社会人1年目からのとりあえず日経新聞が読める本




はじめに

「経済数学の基本のキ」を身につけよう!

わかりやすいと人気の学者の先生が、テレビやラジオで面白い経済解説をしてくれることがあります。
「なるほど!」と膝を叩くことも多いのですが、30分後に思い出そうとすると、話の筋まで曖昧になってしまっ たことはありませんか?
また、せっかく、会社の会議で発言できるようにと経済の勉強を意気込んでみたものの、三日坊主で終わった経験はありませんか?
これらは、基本の基本となる知識が板についていないのが原因です。
多くの人は、日本経済の大きさも成長率も知らないと思われます。日米の10年国債の利回りもわかりません。原油や金の値段も見当がつかないのです。
しかし、金利、為替、貿易収支、失業率などの数字がわからなくては、世の中の流れをつかむことは不可能です。

ではあなたは、基本の基本となる数字を知っていますか?

日本のGDPの大きさを言ってみてください。
失業率、10年国債の利回り、金価格、原油価格を答えてみてください。
日本経済の実質成長率はどのくらいですか?
IMFが3か月に一度、世界の経済成長率と各国別成長率を公表し、日本でも全国紙が詳細に報道しています が、そのことを知っていますか?

いま、ほとんど知らなかったとしても、心配はいりません。本書を一読すれば、世界で起きていることが手に取 るようにわかるようになります。
実際の経済社会を理解するには、簡単な拡大鏡が必要だっただけなのです。それも、安価で手に入る簡単なもの でOK。それが、この本です。
精密に深く学ぶ必要はありません。一方で顕微鏡や望遠鏡を使うように深く緻密に学びたい方も、この本をひと とおり読むと、日経新聞を読むのがとても楽になります。
本書では、みなさんが押さえておくと役に立つ数字や用語を21個に厳選して、わかりやすく噛み砕いてお伝えし ていきます。
この本はゆっくり読んでも3日です。二度ほど読めば鬼に金棒です。
ですが、経済現象は日々、変化していきます。
この本で覚えた数字は、毎週、日経新聞でチェックして定期的に新しいものにアップデートしましょう。そうす れば、職場で一目も二目も置かれる存在になるでしょう。

昔、薬師寺の和尚さんからお話を聞いたことがあります。グラフも図表もないのに、頭にどんどん入ってきまし た。みなさんには、私が薬師寺のお坊さんになったつもりで、これ以上ないほどわかりやすい言葉でお話をしていきます。
興味が出てくれば、原典で経済学や経営学を学びなおしてもよいでしょう。
私は、この方法でたくさんの経済通候補をつくってきました。安心してまかせてください。「わかりやすくて、ためになる、一生使える」が私のモットーです。

パスカルは、「すべてのことは知ることができない。だから、すべてのことを少しずつ知ることだ」という言葉 を残しています。
本書も、「すべてのことを少しずつ知る」というスタンスで書きました。
順番は問いません。興味のあるところから、好きに読み進んでください。
その際、1つだけお願いがあります。
ぜひ、各項目ごとにその周辺の事実に興味を持ってください。
たとえば、

口 過去の数字はどうだったか
口 年齢・地域などの属性別に見た数字はどうなのか
口 他国の数字はどうなのか

などに思いをめぐらせてほしいのです。
それを習慣にすれば、あなたも一生ものの経済知識が身につき、職場でも一目置かれる経済通になれることでしょう。

※なお、本書の内容は、原則として2016年1月現在です。

日本の年間自殺者数は何万人?
2015年、日本を訪れた外国人旅行者は何万人?
日本の穀物自給率は何%?

 

目次

PROLOGUE
はじめにCHAPTER1知っていると「やるじゃん」と言われる基本の経済数字16
日本のGDPは何兆円?
消費税の徴収額は何兆円?
日本の国債発行残高は何兆円?
100万円を銀行に1年間預けたら、いくら利息がつく?
現在の「東証時価総額」は何兆円?
いま、「日経平均」は何円?
わが国の貿易収支は黒字?赤字?
コンビニ全店の年間売上は何兆円?
日本の失業率は何%?高齢者って、日本に何人くらいいるの?
日本の年間自殺者数は何万人?
2015年、日本を訪れた外国人旅行者は何万人?
日本の穀物自給率は何%?
原油はいま、1バレル何円?
オーストラリアドルって1ドル何円くらい?
世界は、どれくらいのペースで拡大している?

CHAPTER2
知っていると日本経済が身近になる5つの話「ROE」、「CSR」って何の略?
「時価総額」世界第1位の会社はどこ?
「ブルーオーシャン戦略」って何だ?
「401(k)」って知っていますか?百貨店から「GMS」、そしてドン・キホーテへ
おわりに

CHAPTER1 知っていると「やるじゃん」と言われる基本の経済数字16

NUMBER1

日本のGDPは何兆円?

みなさんは、自分の体重がいま何kgか言えますか? 最近太ってしまったので、体重計に乗るのが怖いという人 もいるかもしれません。
では、「GDP」(国内総生産)とは何のことか知っていますか? それは1年間に生み出された財・サービス などの付加価値額の合計のことですが、一言でいうと「国の体重」のようなものです。

現在、わが国のGDPは約500兆円程度です。日経新聞月曜版に最新のGDPが出ていますが、その数字はち ょうど500兆円ではありません。2種類の数字が出ていて、その中間の数字が500兆円程度なのです(3ペー ジ参照)。
2種とは、「実質」と「名目」といわれるものです。「実質」はその名のとおり実質、「名目」とは、一言でいえばインフレ、デフレを考慮したものです。まあ、大ざっぱに言って、日本のGDPは500兆円としましょう。

近々、これを600兆円にするという話が出ていますね。でも、この四半世紀の間というもの、500兆円とい う数字は、実はあまり変わっていません。
このことは何を示しているのでしょうか?

日本経済は健康?いや、逆です。
つまり、ずーっと停滞していることになりますね。

ところで、ほかの国のGDPはどのくらいの大きさなのでしょうか?
当然、国によって人口はまったく違うので、GDPの値だけを比べてもあまり意味はありません。このとき、 「1人当たりのGDP」がどのくらいかを比較すると、その国が豊かか貧しいかがわかります。

* GDPがプラス=「成長している」

このGDPは、今から3年以上も前に米国の経済学者クズネッツが考え出したものです。クズネッツは、旧ソ連 から米国に移民した経済学者ですが、1971年にノーベル賞をとっています。
この数字が前年より大きくなれば、経済は成長している。すなわち、景気がよいといえます。
増加率が高ければ好況ということになりますが、それは比較の問題でもあります。
たとえば、みなさんの今の体重60kgだとします。そして、今後毎年5%増加したら、1年で100に、3年で 200kgになってしまいます。
自分の体重が200kgになったときのことを想像してみてください。 このように、先進国は5%も成長すると、 遠からず肥満体型になってしまうのです。
一方、中国は少し前まで0%成長を継続していました。この数年、低成長で苦しんでいますが、それでも6、7%程度です。
つまり、先進国はおおむね1~3%で、新興国は5~7%程度成長するのが巡航速度といえるでしょう。

世界全体で見ると、このGDPは毎年3%以上の成長がないと危険なのだそうです。IMF(国際通貨基金)に よると、現在は3%をやや超えていますので、何とか安心というところですが。

続きは本書で確認できます。