ビジネス著作権検定テキスト初級・上級改正著作権法〔H30改正〕対応版 (瞬解テキストシリーズ)




はじめに

ビジネスシーンにおける著作権の管理・運用を適正に行うための知識を、法に照らし客観的に測定する機会として、「ビジネス著作権検定」が実施されている。

本書は、このビジネス著作権検定(以下「検定」と略す。)の「初級と上級の双方」に合格するための参考書であり、特に以下の点に配慮して執筆・編集している。

(1)オール・イン・ワン
知識の習得(学習)と定着(復習)の双方に、この1冊で対応可能とするため、1テキスト、2過去問題、3著作権法条文、を一体化した。
(2)全出題範囲を網羅
検定の全出題範囲をカバーするため、著作権法のみならず、民法その他の法律や周辺知識についても、検定合格に必要な範囲で解説を加えた。一方、著作権法の規定であっても出題可能性の低いものは、解説を省略した。
(3)分野別過去問題
テキスト部分の進行・習熟度に合わせ、並行的に過去問題を解いていただくため、過去問題(初級・上級各1回分)を「分野別」に整理して掲載した。
(4)要点の指摘
テキスト部分では、まず押さえるべき基本事項や基本条文を「要点」として指摘・強調した。
(5) 2色刷り
上記「要点」部分に次いで重要な解説部分は、「青字」で強調した。

これらの特徴を有する検定対策テキストは、他に類を見ない。是非とも本書を活用して、初級・上級双方の検定合格を達成していただきたい。

執筆者 垣島武德

CONTENTS

はじめに
ビジネス著作権検定ガイダンス

第1章 著作権の全体像

1.著作権とは、どのような権利か?
(1)著作権の意義
(2)所有権と著作権の違い
(3)知的財産権
(4)知的財産権保護の重要性
2.著作権法とは、どのような法律か?
(1)著作権法の位置づけ
(2)著作権法の全体像
(3)民法との比較
確認テスト
解答・解説

第2章 著作物
1.著作物とは?
(1)著作物の要件
(2)著作物とはならないもの
2.著作物の例示
3.特殊な著作物
(1)二次的著作物
(2)編集著作物
(3) データベースの著作物一
(4)共同著作物
4.著作権法によって保護される著作物
(1)保護を受ける著作物(著作権法の適用範囲)
(2)著作権の目的とならない著作物
確認テスト
解答・解説

第3章 著作者
1.著作者と著作者の推定
(1)著作者
(2)著作者となる時期
(3)著作者の推定
2.職務著作(法人著作)
3.映画の著作物の著作者
確認テスト
解答・解説

第4章 著作者人格権
1.著作者人格権とは?
2.著作者人格権の内容
(1)公表権
(2)氏名表示権
(3)同一性保持権
(4)名誉・声望保持権
3.著作者人格権の一身専属性
(1)譲渡の禁止一
(2)非相続性一
(3)著作者の死亡後等における著作者人格権の保護
確認テスト
解答・解説

第5章 著作権
1.著作権の内容
(1)複製権
(2)上演権及び演奏権
(3)上映権
(4)公衆送信権等
(5)口述権
(6)展示権
(7)頒布権
(8)譲渡権
(9)貸与権
(10)翻訳権・翻案権等
(11)二次的著作物の利用に関する原著作者の権利
(12)映画の著作物に対する著作権
確認テスト
解答・解説
2.著作権の制限(自由利用)
(1)私的使用のための複製
(2)付随対象著作物の利用
(3)検討の過程における利用
(4)著作物に表現された思想又は感情の 享受を目的としない利用
(5)図書館等における複製等
(6)引用
(7)教科用図書等への掲載
(8)学校教育番組の放送等
(9)学校その他の教育機関における複製等
(10)試験問題としての複製等
(11)視聴覚障害者等のための複製等
(12)営利を目的としない上演等
(13)時事問題に関する論説の転載等
(14)政治上の演説等の利用
(15)時事の事件の報道のための利用
(16)裁判手続等における複製
(17)行政機関情報公開法等による開示のための利用
(18)公文書管理法等による保存等のための利用
(19)国立国会図書館法によるインターネット資料等収集のための複製
(20)放送事業者等による一時的固定
(21)美術の著作物等の原作品の所有者による展示
(22)公開の美術の著作物等の利用
(23)美術の著作物等の展示に伴う複製等
(24)美術の著作物等の譲渡等の申出に伴う複製等
(25)プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等
(26)電子計算機における著作物の利用に付随する利用等
(27)電子計算機による情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等
(28)複製物の目的外使用等
(29)著作者人格権との関係
確認テスト
解答・解説
3.著作権の保護期間
(1)保護(存続)期間の始期
(2)保護(存続)期間の終期
(3)著作権の消滅
確認テスト
解答・解説
4.著作権の譲渡と利用許諾等
(1)著作権の譲渡
(2)著作物の利用許諾
(3)著作物の裁定利用
(4)質権の設定
(5)登録
確認テスト
解答・解説

