きのこ検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




きのこ検定の概要

きのこ狩りに役立つ知識やきのこの特徴、きのこの楽しさ・魅力を伝えるのに役立つ知識の習得度をはかる検定試験です。
試験では、きのこの生物学的特徴だけでなく、効果的に食生活に取り入れる方法、きのこの歴史や文化的なエピソードなど、様々な角度から問題が出題されます。

きのこ検定試験の公式テキスト

1.「改訂版 きのこ検定公式テキスト」(実業之日本社)

ホクトきのこ総合研究所 (監修)
出版社: 実業之日本社; 改訂版 (2016/10/29)、出典:出版社HP

本書はその公式テキストで、きのこ図鑑150種、おいしくヘルシーにいただくレシピ集など、このたびの試験に向けた新たなテーマを増補した改訂版です。
1級は本書全体から出題、本書記載のすべてのきのこを中心に、さらに広くきのこの知識を問います。

きのこ検定のおすすめテキスト

2.「くらべてわかるきのこ 原寸大 (くらべてわかる図鑑)」(山と渓谷社)

大作 晃一 (著)
出版社: 山と渓谷社 (2015/9/11)、出典:出版社HP

日本で見られる主なきのこ約440種類を似た種類ごとに原寸大で紹介した、きのこ狩り、きのこ観察初級者から中級者に向けた図鑑です。
きのこの名前がなかなか分からなくて困っている方、身近なきのこの名前を知りたい方などにおすすめです。

3.「日本の毒きのこ (フィールドベスト図鑑)」(学習研究社)

長沢 栄史 (監修, 監修)
出版社: 学習研究社; 増補改訂版 (2009/9/20)、出典:出版社HP

「日本の毒きのこ」新装改訂版。日本の毒きのこ240種。毒が検出されているもの、中毒例があるもの、知られている毒きのこに極近縁のものを収録・解説。毒成分と中毒症状を詳細に解説、応急処置フローチャート付き。

目次 – 改訂版 きのこ検定公式テキスト

はじめに

「きのこ」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか?
おいしい料理、体にいい健康食品、カラフルな雑貨、ゲームのキャラクター、危険な毒きのこ……。
人によりイメージするものは千差万別。それほどきのこは、私たちの生活に浸透し、また多様な面を持っています。
しかし、生態や歴史、栽培法など、きのこがどんな生物なのかについてはご存じない方も多いのではないでしょうか。
食べておいしい、見てかわいい、きのこの魅力をもっと知ってもらうため、2014年よりきのこ検定が始まりました。
生物としてのきのこから、きのこにまつわるカルチャーまで、様々な角度からきのこについての知識を問う試験です。
本書は、そのきのこ検定に準拠した公式ガイドブックです。
きのこにまつわる情報を分野ごとに章分けし、日本のきのこ150種を写真とともに紹介する「きのこ図鑑」も携えました。
知れば知るほど奥が深いきのこの世界。
本書が、きのこの世界に足を踏み入れるはじめの一歩となれば幸いです。

ホクトきのこ総合研究所 (監修)
出版社: 実業之日本社; 改訂版 (2016/10/29)、出典:出版社HP

もくじ

はじめに
きのこ用語集

●第1章 きのこを食べる
1.キレイになるきのこレシピ
2.きのこをおいしく食べる
3.菌のパワーを食生活に生かす
4.きのこの味と香り
5.きのこの食文化」
6.きのこの薬用利用
column
コスメにもきのこ
10月15日はきのこの日
“黒いダイヤ”トリュフ
きのこと薬膳麻薬成分のあるきのこ
毒きのこの毒とは?

