一問一答 民法(債権関係)改正 (一問一答シリーズ)




はしがき

民法のうち債権関係の分野について、明治29年(1896年)の同法の制定以来およそ120年ぶりに全般的な見直しを行うものである「民法の一部を改正する法律」(平成29年法律第44号)は、平成29年5月、第193回国会(平成29年常会)において、「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(平成29年法律第45号)とともに成立し、いずれも同年6月2日に公布された。この民法改正法と整備法は、ごく一部の例外を除いて、平成32年(2020年)4月1日から施行される。

この民法改正は、法制審議会への諮問がされた平成21年から8年ほど、それ以前の準備作業の段階から数えれば10年余を要する大プロジェクトとなり、その改正項目の分量や社会的な影響の大きさなどから見て、法務省民事局がこれまでに経験した法改正のなかでも最大級のものであったと考えられる。その検討の過程においては、本当に数多くの関係者、関係諸団体からのご支援・ご協力を賜った。改めて心から感謝を申し上げたい。

本書は、この民法改正法と整備法による多岐にわたる改正項目について、一問一答の形式で、改正の趣旨やその内容を簡潔に説明しようとするものである。その執筆は、編著者である筒井、村松のほか、法務省民事局において編著者とともに改正法の立案事務に関与した脇村真治、松尾博憲、谷地伸之、金洪周、前田芳人、吉田岳朗を中心に、後藤智志、菅澤純也が分担して行い、全体の調整は編著者が行った。

もとより、本書は、編著者らが個人の立場で執筆したものであり、意見にわたる部分は編著者らの個人的見解にとどまるものである。

なお、執筆に当たっては、関係法案の作成作業に従事した笹井朋昭、住友俊介、合田章子、髙橋玄、池田好英、忍岡真理恵、北島洋平の各氏や、法案の国会審議に従事した堀越健二、竹下慶、宇野直紀の各氏から、貴重な助言をいただいた。また、本書の刊行に当たっては、株式会社商事法務の岩佐智樹氏、下稲葉かすみ氏のご尽力を賜った。記して感謝の意を表したい。

平成30年2月
法務省大臣官房審議官 筒井健夫
法務省民事局参事官 村松秀樹

凡例

本書中、法令の条文等を引用する場合に用いた略語は、次のとおりです。
改正法 民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)
附則 改正法附則
整備法 民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成29年法律第45号)
民法 改正法による改正のない民法の規定及び、改正に関係なく規定を示す場合
新法 改正法による改正後の民法(明治29年法律第89号)
旧法 改正法による改正前の民法
新(旧)民法施行法 整備法による改正後(前)の民法施行法(明治31年法律第11号)
新(旧)商法 整備法による改正後(前)の商法(明治32年法律第48号)
新(旧)手形法 整備法による改正後(前)の手形法(昭和7年法律第20号)
新(旧)小切手法 整備法による改正後(前)の小切手法(昭和8年法律第57号)
新(旧)農地法 整備法による改正後(前)の農地法(昭和27年法律第229号)
新(旧)民事執行法 整備法による改正後(前)の民事執行法(昭和54年法律第4号)
新(旧)破産法 整備法による改正後(前)の破産法(平成16年法律第75号)
新(旧)非訟事件手続法 整備法による改正後(前)の非訟事件手続法(平成23年法律第51号)

筒井 健夫 (著), 村松 秀樹 (著)
商事法務、出典:出版社HP

一問一答民法(債権関係)改正
もくじ

第1章 総論
Q1今回、民法(債権関係)の一部改正が行われたのはなぜか。
Q2今回の改正の要点は何か。
Q3改正法案の提出に至る経緯は、どのようなものか。
Q4改正法案の国会における審議の経過及び内容はどのようなものであったか。

第2章 民法総則
第1 意思能力
Q5意思能力を有しない者がした法律行為は無効とする旨を明文化した理由は、どのようなものか(新法第3条の2関係)。

第2 公序良俗
Q6公序良俗に反することによる法律行為の無効について、「事項を目的とする」との文言を削除した理由は、どのようなものか(新法第90条関係)。

第3 意思表示
Q7意思表示に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第93条~第98条の2関係)。
Q8心裡留保による意思表示に関しては、どのような改正をしているか(新法第93条関係)。
Q9錯誤による意思表示に関しては、どのような改正をしているか(新法第95条関係)。
Q10動機の錯誤を理由とする意思表示の取消しは、動機となった事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていなければすることができないとした理由は、どのようなものか(新法第95条関係)。
Q11詐欺による意思表示に関しては、どのような改正をしているか(新法96条関係)。
Q12意思表示の効力の発生に関しては、どのような改正をしているか(新法97条、第98条の2関係)

