2019年法学検定試験過去問集アドバンスト<上級>コース
刊行にあたって
「法学検定試験」は、公益財団法人日弁連法務研究財団と公益社団法人商事法務研究会が共同で組織した「法学検定試験委員会」が実施しています。
法学検定試験アドバンスト〈上級〉コースは、2000年からスタートした3級・4級(現在のスタンダード〈中級〉コース・ベーシック〈基礎〉コース)試験に続いて、2001年から2級試験として実施していたもので、法科大学院制度の定着を受けて、2012年から現在の制度で実施しています。学習の進んでいる法学部3年次生や大学における法学教育の修了者を主な対象に、「企業や官公署等において法律実務を担当しうるだけの一定水準以上の体系的な法学の実力を証明する試験」として高度なレベルとなっており、大学での単位認定、企業の入社・配属時の資料、法科大学院出願時の任意提出資料等としてご利用いただき、関係者から高い評価を得ています。
本書は、受験者等からの刊行のご要望に応え、「法学検定試験アドバンスト〈上級〉コース」の各科目における出題の範囲・レベル・学習のポイントとあわせ、過去3年分のアドバンスト〈上級〉コースの試験問題と解説を収録したものです。本書には、法学基礎論(6分野)ならびに11の法律科目の択一問題を収録していますので、受験される科目だけでなく、日々の学習における腕試しや復習、あるいはまだ勉強されたことのない法律科目の手引書としてご利用いただくことも可能です。
本書は、原則として、過去3年分(2016年~2018年)の試験問題と解説を出題時のまま収録していますが、法改正があった場合についてはアップデートならびに解説に注記をしています。また、原則として、2018(平成30)年10月1日に施行している法律を基準としています。ただし、民法に関しては、例外的に2018年の試験から、2017年6月2日に公布された「民法の一部を改正する法律」(平成29年法44号。いわゆる債権法改正)による改正後の法律を基準として出題しています。本書収録の過去問の解説についても、改正法による影響を明示していますので参考にしてください。
本年(2019年)の試験は法学検定試験ベーシック〈基礎〉コース・スタンダード(中級)コースとともに、12月1日(日)に実施致します。
本書が、「法学検定試験アドバンスト〈上級〉コース」にチャレンジされる方をはじめ、法律学を学び、それを生かそうとされる多くの方々のご参考となれば幸いです。
2019年2月
法学検定試験委員会
目次
刊行にあたって
本書の構成
凡例
「法学検定試験」の概要
「法学検定試験」受験のめやす
2019年「法学検定試験」実施要項
「法学検定試験」の状況(2018年度実施分)
1.法学基礎論
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「法学基礎論」
法哲学(法体系論)
法社会学
比較法
日本法制史
司法制度論
法的思考の基礎
2.「法学基礎論」過去問(2018年~2016年)
2.憲法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「憲法」
2.「憲法」過去問(2018年~2016年)
3.民法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「民法」
2.「民法」過去問(2018年~2016年)
4.刑法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「刑法」
2.「刑法」過去問(2018年~2016年)
5.民事訴訟法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「民事訴訟法」
2.「民事訴訟法」過去問(2018年~2016年)
6.刑事訴訟法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「刑事訴訟法」
2.「刑事訴訟法」過去問(2018年~2016年)
7.商法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「商法」
2.「商法」過去問(2018年~2016年)
8.行政法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「行政法」
2.「行政法」過去問(2018年~2016年)