●第2章 きのこ図鑑
分類方法
きのこ図鑑の見方
アミガサタケ科
アカカゴタケ科
アンズタケ科
イグチ科
イッポンシメジ科
オウギタケ科
オオモミタケ科
カノシタ科
カブラマツタケ科
ガマノホタケ科
カンゾウタケ科
キカイガラタケ科
キクラゲ科
キシメジ科
サルノコシカケ科
クロチャワンタケ科
サンゴハリタケ科
シメジ科
シロキクラゲ科
シロソウメンタケ科
ズキンタケ科
スッポンタケ科
タバコウロコタケ科
タマチョレイタケ科
タマバリタケ科
ツガサルノコシカケ科76
ツキヨタケ科
ディプロシスチジア科
テングタケ科
ナヨタケ科
ヌメリイグチ科
ヌメリガサ科
ノボリリュウタケ科
ノムシタケ科
ハナビラタケ科
ハラタケ科
ヒドナンギウム科
ヒメキクラゲ科
ヒメノガステル科
ヒラタケ科
フウセンタケ科
ベニタケ科
ボタンタケ科
ホテイタケ科
マクカワタケ科
マツバハリタケ科
モエギタケ科
ラッシタケ科
ラッパタケ科
column
きのこを記録する
きのこの切手
きのこのグッズ
きのことエンターテインメント

●第3章 きのこ生物学
1.きのこは「菌類」
2.きのこの構造・特徴・見分け方
3.きのこのライフサイクル
4.きのこの生育環境
5.きのこ狩りの注意点
column
きのこにはなぜ傘があるのか
最大のきのこと最小のきのこ
身近にあるきのこ
採取したきのこの保存方法
毒きのこの対処法

●第4章 日本のきのこ
1.日本のきのこの歴史
2.日本における人工栽培の歴史
3.日本の消費状況
column
きのこの語源と方言
きのこの栽培にチャレンジ
きのこの大規模生産

●第5章 世界のきのこ
1.世界のきのこの歴史
2.世界のきのこ栽培
3.世界の消費状況
column
きのこのことわざジンクス
各国語での「きのこ」
きのこ好きな民族
きのこの文学
きのこと地球環境
フェアリーリングとは?

「きのこ検定」について
模擬問題
解答解説

INDEX
ブックガイド&参考文献

ホクトきのこ総合研究所 (監修)
出版社: 実業之日本社; 改訂版 (2016/10/29)、出典:出版社HP

きのこ用語集

外被膜
ハラタケ類の若い子実体を覆う膜のこと。子実体が生長すると破れ、傘の表面や柄の基部に破片が残ることが多い。
管孔
イグチ類やサルノコシカケ類の傘の裏側にある、多数の孔のこと。その内面に担子胞子が作られる。
環紋
傘の中央を中心にした環のような模様。
偽根
柄の根元が、植物の根のように長く伸びたもの。
基部
根元のこと。
核菌
糸が密集してかたまり状になったもの。通常、胞子は形成されず、休眠状態になっている。
菌根
菌類の栄養菌糸が植物の根と共生している状態。ここで栄養分のやり取りをすると見られている。
菌糸
きのこの本体をなすもの。細い細胞が一列につらなり、糸状になっている。
菌糸
束多数の菌糸が集まり、束状になったもの。子実体の根元に根のようについていることがあるが、植物の根とは違う。
菌輪
子実体が輪になって発生した様子のことで、フェアリーリングともいう。
グレバ
腹菌類で、胞子を作る細胞を含む組織全体のこと。基本体ともいう。
群生
子実体が群れるように発生すること。
原基
傘や柄などに分化していない、初期段階の子実体のこと。
ロイグチ類やサルノコシカケ類の、管孔の開口部やその周辺部分。ここから胞子が放出される。
溝線
傘などに見られる、溝状にくぼんだ線。
散生
子実体がばらばらと発生すること。
子実層
子実体にある胞子が生じる層。子のうや担子器が作られる部分。
子実托子
実層のできる部分のことで、担子菌類ではヒダ、管孔、針、しわヒダなどを指す。
子実体
菌類が胞子を作るための器官。これを一般に「きのこ」と呼ぶ。
シスチジア
担子菌類の傘や柄、ヒダ、管孔の表面にある細胞のうち、形や大きさなどがほかとは異なるもののこと。のう状体ともいう。
子のう
子のう菌類で、胞子が入った袋状の細胞。
条線
全の周辺部にある放射線状の線。満線ほどははっきりしていない。
食菌食べられるきのこのこと。
しわヒダ
子実氏が脈状~しわ状になった状態。
成菌
子実体が生長して全が開ききった状態のこと。
束生
子実体が束になって発生すること。
担子器
担子菌類が持つ担子胞子を作る細胞のこと。子実層にある。
担子菌
担子器で担子胞子を作る菌類の総称。一般に「きのこ」と呼ばれるもののほとんどが含まれる。
担子胞子
担子菌類が担子器で作る胞子のこと。通常、ひとつの担子器に4つの担子胞子が作られる。
単生
実体がひとつずつ発生すること。

