合格奪取! 新HSK1~4級 単語トレーニングブック
はじめに
「単語を知らないと手も足も出ませんよ」と、私は日頃よく学生にこんなことを言っている。
外国語を学ぶ際、「単語」の学習はとても大事である。特に中国語においては、「単語」 の重要性はより顕著であると言えよう。なぜなら、中国語は他の言語よりも「語彙的」 であるからだ。
中国語で「単語」は、「語彙」(単語を構成するパーツで、最小の意味をもつ単位)に よって構成され、「単語」と「単語」がルールに則って組み合わさればフレーズとなる。 そして「単語」または「フレーズ」を組み合わせれば「文」ができる。つまり、「単語」 は中国語の中枢ともいえる存在なのだ。
よく「聞き取れない」「読んでもわからない」「書けない」という声を聞くが、それは 往々にして単語量不足と単語の覚え方に原因がある。では、どのように単語量を増やし、 どのように単語の覚え方の質を向上させるか。キーワードは「ネットワーク」である。 すなわち脳に単語のネットワークを構築し、単語の関連情報がつながることでアウト プットができるのである。
本書は中国の外語教学与研究出版社が2013年に出版した、《新 HSK課堂系列:新 HSK 岡元宝典(1-4級)》に基づいて、日本人学習者向けに再編集したものである。新 HSK 関係の書籍が数多く出版されている中でこの本は、それぞれの単語に例文が豊富 に付加され、さらに単語の組み合わせや、類義語弁別などに関する解説も詳細に提示されているなど、学習者にとって必要な情報が網羅された実用的な参考書である。こうした点が前述した単語の「ネットワーク」構築に非常に有効であると判断し、日本語版として制作することとした。
本書は特に「ネットワーク」を意識し、次のような構成としている。
1. 分野別にグループ化することで、マイライブラリーを構築する
HSK 1級~4級の 1200 語を大きく4つの分野に分け、それぞれの分野でさらに下 位分類をして提示し、同じ分野の単語を連想させながら一緒に覚えていく。
2. 「発音」「意味」「用法」「語構成」の情報をすべて提示することで、中国語の語彙 システムを構築する それぞれの単語と例文すべてにピンインと日本語訳を付け、一部の単語については 「語素」の意味とそれらの「語素」で構成された単語群も紹介する。
3. 単語のコロケーション関係を提示することで、前後に来る単語との組み合わせ情 報をインプットする。 単語は1個ずつ、そのまま覚えても正しい組み合わせができるとは限らない。コロ ケーション(単語の自然な組み合わせ)で覚えることで、中国語の決まった組み合わせが身につく。
4. 練習問題に取り組むことで、ネットワークの構築を確実なものにする
各ユニットに練習問題を設けた。漢字の穴埋めや類義語探し、反義語探し、類義語 弁別などの問題により、単語の「音」「形」「意義」のネットワーク構築を促す。
日本語版監修にあたっては、特に「単語のネットワーク構築」を意識し、分野別グルー プ化とユニットごとの練習問題を新たに加えた。また、原著は欧米人向けであるため、 日本人学習者が学習しやすいように、単語の意味、例文の部分ではかなり多く修正と加 筆をした。類義語弁別の部分においては、日本人学習者がよくぶつかる問題点を踏まえ た上で多く書き直していることも添えておく。
この本は日中合同製作によるものとも言えよう。学習者にとって、本当の意味での 《宝典》(宝のような単語本)になることを祈りたい。
そして今回も監修の段階で、たくさんの情報を調べ直し、多くの助言をくださったア スク出版の由利真美奈さんにお礼を申し上げます。
2015年9月
李貞愛
目次
はじめに
HSKの単語について
本書の使い方
凡例
音声ダウンロードサービスについて
UNIT1 人に関する言葉
1. 人の総称・人称代詞
2. 家族・親戚・友人・身近な人
3. 職業・身分
4. 身体・外見
5. 病気・身体の状態
【ワンポイント】
【練習問題】
6. 人の性格・性質
7. 知覚・認識・才能
8. 気持ち・心の動き
8-1 主に自分で感じること
8-2 主に他者に対して感じること
【ワンポイント】
【練習問題】
9. 服装・装い
10. 身の回りの物・生活道具
11. 食べ物・飲み物・食生活
12. 趣味・スポーツ・イベント
【ワンポイント】
【練習問題】
13. 人の動作・行動に関する表現
13-1 移動
13-2 見る・聞く・する・やる
13-3 主に手で行う動作
13-4 生活上のさまざまな行動
【ワンポイント】
【練習問題】
14.人とのコミュニケーションに関わる行動
14-1 主に会話によるコミ
14-2 その他のコミュニケーショ
15. 願望・希望・義務
16. 可能・不可能・可能性
17. よく使うあいさつ言葉
【練習問題】
UNIT2 さまざまな物と事象の表現
1. 数字
2. 数字に関することばと表現
3. お金・金額の表現
4.いろいろな単位
4-1 物を数える単位(名量詞)
4-2 動作を数える単位(動量詞)
【練習問題】
5. 時間に関するさまざまな表現
5-1 時刻・時間・暦の表現
5-2 前後関係・順序・頻度
5-3 さまざまなタイミングに関わる表現
5-4 動作の完了・持続・経験の表現(アスペクト)
【練習問題】
6. 物の外見
7. 物の状態
8. さまざまな事象とその状態
【練習問題】
9. 程度の表現
10. 範囲の表現
【ワンポイント】
【練習問題】
…… 160
… 135
