工事担任者 AI・DD総合種 標準テキスト 改訂版
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はしがき
本書は、工事担任者「AI・DD総合種」の資格取得を目指す受験者のためのテキストです。本書では、既に実施されたAI・DD総合種試験の内容に準拠することを編集の基本方針としています。また、各科目の主要内容を押さえることはもとより、試験に合格するためのエッセンスを抽出し、短期間で効率的な学習ができるように工夫されています。具体的には、以下に示すような特長を持っています。
1 ひとめでわかる重要項目
本文の中で重要な語句や公式などを色表示しています。これにより重要項目がひとめでわかる仕組みになっています。
2 豊富な図表
600点余りに及ぶ豊富な図や表でわかりやすく解説しています。これにより直感的にさまざまな原理や技術内容、法制度を理解することができます。
3 実力を試せる「理解度チェック」と「演習問題」
項目ごとに理解度を確認できる「理解度チェック」、また、各章末には、これまでの出題傾向を踏まえた「演習問題」を掲載しています。問題を解くことで、より確かな実力が身に付きます。
このような特徴を持つ本書は、限られた時間の中で効率的に学習したい方に最適の書となっています。
本書は、2015年2月の発行以来ご好評をいただいてまいりました『工事担任者 AI・DD総合種標準テキスト』の改訂版です。初版の発行から3年が経過し、その間に試験の出題傾向も少しずつ変化してきました。本書では、これまでの実績をふまえ、さらに最新の試験傾向に即した内容を盛り込んでいます。
受験者の皆さんが、本書を有効に活用することにより、合格への栄冠を獲得されることをお祈りいたします。
2018年1月
編者しるす
受験の手引き
1 試験実施の公示
工事担任者資格試験は、電気通信事業法第73条に基づく国家試験であり、一般財団法人日本データ通信協会が試験事務を実施している。
試験は毎年少なくとも1回は行われることが総務省令(工事担任者規則)で定められており、通常は年2回実施されている。
試験の実施時期、場所、申請の受付期間等については、一般財団法人日本データ通信協会電気通信国家試験センターのホームページにより公示される。
一般財団法人 日本データ通信協会 電気通信国家試験センター
〒170-8585 東京都豊島区巣鴨2-11-1巣鴨室町ビル6階
〔URL〕 https://www.shiken.dekyo.or.jp
〔電話〕 (03)5907-6556(代表)
2 試験申請
試験申請の手続きには、書類による申請と、インターネットによる申請がある。科目免除申請のための証明書類を提出する場合および全科目免除申請の場合は、書類により申請する。申請に要する各種手数料は、申請者が負担する。
●書類による申請手続き
試験申請書(兼払込取扱票)に必要事項を記入し、郵便局等で所定の試験手数料を払い込む。
① 試験申請書(兼払込取扱票)等は、電気通信国家試験センターまたは一般財団法人日本データ通信協会各支部の窓口において無料で入手できる。郵送で取り寄せる場合は、その旨と部数を書いたメモに、宛先を明記し部数に応じた金額の切手を貼付した封筒を同封して、各事務所に郵送する。
② 郵便局の窓口またはATMで必要事項記入済みの試験申請書(兼払込取扱票)を用いて所定の試験手数料を払い込む。一般財団法人日本データ通信協会電気通信国家試験センターまたは各支部の窓口で支払うこともできる。
③ 受領印が押印された試験申請書(兼払込取扱票)を一般財団法人日本データ通信協会電気通信国家試験センターに郵送する。
●インターネットによる申請手続き
① 一般財団法人日本データ通信協会のホームページから「インターネット試験申請受付」画面にアクセスできるので、そこで必要な情報を登録する。
② 申請に必要な基本情報の入力終了後、確認ボタンをクリックすると、申請受付完了画面が表示されるので、その画面をプリントアウトするか、表示された情報をメモしておく。
③ 郵便局、銀行または指定のコンビニエンスストアのうち、①で選択した払込方法により、払込期限内に試験手数料を払い込む。郵便局で払い込む場合は、郵便局備付けの払込取扱票を使用するが、この際、申請受付完了画面で指定された受付番号を通信欄に記入する。銀行で払い込む場合は、申請受付完了画面で指定された口座番号に払い込む。コンビニエンスストアで払い込む場合は、事前にスマートピットカードまたはスマートピットシートを入手しておき、申請の際にそのスマートピットカード番号を入力し、申請終了後30分以上経過後にそのスマートピットカード番号により払い込む。
