ビジネス電話検定受験ガイド―知識B・知識A・実践級




はじめに

目指す相手に電話をかけ、電話を通して商品の販売をする方法を、テレセールスと言います。ということで、例えば誰かが、販売したいものがある、電話はかけ慣れているからと相手にアプローチしたとします。まず、販売はできないでしょう。

なぜでしょうか。電話は今日、ほとんどの人が、無意識で何ということなく使い、かけ慣れています。無意識で何となくとは、日常生活的ということですが、そのような電話のかけ方では販売はできません。テレセールスには、テレセールスなりの電話の専門性があるからです。

また、テレセールスに限ったことではなく、プライベートの範囲以外は、ビジネス電話の領域としてかけ方、受け方に専門性があります。

電話の専門性というと、「話し方」がまず念頭に浮かびます。確かに電話は声だけでするわけですから当然のことと思われますが、仮に話し方としておいて、では専門性とは、となるとそう簡単なことではありません。

この場合の専門性とは、そのことに関しては他の人と違うものがあるということです。電話をかける目的は、かけた相手に働き掛けて動かすということですが、その働き掛け方が違うというのが能力であり「専門性」です。

この検定は、電話のかけ方や受け方に関して、他の人とは違う能力を持つための検定です。普段意識せずにかけている電話も、社会的にはかけ方が評価される専門性を持つ技能です。

電話のないビジネスはありません。電話能力はビジネス社会人の基礎能力です。本書への取り組みによって、ビジネス社会人の基礎を築くことを切に望みます。

実務技能検定協会 (編集)
出版社: 早稲田教育出版; 改訂版 (2007/2/1)、出典:出版社HP

目次

1ビジネス電話の基礎知識

1)ビジネス電話の基本
1ビジネス電話で使う基本的な敬語
2呼び方の基本

2)ビジネス電話〈4つの心得〉
1迅速
2正確
3簡潔
4丁寧

3)電話応対の実例
1第一声
2応対の言葉
3復唱するときの言葉
4相手を確認し、復唱するときの言葉
5その他のケース

4)間違い電話などへの応対
1番号の押し間違い
2番号の記憶違い
3相手の声が全く聞こえないとき
4いたずら電話

5)携帯電話のマナー
1社用の携帯電話のマナー
2情報管理面でのマナー
3公共のマナー
4その他の大切なマナー

2電話応対の実際

1)オフィスでの一般的な電話応対
1第一声
2取り次ぎの電話応対
このようなときはどうしますか?
3担当者が不在時の電話応対
4伝言メモの作成
5電話をかける

2)担当者としての電話応対
1親しみを込めたあいさつ
2前回会ったときの話題を手掛かりにする
3ビジネス電話では正確性が最重要
4アポイントメント(予約)の取り方

はじめに
ビジネス電話検定の受け方
ビジネス電話実務審査基準

コラムFREETIME
電話を主業務とする人
言葉遣いの乱れ
ファミコン言葉
不快感を与える表現

3ケーススタディ

Case1会社を代表して応対するということ
Case2同じ名字の人がいたら
Case3話を要約する
Case4言葉遣いに気を付ける
Case5相手に不快感を与えない言葉遣い
Case6整った口調の話し方
Case7しっかりとした話し方
Case8端的な話し方
Case9感じのよさ
Case10感じのよさ、感じよく出られる

4演習問題

知識B級(基本)
知識A級(応用)

5実践級

試験の内容
課題例

ビジネス電話検定の受け方

ビジネス電話実務検定試験の概要

1ビジネス電話実務検定試験の範囲と合格基準
筆記試験は「理論」と「実技」に領域区分され、それぞれの得点が60%以上のとき合格となります。

級位には知識B級、知識A級、実践級があり、それぞれの級位によって、必要とされる技能の段階に違いがあります。詳しくは「審査基準」をご覧ください。

2各級位において期待される技能の程度
1知識B級の程度
ビジネス電話について初歩的な知識を持ち、技能の基本を理解して平易な業務を行える。

2知識A級の程度
ビジネス電話に関する知識、技能を発揮して、求められる業務が遂行できる。

3実践級の程度
ビジネス電話に関して高度な知識、技能を持ち、一般水準以上のビジネス電話業務が遂行できる。

3試験の方法
知識B級と知識A級は、筆記試験によって、受験者の技能が審査されます。
実践級は、ロールプレイング審査です。

4受験資格
受験に際して、学歴・年齢その他の制限はありません。
知識B級と知識A級は、どなたでも受験することができます。
実践級は、知識A級に合格している方のみ受験することができます。

