消防設備士試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




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消防設備士は、スプリンクラー設備、自動火災報知機設備などの工事、整備などを行うのに必要な資格です。試験は甲種と乙種それぞれ類分けされており、できることが異なります。

消防設備士試験 – 甲種と乙種の違い

消防設備士試験は、消防用設備等又は特殊消防用設備等(特類の資格者のみ)の工事、整備、点検ができ、乙種消防設備士は消防用設備等の整備、点検を行うことができます。工事、整備、点検のできる消防用設備等は、免状に記載されている種類になります。

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 消防設備士免状の種類と工事などのできる消防用設備等又は特殊消防用設備等の種類は、次のとおりです。
免状の種類 工事整備対象設備等
甲種 特類 特殊消防用設備等
(従来の消防用設備等に代わり、総務大臣が当該消防用設備等と同等以上の性能があると認定した設備等)
甲種又は
乙種
第1類 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備
パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備
第2類 泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備
第3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備
第4類 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備
共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備
特定小規模施設用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備
第5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
乙種 第6類 消火器
第7類 漏電火災警報器

消防設備士試験は一般財団法人消防試験研究センターが開催しており、各出版社が出す参考書・テキストがあります。今回は各出版社での合格に近づくためのおすすめ参考書(テキスト)・問題集をご紹介します。1類〜7類とそれぞれに適したおすすめをピックアップしております。

1類の消防設備士試験の参考書・テキスト

消防設備士1類 超速マスター

ノマド・ワークス(消防設備士研究会) (著)
出版社: TAC出版 (2013/4/25)、出典:amazon.co.jp

第1類消防設備士は、水系消火設備の工事や整備を行うために必要な資格です。
甲種・乙種2種類の免状があり、「甲種」は設置工事と整備、「乙種」は整備のみができます。
本書は、予備知識ゼロからでも学習できるように、基礎からできるだけ丁寧に解説を
しているため、学習スタートから直前総まとめまで幅広く役立つ一冊となっています。

本試験によく出る!第1類消防設備士問題集

資格研究会KAZUNO (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2017/1/1)、出典:amazon.co.jp

第1類消防設備士は、屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備などの工事、整備および点検を行うことができる国家資格です。消防設備士は近年、安全規制の強化や安全意識の高まりなどにより、そのニーズはますます高まっており、有資格者は就職や昇給などでも有利です。本書は、第1類消防設備士試験に短期に合格するための問題集です。本試験によく出る問題を精選収録し、わかりやすく解説しています。豊富な図解や重要度マークなど、効率学習のための工夫が満載です。初心者や独習者でも、これ1冊で短期合格が可能です。

2類の消防設備士試験の参考書・テキスト

徹底研究 2類消防設備士

オーム社 (編集)
出版社: オーム社 (2011/10/26)、出典:amazon.co.jp

本書は、2類消防設備士における独学で本試験に挑戦する読者の方々からのニーズをふまえた「テキスト+問題集」融合型のわかりやすい受験対策書です。キーとなる用語の太字表記、重要箇所への色文字表記などにより、学習効果の上がるよう工夫されていることから、初めて受験する方や、基礎から学習したい方にも読みやすい内容構成になっています。

2類消防設備士 筆記×実技の突破研究(改訂2版)

オーム社 (編集)
出版社: オーム社; 改訂2版 (2015/11/25)、出典:amazon.co.jp

2類消防設備士受験対策問題集「筆記×実技の突破研究」シリーズの最新改訂2版です。
本書は、全章を一通り学習すれば試験の全体像がわかり、出題される事項をしっかり把握できる実践的な問題集です。豊富な図表を用いた詳しい解説により、無理なく理解することができます。また、章末の実力テストに加え、巻末の模擬テストに取り組むことによって、さらなる知識の定着を図ることができます。初めて受験する方や、基礎からしっかり学習したい方にも適した一冊です。

3類の消防設備士試験の参考書・テキスト

ラクラクわかる!3類消防設備士 集中ゼミ

オーム社 (編集)
出版社: オーム社 (2016/4/26)、出典:amazon.co.jp

本書は、1項目を見開き2頁で読みやすくまとめています。左頁に【本文解説】を、右頁に【問題/解説】を配置し、『解答のテクニック』や『マメ知識』『学習法のヒント』などを適宜加えて、受験に役立つよう工夫しました。最新出題傾向の完全分析にもとづき、合格に必要なポイントをおさえた3類消防設備士の受験対策書です。

ラクラク解ける! 3類消防設備士 合格問題集

オーム社 (編集)
出版社: オーム社 (2018/5/3)、出典:amazon.co.jp

本書は大好評の「ラクラクわかる!3類消防設備士 集中ゼミ」の姉妹書の問題集です。過去問を徹底分析,掲載する問題を厳選して,さらに実際に試験に臨む受験者の立場から懇切丁寧な解説に努めました。一発合格を目指す受験者に、ぜひおすすめします。

4類の消防設備士試験の参考書・テキスト

わかりやすい!第4類消防設備士試験 (国家・資格シリーズ 184)