3 試験日および実施地
① 試験は例年2回(5月、11月)実施されており、各種別の具体的日時は申請書類に添付の「受験の手引き」に記載されている。
② 試験実施地は、申請時に、公示された地区のうちからいずれか1つを指定する。試験実施回ごとに変更されることがあるので、申請書類にはよく目を通しておくこと。
4 受験票
① 受験票は試験実施日の2週間前までに送付される。受験票を受け取ったら試験種別、試験科目、試験会場および試験日時を確認後、受験票に写真を貼って、氏名および生年月日を黒か青のボールペンまたは万年筆で記入し、試験当日必ず持参すること。
② 受験票に貼る写真は、試験前6か月以内に撮影した上三分身、無帽、正面、無背景、白枠なしの縦30ミリ、横24ミリのものとされている。裏面には必ず氏名および生年月日を記入しておくこと。
5 試験時間
試験時間は、1科目につき40分相当(AI・DD総合種の技術科目のみ80分)の時間が与えられる。3科目受験の場合は120分(AI・DD総合種は160分)の時間が与えられるが、その時間内での各科目の時間配分は自由である。
6 試験上の注意
① 受験票を必ず持参し、試験室には受験票に印字されている集合時刻までに入ること。
② 着席後、受験票を机上に置き、係員の指示により提出する。
③ 鉛筆、シャープペンシル、消しゴム、時計(液晶表示のないもの)以外の物を机上に置くことはできない。
④ 試験は、筆記(マークシート方式)により実施される。
⑤ 筆記用具(鉛筆またはシャープペンシル、およびプラスチックの消しゴム)を持参する。ボールペン、万年筆で記入した答案は採点されないので要注意。
⑥ 試験会場では試験開始前に問題用紙(冊子)および解答用紙(マークシート)が配布される。問題用紙には受験番号を、解答用紙には氏名、受験番号、生年月日を記入し、それぞれの項目に該当する箇所をマークする。マークするにあたっては、問題用紙の表紙に示されている「記入例」にならって、枠内を濃く塗りつぶすこと。
⑦ 退室する場合は、係員の指示によりマークシートを提出する。
⑧ 不正行為が発見された場合または係員の指示に従わない場合は、退場を命じられることがある。この場合、採点から除外され受験が無効となる。
7 合格基準
合格基準は、各科目とも、100点満点で60点以上となっている。
8 結果の通知
試験結果は、受験者全員に「試験結果通知書」にて通知される。試験結果通知書は後日必要となる場合があるので、大切に保存すること。
9 資格者証の交付
試験合格者は、「資格者証交付申請書」を入手し、必要事項を記入のうえ、所定金額の収入印紙(国の収入印紙。都道府県の収入証紙は不可。)を貼付して、受験地(全科目免除者は住所地)を管轄する地方総合通信局または沖縄総合通信事務所(次のURL参照)に提出する。
http://www.soumu.go.jp/menu_kyotsuu/chihou.html
なお、AI第1種またはDD第1種試験に合格した場合、その資格種別の資格者証の交付申請に代えて、資格の組合せによりAI・DD総合種の資格者証の交付を申請することができるが、AI・DD総合種の資格者証の交付を受けた後は合格した資格種別の資格者証の交付を申請することができなくなる。
交付申請は、「試験結果通知書」に記載された合格の日から3か月以内に行うこと。
目次
第Ⅰ編 電気通信技術の基礎
第0章 予備知識
1 量の表し方
2 三角関数と三平方の定理
3 対数とデシベル
4 アナログとデジタル
第1章 電気回路
1 電流、電圧、電力
2 電気抵抗とオームの法則
3 合成抵抗
4 キルヒホッフの法則
5 静電誘導とコンデンサ
6 合成静電容量
7 電流と磁界
8 電磁誘導
9 自己誘導と相互誘導
10 静電エネルギーと過渡現象
11 交流の定義
12 交流の電力
13 誘導性リアクタンスと容量性リアクタンス
14 RLC直列回路
15 RLC並列回路
16 共振回路と交流ブリッジ
演習問題
第2章 電子回路
1 半導体の基礎
2 ダイオード
3 ダイオード回路
4 トランジスタの動作原理
5 トランジスタの接地方式
