組織に活かすトータル・ファイリングシステム「ファイリングデザイナー1級テキスト」




はじめに

本格的な高度情報化社会に突入したいま、やっておくべきことのひとつに、オフィスに氾濫するさまざまな情報の管理があります。日々の業務の中で収集・整理され、廃棄されていく膨大な情報を、経営資源として私たちはどれだけ有効に活用しているでしょうか。あるいは有効に活用するための仕組みをつくっているでしょうか。ますます重要度を増す経営記録管理の中核を担うファイリング・デザイナーの育成は、高度情報化の波に乗り遅れないためあらゆる組織体において必須かつ喫緊の課題です。

社団法人日本経営協会では1996年から「ファイリング・デザイナー検定試験」(2・3級)を実施し、21世紀を担う経営記録管理のスペシャリスト育成を通じ、産業界のみならず広く官界、学界へもトータル・ファイリングシステムの普及・啓発を推進しています。受験者の便宜を図るべく、検定試験スタートと同時に刊行された「ファイリング・デザイナーテキスト」はトータル・ファイリングシステムを基礎から学ぶうえで必要な要素を網羅した好著として、受験者のみならず各方面から高い評価を得ています。

本書はより高度かつ実践的なファイリングシステムをめざすかたがたのために発刊され、今日に至っています。「ファイリング・デザイナーテキスト」を学び終えた人の次のステップとして、またファイリング・デザイナー検定試験1級の対策用としてご活用ください。

2011年4月
一般社団法人日本経営協会
ファイリング・デザイナー検定事務局

一般社団法人日本経営協会 (編集)
出版社: 一般社団法人日本経営協会 (2011/4/1)、出典:出版社HP

目次

第I章 組織経営とオフィスの基礎知識
1 パソコンネットワークが組織体に与えるインパクト
2 組織経営にオフィス革命が要請される背景
3 オフィス革命とは何か
4 経営職能の分化とオフィス業務の役割
5 情報資源管理とトータル・ファイリングシステム

第Ⅱ章 導入・維持管理の知識と実務-
1 システム導入推進組識
2 システム導入手順
3 調査・視察等
4 試行導入
5 ブロック別導入
6 切換えの準備
7 切換えの手順
8 切換えの実施
9 維持管理の実務

第Ⅲ章 トータル・ファイリングシステム推進メンバーの役割と必要能力
1 発想の転換を図る
2 電子化への取り組みと危機管理
3 役割と必要能力~職場内ファイリングマネジャーから社内コンサルタントまで~
4 先進事例の分析と評価能力の身につけ方
5 オフィス業務のムダ取りに取り組む

第Ⅳ章 ファイリングシステムの情報化と関連法規の動向
1 紙に替わる情報媒体の特性
2 文書ファイリングとパソコンファイリングの相違
3 パソコンネットワークの活用
4 環境変化対応能力
5 保存媒体の法的証拠性
6 会社法と日本版SOX法

第V章 トータル・ファイリングシステムの現状と将来
1 記録と情報
2 トータル・ファイリングシステムの定義
3 トータル・ファイリングシステムの業務内容と構成要素
4 これからのトータル・ファイリングシステム

巻末資料
●行政文書の管理方策に関するガイドライン抜粋

付録 ファイリング・デザイナー検定1級参考問題と解答

一般社団法人日本経営協会 (編集)
出版社: 一般社団法人日本経営協会 (2011/4/1)、出典:出版社HP