2019年度版CAD利用技術者試験2次元2級・基礎公式ガイドブック




本書に掲載された会社名、製品名は、一般に各社の商号、商標、登録商標です。 なお、本文中でTMおよびRマークは省略しています。

はじめに

一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する「CAD利用技術者試験」は、CADの初学者を対象とした2次元CAD利用技術者試験基礎、2次元CAD利用技術者試験(2級・1級)、そして機械・製造系の3次元CADの基礎知識と技能を問う3次元CAD利用技術者試験(2級・準1級・1級)の、計3種類の試験からなっています。

本書は、「2次元CAD利用技術者試験 2級」および「2次元CAD利用技術者試験基礎」受験者のための指導書です。

2次元CAD利用技術者試験2級は、コンピュータシステムおよびCADシステムを使いこなすための知識やCADの基本となる製図の基礎、CADシステムの機能を理解するための知識など、知識レベルを中心とした能力を評価することに主眼を置いています。

2次元CAD利用技術者基礎試験は、2次元CAD利用技術を習得するための第1 歩として、CADシステムを利用する上でのコンピュータ関連の知識や製図の知 識、図形の知識を、基礎的かつ幅広く網羅し、評価することに主眼を置いています。

本書は、CADオペレータ業務からCADシステムの運用・管理までをサポートする、CAD利用技術者として身に付けておくべき必須の知識について幅広く解説しており、2級試験および基礎試験に合格するために必ず理解すべき内容につい ても、その要点をわかりやすく解説しています。

2次元CAD利用技術者試験 2級受験者・基礎受験者はもちろん、2次元CAD利 用技術者試験1級や3次元CAD利用技術者試験を目指す方がCAD知識の全体像を 学ぶ上でも、本書を有効に活用していただければ幸いです。

2019年2月 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

コンピュータ教育振興協会 (著)
出版社: 日経BP 、出典:出版社HP

目次

2級マークの付いた項目は2級試験の出題範囲です
基礎マークの付いた項目は基礎試験の出題範囲です

はじめに
一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP) について
CAD利用技術者試験について

2019年度2次元CAD利用技術者試験2級・基礎実施概要

第1章 CADシステムの知識と利用

1 CADシステムの概要と機能 2級 基礎
CADシステムとは
CADシステムの目的と効果
CADソフトの種類と特徴
CADシステムの構成形態と運用

2 CADシステムの基本機能 2級 基礎
CADシステムの基本概念
CADソフトの作図機能
CADソフトの編集機能
そのほかの機能と利用上の注意点
コマンドの一般的な使用例と作図方法

3 CADの作図データ 2級 基礎
データの表現方法
データ変換
データの取り扱いに関する注意点

第2章 CADシステムのプラットフォーム

1 CADシステムとハードウェア 2級 基礎
コンピュータの基本構成と機能
コンピュータの動作と仕組み
コンピュータのハードウェア
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)
主記憶裝置
チップセット
補助記憶装置
入力装置
出力装置
インタフェース
デバイスドライバ
コンピュータの操作と取り扱い
CADシステムの基本ハードウェア構成
CADシステムの特殊装置

2 CADシステムとソフトウェア 2級 基礎
コンピュータのソフトウェア
基本ソフトウェア
CADシステムに必要なソフトウェア
CADソフトの応用分野
CADソフトの機能と特徴
プログラム言語の種類と特徴

3 ネットワークの知識2級 基礎
ネットワークの基礎知識
ネットワークの機能と分類
ネットワークの構成要素
通信プロトコル
LANの基礎知識
LANを構成する機器
LANに関する最新技術
インターネット
インターネットのサービス
インターネットへの接続回線
インターネットとLANCADによるネットワークの利用
ネットワーク運用に潜む危険性
セキュリティの概念
ネットワークコンピュータ利用時の注意事項
システム構成管理
ファイル管理
インターネットのセキュリティ

4 情報セキュリティと知的財産2級
情報セキュリティ対策の重要性
コンピュータウイルス対策
個人情報保護
パスワード管理
アクセス管理
セキュリティ修正プログラム
データのバックアップ
関連法規
知的財産権の保護
セキュリティに関するQ&A
著作権に関するQ&A