9.労働法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「労働法」
2.「労働法」過去問(2018年~2016年)
10.破産法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「破産法」
2.「破産法」過去問(2018年)
「倒産法」過去問(2017年~2016年)
*2018年試験より科目名が「破産法」に変更となった。
11.経済法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「経済法」
2.「経済法」過去問(2018年~2016年)
12.知的財産法
1.アドバンスト〈上級〉コースにおける「知的財産法」
2.「知的財産法」過去問(2018年~2016年)
自治→地方自治法
実用新案→実用新案法
出資法→出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律
商→商法
商標→商標法
情報公開→行政機関の保有する情報の公開に関する法律
職安→職業安定法
短時労→パートタイム労働法→短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律
地公→地方公務員法
地公企→地方公営企業法
地公労→地方公営企業労働関係法
仲裁→仲裁法
著作→著作権法
通信傍受→犯罪捜査のための通信傍受に関する法律
手→手形法
独行労→特定独立行政法人等の労働関係に関する法律
独禁→独占禁止法→私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
特定商取引→特定商取引に関する法律
特許→特許法
内→內閣法
入札談合→入札談合等与行為防止法→入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律
破→破産法
非訟→非訟事件手続法
不正競争→不正競争防止法
不登→不動産登記法
弁護→弁護士法
民→民法
民再→民事再生法
民執→民事執行法
民訴→民事訴訟法
民訴規→民事訴訟規則
民訴費→民事訴訟費用等に関する法律
民保→民事保全法
労基→労働基準法
労組→労働組合法
労災→労災保険法→労働者災害補償保険法
労働承継→労働契約承継法→会社分割に伴う労働契約の承継等に関する法律
労派遣→労働者派遣法→労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律
(2)判例の表示
最判昭58・10・11民集37・8・1221
→最高裁判所昭和58年10月11日判決、最高裁判所民事判例集37卷8号1221頁
(3)判例集・判例諸誌の略称(五十音順)
[大審院時代]
刑集→大審院刑事判例集
刑録→大審院刑事判決録
民集→大審院民事判例集
民録→大審院民事判決録
新聞→法律新聞
[最高裁判所時代]
下刑集→下級裁判所刑事裁判例集
下民集→下級裁判所民事裁判例集
行集→行政事件裁判例集
金判→金融・商事判例
金法→金融法務事情
刑月→刑事裁判月報
刑集→最高裁判所刑事判例集
高刑集→高等裁判所刑事判例集
高刑特→高等裁判所刑事裁判特報
高裁民集→高等裁判所民事判例集
裁判集刑→最高裁判所裁判集刑事
裁判集民→最高裁判所裁判集民事
訟月→訟務月報
審決集→公正取引委員会審決集
知的裁集→知的財産権関係民事·行政裁判例集
東高刑時報→東京高等裁判所判例時報(刑事)
判事→判例時報
判夕→判例タイムズ
判特→高等裁判所刑事判決特報
判評→判例評論
法教→法学教室
民集→最高裁判所民事判例集
無体例集→無体財産権関係民事・行政裁判例集
労判→労働判例
労民集→労働関係民事裁判例集
(4)その他
本書は、原則として2018(平成30)年10月1日現在施行されている法律を基準としている。例外的な取扱いがある場合には、各科目の扉または解説内に示している。たとえば、民法については未施行のいわゆる債権法改正についても言及しているので注意してほしい。
「法学検定試験」の概要
「法学検定試験」とは
「法学検定試験」は、公益財団法人日弁連法務研究財団と公益社団法人商事法務研究会が共同で組織した法学検定試験委員会が実施している、法学全般に関するわが国唯一の検定試験です。