第4 代理
Q13代理に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第13条第1項第10号、第99条~第118条等関係)。
Q14制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為について、行為能力の制限の規定によって取り消すことができるとした理由は、どのようなものか(新法第102条、第13条第1項第10号等関係)。
Q15代理権の濫用に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第107条関係)。
Q16利益相反行為に関する規定を見直した理由は、どのようなものか(新法第108条関係)。

第5 無効及び取消し
Q17無効及び取消しに関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第119条~第126条関係)。
Q18無効な行為(取り消されて無効とみなされた行為を含む。)に基づいて債務が履行された場合の原状回復義務に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第121条の2関係)。
Q19追認は取消権を有することを知った後にしなければその効力を生じない旨を明文化した理由は、どのようなものか(新法第124条関係)。

第6 条件
Q20条件の成就により利益を受ける当事者が不正に条件を成就させた場合に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第130条第2項関係)。

第7 時効
Q21時効に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第144条~第174条、第724条、第724条の2関係)。
Q22消滅時効の援用をする「当事者」について、「保証人、物上保証人、第三取得者その他権利の消滅について正当な利益を有する者を含む」との文言を加えた理由は、どのようなものか(新法第145条関係)。
Q23時効の中断及び停止を改め、時効の完成猶予及び更新とした理由は、どのようなものか(新法第147条~第161条関係)。
Q24時効の完成猶予事由及び更新事由は、具体的にはどのようなものか(新法第147条~第161条関係)。
Q25協議を行う旨の合意を時効の完成猶予事由とした理由は、どのようなものか。また、その内容は具体的にどのようなものか(新法第151条関係)。
Q26天災等による時効の停止(完成猶予)に関して、障害が消滅した時から2週間との期間を、障害が消滅した時から3箇月間とした理由は、どのようなものか(新法第161条関係)。
Q27旧法第170条から第174条までに定められた職業別の短期消滅時効の特例をと旧商法第522条に定められた商事消滅時効の特例を廃止した理由はどのようなものか(新法第170条~第174条関係)。
Q28債権の原則的な消滅時効期間について、「権利を行使することができる時」から10年という時効期間に加えて、「権利を行使することができることを知った時」から5年という時効期間を設けた理由は、どのようなものか(新法第166条第1項第1号関係)。
Q29主観的起算点からの消滅時効の進行開始の要件である「債権者が権利を行使することができることを知った」と認められるためには、どのような、認識が必要となるか。また、「権利を行使することができる」といえる状態でなくとも、主観的起算点からの消滅時効が進行することがあるのか(新法第166条第1項第1号関係)。
Q30定期金債権及び定期給付債権の消滅時効に関しては、どのような改正をしているか(新法第168条関係)。
Q31人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効の特例に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第167条、第724条の2関係)。
Q32旧法第724条後段の長期の権利消滅期間を消滅時効期間とした理由は、どのようなものか(新法第724条第2号関係)。

第3章債権総論
第1 債権の目的
Q33債権の目的に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第399条~第411条関係)。
Q34旧法第400条に規定する善管注意義務について「契約その他の債権の発生原因及び取引上の社会通念に照らして定まる」との文言を加えた理由は、どのようなものか(新法第400条関係)。
Q35選択債権の特定の要件を見直した理由は、どのようなものか(新法第4条関係)。

第2 債務不履行の責任等
Q36債務不履行の責任等に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第412条~第422条の2関係)。
Q37履行不能に関する基本的な規定を新設した理由及びその内容は、どのようなものか(新法第412条の2第1項関係)。
Q38原始的不能の場合の損害賠償請求に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第412条の2第2項関係)。
Q39受領遅滞の効果に関しては、どのような改正をしているか(新法第413条、第413条の2第2項関係)。
Q 40債務不履行による損害賠償請求の要件に関する規定を見直した理由は、どのようなものか(新法第415条第1項関係)。
Q41債務の履行に代わる損害賠償に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第415条第2項関係)。
Q42特別の事情に基づく損害賠償請求の要件に関する規定を見直した理由は、どのようなものか(新法第416条第2項関係)。