UNIT3 周辺環境・社会に関する言葉
1. 地名
2. 場所・施設
3. 方向・方位
4. 場所の状態
5. 交通
6. 色
7. 動物
8. 天気・気候
9.天・地・自然
【ワンポイント】
【練習問題】
10. 学校・学習関係の表現
10-1 学校・勉強道具・学校生活
10-2 勉強・学問
11. 会社・仕事に関する表現
12. メディア・社会・その他の社会的な活動
【練習問題】
UNIT4 全分野に関わる表現
1. 指示代詞・疑問代詞
2. さまざまな場面で使う動詞
3. 否定を表す副詞
4. その他の副詞
5. 介詞(前置詞)
6. 接続詞・呼応表現
7. 助詞
8. 感嘆詞
【ワンポイント】
【練習問題】
練習問題 解答
級別索引
2015 年版大綱との異同について
品詞と文成分MAP
HSKの単語について
HSKでは、主催する国家汉/孔子学院总部により、試験の実施要綱として《HSK考試大綱》(『HSK大綱』)が、級ごとに発表されています。
この『HSK大綱』において、それぞれの級に応じたレベルの単語が定められており、試験問題は、概ねその単語に基づいて出題されます。この単語は、1級から順に積み上げていく形で、4級で合計1200語、最高級の6級で合計5000語に達します。
本書は4級までの合計1200語を意味別に分類しています。1~3級を受験する場合は、まず該当する単語をピックアップして学習してもよいでしょう。
1~4級の単語はどれも、中国語学習を進めていくにあたって最も基本となる単語です。1~3級を受験する方もこの機会にぜひ一緒に学習していきましょう。
◎各ユニットのレベル別単語数
図表1.各ユニットのレベル別単語数
UNIT1 | UNIT2 | UNIT3 | UNIT4 | |
1級 | 67 | 44 | 25 | 22 |
2級 | 67 | 41 | 30 | 13 |
3級 | 142 | 68 | 73 | 20 |
4級 | 270 | 149 | 144 | 42 |
※「HSK大綱」は、本書第1刷発行後の2015年12月に改訂され、それまでの2009年版大綱から、各級で採用される単語が一部変更されました。本書は第1刷発行時点で通用していた2009年版大綱に準拠しています。巻末P.246以降に、新しく導入された単語を含めた、新旧の大綱の異同について記載しています。
本書の使い方
1.単語+例文+解説
1200語を意味・用法によりカテゴリー分類。類義語、反義語など、関連する語を、それぞれの前後に配置しています。単語を個別に覚えるだけでなく、その前後にある関連する単語を合わせて覚えることで、よりスムーズに単語が身につくでしょう。
また、例えば“給”のように、動詞と介詞でまったく意味・用法が異なるものは、それぞれを分離して配置。さらに“洗活”のような離合詞や、“行李箱”のような合成語などには、必要に応じてそれぞれの語素ごとの解説を加えました。記号等については、「凡例」をご覧ください。
単語番号・級数字は、単語の通し番号。参照単語もこの番号で表示。★の数は該当する級を表示。
解説常用文型、類義語の使い分け、よくある組み合わせ例などを解説。
A(左端から):順に並んでいるいくつかの単語を比較しながら解説。
B(2列目から):そこにある1語だけに関わる解説。
単語・ピンイン・品詞・日本語訳ピンインに「*」が付いているものは、声調付きと軽声のどちらでも読めるもの。品詞のマーク、記号については、凡例を参照。
検索用通し番号該当する見開きページに掲載している単語の番号。参照単語の検索に。
巻末P.229に、級別・ピンインアルファベット順の索引を掲載しています。
2.ワンポイント&練習問題
「ワンポイント」では、それぞれの単語の解説だけでは説明しきれないことや、関連する情報などを、プラスアルファで加えました。
「練習問題」は、共通する字でまとめて覚える、類義語をまとめて覚えるなど、どのようにすれば単語を効果的に覚えられるかということを意識して作問されています。
凡例
1.レベル表示
★_1級
★★_2級
★★★_3級
★★★★_4級
2.品詞表示
3.その他の表示
本書の単語の配列における優先順位
1意味順。類義語、反義語、関連語をできるだけ連続させて配列。
2品詞順。名詞、動詞、形容詞、副詞、その他の順に配列。
3レベル順。1級、2級、3級、4級の順に配列。
音声ダウンロードサービスについて
本書の全単語(中国語)と日本語訳(日本語)、および例文(中国語)の音声を、PCまたはスマートフォンでダウンロードできます。
音声ファイルは目次に記載のパートごとに分割しています。例えば「U1-8-1」というファイルには、UNIT1の8〈気持ち・心の動き〉の1〈主に自分で感じること〉の単語例文を収録しています。
音声ダウンロード方法
PCへのダウンロードhttps://www.ask-books.com/support/support-c/
「新HSK対策書」カテゴリー『新HSK1~4単語トレーニングブック』からダウンロードしてください。
★このページにて、ピンインアルファベット順総索引、および音声ファイル名対応一覧表(いずれもPDF)を用意しています。適宜ご利用ください。また、誤記を発見次第、正誤表にまとめてこのページで公開いたします。随時更新しますので、ご確認ください。スマートフォンからもご覧いただけます。
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