工藤 政孝 (著)
出版社: 弘文社; 大改訂第2版 (2017/12/19)、出典:amazon.co.jp

第4類消防設備士は、自動火災報知設備やガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備などの整備、点検を行うことができる国家資格です。消防設備士は近年、安全規制の強化や安全意識の高まりなどにより、そのニーズはますます高まっており、有資格者は就職や昇給などでも有利です。本書は、第4類消防設備士試験に短期に合格するためのテキストです。テーマごとに試験によく出る重要事項をわかりやすく解説しています。問題はすべて丁寧に解説しており、実践力を養うことができます。豊富な図解やゴロ合わせ、重要ポイントの表示などさまざまな工夫を満載。初心者や独習者でも効率的に学習し、スピーディに合格ラインを突破することができます。

本試験によく出る! 第4類消防設備士問題集 (国家・資格試験シリーズ 187)

工藤 政孝 (著)
出版社: 弘文社; 改訂第5版 (2018/7/7)、出典:amazon.co.jp

本書は、第4類消防設備士試験に短期に合格するための問題集です。本試験によく出る問題を精選収録し、わかりやすく解説しています。豊富な図解や重要度マークなど、効率学習のための工夫が満載です。

4類消防設備士 製図試験の完全対策(改訂2版)※甲種の人

オーム社 (編集)
出版社: オーム社; 改訂2版 (2015/12/18)、出典:amazon.co.jp

本書は、受験者の多くが苦手とする4類消防設備士試験の製図問題の受験対策書です。1999年の初版発行より、多くの方々にご愛読いただいたロングセラーの改訂版です。
今回の改訂では、近年の消防関係法規の改正対応はもちろん、製図試験解答のポイントを、わかりやすい吹出し解説図とともに増量するなどのバージョンアップを図りました。さらに、重要な用語や重要箇所を色太字で表記するなど、学習効果がさらに上がるよう工夫しています。また、B5判の大きな判型でゆとりある紙面レイアウトのため、メモを書き込んだりして学習を進められるので、独学でも製図試験が得点源となるような試験突破力が身につきます。甲種4類消防設備士試験を受験される方はもちろん、受験後の実務にも役立つ必携の一冊です。

5類の消防設備士試験の参考書・テキスト

よくわかる! 第5類消防設備士試験 (国家・資格シリーズ 389)

近藤重昭 (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2018/7/23)、出典:amazon.co.jp

第5類消防設備士は、金属製避難はしごや救助袋、緩降機の工事・整備・点検が行える国家資格です。近年、安全規制の強化や安全意識の高まりなどにより、消防設備士のニーズはますます高まっており、就職や昇給などでも有利です。本書は、第5類消防設備士試験に短期に合格するためのテキスト+問題集です。テーマごとに試験によく出る重要事項をわかりやすく解説しています。問題はすべて丁寧に解説しており、実践力を養うことができます。豊富な図解やカラーページの採用など工夫も満載。初心者や独習者でも効率的に学習し、スピーディに合格ラインを突破することができます。

ラクラクわかる!5類消防設備士 集中ゼミ

オーム社 (編集)
出版社: オーム社 (2016/7/26)、出典:amazon.co.jp

本書は、1項目を見開き2頁で読みやすくまとめています。左頁に【本文解説】を、右頁に【問題/解説】を配置し、『解答のテクニック』や『マメ知識』『学習法のヒント』などを適宜加えて、受験に役立つよう工夫しました。最新出題傾向の完全分析にもとづき、合格に必要なポイントをおさえた5類消防設備士の受験対策書です。

6類の消防設備士試験の参考書・テキスト

わかりやすい! 第6類消防設備士試験 (国家・資格シリーズ186)

工藤 政孝 (著)
出版社: 弘文社; 改訂第3版 (2017/12/9)、出典:amazon.co.jp

第6類消防設備士試験の対策テキスト決定版。重要な箇所や問題にマーキングをほどこすほか、ゴロ合わせを収録するなど、様々な工夫により、メリハリをつけて効率的に学習することができます。問題は、実戦的なものを精選収録し、初心者でもわかりやすく解説。この1冊で合格できます。

【改訂版】乙種第6類消防設備士試験

近藤重昭 (著)
出版社: 一ツ橋書店; A5版 (2016/4/16)、出典:amazon.co.jp

合格に必要な知識・情報だけを凝縮した無駄のない一冊です。問題と解説が同じページのため使いやすく、効率的に学習を進めることができます。最重要ポイントが最初にまとめられており暗記にも最適です。模擬試験が2回掲載されており、直前対策としても使えます。

消防設備士6類 超速マスター 第2版

消防設備士 6類 超速マスター 第2版
ノマドワークス(消防設備士研究会) (著)
出版社: TAC出版; 第2版 (2018/3/28)、出典:amazon.co.jp

本書は、予備知識ゼロからでも学習できるように、基礎からできるだけ丁寧な解説をしてあるため、学習スタートから直前総まとめまで幅広く役立つ一冊となっています。テキストと問題集が一体となっていて、この一冊でインプットとアウトプットが可能です。また図版が多く視覚的な理解ができる工夫が施されています。丁寧な解答解説で、学習スタートから直前総まとめまで幅広く役立ちます。

7類の消防設備士試験の参考書・テキスト

本試験によく出る!第7類消防設備士問題集 (国家・資格シリーズ 188)

最新の出題傾向が掲載されており、実際に類似問題が本試験に出題されています。語呂合わせで暗記分野もしっかりカバーできます。解説が非常に詳しく丁寧で、この一冊で充分合格レベルの力が身に付きます。

わかりやすい!第7類消防設備士試験 (国家・資格シリーズ 185)