ハリタケ類などで、傘の裏面に針状に垂れ下がったもののこと。その表面に胞子ができる。
胞子
菌類やシダ植物などが作る、生殖細胞の一種。
ほだ木
きのこを栽培するために、木にきのこ菌を植えたもの。
幼菌
子実体の傘が開いていない、若い状態のこと。

ホクトきのこ総合研究所 (監修)
出版社: 実業之日本社; 改訂版 (2016/10/29)、出典:出版社HP

目次 – きのこの教科書 観察と種同定の入門

プロローグ

きのこの世界へようこそ。この本を手にとったあなたは、きっときのこに「心引かれるもの」を感じているのだと思います。素晴らしい!まずはその好奇心に敬意を評したいと思います。
私は大阪市立自然史博物館の学芸員をしている佐久間大輔と申します。自然史博物館という場所は好奇心の強い人を引きつけるホットスポットみたいなところで、「きのこ大好き!」という人はめずらしくありません。でも、もし、あなたが心斎橋や渋谷のような街中で、花壇の片隅にひょっこり顔を出したきのこを見て、「あ、コガネキヌカラカサタケだ!かわいい!」などと好奇心を向けようものなら、一気に「フシギちゃん」キャラが確定してしまいそうです。
それでもこのところ、きのこグッズや関連書籍の勢いはわりあいと強く、ややサブカル的ではありながら、ある程度の市民権を得ているように思います。
おとぎ話やゲームの中では、きのこはたいてい「魔法」や「毒」、ときには「パワーアップ」のアイテムとして登場します。確かにたくさんヒミツがありそうな、不思議な存在ですよね。ある日突然出てきて、あれ?と思っている間に消えてしまうきのこ。毒の怖さがある反面、健康食品としての紹介も目にします。こうしたことが全部ごちゃごちゃになって、不思議なイメージを作っているのかもしれません。世の中には、きのこを嫌う人もたくさんいますが、一方で多くの人が、きのこに謎めいたものを感じているのでしょう。
しかし、多くの人はきのこを遠巻きにして眺めているだけです。学校の教科書にもろくに登場せず、理科の成績にもあまり関係しないきのこ。そのきのこの知識を獲得するために、一歩を踏み出す唯一の推進力は好奇心です。プロローグをここまで読んだあなたには、間違いなくそれが備わっているでしょう。
街中で好奇心を露わにするかどうかは別として、自然史博物館に出かけたり、観察会に出かけたり、まずは好奇心を行動に移すことが重要です。
博物館では、大人から子どもまで、強い好奇心を持った多くの人に出会います。しかし、きのこのことをガンガン調べていく人は、まだ少ないように思います。その理由として、きのこを学ぶ難しさがあげられるでしょう。なにせ理科の教科書にもほとんど登場しない存在です。生物学を体系的に習った人でさえも、どうやって学びはじめればよいのかわからないようです。また、学校の理科の教科書には正解がありますが、きのこは違います。くわしくは後述しますが、目の前のきのこの名前が何であるかさえ「わからない」こともしばしばです。
名前だけではありません。そのきのこが「何をしているのか」、「どうしてここに生えているのか」、「なぜこんなに虫に食べられているのか」など、きのこには取り組んでみれば難しい「謎」がいっぱいあります。でも、それは捉えようによっては、チャレンジできる「謎」があるということで、時間をかけてじっくり取り組めば、ベールは少しずつはがれてくる……かもしれません。
あなたは答えがすぐにわかるクイズが好きですか? それとも謎を解きながらレベルアップをしていくロールプレイングゲームが好きですか? 脅かすわけではありませんが、きのこの世界はなかなかに入り組んだダンジョン(地下迷宮)のようなものです。きのこを調べる道筋に、わかりやすい地図はありません。しかし、手がかりを得る手段がわかれば、道を切り拓くことはできます。仲間もすぐにできるでしょう。
ただし、ゴールしたからといって、そこにお姫様がいたり、財宝が得られたりするわけではありません。そもそもゴールがあるかどうかもわかりません。まぁ、でも、とりあえず、最初の一歩を踏み出してみましょう。

