質問には回答できません。

一般社団法人 食品表示検定協会
〒102-0082 東京都千代田区一番町23番地3千代田一番町ビル1階
(メールアドレス) info@shokuhyoji.jp (FAX番号) 03-5226-6723

●実際の商品の表示に関することは、お近くの保健所や消費者庁(食品表示止
課)にお問い合わせください。
消費者庁:03-3507-8800(代表)

目次

改訂6版 発刊に寄せて
食品表示検定について
食品表示検定・中級のご案内
本書の使い方

第1章 食品表示を規定している法の体系
1-1 食品表示の目的
1-2 食品表示に関する法体系
1-3 食品表示基準の構成
1-4 その他の食品表示制度

第2章 生鮮食品の表示
2-1 生鮮食品の表示の原則
2-2 生鮮食品の表示の例(農産物)
2-2-1 野菜・果物
2-2-2 玄米及び精米
2-3 生鮮食品の表示の例(畜産物)
2-3-1 食肉
2-3-2 食肉(牛肉)
2-3-3 食用鶏卵
2-4 生鮮食品の表示の例(水産物) … 57
2-4-1 鮮魚
2-4-2 パックされた生かき
2-4-3 容器包装されたふぐ

第3章 加工食品の表示
3-1 加工食品の表示の原則
3-2 名称等
3-3 原材料名
3-4 添加物
3-5 原料原産地名の表示について
3-6 内容量
3-7 期限表示
3-8 保存方法
3-9 原産国名
3-10 製造者・輸入者・販売者

第4章 詳しい事例でわかる食品表示
4-1 農産加工品
4-1-1 カット野菜ミックス
4-1-2 乾しいたけ
4-1-3 農産物漬物
4-1-4 納豆・豆腐
4-2 畜産加工品
4-2-1 合挽肉
4-2-2 成型肉・たれ付き肉
4-2-3 食肉製品(ハム・ベーコン・ソーセージ)
4-2-4 食肉製品(チルドハンバーグステーキ)
4-2-5 飲用乳(牛乳・乳飲料)
4-2-6 乳製品(ナチュラルチーズ・プロセスチーズ)
4-2-7 乳製品(発酵乳・乳酸菌飲料)
4-2-8 乳製品(アイスクリーム類)
4-3 水産加工品
4-3-1 ゆでがに
4-3-2 干魚(アジの開き)
4-3-3 うなぎ加工品
4-3-4 塩蔵品(魚卵)
4-3-5 魚肉練り製品(かまぼこ)
4-4 加工食品
4-4-1 ゆでめん・生めん
4-4-2 乾めん・即席めん
4-4-3 調理冷凍食品(冷凍えびフライ)
4-4-4 調味料類(しょうゆ・みそ)
4-4-5 調味料類(ドレッシング類・食酢)
4-4-6 乾燥スープ
4-4-7 食用植物油脂(なたね油・香味食用油)
4-4-8 マーガリン類(マーガリン・ファットスプレッド)
4-4-9 缶詰・瓶詰(農産物缶詰・ジャム類)
4-4-10 容器包装詰加圧加熱殺菌食品・レトルトパウチ食品
4-4-11 はちみつ類
4-4-12 菓子類(ビスケット類・米菓類・洋生菓子詰合せ)
4-4-13 パン類(食パン・菓子パン)
4-4-14 もち
4-4-15 飲料類(ミネラルウォーター類・清涼飲料・ベビー飲料)
4-4-16 弁当・惣菜(弁当・惣菜・調理パン・おにぎり)
4-5 酒類
4-5-1 酒類(単式蒸留しょうちゅう)

第5章 表示の個別解説
5-1 添加物表示の解説
5-2 アレルゲンを含む食品の表示の解説
5-3 遺伝子組換え食品表示の解説
5-4 有機食品表示と特別栽培農産物の解説
5-5商品を特徴付ける任意表示の解説
5-5-1 特色のある原材料表示の解説
5-5-2 地理的表示保護制度
5-5-3 地域団体商標制度
5-6 保健機能食品・特別用途食品の解説
5-6-10 機能性表示食品
5-6-2 栄養機能食品
5-6-3 特定保健用食品
5-6-4 特別用途食品(「特定保健用食品」を除く。)
5-7 不当景品類及び不当表示防止法の解説
5-8 米トレーサビリティ法の解説
5-9 牛トレーサビリティ法
5-10 業務用食品の表示の解説(業務用添加物を除く。)
5-11 酒税法及び酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の解説
5-12 資源の有効な利用の促進に関する法律の解説
コラム 単位価格(ユニット・プライシング)

第6章 栄養成分表示の解説
6-1 栄養成分表示(栄養成分の量及び熱量に係る表示)について
6-2 表示対象成分とその表示方法について
6-3 栄養強調表示等について
コラム インターネットで販売される商品の表示はどうなるの?

資料編
1 食品表示マーク (JAS マーク・公正マーク・スマイルケア食のマーク)
2 外食店における表示
3 計量法
4 「従来から原料原産地表示の対象になっていた加工食品と新規で追加になった品目」(食品表示基準 別表第 15 に該当するもの)
5 加工食品に分類される食品(食品表示基準 別表第1(第2条関係))
6 生鮮食品に分類される食品(食品表示基準 別表第2(第2条関係))

一般社団法人 食品表示検定協会 (著)
ダイヤモンド社、出典:出版社HP