第3 法定利率(中間利息控除を含む。)
Q43法定利率に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第404条、第417条の2、第419条、第722条第1項関係)。
Q44法定利率を年3%に引き下げた理由は、どのようなものか(新法第404条第2項関係)。
Q45法定利率について緩やかな変動制を採用した理由は、どのようなものか。また、その具体的な内容はどのようなものか(新法第404条関係)。
Q46法定利率の見直しの基準となる「基準割合」は、どのように定まるのか(新法第404条第5項関係)。
Q47利息の算定に用いる法定利率を「利息が生じた最初の時点における法定利率」とし、遅延損害金の算定に用いる法定利率を「債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率」とした理由は、どのようなものか(新法第404条第1項、第419条第1項関係)。
Q48将来の逸失利益等の損害賠償額の算定に当たって中間利息控除を行う際に、法定利率によりこれをすることにした理由は、どのようなものか(新法第417条の2、第722条第1項関係)。
Q49中間利息控除に用いる法定利率の基準時を損害賠償請求権が生じた時点とした理由は、どのようなものか(新法第417条の2、第722条関係)。

第4 債権者代位権
Q50債権者代位権に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第423条~第423条の7関係)。
Q51債権者代位権の要件等に関しては、どのような改正をしているか(新法第423条関係)。
Q52債権者代位権の行使方法や債務者の処分権限の帰趨等に関してはどのような改正をしているか(新法第423条の2~第423条の6関係)。
Q53登記・登録請求権の保全を目的とする債権者代位権に関する規定を新た理由は、どのようなものか(新法第423条の7関係)。

第5 詐害行為取消権
Q54詐害行為取消権に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第424条~第426条関係)。
Q55詐害行為取消権の基本的な要件に関しては、どのような改正をしているか(新法第424条関係)。
Q56詐害行為取消権の要件に関して、行為類型ごとの要件の特例を定めた理由は、どのようなものか。また、その内容はどのようなものか(新法第424条の2~第424条の4関係)。
Q57詐害行為の目的物を受益者から取得した者(転得者)に対して詐害行為取消請求をするためには、どのような要件が必要となるか(新法第424条の5関係)。
Q58詐害行為取消権の行使方法等に関しては、どのような改正をしているか(新法第424条の6第425条関係)。
Q59詐害行為取消権を行使した債権者が直接請求権に基づいて支払を受けた金銭の債務者に対する返還債務と債務者に対する自己の債権とを相殺することはできるか(新法第424条の9関係)。
Q60財産処分行為が取り消された場合には、受益者は、債務者に対し、反対給付の返還を請求することができるとした理由は、どのようなものか。また、転得者は、債務者に対し、反対給付の返還を請求することができるか(新広第425条の2、第425条の4第1号関係)。
Q61債務消滅行為が取り消された場合に、受益者又は転得者がその行為によって消滅していた受益者の債務者に対する債権を行使することができるとして、理由は、どのようなものか(新法第425条の3、第425条の4関係)。
Q62詐害行為取消権の期間の制限に関しては、どのような改正をしているか(新法第426条関係)。

第6 多数当事者の債権及び債務(保証債務を除く。)
Q63保証債務を除く多数当事者の債権及び債務に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第427条~第445条関係)。
Q64同一の債務の目的について数人の債務者がある場合における債務の分類をどのように見直したか。また、同一の債権の目的について数人の債権者がある場合における債権の分類をどのように見直したか(新法第427条、第428条、第430条、第432条、第436条関係)。
Q65連帯債権に関する規定を新設した理由は、どのようなものか。また、連帯債権に関する規律の内容はどのようなものか(新法第432条~第435条の2関係)。
Q66連帯債務に関しては、どのような改正をしているか(新法第438条~第445条関係)。
Q 67不可分債権・不可分債務に関しては、どのような改正をしているか(新法第428条~第430条関係)。