佐久間 大輔 (著)
出版社: 山と渓谷社 (2019/9/17)、出典:出版社HP

本書の構成-ダンジョンの見取り図-

この本のねらいと取り上げていないこと

この本には写真や美しい図譜も掲載していますが、例として掲載しているだけで網羅的ではありません。なぜなら本書は眺めて終わる本ではないからです。本書は野外できのこを見つけて、そのきのこの正体を解き明かしていく方法に、ひたすら集中して解説しています。
たいていの図鑑の冒頭には図鑑の使い方が、巻末には研究の手法がごく簡単に書かれています。本書はその最初と最後の何ページかをくわしく書いてまとめたようなもので、菌類が生物学的にはどのような位置づけにあるのかなど、生物学的な基礎は逆に少ししか書いていません。また、きのこが私たちの暮らしにどのように役立っているかとか、上手なきのこの育て方などもほとんど書いていません。この小さな本がそうしたテーマまでをも担うのは荷が重すぎます。ですから、本書一冊できのこのことがすべてわかるとは思わないでください。
本書がねらっているのは、「生物学の知識を特に持たない人がきのこを手にとって、上手に図鑑を使うための手引き」(パート1~4)であり、「図鑑でもわからないことが楽しくてしょうがなくなるアマチュア研究へのお誘い」(パート5~8)です。
本書は、図鑑の替わりにも、専門書の替わりにもなりません。言うならば図鑑や専門書に気後れしている人のためのちょっとしたガイドブックです。近年、日本語でも本格的な菌類学の教科書がいくつも発行されています。正当な生物学的な解説はそうした教科書にすっぱりとゆだねます。

アイテムを手に入れよう!

本書は、きのこのことをより深く理解していただくことに目的を絞って書いています。これからどんな世界に足を踏み入れるのか、先にその見取り図を示しておこうと思います。そのときどきに入手しなければならない「アイテム」もあります。特に図鑑は、是非、手に入れていただきたいアイテムです。
また、これらのパートのところどころに、コラムとして過去の研究者のアプローチを書いてみました。偉人として紹介するのではなく、みなさんがきのこに取り組むためのワーキングモデルとして書いたつもりです。使用上の注意も守ってください。

本書の使用上の注意
●食べられるきのこと毒きのこの見分けができるようにはなりません。
●本書単体では使用せず、別の図書や書籍などと合わせてご使用ください。
●きのこの採集はマナーを守って行いましょう。観察のためにはごく少量で十分です。
●本書で紹介しているヒーターや乾燥機の使い方は、本来の使い方を少々逸脱しています。安全には十分に気をつけてお試しください。
●本書では分類に関して、(あえて)最新の見解を採用していないことがあります。最新の見解については専門書などをご参照ください。

ダンジョンの見取り図

佐久間 大輔 (著)
出版社: 山と渓谷社 (2019/9/17)、出典:出版社HP

CONTENTS

プロローグ
本書の構成―ダンジョンの見取り図―

part1
まずはきのこを眺めてみよう
1-1 キッチンマイコロジーのすすめ
1-2 マッシュルームの観察
1-3 エリンギの観察
1-4 「シメジ」の観察
1-5 マイタケの観察
1-6 観察に向かないこともあるスーパーのきのこ
1-7 キッチンマイコロジーからわかること
◆きのことは何者なのか
◆きのこのすみ場所と暮らし方

part2
野生のきのこを見る
2-1 野生のきのこを手に入れる
2-2 謎解きは現場での情報収集から
2-3 発生環境を「楽に」記録する
2-4 現場での観察手引き
2-5 よい観察はうまく持ち帰ることから
2-6 野外での撮影のコツ
2-7 デジタルカメラでの撮影

part3
きのこの謎解き
3-1 きのこは形を変える生きもの
3-2 きのこを特徴づける2つの膜と、きのこの成長過程
3-3 神は細部に宿る
3-4 ベニタケ類の観察
3-5 イグチ類のきのこの観察
3-6 お団子状のきのこの観察
3-7 記録を作る
3-8 室内の生標本撮影のコツ

