運行管理者試験 問題と解説 貨物編




はじめに

①本書は、(財)運行管理者試験センターが行う運行管理者試験(貨物)について、内容をジャンル別に区分し、それぞれに解説を加えたものです。

②過去の出題問題は、合計8回分を収録してあります。また、過去8回分の受験者数及び合格率は次のとおりです。

回数 1 2 3 4
実施時期 令和元年8月 平成31年3月 平成30年8月 平成30年3月
受験者数 36,530人 29,709人 35,619人 29,063人
合格率 31.7% 32.8% 28.7% 33.0%
回数 5 6 7 8
実施時期 平成29年8月 平成29年3月 平成28年8月 平成28年3月
受験者数 37,774人 29,621人 36,028人 29,520人
合格率 35.0% 20.5% 30.2% 29.1%

 

③各章の順序は、試験問題と同じく、次のとおりとしました。
第1章 貨物自動車運送事業法
第2章 道路運送車両法
第3章 道路交通法
第4章 労働基準法
第5章 実務上の知識及び能力

④問題の最後に、[R1.8]又は[H31.3]とあるのは、過去の試験の実施時期を表しています。「R1.8] であれば、令和元年8月実施(令和元年度第1回)の試験問題、[H31.3]であれば、平成31年3月実施(平成30年度第2回)の試験問題となります。

⑤問題の最後に[H29.8/H28.8]などとあるのは、平成29年8月実施(平成29年度第1回)の問題と平成28年8月実施(平成28年度第1回)の問題がほぼ等しいことを表しています。

⑥問題の最後に「改」とあるのは、編集部の方で試験問題を一部改正してあることを表しています。出題形式を変えた場合や、試験後に法改正が行われた場合等が該当します。

⑦「第1章 貨物自動車運送事業法」では、四択問題の内容が多岐にわたっているため、いったん法令根拠ごとに問題を分割し、過去出題例(○×問題)として該当法令に問題と解答を付記しました。このようにすることで、運送事業法の各条項のどの部分から出題され、また、×の場合はどこが間違っているのかが分かります。第1章については、同じ問題がほぼ2回収録してあることになります。また、過去出題例(○×問題)の解説は過去出題問題の解説を参照して下さい。

⑧各問題には「□」マークを付けました。これにチェックを入れることで、問題の習熟度を知ることができます。

⑨法令の仕組みについて若干、説明します。一つの法は、それに続く政令、省令、告示などを含めて成り立っています。政令、省令、告示などにより、法のより細かい部分が定められています。本書で関係する主な法をまとめると、次のとおりとなります。本書では令和元年9月現在の法令等をもとに編集しています。

法律 政令、省令、告示
貨物自動車運送事業法
(運送事業法)
◎貨物自動車運送事業法施行規則(省会)
◎貨物自動車運送事業輸送安全規則(省令)
◎自動車事故報告規則(省令)
◎貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対
して行う指導及び監督の指針(省令)
道路運送車両法
(車両法)
◎道路運送車両法施行規則(省令)
◎自動車点検基準(省令)
◎道路運送車両の保安基準(省令)
◎道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(告示)
道路交通法(道交法) ◎道路交通法施行令(政令)
労働基準法(労基法) ◎自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
(告示)
労働安全衛生法(安衛法) ◎労働安全衛生規則(告示)

 

⑩政令は、内閣が制定する命令、省令は各省大臣が主任の事務につき発する命令をいいます。また、告示は各省庁などが広く一般に向けて行う通知をいいます。

⑪法令の原文は、次のように表されています。

カッコ内は、その条文の表題を表す。
本書では、主に小見出しで表示してある。

第1条第1項という。ただし、第1項 第1条の「1」は表記しない。本書では、原則として全て「1」を表記してある。また、その条が第1項しかない場合、区別する必要がないため、第1項を表記しないことがある。

第1条第1項第1号という。ただし、 第1項しかない場合、第1条第1号と表記する場合がある。また、本書では第1号、第2号…、を①、②…と表記した。

第2条第1項第1号という。

⑫各章の最後には、よく出題されるポイントをまとめた「覚えておこう」を収録しました。試験前など、短時間で要点を確認するときにご利用下さい。

●お知らせ
令和2年3月1日(日)試験当日午後8時頃までに公論出版調べの解答速報を HPに掲載予定!

http://www.kouronpub.com/

公論出版
出版社: 公論出版、出典:出版社HP

受験ガイド

1. 運行管理者とは
運行管理者は、事業用自動車の安全運行を管理するために、運送事業の受けた者をいいます。業務は、道路運送法及び貨物自動車運送事業法に基づき、事業用自動車の運転者の乗務割の作成、休憩・睡眠施設の保守管理、運転者の指導監督、点呼による運転者の疲労・健康状態等の把握や安全運行の指示等、事業用自動車の運行の安全を確保するため必要なことを行います。