工藤 政孝 (編)
出版社: 弘文社; 改訂第3版 (2018/4/1)、出典:amazon.co.jp

第7類消防設備士試験の対策テキスト決定版。重要な箇所や問題にマーキングをほどこしたほか、ゴロ合わせを収録するなど、様々な工夫により、メリハリをつけて効率的に学習することができます。問題は実戦的なものを精選収録し、初心者でもわかりやすく解説。この1冊で合格できます。

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目次 – わかりやすい!第1消防設備士試験(国家・資格シリーズ)

まえがき

本書は,第1類消防設備士を受験される方のために,できるだけわかりやすく,かつ,詳細な解説を試みたテキストです。

ご承知のように,第1類消防設備士試験の試験範囲は,消防設備士試験の中でも格段に広く,なかでもスプリンクラー設備は,法令,構造,機能とも非常に複雑で,受験生の悩みの種となっています。

本書は,この“悩み”を少しでも解消できないか,という発想から,企画,編集をしたテキストです。

その主な特徴は,次のようになっています。

1 わかりやすい解説
複雑,あるいは,難解であると思われる部分については,イラストなどを用いることによって,詳細,かつ,わかりやすい解説に努めました。

2 “メリハリ”を付けた内容
これは,ポイント部分に重要マークを表示することにより,どの部分が重要で,どの部分がそうでないか,を把握することができるので,効率的な学習が可能となります。

3 ゴロ合わせの採用
「わかりやすい第4類消防設備士試験」や「わかりやすい第6類消防設備士試験」などでも好評を得た,暗記事項をゴロ合わせにした「こうして覚えよう」を,本書でも多数,採用をしました。従って,暗記が苦手な人でも安心して“ラク”に暗記することができるものと思っております。

4 問題の充実
試験範囲が非常に広い第1類消防設備士試験にも対応できるよう,問題を厳選し作成しました。

以上のような特徴によって本書は構成されていますので,本書を十二分に活用いただければ,“短期合格”も夢ではないものと確信しております。

本書の使い方

本書を効率よく使っていただくために,次のことを理解しておいてください。

1.重要マークについて
本書では,問題のみならず,本文の項目においても,その重要度に応じて上記重要マークを1個,あるいは2個表示してあります。

従って,各受験生の状態に応じて,それらのマークが付いている項目あるいは,問題から先にやる,という具合に時間を調整することができます。

また,当然のことながら,どこにポイントがあるか,という受験生にとっては最大の関心事を把握しながら学習することができる,という利点もあります。

2.重要ポイントについて
大きな項目については,1.の重要マークを入れてありますが,本文中の重要な箇所は,太字にしたり,上記重要ポイントマークを入れて枠で囲んだり,あるいは,背景に色を付けるなどして,さらにポイント部分が把握しやすいように配慮をしました。

3.注意を要する部分について
本文中,特に注意が必要だと思われる箇所には「ここに注意!」というように表示して,注意を要する部分である,ということを表しています。

4.出た!について
本書の初版が出版されて以降,読者の皆様から寄せられた本試験情報に基づき,出題された項目および問題部分にこのマークを表示してあります。

5.参考資料について
資料としては必要だが,覚える必要性が低いものには「参考資料」という表記や というマークを付してあります。

6.略語について
本書では,本文の流れを円滑にするために,一部略語を使用しています。
例: 特防:特定防火対象物, 自火報:自動火災報知設備 自家発:自家発電設備

7.「以下,以上,未満,超える」について
これらは間違えやすいので,10を基準値とした場合の例を次に示しておきます。
10以下…10を含む
10以上…10を含む
10未満…10を含まない
10を超える…10を含まない

8.最後に
本書では,学習効率を上げるために(受験に差しさわりがない範囲で)内容の一部を省略したり,または表現を変えたり,あるいは図においては原則として原理図を用いている,ということをあらかじめ断っておきます。

CONTENTS

まえがき
本書の使い方
受験案内
受験に際しての注意事項

第1編 機械に関する基礎知識

1 水理
(1) 絶対圧力とゲージ圧力
(2) 流体について
1. 密度と比重
2. 連続の定理
3. ベルヌーイの定理
4. トリチェリの定理
5. 摩擦損失
① 摩擦損失水頭
② 管路形状損失
③ その他の損失
6. ウォーターハンマ
(3) パスカルの定理(圧力と液体)
(4) ボイル・シャルルの法則(圧力と気体)
1. ボイルの法則
2. シャルルの法則
3. ボイル・シャルルの法則

2 力について
(1) 力の3要素
(2) 力の合成と分解
1. 力の合成
2. 合成の方法
3. 力の分解
(3) 力のモーメント
(4) 力のつりあい
1. 力のつりあい
2. 同じ向きに平行力がある場合

3 運動と仕事
(1) 速度
(2) 加速度
(3) 仕事
(4) 動力(仕事率)
(5) 滑車

4 摩擦

5 機械材料
5-1 金属材料について
(1) 合金の特徴
(2) 主な合金とその成分
1. 鉄鋼材料
① 炭素鋼
② 鋳鉄
③ 合金鋼
2. 非鉄金属材料
① 銅合金
② アルミニウム
3. 金属材料の記号
(3) 熱処理について
① 焼き入れ
② 焼き戻し
③ 焼きなまし
④ 焼きならし
(4) ねじについて
1. ねじの種類
2. リード角とピッチについて
(5) 軸受
5-2 材料の強さについて
(1) 荷重と応力
(2) はりの種類と形状
1. はりの種類
2. はりの形状
(3) ひずみ
(4) 応力とひずみ
(5) 許容応力と安全率
1. 許容応力
2. 安全率
(6) その他
1. クリープ現象
2. 材料の疲れ
問題にチャレンジ! (第1編 機械に関する基礎知識)