5試験実施日
年2回実施します。

6その他検定についてのお問い合わせ
試験の実施日・会場・検定料、合否通知・合格証の発行などについては、「検定案内」をご覧ください。その他、不明な点は、下記へお尋ねください。

公益財団法人実務技能検定協会ビジネス電話検定部
〒169-0075東京都新宿区高田馬場一丁目4番15号
電話(03)3200-6675

ビジネス電話実務審査基準
知識B級(基本)

図表1

程度 領域 内容
ビジネス電話について初歩的 な知識を持ち、 技能の基本を 理解して平易な 業務を行える。 I 話し方の知識 1話の仕方について理解できる。
2 感じのよさについて理解できる。
3話の要約について理解できる。
4敬語について理解できる。
5言葉の使い分けについて理解できる。
II 基礎技能 1 明瞭な発音が理解できる。
2整った口調の話し方が理解できる。
3 落ち着きのある口調の話し方が理解できる。
4分かりやすい話し方が理解できる。
5 しっかりとした話し方(頼りない話し方ではない)が理解できる。
6 端的な話し方(冗長な話し方ではない)が理解できる。
7 区切りのある, はっきりとした話し方が理解できる。
8 電話の特性について理解できる。
Ⅲ 電話実務 1 感じよく出ることについて理解できる。
2相手の確認の仕方を理解できる。
3用件の尋ね方を理解できる。
4用件の受け方を理解できる。
5 伝言の受け方を理解できる。
6 伝言の伝え方を理解できる。
7 当方の紹介の仕方について理解できる。
8他人の紹介の仕方について理解できる。
9説明の仕方について理解できる。
10 説得の仕方について理解できる。

©︎公益財団法人実務技能検定協会

知識A級(応用)

図表2

程度 領域 内容
ビジネス電話に関する知識, 技能を発揮して, 求められる業務 が遂行できる。 I 話し方の知識 1話の仕方が分かる。
2感じのよさが分かる。
3話の要約が分かる。
4 敬語が分かる。
5言葉遣いが分かる。
Ⅱ 基礎技能 1 明瞭な発音ができる。
2整った口調の話し方ができる。
3 落ち着きのある口調の話し方ができる。
4分かりやすい話し方ができる。
5 しっかりとした話し方(頼りない話し方ではない)ができる。
6端的な話し方(冗長な話し方ではない)ができる。
7 区切りのある, はっきりとした話し方ができる。
8電話の特性が分かる。
Ⅲ 電話実務 1 感じよく出られる。
2相手を確認できる。
3用件を尋ねられる。
4用件を受けられる。
5 伝言を受けられる。
6 伝言を伝えられる。
7当方を紹介できる。
8他人を紹介できる。
9説明ができる。
10 説得ができる。

©︎公益財団法人実務技能検定協会

実践級(ロールプレイング)

図表3

程度 領域 内容
ビジネス電話 に関して高度な 知識,技能を持 ち,一般水準以 上のビジネス電 話業務が遂行で きる。 I 話し方の知識 1話の仕方が分かっている。
2 感じのよさが分かっている。
3話を要約できる。
4敬語が分かっている。
5 言葉遣いが分かっている。
Ⅱ 基礎技能 1 明瞭な発音である。
2整った口調の話し方である。
3 落ち着きのある口調の話し方である。
4分かりやすい話し方である。
5 しっかりとした話し方である。(頼りない話し方ではない)
6端的な話し方である。(冗長な話し方ではない)
7 区切りのある,はっきりとした話し方である。
8電話の特性が分かっている。
Ⅲ 電話実務 1 感じよく出ることについて分かっている。
2相手を確認することについて分かっている。
3用件を尋ねることについて分かっている。
4用件を受けることについて分かっている。
5伝言を受けることについて分かっている。
6 伝言を伝えることについて分かっている。
7当方を紹介することについて分かっている。
8 他人を紹介することについて分かっている。
9説明をすることについて分かっている。
10 説得をすることについて分かっている。

©︎公益財団法人実務技能検定協会

実務技能検定協会 (編集)
出版社: 早稲田教育出版; 改訂版 (2007/2/1)、出典:出版社HP