法学検定試験4級・3級を2000年から、2級を翌2001年から実施していましたが、法科大学院が定着したことを受けて、2012年から新制度で実施することとなり、現在はベーシック〈基礎〉コース・スタンダード〈中級〉コース・アドバンスト〈上級〉コースの3つのコースを実施しています。これらの試験は、法学に関する学力を客観的に評価するわが国唯一の試験として、大学での単位認定、企業の入社・配属時の参考資料等、さまざまな場面で利用されております。
なお、「法学既修者試験」は、法学既修者であることを証明する資料として、各法科大学院の「既修者コース(2年コース)」を目指す受験者のために2003年から実施していましたが、2017年度より当面の間、実施を見送ることといたしました。
法学検定試験5つの特徴
1.法学全般に関するわが国唯一の検定試験
全国規模で実施され、毎年、法学部在学・出身か否かを問わず、多くの学生や社会人等がチャレンジしています。
2.学習レベルにあった法的知識・能力が身につく(ベーシック〈基礎〉コース・スタンダード〈中級〉コース)
法学検定試験ベーシック〈基礎〉コース・スタンダード〈中級〉コースは、各科目の重要論点を網羅的にとりあげている『2019年法学検定試験問題集』(商事法務)から試験問題の6~7割程度が出題されます(問題集の問題そのものが出題されるとは限りません)。問題集に沿って学習することにより、無理なく各科目全般に関する知識・能力を身につけられ、実際に試験で学習の成果を測ることができます。
3.レベル・進路にあわせコースを選択できる
ベーシック<基礎>コース(法学部1年次生~2年次生程度)は、「法学入門」「憲法」「民法」「刑法」といった基本法についての基礎的知識・能力を測る試験ですので、日常の学習のまとめや目安として活用できます。
スタンダード(中級)コース(法学部2年次生~標準的な3年次生程度)は、「法学一般」「憲法」「民法」「刑法」の必須科目に加えて、将来の進路や学習の度合い等に応じて5科目(民事訴訟法・刑事訴訟法・商法・行政法および憲法・民法・刑法をその内容とする基本法総合)から1科目を選択でき、基本的な条文の解釈や重要判例の理解度を測れます。各種資格試験や採用試験の腕試しとして、さらには法律学の知識・能力の到達度測定手段として利用できます。
アドバンスト〈上級〉コース(学習の進んでいる法学部3年次生~法学部修了者程度)は、スタンダード〈中級〉コースと同様の選択科目(基本法総合を除く)のほか、やや発展的な科目(労働法・破産法・経済法・知的財産法)を加えた中からもう1科目の選択を要求しています。将来法曹を目指すためのステップとして、また企業や官公署等において法律実務を担当しうるだけの一定水準以上の体系的な法学の実力を証明する試験として利用され、高度なレベルとなっています。
4.就職・採用試験の場で威力を発揮
大学受験時の偏差値ではなく、大学で何を学んだかを客観的に証明するツールとして、各企業や団体等の就職・採用試験の場で威力を発揮します。
5.法学界最高水準の陣容でバックアップ
法学検定試験委員会は、法学の各専門分野においてわが国を代表する研究によって組織されています。また各分野の気鋭の研究者によって練られた問題を水準に応じて出題しています(出題委員は非公表)。さらに本検定試験には、全国の法学研究者がその趣意にご賛同くださり、さまざまなご意見・ご指導・ご協力を得ています
法学検定試験委員会とその組織
公益財団法人日弁連法務研究財団と公益社団法人商事法務研究会は、法学検定試験を共同で実施するため、その企画・実施の機関として法学検定試験委員会を設置し、その事務局を公益社団法人商事法務研究会内に置いています。
[主催団体]
■公益財団法人 日弁連法務研究財団(1998年設立)
日本弁護士連合会が中心となって設立された公益財団法人で、一段と複雑・多様化、高度化、国際化しつつある法律問題に対応すべく、弁護士、公認会計士、税理士、弁理士、司法書士から企業の法務担当者までの広範な会員をもって構成され、適性試験事業・認証評価事業等法科大学院関連事業、法律実務の研修、法および司法制度の研究、法情報の収集と提供を通じて社会の発展に貢献することを目的としています。
■公益社団法人 商事法務研究会(1955年設立)
経済活動に係る制度に関する調査研究を行うとともに社会への法律知識の普及・啓発活動を行うことにより、公正かつ自由な経済活動の機会の確保・促進、その活性化による国民生活の安定向上に寄与し、経済の健全な発展に貢献することを目的とし、主に、民商事法・司法制度・環境法制・消費者法制・法教育等に関する調査研究、および法科大学院入学のための適性試験や法学検定試験の実施等を行っている公益社団法人です。