第2編 電気に関する基礎知識

第1章 電気理論

1 電気の単位

2 オームの法則

3 静電気
(1) 電荷について
(2) 静電気に関するクーロンの法則
(3) 電気力線

4 抵抗とコンデンサーの接続
(1) 抵抗の接続
1. 直列接続
2. 並列接続
3. 直並列接続
4. ブリッジ回路
(2) コンデンサー
1. コンデンサー
2. コンデンサーの接続
① 直列接続
② 並列接続

5 キルヒホッフの法則
(1) キルヒホッフの第1法則
(2) キルヒホッフの第2法則

6 電力と熱量
(1) 電力
(2) 熱量

7 磁気
(1) 磁気用語について
(2) アンペアの右ねじの法則
(3) 電磁誘導
(4) フレミングの法則
1. フレミングの左手の法則
2. フレミングの右手の法則

8 交流
(1) 交流について
(2) 交流の表し方
(3) 弧度法と位相
1. 弧度法
2. 位相
(4) 交流回路
1. コイルのみの回路
2. コンデンサーのみの回路
3. R-L-C回路

9 電力と力率
(1) 電力
(2) 力率

第2章 電気計測

1 指示電気計器の分類と構造
(1) 指示電気計器の分類
(2) 指示電気計器の構造
(3) 可動コイル形の原理

2 測定値と誤差

3 抵抗値の測定と測定範囲の拡大
(1) 抵抗値の測定
(2) 測定範囲の拡大
1. 分流器
2. 倍率器

第3章 電気機器,材料

1 変圧器

2 蓄電池
(1) 蓄電池とは
(2) サルフェーション現象

3 電気材料
(1) 抵抗率と導電率
1. 抵抗率
2. 導電率
(2) 導体,半導体,絶縁体
① 導電材料
② 絶縁材料
③ 半導体材料
問題にチャレンジ! (第2編 電気に関する基礎知識)

第3編 構造・機能及び工事または整備の方法・1
機械に関する部分

第1章 共通事項

1 概要

2 水源
(1) 水源の種類
(2) 有効水量
(3) 水源の水量

3 加圧送水装置
(1) 加圧送水装置
(2) ポンプ方式の構造及び機能
1. 定義と構成
2. ポンプのしくみなど
3. ポンプの性能
4. ポンプのしくみと構造
① 軸封装置
② 軸受
③ 駆動方式
5. ポンプの振動と騒音
6. 呼水装置
7. 水温上昇防止装置(逃し配管)
8. 起動用水圧開閉装置
9. ポンプ性能試験装置
10. 圧力計と連成計
11. フート弁
12. 電動機
① 所用電力
② 電動機の性能(告示)
③ 始動方式

4 配管等
(1) 配管
1. 配管の種類
2. その他の継手
(2) 管継手
1. フランジ継手
2. その他の継手
3. 管継手の種類(ねじ込み形)
(3) 弁 (バルブ)類
1. 仕切弁(ゲートバルブ)
2. 玉形弁(グローブバルブ)
3. 逆止弁(チェッキバルブ)
① リフト形(リフトバルブ)
② スイング形(スイングバルブ)
③ フート形(フートバルブ)
④ その他のバルブ
(4) その他

5 溶接
(1) 溶接の種類
(2) 溶接の特徴
(3) 溶接で使われる用語
(4) 溶接による欠陥

第2章 屋内消火栓設備

1 構成
(1) 1号消火栓
(2) 易操作性1号消火栓
(3) 2号消火栓
(4) 広範囲型 2号消火栓

2 構造及び機能
(1) 加圧送水装置
1. 放水圧力と放水量
2. ポンプ吐出量
3. 水源水量
4. ポンプの全揚程(H)
(2) 配管
1. 管径
2. 耐圧力
(3) 消火栓部分
1. ホース
① ホースの種類
② ホース接続口と口径
③ ホースの長さ
2. ノズル
3. 消火栓開閉弁
4. 表示灯
5. 起動装置
(4) 補助高架水槽

3 設置基準

4 試験,点検
(1) 機能点検(ポンプを用いるもの)
(2) 総合点検
1. 放水圧力の測定
2. 放水量の測定

5 整備

第3章 屋外消火栓設備

1 概要

2 構造及び機能
(1) 加圧送水装置
(2) 消火栓部分
1. 地上式消火栓
2. 地下式消火栓
3. 器具格納式消火栓

3 設置基準
(1) 屋外消火栓
(2) 開閉弁の位置
(3) ホース接続口
(4) 表示について

4 試験,点検

第4章 スプリンクラー設備

1 構成

2 システムによる分類
◆ 構造及び機能(3~6)

3 構造及び機能(共通部分)
(1) 配管
(2) スプリンクラーヘッド
1. 閉鎖型スプリンクラーヘッド
2. 開放型ヘッド
3. 放水型ヘッド
(3) 加圧送水装置
1. 放水圧力と放水量
2. ポンプ吐出量
3. 水源水量
① ヘッド1個あたりの水源水量
② ヘッドの個数
③ 水源水量
4. 全場程

