ビジネス文書検定 実問題集1・2級 第59回~第63回




まえがき

ビジネスの分野では,事務的な職務に携わる者にビジネス文書が書ける能力を誰に対しても求めています。

ビジネス文書の能力とは,ビジネス的な文章・文書用語・様式・関連知 識・書写などの知識技能のことで,事務処理のためには欠かせない基礎能力です。
しかし現実には,その能力に対して企業などからの不満の声が高く,特に新入社員の国語力の不足や文章力の不足などが強調されています。また, 就職試験シーズンになると、決まってマスコミが,入社試験の典型的な誤解答の例を挙げて適切性や正確性などの欠如を指摘しているのをご存じの方も多いことと思います。

コミュニケーションの在り方や方法が,とかく取りざたされる現代社会 ですが,文字を通してとなると,今度はその能力の弱さが取りざたされる というのが実情です。 「ビジネス文書技能検定試験」は、このような状況を背景として,コミュ ニケーションの一方の重要な手段である,ビジネス文書についての知識技 能を一定の審査基準によって判定しようとするものです。

ビジネス文書には、一定の型や特有の言葉遣いがあり,それを会得することによって、ビジネスの場に対応できる正確・迅速な文書が書けること になります。 本書への取り組みによって、ビジネス文書作成技能が向上することを望みます。
公益財団法人 実務技能検定協会 ビジネス文書検定部

本書の利用の仕方

1 本書は,「文部科学省後援ビジネス文書技能検定試験」の第59回から第63回に実施された1級と2級の試験問題を収載しました。

2 巻末の解答編には,実施回ごとに解答を掲載しました。解答のうち記述形式によるものは, 問題の性格上, 本書掲載の解答に限定されない「解答例」としています。また,この「解答編」は,必要に応じて本編から 外して利用することができます。

3 選択問題は,「適当と思われるものを選びなさい」, 「不適当と思われるものを選びなさい」などの違いに気を付けて読んでください。

4 試験時間は従来の例ですと、2級は130分、1級は140分です。本音 問題を解く際の参考にしてください。

*ピンネス文書検定の正式名称は「ビジネス文書技能検定試験」で, 文部科学省の後援を受けて実施しています。

時間は有効に使って答案は隅々まで点検しましょう。一人でも多く合格できますよう,ご健闘をお祈りしております。

目次

CONTENTS
まえがき
本書の利用の仕方
ビジネス文書技能検定
試験案内
ビジネス文書技能審査基準
問題編(試験実施日)
第63回(2018.7.1)
第62回(2017.12.3)
第61回(2017.7.2)
第60回(2016.12.4)
第59回(2016.7.3)
第63回(2018.7.1)
第62 回(2017.12.3)
第61回(2017.7.2)
第60回(2016.12.4)
第59回(2016.7.3)

解答編
第63回
第62回
第61回
第60回
第59回
第63回
第62回
第61回
第60回
第59回

ビジネス文書技能検定 試験案内

各級共通
1 試験の範囲と合格基準 (1)試験の範囲は,次の3領域です。
I. 表記技能 (総合, 用字, 用語, 書式)
II. 表現技能 (正確な文章, 分かりやすい文章, 礼儀正しい文章)
II. 実務技能 (社内文書, 社外文書, 文書の取り扱い, 1級は「添削指道」
が追加されます)
(2)合格基準:I.II. III.の各領域において,それぞれの得点が60%以上のとき合格になります。
(3)級位には、3級,2級,1級があり,それぞれの級位によって必要とされる技能の段階に違いがあります。2級および1級の詳細については8~9 ページの「ビジネス文書技能審査基準」を参照してください。

2 出題形式
各級位とも,筆記試験によって受験者の技能を審査します。問題には、 選択肢による択一方式によるものと、記述式の解答をするものとがあります。いずれも解答は,問題用紙とは別にとじられた答案用紙に記入します。

3 合格率 3級 89.1% 2級 61.0% 1級 29.7%
(平成29年度実績)

4 受験資格 誰でも受験することができます。学歴・年齢その他の制限は一切ありません。
こにし前後する場合があります。
5 試験実施日と受験料 年2回、7月と12月に実施します。ただし前後する場合があります。
3級 2,800円 2級 4,100円 1級 5,800円 (平成30年8月現在)
※受験料は改定されることがあります。受験の際はホームページ等でご確認ください。
3級と2級,または2級と1級の併願ができます。

6 受験申し込み方法
個人の申し込みは以下の三つの申し込み方法があります。
①書店で申し込む
全国のビジネス文書検定特約書店で配布される「ビジネス系検定案内」 の中の「個人申込用受験願書」に受験料を添えて書店に申し込み,受付印が押された願書を検定協会宛てに郵送する。
2インターネットで申し込む
パソコン,携帯電話で以下のアドレスにアクセスし,コンビニエンスストアまたは、クレジッとカードで受験料を支払う。
・パソコン http://jitsumu-kentei.jp
・携帯電話 http://www.jitsumu-kentei.jp/mb/index.php
3郵送で申し込む
現金書留で,願書と受験料を検定協会に郵送する。