【法学検定試験委員会】
委員長 新堂幸司
公益財団法人日弁連法務研究財団名誉会長
東京大学名誉教授
副委員長 江頭憲治郎
公益社団法人商事法務研究会代表理事会長
東京大学名誉教授
委員 大谷實
同志社大学名誉教授
委員 奥島孝康
白鴎大学学長・早稲田大学名誉教授
委員 鎌田薰
公益財団法人日弁連法務研究財団理事長
早稲田大学名誉教授
委員 佐藤幸治
京都大学名誉教授
委員 塩野宏
東京大学名誉教授
委員 高橋宏志
東京大学名誉教授
委員 永井和之
中央大学名誉教授
委員 三井誠
神戸大学名誉教授
委員 安永正昭
神戸大学名誉教授
(2019年3月現在、五十音順)
「法学検定試験」受験のめやす
●アドバンスト〈上級〉コース
法学検定試験アドバンスト〈上級〉コースは、学習の進んでいる法学部3年次生や大学の法学部(4年)における法学教育の修了者を主な対象に、企業・官公署等で法律実務を担当するために必要な一定水準以上の法学の知識・基礎的素養を修得していることを証明することをめやすとしているため、難度の高い試験となっております。
法律専門家として、法律実務を遂行するうえで必要かつ重要だと思われる試験科目を設定していますので、科目数も多く(6科目)、幅広い修得が必要になります。
また、ベーシック〈基礎〉コース・スタンダード〈中級〉コースが、原則として『法学検定試験問題集』をベースとして出題されるのに対して、アドバンスト〈上級〉コースは、スタンダード〈中級〉コース試験に合格するレベルの知識を前提とした、新規の応用問題によって構成されています。
試験問題のうち「法学基礎論」は、6分野から合計10問が出題され、5問(分野は問わず)を選択して解答する方式となります。その他の科目は、すべて1科目10問で、試験問題数(解答問題数)は6科目で合計55問、試験時間は150分となります。
受験資格は一切問いません(アドバンスト〈上級〉コースの範囲・レベルは、スタンダード〈中級〉コースに合格するレベルの知識を前提に出題されますが、「スタンダード〈中級〉コース合格」を出願の条件とはしていません)。
アドバンスト〈上級〉コースを受験するためには、本書の「学習のポイント」「参考文献」「過去問」を手がかりにして学習していくことが必要です。問題の難易度的にはスタンダード〈中級〉コースとほぼ同程度の問題となっていますが、スタンダード〈中級〉コースに合格するレベルの知識を前提とした応用問題によって構成されていますので、スタンダード〈中級〉コースの「問題集」は十分理解しておくことが重要です。同時に、大学における日々の講義をよく聴き、教科書、体系書、重要論点や判例等について理解を深める努力が求められます。
●ベーシック〈基礎〉コース・スタンダード〈中級〉コース
ベーシック〈基礎〉コースは「法学部1~2年次生」、スタンダード〈中級〉コースは「法学部2年次生~標準的な3年次生」を主な対象として、各コースに対応して「問題集」を刊行しています。各科目の重要論点が網羅的に編集されているこの問題集にそって学習することにより、無理なく各科目全般に関する知識・能力を身につけられます。また、学習の手がかりや具体的な努力目標としていただくこともできます。
2019年「法学検定試験」実施要項
試験の詳細は「受験要項」でご確認下さい。
日程・受験料
試験日:2019年12月1日(日)
出願受付期間:9月10日(火)~10月24日(木)*
願書郵送締切:10月25日(金)消印有効
受験料(税込み):ベーシック〈基礎〉コース4,400円、スタンダード〈中級〉コース6,600円、アドバンスト〈上級〉コース9,900円、ベーシック・スタンダードセット8,800円、スタンダード・アドバンストセット13,200円
*上記受付期間は書店受付の場合
出願書類(「願書」・「受験要項」・「専用封筒」)の入手・受験申込方法
出願期間中は、下記の方法で出願書類の入手ができます。
①大学生協購買部・主要書店(特約書店等)からの入手
特約書店等で無料配布します。
②ウェブサイトからの出願書類の請求
ウェブサイト(https://www.jlf.or.jp)から出願書類の請求ができます。
受験資格
「法学検定試験」はどなたでも受験することができます。受験資格は一切問いません。