part4
基本になる図鑑を持とう
4-1 図鑑で調べる
4-2 図鑑は時代とともに変わる
4-3 「古い図鑑だから使えない」というのは間違い
4-4 使用目的に合った図鑑を選ぶ
4-5 近い仲間の見当をつける
4-6 「ハラタケ型」の目のつけどころ
-ヒダの色と傘の取れやすさに着目
◆ハラタケ型のきのこの大まかな目のつけどころ
4-7 よく見るものから特徴をつかもう
-主要な中大型きのこの代表的属(グループ)
◆傘の径5cm以上のよく見るやわらかい中型から大型のきのこ24属
◆形に特徴があって覚えやすいきのこ
4-8 図鑑の記載と照合する

part5
自宅顕微鏡観察のすすめ
5-1 まず顕微鏡を手に入れよう
5-2 本当に大切なのは倍率ではなく分解能
5-3 そろえたい道具
5-4 顕微鏡で何が観察できる?
5-5 基本の観察の流れ
5-6 薬品を使って、よりくわしく顕微鏡観察
5-7 胞子のみどころ
5-8 胞子などの大きさを測る
5-9 担子器やシスチジアのみどころ
5-10 薄切り切片を作る
5-11 いろいろなきのこの顕微鏡観察
5-12 自宅顕微鏡観察上級編
-100倍油浸対物レンズで確認すべきこと、難しい点
5-13 顕微鏡観察の記録
5-14 CCDカメラで観察をする

part6
わからないきのことの格闘
6-1 記録を残す・標本を残すことの価値
6-2 標本は観察記録の物的証拠
6-3 標本の作り方
6-4 標本の保管と寄贈

part7
巨人の肩に立つ
7-1 図鑑の絵を読み取る
7-2 本郷菌類図譜と記録ノート、標本の関係を読み解く
7-3 研究者の残した論文を見る
7-4 論文の探し方
7-5 標本を活用するために
7-6 博物館に保存すべき菌類標本とは
7-7 博物館への菌類標本寄贈の実際
7-8 博物館の標本を活用しよう
7-9 本郷標本の現代菌学上の重要性

part8
きのこの名前調べを越えて
8-1 名前をよく知っているきのこの観察からわること
8-2 植物好きな人のためのきのこ研究のすすめ
そしてきのこ好きの人には植物のすすめ
8-3 昆虫が好きな人のためのきのこ研究のすすめ
8-4 エピローグに代えて
-きのこから自然を見る

参考・引用文献

Fungi Legends column
きのこ人物伝

お手本はプレサドラ 川村清一
現代の日本の菌学の基礎を築いた 本郷次雄
人々を結びつけた希代のコーディネーター 今関六也
アマチュアの巨人たち 青木実・吉見昭一
地方の博物学研究者を牽引した菌学者 安田篤
わからないものとわかったもので記録 大上宇市

mini column
顕微鏡観察はいつする?
生のきのこor乾燥標本
各地のアマチュア研究者を後押しした今関、本郷

佐久間 大輔 (著)
出版社: 山と渓谷社 (2019/9/17)、出典:出版社HP

目次 – くらべてわかるきのこ 原寸大 (くらべてわかる図鑑)

