下水道第2種技術検定試験 合格問題集(第2版)




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はしがき

本書は、「下水道第2種技術検定」の資格取得を目指す方々を対象として著したものである。

本検定試験は、下水道分野の実施設計及び工事の監督管理の資格の登竜門として昭和50年に第1回が実施され、令和元年度で第45回を数えるに至っている。

本書の構成は、令和元年度試験まで直近の過去8年分の全問(計480問)を分野別に整理し、解説をしたものである(一部はそれ以前の問題も含む)。試験問題の特徴は、重要なテーマについては、繰り返し出題されていることである。

そこで効果的な勉強の方法は、読者の得意な分野から手をつけることをお勧めする。本書は分野別になっているので、入りやすい分野から読み進んで自信をつけていくことが得策と考える。下水道施設の実施設計・工事の監督管理は、法令関係はもちろんのこと、土木、建築、機械、電気、化学、生物などの幅広い知識が必要とされる総合エンジニアリングである。

1914年に英国で活性汚泥法が誕生して、100年が経過している。日本では現在、約2、200か所の下水処理場が稼働しており、管路総延長は47万kmにのぼっている。一方、昭和30年代の下水道拡張急進期に築造された管きょはすでに50年を経過しており、長期間使用による施設の老朽化が顕在化している。管路施設はもちろんのこと、処理場関連施設についても老朽化対策は解決をしなければならない喫緊の課題である。

下水道技術者は、ライフサイクルコスト(LCC)の縮減化と増大する下水道ストックというトレードオフの課題を背景に、下水道施設の持つポテンシャルを将来にわたって維持・向上させるという重い役割を担っている。

今回の出版に際して、企画の段階からご協力いただいたオーム社編集局の方々に感謝申し上げる。
最後に、本書を活用して1人でも多くの合格者が誕生し、日進月歩の下水道技術に精通したプロフェッショナルエンジニアとして活躍されんことを期待する。もとより浅学非才ゆえ、誤っている箇所があるかと考える。忌憚のないご批判をいただけたら幸いである。

2020年3月
著者らしるす

関根 康生 (著), 飯島 豊 (著), 林 宏樹 (著)
オーム社; 第2版 (2020/4/20)、出典:出版社HP

目次

第1章 管きょの設計
1.1計画下水量
1.2管きょの材料と特徴・他
1.3管きょの断面形
1.4管きょの基礎
1.5管きょの埋設・土かぶり
1.6管きょの接合

1.7管きょの水理
1.7.1水理学の用語
1.7.2マニング式
1.7.3ベルヌーイの定理
1.7.4流量計算・他
1.7.5流速とこう配
1.7.6動水こう配
1.7.7伏越しと損失水頭
1.7.8静水圧

1.8マンホール・マンホール形式ポンプ場
1.9取付管・他
1.10排水設備
1.11管きょの設計縦断面図
1.12伏越し
1.13雨水吐
1.14合流改善
1.15貯留施設

第2章 管きょの施工
2.1土工事
2.1.1曲げモーメント
2.1.2土質
2.1.3基礎工
2.1.4土留め工
2.1.5耐震設計

2.2各種工法
2.2.1薬液注入工事
2.2.2地下水位低下工法
2.2.3地盤改良工法
2.2.4シールド工法
2.2.5推進工法
2.2.6更生工法
2.2.7施工に用いる機械等

2.3コンクリート
2.3.1コンクリート標準示方書
2.3.2コンクリート試験・検査
2.3.3コンクリート(一般)

第3章 施工管理
3.1建設工事公家災害防止対策要綱・他
3.2土木工事費等
3.3公共工事標準請負契約約款
3.4施工計画書等)
3.5クリティカルパス

第4章 下水处理
4.1活性汚泥法
4.2オキシデーションディッチ法(OD法)
4.3高度処理法
4.4消毒施設
4.5下水処理施設の役割

4.6下水処理の運転管理指標
4.7小規模処理場
4.8ポンプ場
4.9計算問題(水面積負荷、固形物収支)

第5章 汚泥処理
5.1汚泥処理(一般)
5.2汚泥の濃縮
5.3汚泥の固形物滞留時間(SRT)
5.4汚泥の脱水

5.5汚泥の脱水性の指標
5.6汚泥の嫌気性消化
5.7汚泥焼却及び溶融
5.8計算問題

第6章 電気・機械設備
6.1電気設備
6.1.1受変電設備(一般)
6.1.2電気設備等に関する用語
6.1.3自家用電気工作物
6.1.4保護・保安設備
6.1.5力率改善装置

6.1.6接地工事
6.1.7変圧器
6.1.8計装・制御機器
6.1.9自家発電設備
6.1.10計算問題

6.2機械設備
6.2.1ポンプ設備
6.2.2送風機設備

第7章 法規
7.1環境基本法
7.2水質汚濁防止法
7.3下水道法
7.4河川法
7.5悪臭防止法

7.6酸素欠乏症等防止規則・他
7.7廃棄物の処理及び清掃に関する法律
7.8騷音規制法
7.9エネルギーの使用の合理化に関する法律
7.10道路法

付録
令和元年度試験問題
平成30年度試験問題
令和元年度解答
平成30年度解答

参考文献
索引

関根 康生 (著), 飯島 豊 (著), 林 宏樹 (著)
オーム社; 第2版 (2020/4/20)、出典:出版社HP