受験願書の受付期間は,試験日のほぼ2ヵ月前から1ヵ月前です。ホームページや「ビジネス系検定案内」で確認してください。

7 検定についてのお問い合わせ
試験日,試験会場, 合格通知, 合格証の発行などについては、ホームページや「ビジネス系検定案内」をご覧ください。その他,不明の点は下記へお問い合わせください。
公益財団法人 実務技能検定協会 ビジネス文書検定部 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場一丁目4番15号
電話(03)3200-6675

ビジネス文書技能審査基準

表で確認する


2級
2級の程度: 実務に役立つ文書作成技能について、知識と技能との全般を身に付けていることにより、単独で普通の文書を正しく理解し,作成することができる。
内容
領域 | 表記技能
(1) 総合
①文字を丁寧に正しく、読みやすく,整えて書くことができる
1普通の実用文に使われる常用漢字とビジネス用語に使われる漢字を書くことができる。
2常用漢字表にはあるが,仮名書きすべき語句を,知っている。
3 「現代仮名遣い」について、知っている。
4「送り仮名の付け方」を、一定の基準に従って正しく使える。
5数字が正しく書け,漢数字と算用数字との使い分けができる。
6句読点の他各種の区切り符号が正しく使える。
(2)用字
(3) 用語
1一般の用語について、知っている。
2やや難しい同音異義語や異字同訓語を使い分けることができる。
3慣用の手紙用語について,知っている。
(4) 書式
1縦書き通信文の構成とレイアウトについて,一応,知っている。
2公印の押し方について,一応,知っている。
!!! 表現技能
(1) 正確な文章
1やや長い文を、文法的によじれなく書くことができる。
2意味の近い類義語を、使い分けることができる。
3曖昧な用語や二通りに解釈できるような語句について、知っている。
(2) 分かりやすい文章
1内容を的確に表した表題(件名)が付けられる。
2箇条書きなどを使って、文章を分かりやすくすることができる。
3分かりやすくするための図表が十分書ける。
(3) 礼儀正しい文章
1人を指す言葉・敬称などを,よく知っている。
2「お・ご(御)」を正しく付けられる。
3動作の言葉に付ける尊敬語と謙譲語とを、一般的な場合に,正しく使うことができる。
3丁寧な言葉遣い,丁寧な言い回しができる。
5現在用いられている手紙上のエチケットやしきたりを、知っている
III 実務技能
(1) 社内文書
1一般の社内文書(稟議・規定・議事録など)が書ける。
(2) 社外文書
1普通の業務用社外文書が、文例を見て書ける。
2簡単な社交文書が、文例を見て書ける。
(3) 文書の取り扱い
1受発信事務ができる。
2「秘」扱い文書の取り扱いについて、よく知っている。
3適切な郵便方法を選ぶことができる。
4用紙の大きさ,紙質などについて、知っている。
5印刷物の校正ができる。
公益財団法人 実務技能検定

ビジネス文書技能審査基準
1級
1級の程度: 実務に役立つ文書作成技能について、知識と技能とを十分に身に付けているとともに,必要に応じて, これらを適切に指導することができる。
領域内容 1 表記技能
(1) 総合
1文字を、丁寧に,正しく,読みやすく,整えて書くことができる。
(2)用字
1かなり難しい実用文に使われる常用漢字とビジネス用語に使われる漢字を書くことができる。
2常用漢字表にはあるが,仮名書きすべき語句を、よく知っている。
3「現代仮名遣い」について、よく知っている。
4「送り仮名の付け方」を,一定の基準に従って正しく使える。
5数字が正しく書け,漢数字と算用数字との使い分けが完全にできる。
6句読点の他,各種の区切り符号が正しく使える。
(3)用語
1一般の用語について,よく知っている。
2難しい同音異義語や異字同訓語を,使い分けることができる。
3慣用の手紙用語について,よく知っている。
(4)書式
1縦書き通信文の構成とレイアウトについて,知っている。
2公印の押し方について,知っている。
|表現技能
(1) 正確な文章
1長い文を,文法的によじれなく書ける。
2非常に意味の近い類義語を,使い分けることができる。
3曖昧な用語や二通りに解釈できるような語句について、よく知っている。
(2) 分かりやすい文章
1内容を的確に表した表題(件名)が付けられる。
2箇条書きなどを使って、文章を分かりやすくすることができる。
3分かりやすくするための図表が十分書ける。
(3) 礼儀正しい文章
1人を指す言葉・敬称などを,よく知っている。
2「お・ご(御)」を正しく付けられる。
3動作の言葉に付ける尊敬語と謙譲語とを,複雑な場合にも正しく使うこと
ができる。
4丁寧な言葉遣い、丁寧な言い回しが,十分できる。
5現在用いられている手紙上のエチケットやしきたりを、よく知っている。
■実務技能
(1) 社内文書
1一般の社内文書(稟議・規定・議事録など)が書ける。
(2) 社外文書
1例外的な場合の業務用社外文書が,文例を見て書ける。
2複雑な社交文書が,文例を見て書ける。
(3) 文書の取り扱い
1受発信事務について,説明や指導ができる。
2「秘」扱い文書の取り扱いについて、よく知っている。
3適切な郵便方法を選ぶことができる。
4用紙の大きさ,紙質などについて,よく知っている。
5印刷物の校正ができる。
(4) 添削指導
1部下や後輩が書いたものについて,適切な助言や添削指導ができる。
◎公益財団法人 実務技能検定協会