浄化槽管理士試験 合格応援問題集-700問(7年分)の試験問題を分野別に掲載-




はしがき

「ようこそ浄化槽ワールドへ.(Welcome to the world of Johkasou)」

この本を手にされた方は,なんらかのきっかけで浄化槽に関心を持たれた方に違いない.

21世紀は「水の世紀」といわれる.現在,世界中で70億人を超える人口のうち,約5人に1人は安全な水を確保できず,約24億人が安全な衛生設備にアクセスできないといわれている.

本書は「浄化槽管理士」国家試験の合格を目指す方々のために,平成30年度(第35回)試験から直近の過去7年間の全問題(計700問)を出題分野別に整理し,解説を試みたものである.
浄化槽法が昭和58年(1983年)5月18日に制定され36年が経過した.昭和60年に第1回浄化槽管理士試験が

実施され昨年で計35回を数えるに至っている.この間,出題問題の公表が平成13年(2001年)の第18回から行われて,平成18年(2006年)の第23回からは,出題問題と共に解答も公表されるに至っている.

試験問題の特徴は,広範囲ながら,重要なテーマについては,繰り返し出題されていることである.そこで,効果的な勉強の方法は,読者の得意な分野から手をつけることをお勧めする.本書は分野別になっているので,入りやすい分野から読み進んで自信をつけていかれることが得策と考える.浄化槽の維持管理は,法令関係はもちろんのこと,土木,建築,機械,電気,化学,生物などの幅広い知識が必要とされる総合エンジニアリングである.

汚水処理人口普及率は,下水道,農業集落排水施設等,浄化槽,コミュニティプラント等での汚水処理施設による整備人口の総人口に対する割合を示すものであり,平成28年3月末現在で89.9%である.未だ約1,300万人の人々が衛生的な汚水処理の恩恵に浴していない.一方,約420万基のみなし浄化槽が存在していることは,生活排水対策上,喫緊の課題である.

浄化槽は個別分散型の生活排水処理システム(Domestic Waste water Treatment System)であり,ライフサイクルコスト(L.C.C)の上からも費用対効果が優れている.下水道システムと浄化槽システムは車の両輪であり,これらのシステムのベストミックスを通して日本における健全な水循環と公共用水域の水質保全が担保されると考える.また,この優れた日本型浄化槽が,世界の生活排水対策に寄与できるものと確信する.

本書は,浄化槽管理士試験の受験者はもちろんのこと,排水処理関連の技術者,環境分野の学部学生,水環境に関心をもっておられる方々など,幅広い読者を想定して著した.

水道の給水栓(蛇口)をひねったとき,排水口に汚水を流すときに,懸命に働いている浄化槽に想いをめぐらせることのできるようなきっかけに本書がなれば,望外の喜びである.

最後に,本書を活用して1人でも多くの浄化槽管理士(iohkasou operator)が誕生し,活躍されることを願ってやまない.

もとより浅学非才ゆえ,誤っている箇所があるかと考える.忌憚のないご批判をいただけたら幸いである.

2019年6月
著者しるす

本文中の「上巻OP」,「下巻OP」について
「浄化槽の維持管理:浄化槽管理士講習テキスト(日本環境整備教育センター),2016年」の上巻,もしくは下巻の参照ページになります.

関根 康生 (著)
出版社: コアコンテンツ (2019/9/16)、出典:出版社HP

目次

■第1章 浄化槽概論
1.1 水資源と水循環
1.1.1 水資源
1.1.2 水の循環
1.1.3 水環境の保全
1.1.4 汚水の発生源とその種類
1.1.5 生活排水処理システムの種類
1.1.6 浄化槽のしくみ
1.2 生活環境の保全
1.2.1 汚水の水環境への影響.
1.2.2 水質汚濁の種類と影響
1.3 汚水処理に関する基礎知識
1.3.1 浄化槽で用いられる単位
1.3.2 汚水処理に関する物理作用
1.3.3 汚水処理に関する生物作用
1.3.4 汚水処理に関する反応
1.3.5 水質に関する基礎知識
1.4 汚水処理の基本的考え方
1.4.1 汚水処理のしくみ
1.4.2 生物膜と活性汚泥
1.4.3 物理・化学・生物処理の組み合わせ

■第2章 浄化槽行政概論
2.1 浄化槽をとりまく状況
2.1.1 生活排水処理の現状
2.1.2 生活排水処理の計画的推進
2.1.3 浄化槽の普及状況
2.2 浄化槽法
2.2.1 浄化槽法制定に至る経緯
2.2.2 浄化槽法の概要
2.2.3 浄化槽に定める定義
2.2.4 製造に関する規定
2.2.5 設置に関する規定
2.2.6 管理に関する規定
2.2.7 検査に関する規定
2.2.8 監督に関する規定
2.3 浄化槽管理士の身分資格と浄化槽の管理
2.3.1 身分と業務
2.3.2 保守点検の概説
2.3.3 清掃の概説
2.3.4 使用準則の概説
2.4 関係法規
2.4.1 関係法規の概要
2.4.2 水質保全関係法規