目次

本書の使い方
用語解説
きのこ観察の基本
見わけのツボ
おもなきのこの検索

原寸大図鑑

但子菌類
ヒラタケ、タモギタケなど(ヒラタケ科など)
ツキヨタケ、シイタケ、ムキタケなど(ツキヨタケ科、ガマノホタケ科)
カンゾウタケ(カンゾウタケ科)
オオキツネタケ、カレバキツネタケなど(ヒドナンギウム科)
オオホウライタケ、スジオチバタケなど(ホウライタケ科)
チシオタケヤコウタケなど(ラッシタケ科)
サクラシメジ、アカヤマタケなど(ヌメリガサ科)
オオモミタケなど〈オオモミタケ科)
マツタケなど(キシメジ科など)
シモフリシメジ、アイシメジなど(キシメジ科)
ムラサキシメジなど(キシメジ科)
ホンシメジ、シャカシメジなど(キシメジ、シメジ科)
ニオウシメジ、カヤタケなど(キシメジ科、シメジ科)
ウラベニホテイシメジ、クサウラベニタケなど(イッポンシメジ科)
ウラベニガサ、オオフクロタケなど(ウラベニガサ科)
ベニテングタケ、タマゴタケなど(テングタケ科)
ハイカグラテングタケ、チャオニテングタケなどイテングタケ科)
テングタケ、イボテングタケなど(テングタケ科)
コテングタケモドキ、オオツルタケなど(テングタケ科)
ドクツルタケ、シロコタマゴテングタケ(テングタケ科)
タマシロオニタケ、カブラテングタケなど(テングタケ科)
フクロツルタケ、シロオニタケなど(テングタケ科)
カラカサタケなど(ハラタケ科)
ザラエノハラタケ、オニタケなど(ハラタケ科)
ウスキモリノカサ、ササクレヒトヨタケなど(ハラタケ科、カブラテングタケ科)
ヒトヨタケ、ムジナタケなどナヨタケ科)
ヌメリツバタケ、エノキタケなど(タマバリタケ科など)
ナラタケのなかま(タマバリタケ科)
クリタケ、ニガクリタケなど(モエギタケ科)
ナメコ、チャナメツムタケなど(モエギタケ科)
ヌメリスギタケモドキ、ハナガサタケなど(モエギタケ科)
サケツバタケ、ヤナギマツタケなど(モエギタケ科)
ヒカゲシビレタケ、オオワライタケなど(モエギタケ科など)
ワライタケ、キショウゲンジなど(オキナタケ科)
オオキヌハダトマヤタケなど(アセタケ科)
アシナガヌメリ、ナガエノスギタケなど(ヒメノガステル科)
ムレオオフウセンタケなど(フウセンタケ科)
オオツガタケ、ショウゲンジなど(フウセンタケ科)
キンチャフウセンタケなど(フウセンタケ科)
ドクベニタケオキナクサハツなど(ベニタケ科)
チチタケなど(ベニタケ科)
ハツタケなど(ベニタケ科)
ヒダハタケオウギタケなど(ヒダハタケ科、オウギタケ科など)
バライロウラベニイロガワリ、ベニイグチなど(イグチ科など)
ヌメリコウジタケ、ハナイグチなど《ヌメリイグチ科など)
アワタケ、ドクヤマドリなど(イグチ科、クリイロイグチ科)
オオキノボリイグチなど(イグチ科)
ヤマドリタケ、セイタカイグチなど(イグチ科)
アオネノヤマイグチ、キンチャヤマイグチなど(イグチ科)
アカヤマドリ、コオニイグチなど(イグチ科など)
ミドリニガイグチ、オオクロニガイグチなど(イグチ科)
アンズタケ、ウスタケなど(アンズタケロアンズタケ科、ラッパタケロラッパタケ科)
カノシタ、コウタケなど(アンズタケ目カノシタ科イボタケ目マツパハリタケ科など)
クロカワ、マンネンタケなどイボタケロマツハリタケ科、ダマチョレイタケ日タマチョレイタケ科)
ブナハリタケ、マイタケなど(タマチョレイタケ科など)
マスタケ、ニンギョウタケなど(ダマチョレイタケロッガサルノコシカケ科など)
スッポンタケ、キヌガサタケなど(スッポンタケ科、アカカゴタケ科)
キクラゲ、ハナビラニカワタケなど(キクラグロキクラゲ科、シロキクラグロシロキクラゲ科など)

子のう菌類
オオゴムタケなど(チャワンタケ科など)
シャグマアミガサタケ、アミガサタケなど(フクロントネタケ科、アミガサタケ科)
コウボウフデ、カエンタケなど(エウロチウム目ツチダンゴ科、ボタンタクロニクザキン料など)

