よくわかる!環境計量士試験 濃度関係 (国家・資格シリーズ 109)




はしがき

地球的規模での環境問題により,人類にとってかけがえのない地球が破滅に追いやられるという心配が真剣に意識されつつある昨今,個人の立場でも行政や企業などの組織においても、自然環境の保護・改善,人間の生活環境の安定・整備などの必要性が日を追って増しています。

このような時代に,環境破壊の要因解析や対策,あるいは,その予防という改善策を講ずるために,各方面の人々が努力していかなければならないことは勿論ですが,とりわけ科学者や技術者の任務はますます重くなっています。また,その科学技術の検討や実施において,環境計量士の役割も非常に重要視されており,各方面でこの資格を求める声が日増しに高まっています。

現在,多くの資格がある中で,環境に関係する資格では,最もレベルが高く必要性も高いものが,この環境計量士の資格です。

環境計量士国家試験は,昭和50年3月にその第一回試験が実施されて以来,長い年月に渡って行われており,最近では,濃度関係(化学系)および騒音・振動関係(物理系)の二つの区分ごとに実施されています。それぞれ、試験科目は4教科で,各科目25問,解答時間は70分となっていて、以前よりは一問当たりの時間も増やされて受けやすくなっています。しかしながら,試験の内容としてはかなりレベルの高い問題が出題されており,それ相当の勉強をして 臨まなければ合格できないくらいのものになっています。

そこで,本書は,濃度関係(化学系)の環境計量士を目指して受験準備をされる方が,短期間で能率的にしかも分かり易く学習できるように配慮して作成しました。本書を利用されて,一人でも多くの方が,環境計量士に必要な各分野を学習され、この資格を獲得していただけますことを願いながら、加えて目出度く合格された方には迫りくる環境問題に対してできるかぎりの寄与をしていただけますよう期待してやみません。

著者

環境学園専門学校 (著)
出版社: 弘文社; 新訂3版;新版 (2015/6/24)、出典:出版社HP

目次

はしがき
この本の勉強の仕方

受験案内
計量士の登録
受験資格
試験科目の一部免除
試験の期日
試験地
試験の時間割
試驗方法
受験申込書類
試験願書用紙及び試験案内書の入手先
受験前の心構えと準備