第3章 浄化槽の構造と機能
3.1 概論
3.1.1 構造基準の変遷
3.2 汚水処理の流れ
3.3 計画と設計の考え方
3.3.1 基本的な考え方
3.3.2 汚水量,水質の設定
3.3.3 処理対象人員算定基準の留意事項
3.4 構造基準
3.4.1 構造基準・構造方法
3.4.2 一般構造
3.4.3 一次処理装置の構造と機能
3.4.4 二次処理装置の構造と機能
3.4.5 汚泥処理装置の構造と機能
3.4.6 付属機器類の構造と機能
3.4.7 高度処理装置の構造と機能
3.4.8 国土交通大臣による認定
3.4.9 その他の方式を含めた高度処理の方法
3.5 付加装置
3.5.1 油脂分離装置
3.5.2 汚泥濃縮,脱水装置

第4章浄化槽工事概論
4.1設置の手続きと関連法規
4.1.1 関連法則
4.2 図面の見方
4.2.1 図面の見方
4.2.2 寸法
4.2.3 配管図
4.2.4 電気図
4.2.5 浄化槽図面の事例
4.3 施工状況の把握
4.3.1 一般的な工事の手順
4.3.2 排水管・升の施工法
4.3.3 工事に関する写真の保存
4.3.4 電気工事

第5章 水質管理の意義と実際
5.1 試料の採取及び水量の測定方法
5.1.1 試料の採取方法
5.1.2 水量の測定方法
5.2 試験方法とその意義
5.2.1 現場における水質測定の方法と意義
5.2.2 室内における水質分析の方法と意義
5.2.3 簡易測定器による水質測定の意義と方法
5.3 処理水質の評価
5.3.1 水質評価の方法

第6章 処理方式別保守点検,機能評価及び管理技術
6.1 保守点検の技術上の基準と維持管理ガイドライン
6.1.1 保守点検の技術上の基準
6.2 保守点検の実施にあたっての注意事項
6.2.1 保守点検の保存
6.2.2 保守点検に用いる器具機材
6.2.3 使用開始直前の保守点検
6.3 通常の使用状態における保守点検
6.3.1 現場における保守点検の手順
6.3.2 一次処理装置
6.3.3 二次処理装置
6.3.4高度処理装置
6.4 処理機能の評価と実流入条件に対応した管理技術
6.4.1 みなし浄化槽の処理機能の評価と実流入条件に対応した管理技術
6.4.2 浄化槽の処理機能の評価と実流入条件に対応した管理技術
6.5 浄化槽における衛生害虫対策
6.5.1 衛生害虫による被害
6.5.2 浄化槽から発生する害虫の種類
6.5.3 衛生害虫対策
6.6 臭気対策
6.6.1 臭気の発生実態
6.6.2 臭気の発生源別原因と対策
6.6.3 臭気の測定 6.6.4 騒音対策

第7章 修理,改善及び変更工事
7.1 配管設備の点検及び修理
7.2 躯体の点検及び修理
7.2.1 FRP製浄化槽の事故と修理
7.2.2 RC製浄化槽の事故と修理
7.3 付帯設備の修理
7.3.1 自動運転に使用される機器類
7.3.2 モーター
7.3.3 換気装置
7.3.4 ポンプ
7.3.5 ブロワ
7.3.6 電磁弁・電動弁及び汚泥掻き寄せ機
7.4 既設施設の改善
7.4.1 浄化槽の改善

第8章 清掃概論。
8.1 清掃の技術上の基準
8.2 現場における清掃作業の手順及び注意点
8.2.1 みなし浄化槽の清掃作業の手順及び注意点
8.2.2 浄化槽の清掃作業の手順及び注意点
8.3 清掃に用いる器具・機材
8.4 浄化槽汚泥の処理
8.4.1 浄化槽汚泥の処理の考え方
8.4.2 浄化槽汚泥の発生量
8.4.3 処理,処分について

第9章 衛生・安全対策
9.1 衛生対策
9.1.1 水系の主な感染症
9.2 安全対策
9.2.1 安全管理体制
9.2.2 酸素欠乏
9.2.3 硫化水素中毒
9.2.4 感電

参考文献
索引

関根 康生 (著)
出版社: コアコンテンツ (2019/9/16)、出典:出版社HP