4 閉鎖型スプリンクラー設備の構造及び機能
4-1 湿式スプリンクラー設備
(1) 自動警報装置
1. 湿式流水検知装置
① 自動警報弁型
② 流水作動弁型
③ パドル型
2. 表示装置
3. 音響警報装置
(2) 制御弁
(3) 起動装置
(4) 末端試験弁
(5) 送水口
(6) 補助散水栓
4-2 乾式スプリンクラー設備
4-3 予作動式スプリンクラー設備

5 開放型スプリンクラー設備の構造及び機能
(1) 一斉開放弁(減圧開放式)
1. 手動式の場合
2. 自動式の場合
(2) 一斉開放弁(加圧開放式)
1. 手動式の場合
2. 自動式の場合
(3) その他
1. 手動式について
2. 自動式の例外

6 放水型スプリンクラー設備の構造及び機能

7 特定施設水道連結型スプリンクラー設備の概要
◆設置基準(8)

8 設置基準
(1) スプリンクラーヘッド
1. 閉鎖型ヘッド(標準型ヘッド, 小区画型ヘッド)
2. 閉鎖型ヘッド(側壁型ヘッド)
3. 開放型ヘッド(舞台部分に用いるもの)
4.放水型ヘッド
5. ラック式倉庫に設置する場合
(2) 自動警報装置
1. 発信部
2. 受信部
(3) 一斉開放弁,手動式開放弁(手動起動弁)
(4) 制御弁
(5) 末端試験弁
(6) 送水口
(7) 補助散水栓
(8) その他

第5章 水噴霧消火設備

1 構成

2 構造及び機能
(1) 噴霧ヘッド
(2) その他

3 設置基準
(1) 噴霧ヘッド
(2) 水源水量
(3) 排水設備
1. 共通の設置基準
2. 道路部分(道路の用に供される部分)のみの設置基準
3. 駐車場(駐車の用に供される部分)のみの設置基準

第6章 その他の消火設備

1 パッケージ型消火設備
(1) 用語の意義等
(2) 設置基準

2 パッケージ型自動消火設備

3 連結送水管

4 連結散水設備
問題にチャレンジ! (第3編 機械に関する部分)

第4編 構造・機能及び工事または整備の方法・2
電気に関する部分

1 誘導電動機
(1) 誘導電動機の種類
(2) 誘導電動機の原理と回転速度
(3) 回転方向の逆転
(4) 誘導電動機の特性
1. 電圧低下による各特性の変化
2. 周波数低下による各特性の変化
(5) 誘導電動機の始動法
1. かご形
① 全電圧始動
② Y-Δ始動(スターデルタ始動法)
③ 始動補償器法
④ リアクトル始動法
2. 巻線形
(6) 速度制御
1. 周波数を変える方法
2. すべりを変える方法
① 一次電圧制御
② 二次抵抗を変える方法
3. 極数を変える方法

2 同期電動機
(1) 始動方法
1. 自己始動法
2. 始動電動機法
3. 補償器始動法
(2) 特徴(三相誘導電動機との比較)

3 非常電源
(1) 非常電源専用受電設備
(2) 自家発電設備
1. 自家発電設備の周囲
2. 燃料タンクと原動機との間隔
3. 自家発電設備の規格
4. キュービクル式自家発電設備の規格
① 自家発電設備の周囲
② 外箱の構造
③ 表示
(3) 蓄電池設備の基準
1. 構造及び性能
2. 蓄電池設備の蓄電池の構造及び性能
3. 蓄電池設備の充電装置の構造及び性能
4. 蓄電池設備の逆変換装置の構造及び性能
5. 表示
(4) 燃料電池設備

4 配線
(1) 耐熱配線と耐火配線
(2) 各消火設備の耐火,耐熱保護配線の範囲
① 屋内消火栓設備,屋外消火栓設備の耐火,耐熱保護配線の範囲
② スプリンクラー設備,水噴霧消火設備の耐火,耐熱保護配線の範囲

5 総合操作盤

6 工事,整備関係
(1) 電線の接続
(2) 接地工事
1. 接地工事の目的
2. 接地工事の種類
(3) 絶縁抵抗
(4) 金属管工事
1. 管の厚さ
2. 使用電線
3. 電線の接続
4. 混触防止
5. 金属管の接地工事について
6. 施工方法のポイント
7. 金属配管工事に使用する工具等
(5) 遮断器等について
1. 過電流遮断器
2. 漏電遮断器
3. 過電流継電器
問題にチャレンジ! (第4編 電気に関する部分)

第5編 規格

1 屋内消火栓設備
(1) 消防用ホース(消防用ホースの技術上の規格を定める省令)
1. 用語の意義(第2条抜粋)
2. 消防用ホースの構造(第3条)
3. 表示(第5条)
(2) 平ホース
1. 平ホースの内張り及び被覆に使用されているゴムの伸びについて(第7条抜粋)
2. 平ホースの伸びについて(第14条)
3. 平ホースの内張りについて(第8条抜粋)
4. 被覆及び塗装(第9条)
5. 平ホースの長さ(第10条)
6. ホースの破断(第13条)
7. 平ホースのよじれ(第15条)
(3) 差込式の結合金具(消防用ホースに使用する差込式の結合金具の技術上の規格を定める省令)
1. 用語の意義(第2条)
2. 一般構造(第4条)
(4) 加圧送水装置
1. 用語の意義
2. ポンプ性能試験装置
3. 加圧送水装置の電動機の性能