ベーシック〈基礎〉コースとスタンダード〈中級〉コース、スタンダード〈中級〉コースとアドバンスト〈上級〉コースは併願することができます。併願する場合は、セットで申込みをした場合のみ受験料の割引があります。
出願の方法
①個人申込、②団体申込、③グループ申込の3種類があります。
試験会場
出願時に希望地区を選択してください。具体的な試験会場は受験者個別に受験票にて通知します。指定された受験地区・試験会場の変更はできません。
【公開会場】
札幌、仙台、東京(A地区・B地区)、名古屋、京都、大阪、岡山、愛媛、福岡、沖縄の全国11地区で実施(東京A地区:23区および23区に隣接する市、B地区:東京西武)
【団体会場】
各団体等と法学検定試験委員会が協議のうえ指定した会場。
【一般受験者受入団体会場】
弘前市、松本市、高岡市、東広島市、高知市、鹿児島市でも受験できる場合がありますので、これらの地区での受験を希望される方は、出願前に法学検定試験委員会事務局にお問い合わせください(TEL:03-5614-5636)。事前の連絡なく、これらの地区を指定した出願は受理できませんのでご注意ください。
出題形式・解答方式
出題は多肢択一形式、解答方式はマークシート方式です。そのため、筆記用具(HBまたはBの黒鉛筆と消しゴム)が必要になります。
合否判定・合否通知および試験結果の送付
合否判定は、法学検定試験委員会が設置する「合否判定委員会」が試験結果を分新したうえで定める合格最低点を基準として行います。ただし、受験科目中0点の科目がある受験者は、総合得点にかかわらず不合格とします。受験者全員に「成績通知書」、合格者には「合格証書」をお送りします。
2017年度より、特に優秀な成績を修めた受験者に対して、特別な枠を設け、合格証書にその旨を明示して栄誉を讃える「excellent合格」の認定をしています。すでに合格した方の再チャレンジも大歓迎です。
試験科目・試験時間
★出題は、原則として2018年10月1日現在施行されている法律およびそれまでに出された判例を基準としますが、民法については、未施行ではありますが平成29年法44号・45号による改正を反映した出題とします。
●ベーシック〈基礎〉コース
(4科目・合計60問【法学入門10問/民法20問/その他各15問)】
試験科目 | 集合時間 | 試験時間 | |
必須 | 法学入門 憲法 民法 刑法 | 9:40 | 10:00~12:00 120分 |
●スタンダード〈中級〉コース
(5科目・合計75問【法学一般10問/民法20問/その他各15問)】
試験科目 | 集合時刻 | 試験時間 | |
必須 | 法学一般 憲法 民法 刑法 | 13:40 | 14:00~16:30 150分 |
選択 | 「選択科目A群および基本法総合*」から1科目 |
*基本法総合は、憲法・民法・刑法から必須科目とは異なる問題を出題します。『2019年法学検定試験問題集スタンダード〈中級〉コース』の憲法・民法・刑法の収録問題から6~7割が出題されるほか、やや難易度の高い問題や他の法分野との境界領域の問題も出題されます。
●アドバンスト〈上級〉コース
(6科目・合計55問【法学基礎論10問中5問選択/その他各10問】)
試験科目 | 集合時刻 | 試験時間 | |
必須 | 法学基礎論 憲法 民法 刑法 | 9:40 | 10:00~12:30 150分 |
選択 | 「選択科目A群」から1科目 「A群およびB群」から1科目選択 |
[選択科目A群]①民事訴訟法 ②刑事訴訟法 ③商法 ④行政法
[選択科目B群]⑤労働法 ⑥破産法 ⑦経済法 ⑧知的財産法
*選択科目は試験当日に選択
コース別各科目の出題範囲・内容・受験者のめやす
★各コースとも民法については、いわゆる債権法改正後の法律に基づいた出題となります。
ベーシック〈基礎〉コース 法学部1年次生~2年次生程度
法学入門
大学で法律学を学び始めた者が、最低限知っておくべき基礎知識を問う。
憲法
日本国憲法の条文、その通説的な見解、関連する基本判例の趣旨の理解など憲法の学習にとって必要な基礎知識を問う。
民法
総則と債権法に相対的な重きを置きつつ、物権法(担保物権法は含まない)も含めて、基本的な制度について条文と通説の正確な理解度を問う。家族法や民法典に密接に関連する借地借家法等の特別法に関する初歩的な基礎知識を問うものも含まれる。
刑法
刑法総論の基礎知識を中心に、刑法各論に関しては特に重要な犯罪類型にかかわる基本的事項を問う。
スタンダート〈中級〉コース 法学部2年次生~標準的な3年次生程度