6 トランジスタの静特性
7 トランジスタの増幅回路
8 トランジスタのバイアス回路
9 トランジスタのスイッチング動作
10 電源回路、帰還回路
11 電界効果トランジスタ(FET)
12 半導体集積回路(IC)
13 光ファイバ通信システムに用いる半導体素子
14 その他の半導体素子
演習問題
第3章 論理回路
1 10進数と2進数
2 論理回路の種類、論理式、ベン図
3 論理代数(ブール代数)の法則
4 組合せ論理回路
演習問題
第4章 伝送理論
1 電気通信回線の伝送量
2 伝送量の計算
3 電気通信回線の電気的特性
4 反射
5 漏話
6 ひずみ、雑音、反響、SN比
演習問題
第5章 伝送技術
1 デジタル通信網のサービス品質
2 変調方式(Ⅰ) AM、FM、PM
3 変調方式(Ⅱ) パルス変調
4 多重伝送方式
5 フィルタ
6 光ファイバ伝送方式
演習問題
第Ⅱ編 端末設備の接続のための技術及び理論
第1章 端末設備の技術(Ⅰ)
1 電話機
2 ファクシミリ装置
3 ボタン電話装置
4 構内交換設備(PBX)
5 通話品質
6 ISDNの端末機器
7 雷害・電磁障害対策
演習問題
第2章 端末設備の技術(Ⅱ)
1 ADSLモデム、ADSLスプリッタ
2 IP電話システムにおける各種端末
3 LANの概要
4 LANの伝送媒体
5 イーサネットLAN
6 無線LAN
7 LANの媒体アクセス制御方式
8 LAN構成機器(Ⅰ) 集線装置
9 LAN構成機器(Ⅱ) LAN間接続装置
10 GE-PONシステム
演習問題
第3章 総合デジタル通信の技術
1 ISDNインタフェースの概要
2 インタフェース構造
3 サービスの概要
4 基本ユーザ・網インタフェースレイヤ1
5 一次群速度ユーザ・網インタフェースレイヤ1
6 ユーザ・網インタフェースレイヤ2
7 ユーザ・網インタフェースレイヤ3
演習問題
第4章 ネットワークの技術
1 通信方式と伝送方式
2 デジタル伝送路符号方式
3 IPネットワークの概要
4 IPアドレス
5 ネットワーク管理コマンド
6 VoIP関連プロトコル
7 その他の通信プロトコル(Ⅰ) HDLC手順
8 その他の通信プロトコル(Ⅱ) ATM
9 WANの技術(Ⅰ) 広域イーサネット
10 WANの技術(Ⅱ) IP-VPN
11 ブロードバンドアクセスの技術(Ⅰ) メタリックアクセス技術
12 ブロードバンドアクセスの技術(Ⅱ) 光アクセス技術
13 ブロードバンドアクセスの技術(Ⅲ) CATVシステム技術
演習問題
第5章 トラヒック理論
1 トラヒック諸量
2 交換方式と交換線群
3 即時式完全線群
4 待時式完全線群
演習問題
第6章 情報セキュリティの技術
1 情報システムに対する脅威
2 電子認証技術とデジタル署名技術(Ⅰ) 暗号化技術
3 電子認証技術とデジタル署名技術(Ⅱ) 電子認証、PKI、デジタル署名
4 端末設備とネットワークのセキュリティー
5 情報セキュリティ管理
演習問題
第7章 接続工事の技術(Ⅰ)
1 加入者線路設備
2 屋内配線工事
3 PBX、ボタン電話装置の設置工事
4 ISDN端末設備の設置工事
5 テスタ
演習問題
第8章 接統工事技術(Ⅱ)
1 メタリックケーブルを用いたLANの配線工事
2 光ファイバを用いたLANの配線工事
3 JIS X 5150:2016構内情報配線システム
4 情報配線システムのフィールドテスト
5 ADSLの開通工事
6 コマンド等によるLANの工事試験
7 IPボタン電話装置およびIP-PBXの設計・工事
8 施工管理技術
9 安全管理技術
演習問題
第Ⅲ編 端末設備の接続に関する法規
第1章 電気通信事業法
1 総則
2 電気通信事業
3 端未設備接統等
演習問題
第2章 工事担任者規則、技術基準適合認定等規則
1 工毒担任者規則
2 端末機器の技術基準適合認定等に関する規則
演習問題
第3章 端未設備等規則
1 総則
2 責任の分界、安全性等
3 アナログ電話端末
4 移動電話端末
5 インターネットプロトコル電話端末
6 インターネットプロトコル移動電話端末
7 総合デジタル通信端末
8 専用通信回線設備等端末
演習問題
第4章 有線電気通信法、有線電気通信設備令
1 有線電気通信法
2 有線電気通信設備令
演習問題
第5章 不正アクセス禁止法、電子署名法
1 不正アクセス禁止法
2 電子署名法
演習問題
索引