第7 保証
Q68保証に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第446条~第465条の10関係)。
Q69連帯保証人について生じた事由の主債務者に対する効力に関しては、どのような改正をしているか(新法第458条関係)。
Q70主債務の履行状況に関する情報の提供義務に関する規定を新設した理由はどのようなものか。また、その内容はどのようなものか(新法第458条の2関係)。
Q71主債務者の期限の利益喪失時における情報提供義務に関する規定を新設した理由は、どのようなものか。また、その内容はどのようなものか(新法第458条の3関係)。
Q72保証人が個人である根保証契約(個人根保証契約)一般について、極度額に関する規律を設けた理由は、どのようなものか(新法第465条の2関係)。
Q73貸金等根保証契約以外の個人根保証契約について、元本確定期日に関する規律を設けなかった理由は、どのようなものか(新法第465条の3関係)。
Q74個人根保証契約一般について、元本確定事由に関する規律を設けた理由は、どのようなものか。また、その内容はどのようなものか(新法第465条の4関係)。
Q75保証人が法人である根保証契約において極度額の定めがないときは、その法人が主債務者に対して取得する求償権を個人が保証する保証契約の効力が生じないとした理由は、どのようなものか(新法第465条の5期但部人が個人である事業のために負担した貸金等債務の関係)。
Q76保証人が個人である事業のために負担した貸金など債務について保証契約を締結する際に、公証人が保証人になろうとするものの保証石を確認する手続きを新設した理由はどのようなものか(新法第465条の6等関係)。
Q77保証意思確認のために作成される保証意思宣明公正証書の作成手続きはどのようなものか(新法第465条の6関係)。
Q78保証意思宣明公正証書を作成する際に、公証人は、保証人になろうとする者の保証意思をどのように確認するのか(新法第465条の6関係)。
Q79「事業のために負担した(する)貸金等債務」とは、どのようなものか。また、それに該当するか否かは、どのように判断するのか(新法第465条の6関係)。
Q80事業以外の使途のために貸付けがされ、保証意思宣明公正証書を作成せずに保証契約が締結された場合において、その貸し付けられた金員が事業に使われてしまったときは、当該保証契約の効力はどのようになるのか(新法第465条の6関係)。
Q81事業のために負担した貸金等債務についての保証契約の保証人が主債務者に対して取得する求償権に係る債務について個人が保証する場合にも、保証意思宣明公正証書の作成を要するとした理由は、どのようなものか(新法第465条の8関係)。
Q82保証人が個人であっても保証意思宣明公正証書の作成が不要であるのは、保証人が主債務者とどのような関係にある場合か(新法第465条の9関係)。
Q83「主債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者」について、保証意思宣明公正証書の作成が不要である理由は、どのようなものか。また、具体的に、どういった者がこれに該当するのか(新法第465条の9第1号関係)。
Q84保証意思宣明公正証書の作成が不要となる主債務者が個人である場合の主債務者と「共同して事業を行う」者とは、どのようなものか(新法第465条の9第3号関係)。
Q85主債務者が個人である場合の主債務者の事業に現に従事している主債務者の配偶者について、保証意思宣明公正証書の作成が不要である理由は、どのようなものか。また、その具体的な要件はどのようなものか(新法第465条の9第3号関係)。
Q86主債務者が事業のために負担する債務についての保証を委託する際に自己の財産や収支の状況等に関する情報を提供しなければならないとした理由は、どのようなものか(新法第465条の10関係)。

第8 債権譲渡
Q87債権譲渡に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第466条~第469条関係)。
Q88譲渡制限特約の効力に関しては、どのような改正をしているか(新法第466条~第466条の5関係)。
Q89譲渡制限特約に関する規定の改正により、中小企業の資金調達は円滑なものとなるのか(新法第466条~第466条の5関係)。
Q90譲渡制限特約が付された金銭債権が譲渡されたときに、債務者が供託することができる旨の権利供託に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第466条の2関係)。
Q91譲渡制限特約が付された金銭債権が譲渡された後に、譲渡人について破産手続開始の決定があったときは、譲受人が債務者に供託させることができるとした理由は、どのようなものか(新法第466条の3関係)。
Q92譲渡制限特約が付された債権に対する強制執行をした差押債権者に対して、債務者が譲渡制限特約を理由に債務の履行を拒むことはできないなどとした理由は、どのようなものか(新法第466条の4関係)。
Q93預貯金債権に譲渡制限特約が付された場合に関する特則を新設した理由は、どのようなものか(新法第466条の5関係)。
Q94将来債権の譲渡が可能であることについて規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第466条の6第1項・第2項、第467条関係)。
Q95将来債権の譲渡がされた後に債務者と譲渡人との間で締結された譲渡制限特約の効力に関しては、どのような改正をしているか(新法第466条の6第3項関係)。
Q96異議をとどめない承諾の制度(旧法第468条第1項)を廃止した理由は、どのようなものか(新法第468条関係)。
Q97債権の譲渡における相殺権に関しては、どのような改正をしているか(新法第469条関係)。
Q98新法第469条第2項の「対抗要件具備時より前の原因に基づいて生じた債権」や「譲受人の取得した債権の発生原因である契約に基づいて生じた債権についても、相殺を可能とした理由は、どのようなものか。また、具体的にどのようなものが想定されているのか(新法第469条第2項関係)