コラム
きのこ観察のためのきのこ狩り
丸いきのこ
サンゴ形のきのこ
冬虫夏草
担子菌類と子のう菌類

大作 晃一 (著)
出版社: 山と渓谷社 (2015/9/11)、出典:出版社HP

本書の使い方

用語解説

きのこ観察の基本10

きのこの探し方と、きのこを識別するうえで知っておきたい10項目です。

1 きのこの発生時期
きのこは、秋に発生することが多いが、実は1年を通じて見ることができる。桜の咲く時期は、アミガサタケやハルシメジが生える。梅雨のころからは、いろいろなきのこが増えはじめ、夏はイグチ類が旺盛だ。冬はきのこが少ないが、重要な食用きのこであるヒラタケやエノキタケが発生する。

2 きのこの生える環境
きのこがどのように生活しているのか理解できると、きのこ探しが上手になる。きのこが好む植物の近くの地面、落ち葉やコケ類の間、切り株・倒木・枯れ木などに注目しよう。地面がササでおおわれている場所や、乾燥しているところは、きのこが少ない。→見わけのつぼツボp.8.9

3 近くに何の木があるか注目しよう
きのこは生活のしかたによって大きく、菌根菌、腐生菌、寄生菌の3つに分類される。多くのきのこは菌根菌で、生きた樹木の根と結合して栄養のやり取りをする。特定の植物と密接な関係にあるので、きのこを見つけた際は近くにどんな樹木が生えているかも確認しておきたい。⇒見分けのツボp.10.11

4 生える場所にも注目
地面から出るきのこを地上生、枯れ木などの木材から出るきのこを材上生という。地上生か材上生かは、きのこによってちがっているので、見わけのポイントになる。ただし、地面から出ているように見えても、地下の埋もれ木から出ている場合や、落ち葉の上から出ている場合などもある。

5 きのこは成長段階や乾燥状態によって様子が変わる
成長段階によって、色や形が変化するきのこもある。きのこが1つ見つかれば、まわりに同じきのこが生えている可能性も高い。できるだけ状態のちがう個体を複数確認するようにしよう。また、きのこは湿っているときと、乾燥しているときでは、色や粘性の状態などが、ちがっていることもある。

6 きのこは根元から採集しよう
きのこは根元の形状も大事な識別ポイント。特にテングタケのなかまでは根元のツボの観察が重要だ。観察するときは、スコップなどを使い、根元から丁寧に採集しよう。また、触ると変色したり、表面のいぼや鱗片がとれてしまったりするものもあるので、きのこを傷めないように慎重に扱う。

7 採集したら、傘の表と裏、そして柄に注目
傘と柄のあるきのこの名前を調べるときは、傘の表と裏、柄に着目しよう。傘の表は色や模様、粘性や条線、鱗片の有無を、傘の裏はひだか管孔か針状かなどのほか、色や密度やつき方を、柄は模様、つばやつぼの有無などを総合的に見て判断する。肉に変色性があるものや、味や香りに特徴をもつものもある。→見わけのツボp.12-17

8 胞子の色はきのこのグループを判別するときの重要なポイント
胞子の色はグループごとに傾向があるので、きのこの判別に役に立つ。胞子の色は黄色や緑色などもあるが、大部分は白色、ピンク色、褐色、紫褐色、黒色の5色。成熟したきのこのひだは、胞子の色に染まっていることが多いので胞子の色を推測するヒントになる。⇒見わけのツボp.15

9 名前のついていないきのこもたくさんある。むやみに食べてはいけない
正確に種を判別するには、顕微鏡観察が必要なきのこも多い。また、日本には約1万種のきのこがあると推定され、そのうち名前のついているものは約3分の1しかない。確実に判断できないものや、名前がつかないものをむやみに食べてはいけない。また、毒きのこ全てを簡単に見わけられる方法はない。1つ1つきちんと覚えていくことだ。

10 上達には、観察会に参加するのが一番の近道
きのこを1人で覚えるのは大変だ。各地で開かれている観察会に参加して、詳しい人に教わるのが上達の一番の近道だろう。見聞きしたことは図鑑で復習すると効果的だ。また、地元で採れたきのこの販売所は、さまざまなきのこが見られるので勉強になる。

大作 晃一 (著)
出版社: 山と渓谷社 (2015/9/11)、出典:出版社HP

見わけのツボ

おもなきのこの検索表

大作 晃一 (著)
出版社: 山と渓谷社 (2015/9/11)、出典:出版社HP