初級練習帳 THE 点字習得テキスト




はじめに

近年高齢化社会を反映して、介護福祉士の資格を取る人が多くなっています。大学や専門学校で福祉の講座等で点字の学習が取り入れられています。私も盲学校を定年退職し、2005年より複数の大学で講座を受け持っています。講座は概ね前期または後期の15週であり、視覚障害者の実情や介助の講義・実習・試験等を含めるとそれほど多くの時間が取れません。その限られた時間の中で、点字の読み書きを一通り習得させる必要があります。学生たちには市販の点字の解説書を参考書にして、他に毎回プリントによる課題を出していました。今回それらのプリントを整理し、大幅に加筆修正追加して、体裁を整えテキストとして出版しました。

この編集に当たっては、長く点字にかかわり多くの点字関係の著書がある黒崎恵津子さんに協力依頼しました。幸いにも「特別支援学校・盲学校等の初任の先生にもテキストが必要」と、快く承諾いただき、安心して編集に携わりました。

本テキストは、基本的に講義を受けていることを前提にしたものであります。そのため、説明・解説等はできるだけ要点のみで簡略にし、練習課題を多くするように心がけました。また、読みと書きの問題を基本的に対にして解答ページの縮小に努めました。

実際の講座では、本物の点字を出来るだけ使用することが望ましいのですが、プリンターが設置されていないところもあり、限られる場合があります。また時間の関係上特殊音や外国語は説明だけで、練習時間はなかなか取れないのが実情ですが、学生には点字の一般的な文章の読み書きができ、手紙が書けるようになることを目標としています。さらなるステップアップやより専門的・黒駅を目指される方は、これを土台として、市販の解説書、辞典等を参考にして力量を付けられることを願っています。

本書が、福祉を学ぶ学生や視覚障害教育・視覚障害者に携わる関係の人たちの、初めて点字を学ぶ初級の「点字習得テキスト」として活用されることを願っています。

米谷忠男

米谷忠男 (著)
出版社: ジアース教育新社 (2006/9/1)、出典:出版社HP

THE 点字修得テキスト 初級練習帳

はじめに

点字について(1)
・点字のしくみ
・街で見かける点字

読みの練習
1. 清音(50音) - 清音の単語の読み
2. 撥音・促音・長音 ― 単語の読み
3.濁音・半濁音 — 単語、短文の読み
4.拗音・拗濁音等 — 単語、短文の読み
5. 特殊音 – 単語、短文の読み
6. 数字 — 数字、短文の読み
7. アルファベット ― 単語、短文の読み
8. 短文の読み(句点、読点、括弧等の記号)
9. 短文の読み
10. 文章の読み(墨訳)
11. 文章の読み(墨訳)
12. 点字 読みましょう

点字について(2)
・点字の成り立ち
・点字の社会的認知はさらい

点字について(3)
・点字器について
・点字器の種類

書きの練習
1. 清音(50音) — メ打ち、50音書き
2. 清音 – 単語の書き
3. 撥音・促音・長音 — 単語の書き
4. 濁音・半濁音 — 単語、短文の書き
5.拗音・拗濁音等 — 単語の書き
6. 特殊音 — 単語、短文の書き
7. 数 学数字の書き
8. アルファベット — 単語、短文の書き
9. 短文の書き(句点、読点、仮名遣い、行移し等)
10. 分かち書きの原則1 — 短文の書き
11. 分かち書きの原則2 — 短文の書き
12. 短文の点訳(書き方の形式)
13. 文章の点訳
14. 手紙を書く

問題の解答

点字一覧表(凸面・凹面)

参考文献

米谷忠男 (著)
出版社: ジアース教育新社 (2006/9/1)、出典:出版社HP