第9 債務引受
Q99債務引受に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第470条~第472条の4関係)。
Q100債務引受に関しては、どのような規定が設けられたのか(新法第470条~第472条の4関係)。

第10 弁済
Q101弁済に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第473条~第504条関係)。
Q102第三者の弁済に関しては、どのような改正をしているか(新法第474条関係)。
Q103弁済の充当に関しては、どのような改正をしているか(新法第488条~館491条関係)。
Q104弁済供託に関しては、どのような改正をしているか(新法第494条、第497条、第498条関係)。
Q105弁済による代位に関しては、どのような改正をしているか(新法第499条~第501条関係)。
Q106一部弁済による代位に関しては、どのような改正をしているか(新法第502条関係)。
Q107いわゆる担保保存義務に関しては、どのような改正をしているか(新法第504条関係)。

第11 相殺
Q108相殺に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第505条~第512条の2関係)。
Q109不法行為に基づく損害賠償債権を受働債権とする相殺の禁止の範囲に関しては、どのような改正をしているか(新法第509条関係)。
Q110差押えを受けた債権を受働債権とする相殺の禁止に関しては、どのような改正をしているか(新法第511条関係)。
Q111相殺の充当に関しては、どのような改正をしているか(新法第512条関係)。

第12 更改
Q112更改に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第513条~第518条関係)。

第13 有価証券
Q113有価証券に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第520条の2~第520条の20関係)。

第4章 債権各論(契約)
第1契約の成立
Q114契約の成立に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第521条~第532条関係)。
Q115契約自由の原則に関する規定を新設した理由は、どのようなものか。また、その内容はどのようなものか(新法第521条、第522条第2項関係)。
Q116対話者に対して承諾の期間を定めないでした契約の申込みに関する規定を設けた理由はどのようなものか。また、その内容はどのようなものか(新法第525条関係)。
Q117申込者が死亡等をした場合の意思表示の効力に関する規定を見直した理由は、どのようなものか(新法第526条関係)。
Q118隔地者間の契約についても到達主義によることとした理由は、どのようなものか(旧法第526条等関係)。
Q119懸賞広告に関しては、どのような改正をしているか(新法第529条~第530条関係)。

第2 契約の効力
Q120契約の効力に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第533条~第539条関係)。
Q121同時履行の抗弁について定めた旧法第533条本文に「債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。」との文言を加えた理由は、どのようなものか(新法第533条関係)。
Q122危険負担に関しては、どのような改正をしているか(新法第536条関係)。
Q123新法においては、雇用契約において、使用者の責めに帰すべき事由により労務の提供ができなくなった場合に、労働者が報酬債権の履行を請求することができるとの解釈は否定されるのか(新法第536条第2項関係)。
Q124第三者のためにする契約に関しては、どのような改正をしているか(新法第537条、第538条関係)。

第3 契約上の地位の移転
Q125契約上の地位の移転に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第539条の2関係)。

第4 契約の解除
Q126契約の解除に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第540条~第548条関係)。
Q127債務不履行について債務者に帰責事由がない場合にも債権者は契約の解除をすることができるとした理由は、どのようなものか(新法第541条~第543条関係)。
Q128催告解除の要件に関して、債務不履行が契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは契約の解除をすることができない旨の規定を設けた理由は、どのようなものか(新法第541条関係)。
Q129無催告解除の要件に関する規定を具体化しつつ整理した理由は、どのようなものか(新法第542条関係)。