第1編 環境関係法規と化学基礎(河合範夫)
1. 環境基本法
1-1 環境基本法制定の背景と概要
1-2 目的と定義
1-3 基本理念
1-4 国,事業者,国民の責務
1-5 環境保全に関する基本的施策
1-6 環境審議会等の組織
2. 環境基準
2-1 大気汚染に係る環境基準
2-2 水質汚濁に係る環境基準
2-3 土壌汚染に係る環境基準
2-4 ダイオキシン類による大気汚染、水質汚濁及び土壌汚染に係る環境基準
マスター! 重要問題と解説
3. 大気汚染防止法
3-1 目的
3-2 規制対象物質と施設
3-3 ばい煙の規制
3-4 粉じんに関する規制
3-5 揮発性有機化合物の排出抑制
3-6 有害大気汚染物質対策
3-7 自動車排出ガスの規制
3-8 大気汚染の常時監視等
3-9 損害賠償
3-10 報告及び立入検査
マスター! 重要問題と解説
4. 水質汚濁防止法
4-1 目的
4-2 排水規制等の対象
4-3 排水基準
4-4 排水基準に関する遵守事項
4-5 総量規制
4-6 生活排水対策の推進
4-7 常時監視と緊急時の措置
4-8 地下水の水質浄化措置命令
4-9 無過失損害賠償責任
4-10 都道府県環境審議会
マスター! 重要問題と解説
5. その他の環境関連法規
5-1 大気汚染に関するその他の環境法規
5-2 水質汚濁に関するその他の環境法規
5-3 土壌汚染に関するその他の環境法規
5-4 悪臭に関する環境法規
5-5 環境影響評価法
6. 原子と元素
6-1 原子の構造
6-2 イオン化ポテンシャル
6-3 電子親和力
6-4 原子核の崩壊
マスター! 重要問題と解説
7. 化学結合
7-1 イオン結合
7-2 共有結合と混成軌道
7-3 電気陰性度
7-4 配位結合と配位化合物
7-5 双極子モーメントと分極率
7-6 金属結合
7-7 水素結合
7-8 ファンデルワールス(Van der Waals)結合
マスター! 重要問題と解説
8. 物質の状態とその変化
8-1 物質の状態図
8-2 気体
8-3 液体
8-4 固体
8-5 液晶
8-6 超臨界流体
8-7 コロイド
マスター! 重要問題と解説
9. 化学変化
9-1 平衡定数
9-2 平衡定数に及ぼす温度の影響
9-3 平衡移動におけるル・シャトリエ(Le Chatelier)の法則
マスター! 重要問題と解説
10. 熱力学
10-1 熱力学第一法則
10-2 定積変化
10-3 定圧変化
10-4 反応熱とエンタルピー
10-5 ヘス(Hess)の法則
10-6 エントロピー
10-7 自由エネルギー
10-8 ギプス(Gibbs)の自由エネルギーの圧力、温度による変化
マスター! 重要問題と解説
11. 電解質溶液の特性
11-1 理想溶液と実在溶液
11-2 イオン強度
11-3 イオンの活量と活量係数
11-4 電解質溶液の電気伝導率
11-5 電解質溶液の浸透圧,沸点上昇,凝固点降下
マスター! 重要問題と解説
12. 酸と塩基
12-1 ブレンステッド(Bronsted) の定義
12-2 ルイス(Lewis)の定義
12-3 水の電離
12-4 酸・塩基の強さ
12-5 緩衝溶液
マスター! 重要問題と解説
13. 酸化と還元,電気化学
13-1 酸化と還元の定義
13-2 代表的な酸化剤,還元剤の反応
13-3 酸化還元電位
13-4 電気分解
13-5 電池の起電力と自由エネルギー変化
マスター! 重要問題と解説
14. 反応の速度
14-1 反応速度の次数
14-2 反応速度と温度,触媒
マスター! 重要問題と解説
15. 有機化合物
15-1 異性体
15-2 有機化合物の性質
15-3 有機化学反応の分類
15-4 置換反応
15-5 付加反応
15-6 脱離反応
15-7 有機化合物の定性分析
マスター! 重要問題と解説
16. 高分子化合物
16-1 高分子化合物の物性
16-2 付加重合型高分子化合物
16-3 縮重合型高分子化合物
マスター! 重要問題と解説!
17. 界面活性剤と吸着
17-1 界面活性剤の一般的性質
17-2 けん化価
17-3 ヨウ素価
17-4 吸着
マスター! 重要問題と解説
18. 環境の化学
18-1 大気圏
18-2 水圏
18-3 地圏
18-4 化学物質
18-5 廃水の処理
マスター! 重要問題と解説

第2編 化学分析論及び濃度の計量(河合範夫)
1. 化学分析の基礎
1-1 資料の採取とその予備処理
1-2 容量分析
1-3 分離分析法
1-4 分光分析法
1-5 質量分析法
1-6 生物化学的分析法および生物試験
1-7 測定における留意事項
マスター! 重要問題と解説
2. 機器分析
2-1 原子吸光分析法
2 誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法
2-3 ガスクロマトグラフ法
2-4 質量分析法及び MS 結合分析装置
2-5 高速液体クロマトグラフ法
2-6 イオンクロマトグラフ法
マスター! 重要問題と解説
3. 環境試料の公定分析法
3-1 工場排水試験法(JIS K 0102)
3-2 工場排水中の PCB の試験方法(JIS K 0093)
3-3 用水・排水中の揮発性有機化合物の試験方法(JIS K 0125)
3-4 用水・排水中の農薬の試験方法(JIS K 0128)
3-5 水質汚濁に係る環境基準及び排水基準に対する測定方法
3-6 土壌汚染に係る環境基準の試験方法
3-7 産業廃棄物
3-8 大気汚染に係る環境基準及び排出基準に対する測定方法
マスター! 重要問題と解説
4. 濃度計
4-1 電気化学式分析計
4-2 吸光光度法分析計
4-3 発光分析計
4-4 蛍光・化学発光による分析計
4-5 炭化水素自動計測器
4-6 電気化学式及び磁気式酸素濃度計
4-7 X線分析計
4-8 放射線を利用した分析計
4-9 その他の計測機器
4-10 濃度計の校正
4-11 流速計
4-12 流量計
マスター! 重要問題と解説

