医事コンピュータ技能検定テキスト 医事コンピュータ実技




はじめに

レセプトンシータが普及してから今日まで、医療事務の電算化業務はコンピュータの進化とともに国を発展してきたといえます。

最初は手書きのレセプトをいかに早くきれいに印刷できるかというメリットから始まりましたが、今やデータベースとしての統計や分類、インターネットを使ったオンライン請求と,さまざまなメリットから多岐にわたって発展しています。

近年,厚生労働省の「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」が策定されてからの電子カルテの普及が目覚ましく,さらにレセプト電算化システムは必須とされています。

電子カルテのメリットは,情報の共有,画像の保存,ペーパーレス化などありますが,その便利さの裏側では,個人情報の保護をはじめとした徹底的な情報管理が必要となってきています。個人情報の流出事件は後をたちませんが,病院で扱う個人の病歴は決して流出してはならない機密情報です。電子カルテ検定では,その情報を扱う一人として、誰にどのような権限が与えられコンピュータにアクセスできるか,また,アクセスしても閲覧のみなのか,書き込む場合はどこまで行ってよいのかといった基本ルールを学び、医師の事務的補助者として適切に業務を行うスキルを身につけてくださるよう望みます。

本書は医事コンピュータ技能検定試験および電子カルテ実技検定試験の受験を念頭に置き、医事コンピュータを学習する際にも使用できるようにまとめています。したがって,医事コンピュータ編,電子カルテ編ともに,冒頭に検定試験の審査基準,問題の形式と入力の際に参照すべき本文を示しました。必要な部分を各自でピックアップしてご活用ください。医事コンピュータ技能検定試験は「医療事務」「コンピュータ関連知識」「実技」の3つの領域で出題され、入力スキルのみならず医療の現場で役立つ知識を学科問題として出題します。とかく実技だけを学習し,学科に苦しむ受験生も多く見受けられますが,社会人となり医療現場で働くうえで学科問題は必要とされる大事な基礎知識としてとらえていただきたいと考えます。

第1編は医事コンピュータ技能検定試験の第3領域である「実技(オペレーション)」,第III編は電子カルテ実技検定試験についてです。基本操作から,ちょっとしたポイントを含めてわかりやすく解説していきます。多くの方に役立てていただけることを期待します。

2012年5月
能美智子

本書はケアアンドコミュニケーション株式会社の教育用コンピュータソフト「医事 Navi Ⅲ」および「C&C 電子カルテシステムII」 Ver-K24.04.01 により記述しています。 製品の仕様は予告なく変更になる場合があります。

能美 智子 (著), 医療秘書教育全国協議会 (編さん)
出版社: 建帛社 (2012/7/1)、出典:出版社HP

目次

I 医事コンピュータ技能検定試験のポイント
■医事コンピューター技能検定試験 「領域II 実技(オペレーション)」 各級の審査基準
■3級問題の形式
■2級問題の形式

Chapter1 医事 Navi Ⅲについて

Chapter2 医事 Navi Ⅲの起動と終了
1 システムの起動
2 業務内容の選択
3 システムの終了

Chapter 3 医事 Navi Ⅲの操作と入力
1 新患の登録
(1) 医療機関情報の設定
(2) 患者情報の入力
2 傷病名の入力
(1) 傷病名の設定
(2) 特定疾患の設定
(3) その他の設定および削除・挿入
3 診療の入力―基本操作を理解する
(1) 区分の入力
(2) コードの入力
(3) 数量・単位
(4) 区切り方
(5) 回数
(6) 修正
(7) Do入力
(8) 日付の表示
4 診療の入カー各項目を入力する
(1) 初診・再診料
(2) 医学管理料
(3) 投薬料
(4) 注射料
(5) 処置料
(6) 手術料
(7) 麻酔料
(8) 検査料
(9) 画像診断
(10) 在宅療養
(11) 入院情報・食事の入力

Ⅱ 電子カルテ実技検定試験のポイント
■電子カルテ実技検定試験の審査基準
■3級問題の形式

Chapter 4 電子カルテ
1 手書き診療録と電子カルテ
(1) 手書き診療録から電子カルテへ
(2) POMR (Problem Oriented Medical Record)
2 手書き診療録と電子カルテの実際例

Chapter5電子カルテシステム II の起動と終了
1 システムの起動
2 システムの終了

Chapter 6 電子カルテシステム II の操作と入力
1 権限設定
2 医療機関の選択と画面の構成
(1) 医療機関の選択
(2) ステーション画面
3 画面の構成
4 ステーション画面の入力
5 診察画面(SOAP 形式)の入力
6 各種診療画面の入力
(1) 初診(F1)および再診(F2)の入力
(2) 医学管理(F3)の入力
(3) 処方(F5)の入力
(4) 注射(F6)の入力
(5) 処置(F7)の入力
(6) 手術(F8)の入力
(7) 検査・病理(F9)の入力
(8) 画像(F10)の入力
(9) その他(F11)の入力
(10) 在宅(F4)の入力
7 会計処理
8 予約オーダー
9 予約診察の受付
10 困ったときは・・・

索引

能美 智子 (著), 医療秘書教育全国協議会 (編さん)
出版社: 建帛社 (2012/7/1)、出典:出版社HP