第5 定型約款
Q130定型約款に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第548条の2~第548条の4関係)。
Q131定型約款に関して、どのような規定が設けられたのか(新法第548条の2~第548条の4関係)。
Q132「定型約款」の定義の内容は、どのようなものか(新法第548条の2関係)。
Q133「定型約款」に該当する具体例としては、どのようなものがあるか(新法第548条の2第1項関係)。
Q134事業者間取引で用いられている契約書のひな形は「定型約款」に該当するか(新法第548条の2第1項関係)。
Q135従来当事者間で「約款」と呼ばれていたが新法の「定型約款」の定義に含まれないこととされたものについては、どのようなルールが適用されることになるか(新法第548条の2第1項関係)。
Q136定型約款中の条項が契約の内容となるための要件は、どのようなものか(新法第548条の2第1項関係)。
Q137「相手方の権利を制限し、又は相手方の義務を加重する条項であって 第一条第二項に規定する基本原則に反して相手方の利益を一方的に害すると認められるものについては、合意をしなかったものとみなす」旨の規定を設けた理由は、どのようなものか(新法第548条の2第2項関係)。
Q138新法第548条の2第2項において考慮要素として明示された「定型取引の態様及びその実情並びに取引上の社会通念」とは、どのようなものか(新法第548条の2第2項関係)。
Q139定型約款の内容の表示請求に関する規定の内容は、どのようなものか(法第548条の3関係)。
Q140定型約款の変更に関する規定の概要は、どのようなものか(新法第548条の4関係)。
Q141定型約款の変更の要件の内容は、具体的には、どのようなものか(新法第548条の4関係)。
Q142定型約款の変更について、不当条項規制の規定(新法第548条の2第2項)を適用しない旨の規定を置いた理由は、どのようなものか(新法第548条の4第4項関係)。

第6 贈与
Q143贈与に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第549条~第551条関係)。
Q144贈与者の担保責任に関しては、どのような改正をしているか(新法第551条関係)。

第7 売買
Q145売買に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第557条~第585条関係)。
Q146手付に関しては、どのような改正をしているか(新法第557条関係)。
Q147他人の権利の売買に関しては、どのような改正をしているか(新法第561条関係)。
Q148目的物が契約の内容に適合しない場合における買主の権利に関しては、どのような改正をしているか(新法第562条~第564条関係)。
Q149売買の目的物が契約の内容に適合しない場合に買主が有する履行の追完請求権に関する規定を新設した理由は、どのようなものか。また、その内容はどのようなものか(新法第562条関係)。
Q150目的物が契約の内容に適合しない場合における買主の代金減額請求権に関しては、どのような改正をしているか(新法第563条関係)。
Q151目的物が契約の内容に適合しない場合における損害賠償請求及び契約の解除に関してはどのような改正をしているか(新法第564条関係)
Q152買主に移転した権利が契約の内容に適合しない場合における買主の権利に関しては、どのような改正をしているか(新法第565条関係)
Q153買主の権利の期間制限に関しては、どのような改正をしているか(新法第566条関係)。
Q154目的物の滅失等についての危険の移転に関しては、どのような改正をしているか(新法第567条関係)。
Q155競売における担保責任に関しては、どのような改正をしているか(新法第568条関係)。

第8 消費貸借
Q156消費貸借に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第587条~第592条関係)。
Q157諾成的消費貸借に関しては、どのような改正をしているか(新法第587条の2関係)。Q158消費貸借における利息に関しては、どのような改正をしているか(新法第589条関係)。
Q159消費貸借における貸主の担保責任に関しては、どのような改正をしているか(新法第590条関係)。
Q160消費貸借の目的物の期限前の返還に関しては、どのような改正をしているか(新法第591条第2項・第3項関係)。

第9 使用貸借
Q161使用貸借に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第593条~第600条関係)。
Q162使用貸借を諾成契約とした理由は、どのようなものか(新法第593条、第593条の2関係)。
Q163使用貸借の担保責任に関しては、どのような改正をしているか(新法第596条関係)。
Q164借用物の返還時期及び使用貸借の終了に関しては、どのような改正をしているか(新法第597条、第598条関係)。
Q165使用貸借が終了したときの借主の収去義務及び原状回復義務に関しては、どのような改正をしているか(新法第599条関係)。
Q166貸主の損害賠償請求権に係る消滅時効の完成猶予に関しては、どのような改正をしているか(新法第600条第2項関係)。