2 スプリンクラー設備
(1) 閉鎖型スプリンクラーヘッド(閉鎖型スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める省令)
1. 用語の意義(第2条)
2. ヘッドの構造(第3条)
3. ヘッドの表示(第15条,抜粋)
(2) 放水型スプリンクラーヘッド(放水型ヘッド等を用いるスプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準の細目)
1. 用語の意義
2. 放水型ヘッド等の構造及び性能
3. 放水型ヘッド等の放水部の性能
4. 可動式ヘッドの有効放水範囲
5. 放水型ヘッド等の感知部の構造及び性能
6. 放水型ヘッド等の設置基準
7. 放水型ヘッド等の感知部の設置基準
8. 放水型ヘッド等の感知部及び放水部の連動等について
(3) 一斉開放弁(一斉開放弁の技術上の規格を定める省令)
1.一斉開放弁の構造(第2条)
2. 材質(第3条)
3. 機能等(第5条)
4. 表示(第6条)
(4) 流水検知装置(流水検知装置の技術上の規格を定める省令)
1. 用語の意義(第2条)
2. 湿式流水検知装置の構造(第3条)
3. 乾式および予作動式流水検知装置の構造(第3条)
4. 表示(第11条)
問題にチャレンジ! (第5編 規格に関する部分)

第6編 消防関係法令

第1章 共通部分

1 用語
(1) 防火対象物と消防対象物
① 防火対象物
② 消防対象物
(2) 特定防火対象物
(3) 特定1階段等防火対象物
(4) 複合用途防火対象物
(5) 関係者
(6) 無窓階
(7) 特殊消防用設備等

2 消防同意など
(1) 消防の組織について
(2) 立入り検査(消防法第4条)
(3) 消防の同意(消防法第7条)

3 防火管理者(消防法第8条)
(1) 防火管理者を置かなければならない防火対象物
(2) 防火管理者の業務の内容
(3) 統括防火管理者(消防法第8条の2)
(4) 防火対象物の定期点検制度(消防法第8条の2の2)
1. 防火対象物点検資格者について
2. 防火対象物点検資格者に点検させる必要がある防火対象物
3. 点検および報告期間
4. 報告先
5. 点検基準に適合している場合

4 危険物施設に関する規定
(1) 危険物施設の警報設備

5 消防用設備等の設置,維持に関する規定(消防法第17条)
(1) 消防用設備等の種類(消防法施行令第7条)
(2) 消防用設備等を設置すべき防火対象物
(3) 消防用設備等の設置及び維持の技術上の基準
1. 消防用設備等の設置単位
① 「開口部のない耐火構造の床または壁」で区画されている場合
② 複合用途防火対象物の場合
③ 地下街の場合
④ 特定防火対象物の地階の取り扱い
⑤ 渡り廊下などで防火対象物を接続した場合の取り扱い
⑥ 同一敷地内にある2以上の防火対象物
2. 附加条例(消防法第17条第2項)
3. 既存の防火対象物に対する基準法令の適用除外(消防法第17条の2)
① そ及適用の必要がある場合
② そ及適用しなくてもよい場合
4. 用途変更の場合における基準法令の適用除外
(4) 消防用設備等を設置した際の届出,検査(消防法第17条の3の2)
1. 消防用設備等を設置した時,届け出て検査を受けなければならない防火対象物(消防法施行令第35条)
2. 設置しても届け出て検査を受けなくてもよい消防用設備
3. 届け出を行う者
4. 届け出先
5. 届け出期間
(5) 消防用設備等の定期点検(消防法第17条の3の3)
1. 点検の種類および点検の期間
2. 点検を行う者
① 消防設備士または消防設備点検資格者が点検するもの
② 防火対象物の関係者が点検を行うもの
3. 消防設備士が点検を行うことができる消防用設備等の種類
4. 点検結果の報告
① 報告期間
② 報告先
③ 報告を行う者
(6) 消防用設備等の設置維持命令(消防法第17条の4)

6 検定制度(消防法第21条の2)
(1) 型式承認,
1. 承認の方法
2. 承認をする人
(2) 型式適合検定
1. 検定の方法
2. 検定を行う者
3. 合格の表示
(3) 検定の対象となっている品目について
1. 検定の対象となっている品目
2. 検定対象品目であっても検定が不要な場合

7 消防設備士制度(消防法第17条の5など)
(1) 消防設備士の業務独占
(2) 消防設備士免状
1. 免状の種類(消防法第17条の6の1)
① 甲種消防設備士
② 乙種消防設備士
2. 免状の交付(消防法第17条の7の1)
3. 免状の記載事項
4. 免状の効力(消防法第17条の7の2)
5. 免状の書換え(消防法施行令第36条の5)
6. 免状の再交付(消防法施行令第36条の6)
7. 免状の不交付
8. 免状の返納命令
(3) 消防設備士の責務など
1. 消防設備士の責務(消防法第17条の12)
2. 免状の携帯義務(消防法第17条の13)
3. 消防用設備等の着工届義務(消防法第17条の14)
4. 講習の受講義務(消防法第17条の10)
問題にチャレンジ! (第6編 消防関係法令・1)共通部分

