気象の図鑑 (まなびのずかん)




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はじめに

近年、気候変動や環境問題に対する皆さんの関心が高まっていることを実感します。それは、将来の地球環境への懸念、頻発する豪雨や台風などの気象災害が背景にあるようです。

また、平成5年から創設された気象予報士資格の取得を希望する方も年々増えています。学校で地学を本格的に勉強する機会が得られなかった方のために、一から気象学を勉強できる入門書もたくさん出版されています。しかし、難しい解説や数式を理解して通読しなければ正確な知識を得ることができないと感じ、気象の勉強や気象予報士資格を取ることを途中であきらめてしまう方も少なくないようです。

「気象学は難しい」と感じてしまうのは、実にもったいないことです。気象学は、机にかじりついて必死になって学ぶものではありません。子供のころ、空を眺めることが好きだったという方は思い出してみて下さい。目の前で起きる空の現象を観察し、不思議に感じたら図鑑をひっぱりだして謎解きにわくわくしていた、あのころの気持ち。必要なのは、空を楽しむ「子供心ひとつ」と「素敵な図鑑1冊」です。

本書は、どの章からでも読み始めることができるという図鑑が持つメリットを活かしながら、すべてカラーページでたくさんの写真と模式図を散りばめるなど、空の楽しさやしくみを分かりやすく伝えられるように構成しています。1章は、空いっぱいに現れる壮大な現象から足もとのかわいらしい現象まで、空からこぼれてきたストーリーをご紹介します。

2章では、1年を通して現れる日本の空の美をお伝えします。3章は、空のしくみを理解するための気象学の基礎を解説します。数式などを省いてできるだけ簡単に説明するように心がけましたが、もし難しいと感じられるようでしたら、読み飛ばしてもかまいません。つづいての4章は、気象学の主役ともいうべき「風」に焦点をあてて、台風や竜巻などさまざまな大気現象のしくみを解説します。

5章は、日頃から見る気予報がどのようにして作られているのか、天気予報の舞台裏をご紹介します。特にこの章は、これから気象予報士に挑戦しようと考えている方のスタートラインになるような内容です。6章は、「気象災害が多発する裏にあるものは?」「どこまで解明が進んでいるのか?」といった研究の最前線をご紹介します。

この図鑑は、気象に関心をもつ大人や学生、気象予報士試験への挑戦を考えている方、さらに、子供たちに空の不思議を教えてあげたいという学校の先生やお父さんやお母さんに役立つように工夫しています。この図鑑が、子供たちの心に科学の火を灯す、その一助になれば幸いです。

2014年6月 筆保弘徳(ふでやすひろのり)

筆保 弘徳 (著, 監修), 岩槻 秀明 (著), 今井 明子 (著)
技術評論社、出典:出版社HP

まなびのずかん 気象の図鑑

この本の使い方

第1章 空のストーリー
虹の世界
光と水のストーリー
青い空、白い雲
クラウドウォッチ1雲の種類
クラウドウォッチ2 楽しい雲
天からの贈りもの
雪氷現象
大気じん象
column ジェット気流を水槽の中で発生させてみよう!

第2章 日本の天気
1年かけてうつろう空
春の空模様
梅雨空
夏の空模様
秋の空模様
冬の空模様
生物季節観測
災害をもたらす空模様
column 発表! 台風上陸国ランキング

第3章 気象学の基本
大気の鉛直構造
対流のしくみ
大気の不安定
水の変化
雲のできるしくみ
雨と雪が降るしくみ
暖まるしくみ
気圧の正体
高気圧と低気圧
風が吹くしくみ
コリオリカ
地衡風・傾度風・施衡風
column 気象大学校に入ろう!

第4章 天気のカギをにぎる風
地球規模の風
季節風
温帯低気圧
台風.
海陸風・山谷風
局地風
竜巻
突風
column 気象予報士の取りかた

第5章 天気予報の舞台裏
気象庁
天気予報ができるまで
気象観測1 地上で空を測る
気象観測2 上空を測る
気象観測3 宇宙から空を測る
数値予報
台風の予報
さまざまな天気予報
天気予報で使われる言葉
注意報と警報
column 気象予報士で人生が変わる?!

第6章 最新の気象事情
平年値と異常気象
異常高温と異常低温
大気汚染とPM2.5
ヒートアイランド
局地的大雨
気象予報技術の向上
気候変動

さくいん

この本の使い方

この本は、ビジュアル的に構成された気象の知識を、見て楽しみながら学ぶ本です。空や天気についての基本的な内容から、気象予報士試験に役立つ知識まで学ぶことができます。どのページにも簡潔にまとめた解説文と、それに対応した写真やイラストがついているので、気象の世界に親しみやすくなっています。

テーマ
それぞれのページで学ぶタイトル名です。各ページのタイトルには、その内容を簡潔にまとめた一文が必ずつきます。

解説
気象の初歩的な分野から、少し専門的な内容まで、イラストや写真とともに解説しています。

コラム
解説では触れられなかった補足的な内容や、発展的な内容をコラム形式で紹介しています。

筆保 弘徳 (著, 監修), 岩槻 秀明 (著), 今井 明子 (著)
技術評論社、出典:出版社HP