第10 賃貸借
Q167賃貸借に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第601条~第622条の2関係)。
Q168賃貸借の存続期間の上限を伸長した理由は、どのようなものか(新法第604条関係)。
Q169賃貸借の対抗要件を備えた賃貸不動産が譲渡された場合における賃貸人たる地位に関しては、どのような改正をしているか(新法第605条の2関係)。
Q170賃貸借の対抗要件を備えていない賃貸不動産が譲渡された場合における不動産の賃貸人たる地位の移転に関しては、どのような改正をしているか(新法第605条の3関係)。Q171賃借人による修繕に関しては、どのような改正をしているか(新法第607条の2関係)。
Q172賃借物の一部滅失等による賃料の減額に関しては、どのような改正をしているか(新法第611条第1項関係)。
Q173賃借物の一部滅失等による契約の解除及び全部滅失等による契約の終了に関しては、どのような改正をしているか(新法第611条第2項、第616条の2関係)。
Q174賃貸借の終了時における賃借人の原状回復義務及び収去義務に関しては、どのような改正をしているか(新法第621条、第622条等関係)。
Q175賃貸借の敷金に関しては、どのような改正をしているか(新法第622条の2等関係)。

第11 雇用
Q176雇用に関して、改正をしているものには、どのようなものがあるか(新法第623条~第631条関係)。
Q177履行の割合に応じた報酬に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第624条の2関係)。
Q178期間の定めのある雇用において、5年を経過した後にすることができる契約の解除に関して、労働者が解除の予告をすべき時期を解除の3箇月前から2週間前に改めた理由は、どのようなものか(新法第626条関係)。
Q179期間の定めのない雇用における解約の申入れに関する規律を見直した理由は、どのようなものか(新法第627条関係)。

第12 請負
Q180請負に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第632条~第642条関係)。
Q181注文者が受ける利益の割合に応じた報酬に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第634条関係)。
Q182請負人に対する瑕疵修補請求及び損害賠償請求に関する規定を削除した理由は、どのようなものか(旧法第634条関係)。
Q183仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約目的を達成することができない場合の契約の解除に関する規定を削除した理由は、どのようなものか(旧法第635条関係)。
Q184仕事の目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の制限に関しては、どのような改正をしているか(新法第636条関係)。
Q185仕事の目的物の種類又は品質に関する請負人の担保責任の期間制限に関しては、どのような改正をしているか(新法第637条関係)。

第13 委任
Q186委任に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第643条~第656条関係)。
Q187復受任者の選任等に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第644条の2関係)。
Q188受任者が既にした履行の割合に応じた報酬に関する規定を改めた理由は、どのようなものか(新法第648条第3項関係)。
Q189成果に対して報酬を支払う旨の合意がされた場合に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第648条の2関係)。
Q190「委任者が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする委任を解除したとき」にも損害賠償をしなければならないとした理由は、どのようなものか(新法第651条関係)。

第14 寄託
Q191寄託に関して、改正をしている事項には、どのようなものがあるか(新法第657条~第666条関係)。
Q192寄託の成立要件に関しては、どのような改正をしているか(新法第657条、第657条の2関係)。
Q193受寄者が寄託物を第三者に保管させる場合の規律に関しては、どのような改正をしているか(新法第658条関係)。
Q194寄託物について女子物について権利を主張する第三者がある場合の規律に関しては、どのような改正をしているか(新法第660条関係)。
Q195寄託物の一部滅失又は損傷があった場合の寄託者の損害賠償請求権や受寄の費用償還請求権について、その行使期間の制限等に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第664条の2関係)。
Q196混合寄託に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第665条の2関係)。
Q197消費寄託に関しては、どのような改正をしているか(新法第666条関係)。

第15 組合
Q198組合に関して、改正している事項には、どのようなものがあるか(新法第667条~第688条関係)。
Q199組合契約の効力に関しては、どのような改正をしているか(新法第667条の2、第667条の3関係)。
Q200組合の業務の決定・執行と組合の代理に関しては、どのような改正をしているか(新法第670条、第670条の2関係)。
Q201組合の債権者及び組合員の債権者の権利行使に関しては、どのような改正をしているか(新法第675条、第677条関係)。
Q202脱退した組合員の責任等に関する規定を新設した理由は、どのようなものか(新法第680条の2関係)。

第5章 経過措置
Q203新法の施行期日はいつか(附則第1条関係)。
Q204新法の施行日前に締結された契約や、既に発生していた債権債務についても、新法が適用されるのか。
Q205新法の施行日前に締結された契約について、新法の施行日以後に契約の更新がされた場合には、新法が適用されるのか。
Q206消滅時効に関する経過措置はどのようなものか(附則第10条、第35条関係)。
Q207債権譲渡に関する経過措置はどのようなものか(附則第22条関係)。
Q208定型約款に関する経過措置はどのようなものか(附則第33条関係)。

事項索引

筒井 健夫 (著), 村松 秀樹 (著)
商事法務、出典:出版社HP