第2章 類別部分

1 屋内消火栓設備
(1) 屋内消火栓設備の設置基準
(2) 消火栓の設置基準
(3) 屋内消火栓設備の非常電源

2 屋外消火栓設備
(1) 屋外消火栓設備を設置しなければならない防火対象物
1. 屋外消火栓設備を設置しなければならない防火対象物
2. 木造などで1棟とみなされる場合
(2) 屋外消火栓設備を設置しなくてもよい部分

3 スプリンクラー設備
(1) スプリンクラー設備の設置基準
1. スプリンクラー設備を設置しなければならない場合
2. スプリンクラー設備を設置しなくてもよい場合
3. スプリンクラーヘッドが不要な部分(抜粋)
(2) スプリンクラーヘッドの設置基準
1. スプリンクラーヘッドの選択基準
2. スプリンクラーヘッドの設置基準

4 水噴霧消火設備
(1) 水噴霧消火設備の設置基準
1. 駐車の用に供する部分
2. その他の部分
問題にチャレンジ! (第6編 消防関係法令・2)類別部分

第7編 鑑別等試験の頻出出題例と対策

1 写真鑑別
(1) 共通に用いるもの
1. バルブ等
2. 管継手等
① 配管を屈曲および支持するときに用いるもの
② 配管を分岐するときに用いるもの
③ 直管部を接合するときに用いるもの
④ 口径が異なる管を接続するときに用いるもの
⑤ 配管の端末に用いるもの
⑥ フランジ付の配管等に用いるもの
(2) 屋内消火栓設備に用いるもの
(3) 屋外消火栓設備に用いるもの.
(4) スプリンクラー設備に用いるもの
1. ヘッド関係
2. その他,ヘッド関連
3. 流水検知装置
4. 一斉開放弁
5. その他
(5) 水噴霧消火設備に用いるもの
(6) 計器類
1. 配管に取り付けるもの
2. その他
(7) 工具
(8) その他のもの

2 イラスト等による問題

第8編 製図試験

序 製図試験の出題傾向と対策
(1) 出題の概要
1. 出題パターン
2. 製図試験における受験対策
(2) 図記号

1 屋内消火栓設備
手順1 加圧送水装置付近の作図
手順2 各フロアの屋内消火栓を描き,主配管から配管する。
手順3 電気配線をする。
問題にチャレンジ!! (第8編 製図試験)
1. 屋内消火栓設備

2 スプリンクラー設備
手順1 加圧送水装置付近の作図
手順2 流水検知装置を設置する
手順3 流水検知装置からスプリンクラーヘッドなどを配管する。
手順4 電気配線をする。
手順5 平面図の場合
問題にチャレンジ! (第8編 製図試験)
2. スプリンクラー設備

3 水噴霧消火設備
問題にチャレンジ!(第8編 製図試験)
3. 水噴霧消火栓設備

巻末資料
索引

受験案内

1 消防設備士試験の種類
消防設備士試験には,次の表のように甲種が特類および第1類から第5類まで,乙種が第1類から第7類まであり,甲種が工事と整備を行えるのに対し,乙種は整備のみ行えることになっています。

分類 甲種 乙種 消防用設備等の種類
特類 特殊消防用設備
1類 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備
2類 泡消火設備
3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
4類 自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備
5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
6類 消火器
7類 漏電火災警報器

 

2 受験資格
(詳細は消防試験研究センターの受験案内を参照して確認して下さい)
(1) 乙種消防設備士試験
受験資格の制限はなく誰でも受験できます。
(2) 甲種消防設備士試験
甲種消防設備士を受験するには次の資格などが必要です。

〈国家資格等による受験資格(概要)〉
①(他の類の)甲種消防設備士の免状の交付を受けている者。
②乙種消防設備士の免状の交付を受けた後2年以上消防設備等の整備の経験を有する者。
③技術士第2次試験に合格した者。
④電気工事士
⑤電気主任技術者(第1種~第3種)
⑥消防用設備等の工事の補助者として,5年以上の実務経験を有する者。
⑦専門学校卒業程度検定試験に合格した者。
⑧管工事施工管理技術者(1級または2級)
⑨工業高校の教員等
⑩無線従事者(アマチュア無線技士を除く)
⑪建築士
⑫配管技能士(1級または2級)
⑬ガス主任技術者
⑭給水装置工事主任技術者および旧給水責任技術者
⑮消防行政に係る事務のうち,消防用設備等に関する事務について3年以上の実務経験を有する者。
⑯消防法施行規則の一部を改定する省令の施行前(昭和41年1月21日以前)において,消防用設備等の工事について3年以上の実務経験を有する者。
⑰旧消防設備士(昭和41年10月1日前の東京都火災予防条例による
消防設備士)

<学歴による受験資格(概要)>
(注:単位の換算はそれぞれの学校の基準によります)
①大学,短期大学,高等専門学校(5年制),または高等学校において機械,電気,工業化学,土木または建築に関する学科または課程を修めて卒業した者。
②旧制大学,旧制専門学校,または旧制中等学校において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する学科または課程を修めて卒業した者。
③大学,短期大学,高等専門学校(5年制),専修学校,または各種学校において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者。
④防衛大学校,防衛医科大学校,水産大学校,海上保安大学校,気象大学校において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者。
⑤職業能力開発大学校,職業能力開発短期大学校,職業訓練開発大学校,または職業訓練短期大学校,もしくは雇用対策法の改正前の職業訓練法による中央職業訓練所において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者。
⑥理学,工学,農学または薬学のいずれかに相当する専攻分野の名称を付記された修士または博士の学位を有する者。