5 コンピュータの操作基礎
パソコンの起動と終了
マウスによる入力操作

6 OSの基本操作基礎
Windowsの基礎知識
ウィンドウの操作
ファイルの種類
ファイルの管理

第3章 CADシステムの関連知識

1 CADシステムの運用・管理と課題 2級
CADシステム導入による作業環境の変化
CADシステム導入による作業面積の確保
OA機器の騒音・発熱対策
OA機器のための電源・配線設備の拡充
VDT作業者の管理
CADシステムの標準化
ファイルの標準化
業務におけるCADシステムの運用
ハードウェアの管理
CADソフトの管理
CADデータの管理
障害管理
図面の電子化と検索

2 3次元CADの基礎知識 2級
3次元CADとは
3次元CADのメリット
3次元CADの基本概念
3次元CADのモデリング機能
3次元CADにおける表示技術
3次元CADの活用

第4章 製図の知識

1 製図一般 2級 基礎
製図の目的
製図規格
図面の基本要件
図面の大きさ
図面の様式
図面に用いる文字や線
図面に用いる尺度
製図における寸法記入法

2 製図の原理と表現方法 2級 基礎
投影法とその分類
正投影
第一角法と第三角法
投影図の選択
投影図の分析方法
投影法の練習問題1
投影法の練習問題2
練習問題1の解答
練習問題2の解答
投影図の作図例1
投影図の作図例2
投影図の作図例3
投影図の作図例4
投影図の練習問題1
練習問題1の解答

3 製図における図形の表現方法 2級 基礎
投影図
断面図
省略図示法
特殊な図示法

第5章 図形

1 三角形 基礎
三角形の各部の名称
三角形の種類
三角形の性質

2 四角形と多角形 基礎
四角形の各部の名称
四角形の種類
四角形の性質
多角形

3 円 基礎
円の種類
円の各部の名称
円の性質
円の性質の応用

4 三平方の定理 基礎
三平方の定理の基礎
三平方の定理の応用
座標平面と三平方の定理

5 三角関数 基礎
三角比
三角関数
正弦定理
余弦定理
三角形の辺の長さを求める

6 立体図形 基礎
回転体
角柱
角すい
角すい台
正多面体

2級試験サンプル問題 2級
問題1
問題2
解答

基礎試験サンプル問題 基礎
問題
解答

巻末付録 2次元CAD利用技術者試験2級用語集 [JIS CAD用語] 索引

2019年度 2次元CAD利用技術者試驗
2級・基礎 実施概要

●受験対象者
1.2級
CADシステムを利用した設計・製図などの業務に従事すること、もしくは従事して間もない方を想定して試験を行います。1級へのステップアップとしてだけではなく、CADシステムの運用やデータの管理に関する業務を目指す方が対象です(2級の合格は1級受験の必須要件です)

2. 基礎
これからCADを本格的に学ぶことを目的とした、3か月程度の就学を想定して試験を行います。2級および1級へのステップアップとしてだけではなく、将来、設計や製図、CADシステムの販売等の業務を目指す方が対象です。

●2019年度 実施スケジュール

前期試験 後期試験
申込期間 4月4日(木) ~5月7日 (火) 8月20日(火)~9月25日(水)
試験日 6月16日(日) 11月10日(日)
試験時間 80分(保存時間含む)
合格発表 8月中旬 2020年1月中旬
受験資格 2級または1級(1級2級ともに旧称号含む)の有資格者
受験料 15,000円(消費税別)

※1 2級 (CBT)の場合は、CBT試験会場の実施スケジュールにより日程が異なります。
※2 合否判定通知書(合格の場合は認定番号含む)の発行は翌日となります。
※3 消費税は申し込み日の税率となります。

詳細は、CAD利用技術者試験公式Webページにてご確認ください。
http://www.acsp.jp/cad/

●出題内容と方法
※2次元CAD利用技術者試験の問題は、試験実施年度版の公式ガイドブックに準拠して出題されます。

実技試験 方法
■R C造
平面図、断面図、立面図、矩計図、部分図、展開図
■木造
平面図、断面図、立面図、部分図、展開図
■実技試験+筆記試験 (25問)
CADシステムを使用した実技問題 (DXF データを保存したフラッシュメモリを提出) と専門知識を問う筆記問題です。
※解答枠のダウンロードは事前に行っておいてください。(行っていない場合は採点 対象外となります。また、当日の提供は 行いません)。
筆記試験
■建築製図の基礎知識
建築業務の基本知識、建築製図、建築の主な構造、
建築の主な材料と部材、モデュール、建築法規、
建築業務と建築図面の役割
■建築生産の電子情報
情報の伝達と共有、建築CALS/EC、3次元CAD、
コンピュータによるシミュレーション

