絵ときでわかる計測工学(第2版)




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はじめに

機械工学では、形のある動くものをつくるときに、部品の長さを計測する場面がある。

このとき、長さ1ミリメートルをいい加減に取り扱っていては、きちんとしたものづくりはできない。金属部品の製作では、少なくとも20分の1ミリメートルまでの測定ができるノギス、さらには100分の1ミリメートルまでの測定ができるマイクロメータを使用する必要がある。

最近、ナノテクノロジーという言葉をよく聞く、ナノメートルとは10億分の1メートルのことであり、そのレベルで寸法を測定しながら、新たな物質をつくったり、それらを組み合わせてコンピュータや微小機械などをつくったりしている。そこでは、もちろんナノメートルを計測することができなければ、技術は成り立たない。また、計測で扱うのは長さだけでなく、質量や温度、時間など、さまざまな物理量がある。それらの定義や単位をきちんと理解し、適切な方法で測定ができることも、計測を学ぶときに重要なことがらである、ものづくりが技術から工学に発展するためには、その過程を数量的に表す必要が出てくる。すなわち、計測を通して、ものづくりは工学の世界へと近づいていくのである。

本書は、ものづくりの観点から、計測の基本をまとめたものであり、できるだけ実際の測定場面を再現しながらの解説を心掛けている。それぞれが計測の原理や種類を学び、実際の測定を行うときの手引きとして活用していただきたい、

2006年4月
著者しるす

門田 和雄  (著)
オーム社; 第2版 (2018/2/17)、出典:出版社HP

第2版改訂にあたって

2006年4月に初版が発行された本書は、幸いにも10年以上版を重ねることができた。この間、数多くの大学や高専等の教科書等に採用されてきたことは著者として嬉しい限りである。

この度、第2版の改訂にあたり、各計測について、2018年に質量の国際基準が変更されたことなどに修正を加えるとともに、教科書として、より利用しやすくするため、章末問題を充実させることとした。機械工学に必要となる計測工学について、初心者向けにまとめた本書は意外に類書が少ない。ビッグテータが注目され、工学の各分野でもますます各種の計測データの扱いが重要となるはずである。

そのデータを正しく計測するための基本事項について、この改訂版を活用して学んでいただきたい。

2018年1月
著者しるす

門田 和雄  (著)
オーム社; 第2版 (2018/2/17)、出典:出版社HP

目次

第1章 計測の基礎
1-1計測とは
1-2国際単位系
1-3誤差
1-4計測器の性能
1-5計測器の構成
1-6有効数字
章末問題

第2章 長さの計測
2-1長さの基準と単位
2-2長さの計測
2-3長さの測定誤差
章末問題

第3章 質量と力の計測
3-1質量と力の基準と単位
3-2質量の計測
3-3力の計測
3-4動力の計測
章末問題

第4章 圧力の計測
4-1圧力の定義と単位
4-2圧力の計測
4-3真空の計測
章末問題

第5章 時間と回転速度の計測
5-1時間の計測
5-2回転速度の計測
章末問題

第6章 温度と湿度の計測
6-1温度の定義と単位
6-2温度の計測
6-3湿度の計測
章未問題

第7章 流体の計測
7-1流体を表す物理量
7-2流体の計測
章末問題

第8章 材料強さの計測
8-1材料強さとは
8-2材料試験
章末問題

第9章 形状の計測
9-1角度の計測
9-2形状の計測
章末問題

第10章 機械要素の計測
10-1ねじの計測
10-2歯車の計測
章末問題

章末問題の解答
索引

門田 和雄  (著)
オーム社; 第2版 (2018/2/17)、出典:出版社HP