2. 運行管理者試験受験資格
自動車運送事業者(貨物軽自動車運送事業者を除きます。)は、一定の数以上の事業用自動車を有している営業所ごとに、一定の人数以上の運行管理者を選任しな ければなりません。運行管理者として選任されるためには、自動車運送事業の種類 に応じた運行管理者資格者証を取得する必要があります。運行管理者資格者証を取得するためには、次の二つの方法があります。

①運行管理者試験に合格する
年齢などの制限はありませんが、以下のいずれかに該当しなければ受験できません。

Ⓐ実務経験1年以上
試験日の前日において、自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業の実務経験 を除く。)の用に供する事業用自動車又は特定第二種貨物利用運送事業者の事業用自動車(緑色のナンバーの車)の運行の管理に関し、1年以上の実務の経験を有する方。

Ⓑ基礎講習修了
国土交通大臣が認定する講習実施機関において、平成7年4月1 日以降の試験区分に応じた基礎講習を修了した方。
①貨物自動車運送事業輸送安全規則に基づき国土交通大臣から認定された講習実施機関で基礎講習を受講された方は、貨物試験の受験資格となります。
②旅客自動車運送事業運輸規則に基づき国土交通大臣から認定された講習実施機関で基礎講習を受講された方は、旅客試験んの受験資格となります。

©基礎講習修了見込み
国土交通大臣が認定する講習実施機関において、試験区分に応じた基礎講習を受講予定の方(試験日の前日までに基礎講者を修了予定の方)。
②事業用自動車の運行の安全の確保に関する業務について一定の実務の経験その他の要件を備える[運送事業法第19条(運行管理者資格者証)参照。 ⇒133P]

3. 運行管理者試験について
運行管理者試験は、国土交通大臣が指定した指定試験機関の(財)運行管理者試 験センターにより実施されています。試験の期日・場所などについてはあらかじめ公示されます。

●試験実施時期
1年度に2回、8月(第1回)と3月(第2回)に実施されます。

令和元年度第2回(令和2年3月実施)
試験日 令和2年3月1日(日)
頒布期間
①書面申請 令和元年11月8日(金)~12月4日(水)
②おまかせ申請 令和元年11月8日(金)~11月29日(金)
申請期間
①受験申請書による申請 令和元年11月8日(金)~12月4日(水)
②インターネットによる申請 令和元年11月8日(金)~12月10日(火)
③おまかせ申請 令和元年11月8日(金)~12月4日(水)
試験結果の発表 試験日より1か月以内

 

●試験地
全国47都道府県で行われ、希望する試験地を選択することができます。また、試験会場については、その都度決定されます。

●試験出題分野
マークシート方式の筆記試験で行われます。配点は1問1点で30点満点です。

出題分野 出題数 試験時間
①貨物自動車運送事業法 8問 90分
②道路運送車両法 4問
③道路交通法 5問
④労働基準法 6問
⑤その他運行管理者の業務に関し、必要な実務上の知識及び能力 7問
合計 30問

※法令等の改正があった場合は、法令等の改正施行後6ヵ月は改正部分を問う問題は出題 しません。

●合格基準
合格基準は、次の (1) 及び (2) の得点が必要です。

合格基準
(1)原則として、総得点が満点の60%(30問中18問)以上であること。
(2)前ページの①~④の出題分野ごとに正解が1問以上あり、⑤については正解が2問以上あること。

●受験申請手続等(令和元年10月時点)
◎受験手数料 6,000円(非課税)。
◎インターネット申請(システム利用料) 660円(税込)。
・採点結果通知手数料220円(税込)(希望者のみ)。
採点結果通知書は、採点結果通知書を希望され、別途申込みを行った受験者」 に通知致します。 採点結果の内容は、試験問題30問の正誤、分野ごとの得点及び総得点となります。
◎書面(受験申請書)による申請
・受験申請書 1部1,050円(税込)。
・購入については、各都道府県のトラック協会又は(財)運行管理者試験センターで購入できます。詳しくは、各都道府県のトラック協会又は(財)運行 管理者試験センターに確認して下さい。

●運行管理者試験 受験に関する問い合わせ先
財団法人 運行管理者試験センター 試験事務センター
[電話]04-7170-7077 [FAX]04-7170-8550 [ホームページ] http://www.unkan.or.jp/

公論出版
出版社: 公論出版 、出典:出版社HP