社会保険労務士とはどんな仕事? 「社労士の実務がわかる本」を読んでみた

難関として知られている資格の1つである社会保険労務士。資格名は聞いたことあるけど、実際にどのような仕事をするのかわからない人も多いはず。そのような人たちのため、今回は法学書院から出版されている「社労士の実務がわかる本」を読み解いていきます。




武市 淳 (著), 宮澤 真由美 (著)
出版社: 法学書院 (2013/5/1)、出典:amazon.co.jp

 

社会保険労務士への第一歩を理解できる入門書

難関資格として知られている社会保険労務士(以下、社労士)は、労働・社会保険の手続きや届け出の代行、企業の労働環境への助言などコンサルタントを行う専門家です。近年、日本の働き方問題に関して何かと話題になることが多く、ワークライフバランスという言葉が取り沙汰されています。今後、ますます労働と私生活のスペシャリストである社労士の活躍の場や需要が増えていくと思います。

今回、読み解いた法学書院が発行する「社労士の実務がわかる本」では、社労士の業務について詳しく書かれています。社労士試験の対策テキストではなく、これから目指す人のための入門書のような位置付けです。また、労働協定や社会保険制度を導入した会社の事例が紹介されているので、業務改善や事業運営のアイデアを得ることもできます。書籍は、全3編・10パート、およそ250ページで構成されています。

パート1・2では、社労士という仕事が果たす役割や業務、法律の基本的な知識などが書かれています。社労士に必要とされる法律の数は多く、労働法だけではなく年金や健康保険に関わる法律まで対象となります。現在、社労士は全国に35000人以上います。日本の社会保険制度の概要を抑えることが、社労士の業務を知る第一歩となります。

パート3から各法令の詳細な特徴について触れられています。パート3では、労働基準法と労働安全衛生法の2つを知ることができます。労働条件通知書、退職証明書、賃金控除に関する協定書と実際の書面や、会社の事例が掲載されています。法律の説明のみではイメージしづらいですが、事例を載せることで制度の導入の流れと協定書の書き方を理解できます。しかし、制度の導入後どのように業務や業績が変化したか経過が記してあったらよかったです。

パート4では労働保険の詳細と手続き方法について書かれています。パート3の労働基準法と同じく実際に手続きする書面のサンプルと事例が紹介されています。私たちにも馴染みのある労災保険、雇用保険の法律について述べられています。

この後、この本のタイトルである「社労士の実務がわかる本」通り、本編では1年を通した業務の進め方や繁忙期など社労士の仕事の基礎知識について書かれています。この本の詳細を知りたい人は書店に足を運ぶか、オンラインで本書を手に入れましょう。

武市 淳 (著), 宮澤 真由美 (著)
出版社: 法学書院 (2013/5/1)、出典:amazon.co.jp