第6章 出版権と著作隣接権
1.出版権
(1)出版権の設定
(2)出版権の内容
(3)出版権者の義務
(4)出版権の消滅
2.著作隣接権
(1)著作隣接権者
(2)実演家の権利
(3) レコード製作者の権利
(4)放送事業者の権利
(5)有線放送事業者の権利
(6)著作隣接権の保護期間
(7)著作隣接権の制限(自由利用)
(8)著作隣接権の譲渡・行使等
(9)著作隣接権の登録
確認テスト
解答・解説

第7章 権利侵害に対する措置
1.侵害に対する措置(民事的措置)
(1)侵害とみなされる行為
(2)侵害に対する措置(著作権法の規定)
(3)侵害に対する措置(著作権法以外の規定)
2.罰則(刑事罰)
確認テスト
解答・解説

第8章 著作権法の周辺知識
1.著作権に関する条約
(1)ベルヌ条約
(2) TRIPs協定
(3) WIPO著作権条約
(4) その他の条約
2.著作権等管理事業法
(1)著作権等管理事業者
(2)著作権等管理事業法の内容
3.その他の知識
(1)肖像権とパブリシティ権
(2) インターネットの利用における著作権侵害の問題
(3)著作権法以外の知的財産法
確認テスト
解答・解説

分野別過去問題
「初級」分野別過去問題
「初級」分野別過去問題 解答・解説

「上級」分野別過去問題
「上級」分野別過去問題 解答・解説

著作権法 条文

索引

ビジネス著作権検定ガイダンス

主催………サーティファイ著作権検定委員会
監修 ……知的財産教育協会
試験目的….ビジネス実務、日常生活においてますます必要とされる著作権に関する知識及び関連する知識について、その基礎的な理解、具体的な裁判例・ビジネス実務における慣例を基準とする事例判断での応用力をそれぞれ測定する。
試験時期…毎年3回(2月、6月、11月。ただし、2月は初級検定のみ。)のほか、企業や学校において団体実施が可能。
受験料……■初級5,000円(税込) ■上級7,800円(税込)

【認定基準】
初級……ビジネス実務、日常生活において必要とされる、
(1)著作権に関する基礎的な知識
(2)著作権法および関連する法令に関する基礎的知識
(3)インターネットに関連する著作権および情報モラルについての基礎的知識
を有する(企業が社員に対する著作権コンプライアンス教育として利用できるレベル)。
上級……ビジネス実務、日常生活において必要とされる、
(1)著作権に関する基礎的な知識
(2)著作権法および関連する法令に関する基礎的知識
(3)インターネットに関連する著作権および情報モラルについての基礎的知識
と、それらの応用力を有する(法務部または知的財産 部の著作権担当者として著作権に関する問題点を発見し、解決することができるレベル)。
受験資格・学歴・年齢等に制限はなく、誰でも受験できる。

申込方法…「ビジネス著作権検定」ホームページ参照
(Web申込又は郵送申込)。
問合先 サーティファイ認定試験事務局 0120-031-749

【出題形式】
初級 ……時間60分、出題数30問
マークシートによる四肢択一式
内容:ビジネス実務・日常生活において必要とされる、
(1)著作権に関する基礎的な知識
(2)著作権法および関連する法令に関する基礎的知識
(3)インターネットに関連する著作権および情報モラルについての基礎的知識
について多岐選択式問題として出題。
上級………時間90分、出題数40問
マークシートによる四肢択一式
内容:ビジネス実務、日常生活において必要とされる、
(1)著作権に関する基礎的な知識
(2)著作権法および関連する法令に関する基礎的知識
(3)インターネットに関連する著作権および情報モラルについての基礎的知識
および応用力について多肢選択式問題として出題。なお、この応用力については、事例での問題点発見と解決能力について問う内容となる。
合格基準・正答率が、初級は65%以上、上級は70%以上であること。
合格率……初級は約60%、上級は約45%

なお、ガイダンス内容は2019年6月1日時点のものであり、最新の検定情報は、主催者のホームページにて確認していただきたい。