 

●合格基準
1.2級
CADシステム分野・製図分野が各5割以上、および総合が7割以上を合格 基準とします。
出題比率は、CADシステム:60%、製図:40%です。

※総合の比率は、CADシステム分野と製図分野の合計点を満点とし、換算 したものです。各分野を足して2で割った数値ではありません。

2. 基礎
総合7割以上を合格基準とします。

●試験で求められる知識と能力
1.2級
当ガイドブックは、2級試験で問われるCADシステムを扱ううえで必要な知識について、その要点をまとめたものです。したがって、合格を目指す方はもちろん、1級試験受験者でも、2級ガイドブックの内容全体を十分理解しておくことが基本となります。

①CADシステム分野
CADシステム分野では、CADコマンドの種類、用途や機能についての理解が求められます。座標と図形の関係、CAD特有の機能や用途を理解する ことで、CADによるさまざまな操作手順の理解を深めることにつながります。また、2次元CAD、3次元CAD全般に対する用語認識のため、CAD用語 の習得も必要です。

コンピュータの知識は、CADシステムを構築するうえで必要な知識の学習、習得が必要となります。スタンドアローンからネットワークシステム、情報セキュリティや知的財産までを網羅した広範囲での知識が要求されます。

以下に、各分野の学習の要点を一覧にしておきますので、学習の参考にしてください。

・CADの概要・機能・種類・特徴
・CADの基本機能
・CADによる作図・編集
・パーソナルコンピュータのハードウェア・ソフトウェアの構成と機能
・ネットワーク(インターネット含む)の種類・用途
・情報セキュリティ・関連法規・知的財産・著作権
・CADシステムの運用・管理
・3次元CAD (CG含む)の概要・機能

②製図分野(JISに基づく製図法の基礎知識)
製図分野では、JISに定められた製図法を基に、製図に用いる用語、図形の表し方、特に投影法における第三角法を基本とした表現を学習し、図面作成するために必要な製図の基礎知識が必要となります。
以下に、各分野の学習の要点を一覧にしておきますので、学習の参考にしてください。

・製図一般(図面・文字・線・尺度・寸法記入)
・投影法
・投影図・断面図・省略図・その他図示法

2. 基礎
本ガイドブックは、基礎試験で問われている、CADシステムを理解するうえでの基礎知識ならびに製図および図形に関する基礎知識の要点をまとめ たものです。

CADシステムを利用することを前提に必要とされるパーソナルコンピュータ・ネットワークに関する事項と、CADシステムを利用するうえで 必要となるCADに関する基礎知識、図形や製図に関する基礎知識を学習してください。これらの基礎知識は、2次元CAD利用技術者試験2級、1級および3次元CAD利用技術者試験へとステップアップし、実際にCADシステムを利用する際に役立つ知識です。

●受験申し込みから証明書類発行までの流れ
【受験申し込み】
申し込みの詳細については、公式Webページ (http://www.acsp.jp/cad/) にてご確認ください。

【合否判定】
1. 合否判定通知書
合否の判定は試験終了後、即時発表されますが、「合否判定通知書」(PDF) は、試験日の翌日にマイページにて、公開いたします。

なお、以下のお問い合わせおよびご要望には一切応じることができません。
①合否結果、採点内容、採点基準、配点基準、採点結果などに関するお問い合わせ
②試験問題、解答データなどに関するお問い合わせ
③マイページでの公開期間終了後の合否判定通知書の再公開・再発行
※1級の申し込みには、2級合格時に取得する認定番号が必要となりますが、認定番号は2級試験合格の翌日に発番されるため、1級の申込期限前日までに受験してください。申込期間最終日に2級試験を受験された場合には、次回以降の1級受験となりますので、ご注意ください。

2. 証明書類
合格の証明書類は、合格証明書、合格証書、認定カードの3種類ありますので、必要な方はお申し込みください(有償)。お申し込みからお届けまで約1ヵ月程度かかりますので、あらかじめご了承ください。

コンピュータ教育振興協会 (著)
出版社: 日経BP (2019/2/23)、出典:出版社HP