ビジネス著作権検定 公式テキスト[初級・上級]第2版
はじめに
超・高度情報社会である現代において、著作権は、コンテンツビジネスに携わっている人だけに関係するものではなくなりました。会議資料や企画書、報告書を作成する際に、他人の作成したイラストや写真や地図などの著作物を利用する機会があるでしょう。また、製品パンフレットや会社案内の製作・Webサイトを運営する場合などには、自ら制作する場合はもちろんのこと、外部委託の場合にも著作権の知識がないと、トラブルを招きかねません。
このように、社会人にとって著作権の知識は必要不可欠なものです。また、学生や社会人教育の場面においてもICT機器の活用に伴い著作権知識の重要性は増しています。
「ビジネス著作権検定®」は、著作権の知識だけでなく、ビジネスシーンで活用できる応用力を問う検定です。BASIC・初級・上級・教育著作権検定の中から自分の業務内容にあった検定にチャレンジし、受験を通じて身に付けた知識と判断力を実務に活用いただければ幸いです。
初版の監修をしていただいた紋谷暢男先生が逝去されたため、改訂版では、文化庁文化審議会著作権分科会長などを歴任し、著作権法改正にご尽力された一橋大学名誉教授の土肥一史先生に監修をお願いしました。
サーティファイ著作権検定委員会
委員長 久保田 裕
本書は、この「ビジネス著作権検定」の初級、上級合格を目指す方のための公式テキストであり、合格するために必要十分な知識を盛り込みました。また、本書を手に取られた方の中には、これまで法律に全く触れたことがない方もいるでしょう。そのような初学者の方が理解しにくい論点につきましては、必ずしも従前の著作権法の解説書で使用されている表現にこだわらずに、容易な用語を使って説明していますので、安心して勉強を進めて下さい。
皆様が、本書を活用いただくと共に、「ビジネス著作権検定®」に合格されることを、執筆者一同祈念しております。
和田宏徳(弁護士)
坂本優(弁護士)
藤原正樹(弁護士)
目次
はじめに
ビジネス著作権検定紹介
第1章ビジネスと法
1-1 契約について
1-2 著作権と所有権の相違
1-3 知的財産権としての著作権
1-4 「著作権」という言葉の意味
ビジネス著作権検定演習問題(ビジネスと法)
第2章 著作物
2-1 著作物の要件
2-2 著作物の例示など
2-3 特殊な著作物
ビジネス著作権検定演習問題(著作物)
第3章 著作者
3-1 著作者とは
3-2 職務著作
3-3 映画の著作物の著作者
ビジネス著作権検定演習問題(著作者)
第4章 著作者人格権
4-1 著作者人格権とは
4-2 公表権・氏名表示権・同一性保持権
4-3 著作者人格権が侵害された場合の対応
ビジネス著作権検定演習問題(著作者人格権)
第5章 著作權
5-1 総論
5-2 支分権
ビジネス著作権検定演習問題(著作権)
第6章 著作権の制限
6-1 総論
6-2 著作権の制限(私的使用)
6-3 著作権の制限(教育・図書館関係)
6-4 著作権の制限(引用・転載)
6-5 著作権の制限(非営利無償)
6-6 著作権の制限(その他)
ビジネス著作権検定演習問題(著作権の制限)
第7章 著作物の保護期間
7-1 保護期間の原則
7-2 保護期間の例外
ビジネス著作権検定演習問題(著作物の保護期間)
第8章 著作物の変動と利用
8-1 権利の変動
8-2 著作物の利用
ビジネス著作権検定”演習問題(著作物の変動と利用)
第9章 著作権の登録
9 著作権の登録
ビジネス著作権検定演習問題(著作権の登録)
第10章 著作磷接權
10-1 総論
10-2 著作隣接権(実演家の権利)
10-3 著作隣接権(レコード製作者の権利)
10-4 著作隣接権(放送事業者、有線放送事業者の権利)
10-5 著作隣接権(保護期間、制限規定等)
ビジネス著作権検定演習問題(著作隣接権).
第11章 著作権の侵害と救済
11-1 著作権の侵害
11-2 差止請求
11-3 損害賠償請求
11-4 刑事罰
ビジネス著作権検定®演習問題(著作権の侵害と救済)
第12章 著作権の周辺問題
12-1 肖像権・パブリシティ権など
12-2 著作権法上の保護が及ばない場合の不法行為責任
ビジネス著作権検定®演習問題(著作権の周辺問題)
第13章 著作権・著作隣接権に関する国際条約等
13-1 国際条約(ベルヌ条約、万国著作権条約)
13-2 外国人が創作した著作物の取り扱い(著作権法による保護を受ける著作物)
ビジネス著作権検定演習問題(著作権・著作隣接権に関する国際条約等)
第14章 著作権ビジネス
14-1 ビジネス類型毎の留意点
14-2 著作権信託について
第15章 著作物の製作を委託・受託する際の留意点
15-1 一般的な著作物(Webサイト・ポスターなど)の場合
15-2 ソフトウェアの場合
ビジネス著作権検定演習問題(著作物の製作を委託・受託する際の留意点)
第16章 情報社会と情報モラル
16 情報社会と情報モラル
演習問題の正答・解説
ビジネス著作権検定
過去問題
初級
上級
正答解説
初級
上級
ビジネス著作権検定の概要
■主催 サーティファイ著作権検定委員会
■試験目的 ビジネス実務、日常生活においてますます必要とされる著作権に関する知識および関連する知識について、その基礎的な理解、具体的な裁判例.
される著作権に関する知識お目体的な裁判例・ビジネス実務における慣例を基準とする事例判断での応用力をそれぞれ測定します。
■級区分 BASIC・初級・上級
※BASICについては、ビジネス著作権検定ホームページにてご確認ください。
■認定基準
初級 | 著作物とは何か、著作権とはどのような権利かを知っている。利用者として、他人の著作権を侵害せず正しく著作物を利用できる。 |
上級 | 著作権に関する知識を活用し、著作権利用に関する問題点を発見し、解決できる。契約、司法制度、条約に関する知識を活用し、専門家の助力を得ながら著作権に関する実務を展開することができる。 |
■受験資格 学歴や年齢等、受験する上での制限や条件はありません。
■出題形式
初級 | 内容 | ビジネス法務、日常生活において必要とされる、 (1)著作権に関する基礎的な知識 (2)著作権法および関連する法令に関する基礎的知識 (3)インターネットに関する著作権および情報モラルについての基礎的知識 について多肢選択式問題として出題。 |
形式 | 筆記試験 多肢選択問題(マークシート) | |
題数 | 30問 | |
時間 | 60分 | |
合格基準 | 得点率65%以上 | |
上級 | 内容 | ビジネス実務、日常生活において必要とされる、 (1)著作権に関する基礎的な知識 (2)著作権法および関連する法令に関する基礎的知識 (3)インターネットに関する著作権および情報モラルについての基礎的知識 および応用力について多肢選択式問題として出題。なお、この応用力については、事例での問題点発見と解決能力について問う内容となる。 |
形式 | 筆記試験 多肢選択問題(マークシート) | |
題数 | 40問 | |
時間 | 90分 | |
合格基準 | 得点率70%以上 |
■最新の著作権法は、e-Gov法令検索よりご確認ください。
http://www.e-gov.go.jp/
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