環境学園専門学校 (著)
出版社: 弘文社; 新訂3版;新版 (2015/6/24)、出典:出版社HP

第3編 計量関係法規 (久谷邦夫)
1. 総則
1-1 計量法の目的に関する問題
1-2 用語及び取引又は証明に関する問題
2. 計量単位
2-1 計量単位に関する問題
3. 適正な計量の実施
3-1 特定商品に関する問題
3-2 特定計量器に関する問題
3-3 特殊容器に関する問題
3-4 定期検査に関する問題
3-5指定定期検査機関に関する問題
4. 正確な特定計量器の供給
4-1 計量器の製造に関する問題
4-2 計量器の修理に関する問題
4-3 計量器の販売に関する問題
4-4 家庭用特定計量器等に関する問題
5. 検定制度等
5-1 検定制度に関する問題
5-2 型式承認に関する問題
5-3 基準器に関する問題
5-4 指定製造事業者および指定検定機関に関する問題
6. 計量証明の事業
6-1 計量証明事業に関する問題
7. 適正な計量管理
7-1 計量士に関する問題
7-2 適正計量管理事業所に関する問題
8. 標準供給制度
8-1 計量器の校正に関する問題
9. 雑則・罰則
9-1 立入検査に関する問題
9-2 罰則およびその他に関する問題

第4編 計量管理概論 (久谷邦夫)
1. 計量管理
1-1 計量管理に関する問題
1-2 工程管理に関する問題
2. 量と単位,およびトレーサビリティ
2-1 SI単位に関する問題
2-2 尺度に関する問題
2-3 トレーサビリティに関する問題
2-4 標準化に関する問題
3. 測定方式と測定誤差の性質
3-1 測定法に関する問題
3-2 測定誤差に関する問題
4. 統計および推定・検定
4-1 測定値の代表値に関する問題
4-2 統計データに関する問題
4-3 統計分布に関する問題
4-4 平均と分散に関する問題
4-5 誤差の伝播に関する問題
4-6 正規分布表を用いる問題
4-7 母平均の範囲推定に関する問題
4-8 正規分布表による検定に関する問題
4-9 その他の分布による検定に関する問題
5. 実験計画と分散分析
5-1 実験計画に関する問題
5-2 一元配置の分散分析に関する問題(1)
5-3 一元配置の分散分析に関する問題(2)
5-4 繰返しのない二元配置に関する問題(1)
5-5 繰返しのない二元配置に関する問題(2)
5-6 繰返しのある二元配置に関する問題
6. 回帰分析と相関分析
6-1 回帰分析と相関分析に関する問題
7. RETEŽ SNEE
7-1 校正に関する問題
7-2 SN比に関する問題
8. 品質管理と管理図
8-1 品質管理に関する問題
8-2 管理図に関する問題
9. サンプリングと製品検査
9-1 サンプリングに関する問題
9-2 製品検査に関する問題
10. 信頼性
10-1 機器の寿命等に関する問題
10. コンピュータと自動制御
11-1 信号の扱いに関する問題
11-2 2進法に関する問題
11-3 コンピュータに関する問題
11-4 自動制御に関する問題

第5編 実戦的模擬試験問題と解答
解答についての留意点
1 環境関係法規と化学基礎
2 化学分析概論及び濃度の計量
3 計量関係法規
4 計量管理概論

あとがき

環境学園専門学校 (著)
出版社: 弘文社; 新訂3版;新版 (2015/6/24)、出典:出版社HP