法学一般
大学で法律学をある程度学んだ者として、知っておくべき基礎知識を問う。
憲法
憲法の基礎知識があることを前提にして、憲法上の主要論点にかかわる学説・判例のより深められた理解力、推論して考える力を問う。
民法
民法典全分野における基本的な法制度について、判例を含めて簡単な事例問題も用いて、正確に理解しているか否かを問う。密接に関連する制度の相互関係を問う問題や特別法(一般法人法、借地借家法、等)に関する基礎的な問題も含み、担保物権法については初歩的な基礎知識を問う問題に限る。
刑法
刑法全般に関する主要なテーマについて、判例・学説の基本的な理解力を問う。総論についてはすべてにわたるが、各論については個人的法益に対する罪(特に財産犯)を中心とし、社会的法益・国家的法益に対する罪からは基本的問題を出題する。
選択科目
民事訴訟法・刑事訴訟法・商法・行政法・基本法総合から1科目選択。
民事訴訟法
総論、裁判所、当事者・代理人、訴えの種類・対象、訴え提起の手続・訴訟の進行、口頭弁論から判決に至る一連の民事訴訟手続に関する全体的な制度の基本的な仕組みと初歩的な法的知識・理解力を問う。多数当事者訴訟、上訴・再審等については、とりあげない。
刑事訴訟法
犯罪の捜査、公訴の提起、公判手続、証拠法、裁判、上訴という刑事手続の流れに沿い、刑事手続の基本原理、制度の基本的な仕組みと初歩的な法解釈上の論点に関する知識・理解力を問う。
商法
会社法に関する基本的な法制度と若干の実務的な内容を中心に、商法総則、商行為法総則の初歩的な内容も範囲とする。企業に関する私法規制の基礎知識と単純な事例を通しての法的理解力を問う。
行政法
広義の行政法総論が主たる出題範囲である。狭義の行政法総論のほか、国家補償法や行政訴訟法についての基礎知識を問う。行政法各論特有の問題は基本的には出題しないが、総論との関係で必要な事項は学習しておくことが望ましい。
基本法総合
基本的には、スタンダード〈中級〉コースの憲法・民法・刑法の出題範囲・内容と同様である。しかし、やや難易度の高い問題や他の法分野との境界領域の問題も出題範囲とするので、憲法・民法・刑法のより深い理解が求められる。
アドバンスト〈上級〉コース 学習の進んでいる法学部3年次生および法学部修了者程度
本書の各科目該当箇所を参照。
お問い合わせは下記まで
法学検定試験委員会事務局
https://www.jlf.or.jp/hogaku/index.shtml
〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町3-9-10 茅場町ブロードスクエア2F
TEL 03(5614)5636
FAX 03(3661)7150
(受付時間:平日10:00~17:00)
「法学検定試験」の状況
(2018年実施分)
2018年に実施しました法学検定試験の志願者状況は下記のとおりです。
実際に受験された方の職業別分布を見ますと、その多くは学生ですが、公務員・一般企業に勤める方々等社会人も受験していることがわかります。
●2018年法学検定試験の志願者・実受験者・合格者等一覧
志願者数 | 合格者 | 合格率 | 平均点 | |
ベーシック〈基礎〉コース | 3,907名 | 2,122名 | 60.70% | 35.2 |
スタンダード〈中級〉コース | 2,039名 | 978名 | 55.30% | 45.4 |
アドバンスト〈上級〉コース | 416名 | 80名 | 24.00% | 26.7 |
*合格点(excellent合格)
ベーシック〈基礎〉コース32点以上(49点以上)
スタンダード〈中級〉コース44点以上(62点以上)
アドバンスト〈上級〉コース32点以上(38点以上)
●受験者の職業
ベーシック〈基礎〉コース | スタンダード〈中級〉コース | アドバンスト〈上級〉コース | |
学生 | 3,277名 | 1,483名 | 154名 |
公務員 | 55名 | 118名 | 53名 |
会社員 | 98名 | 102名 | 65名 |
教職員 | 2名 | 2名 | 3名 |
自営業 | 9名 | 9名 | 5名 |
主婦・主夫 | 2名 | 6名 | 5名 |
自由業 | 4名 | 6名 | 10名 |
無職・その他 | 41名 | 34名 | 33名 |
無記入・無答 | 6名 | 7名 | 5名 |
合計 | 3,494名 | 1,767名 | 333名 |