3 試験の方法

(1)試験の内容
試験には筆記試験と実技試験があり,表2のような試験科目と問題数があります。

試験時間は,甲種が3時間15分,乙種が1時間45分です。

表2試験科目と問題数

試験科目 問題数 試験時間
甲種 乙種
筆記 基礎的知識 機械に関する部分 6 3 甲種:3時間15分 乙種:1時間45分
電気に関する部分 4 2
消防関係 法令 共通部分 8 6
1類に関する部分 7 4
構造、機能 及び工事・ 整備の方法 機械に関する部分 10 8
電気に関する部分 6 4
規格に関する部分 4 3
合計 45 30
実技 鑑別等 5 5
製図 2

 

(2)筆記試験について
解答はマークシート方式で,4つの選択肢から正解を選び,解答用紙の該当する番号を黒く塗りつぶしていきます。

(3)実技試験について
乙種の実技試験は,鑑別等試験のみで,甲種の場合は,鑑別等の他製図試験も加わります。

4 合格基準
①筆記試験において,各科目ごとに出題数の40%以上,全体では出数の60%以上の成績を修め,かつ
②実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格とします。
(試験の一部免除を受けている場合は,その部分を除いて計算します)

5 合格率
第1類消防設備士の場合,甲種,乙種とも,おおむね35%前後で,一般的に,他の類より低い傾向にあります。

6 試験の一部免除
一定の資格を有している者は,筆記試験の一部が免除されます。
① 他の国家資格による筆記試験の一部免除
次の表の国家資格を有している者は,○印の部分が免除されます。

表3

             資格  試験科目 技術士 電気主任技士 電気工事士
基礎的知識 機械に関する部分
電気に関する部分
消防関係法令 各類に共有する部分
1類に関する部分
構造・機能及び 工事、整備 電気に関する部分
規格に関する部分

 

②消防設備士資格による筆記試験の一部免除

<甲種第1類消防設備士試験を受ける者>
○他の類の甲種消防設備士免状を有している者
⇒消防関係法令のうち,「各類に共通する部分」が免除されます。
また,甲種第2類,甲種第3類消防設備士免状を有している者は,
さらに「機械に関する基礎的知識」と「電気に関する基礎的知識」も免除されます。

<乙種第1類消防設備士試験を受ける者>
○他の類の甲種消防設備士,乙種消防設備士免状を有している者
⇒消防関係法令のうち,「各類に共通する部分」が免除されます。
また,甲種第2類,甲種第3類消防設備士免状および乙種第2類,乙種第3類消防設備士免状を有している者は,さらに「機械に関する基礎的知識」と「電気に関する基礎的知識」も免除されます。

7 受験手続き
試験は消防試験研究センターが実施しますので,自分が試験を受けようとする都道府県の支部などに試験の日時や場所,受験の申請期間,および受験願書の取得方法などを調べておくとよいでしょう。

一般財団法人 消防試験研究センター 中央試験センター
〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷1-13-20
電話 03-3460-7798
Fax 03-3460-7799
ホームページ:http://www.shoubo-shiken.or.jp/

8 受験地
全国どこでも受験できます。

9 複数受験について
試験日,または試験時間帯によっては,4類と7類など,複数種類の受験ができます。詳細は受験案内を参照して下さい。

受験に際しての注意事項

1. 願書はどこで手に入れるか?
近くの消防署や試験研究センターの支部などに問い合わせをして確保しておきます。

2. 受験申請
自分が受けようとする試験の日にちが決まったら,受験申請となるわけですが,大体試験日の1ヶ月半位前が多いようです。
その期間が来たら郵送で申請する場合は,なるべく早めに申請しておいた方が無難です。というのは,もし申請書類に不備があって返送され,それが申請期間を過ぎていたら,再申請できずに次回にまた受験,なんてことにならないとも限らないからです。

3. 試験場所を確実に把握しておく
普通,受験の試験案内には試験会場までの交通案内が掲載されていますが,もし,その現場付近の地理に不案内なら,ネット等で情報を集めておいた方がよいでしょう。実際には,当日,その目的の駅などに到着すれば,試験会場へ向かう受験生の流れが自然にできていることが多く,そう迷うことは少ないとは思いますが,そこに着くまでの電車を乗り間違えたり,また,思っていた以上に時間がかかってしまったなんてことも起こらないとは限らないので,情報をできるだけ正確に集めておいた方が精神的にも安心です。

4. 受験前日
これは当たり前のことかもしれませんが,当日持っていくものをきちんチェックして,前日には確実に揃えておきます。特に,受験票を忘れる人がたまに見られるので,筆記用具とともに再確認して準備しておきます。

なお,解答カードには,「必ずHB又はBの鉛筆を使用して下さい」指定されているので,HB,又はBの鉛筆を2~3本と,できれば予備として濃い目のシャーペンと,消しゴムもできれば小さ目の予備を準備しておくと完璧です(試験中,机から落ちて行方不明になったときのことを考えて。)

目次 – ラクラクわかる!1類消防設備士 集中ゼミ(改訂2版)

読者の皆さまへ

1類消防設備は、水系の消火設備として小規模建築物を除けばどこでも目にすることのできる身近な消防用設備です。普段はあまりにもありふれているため、目にしても気にも留めない人が多いようですが、いったん出火した場合、生命や財産を守るのがこの1類消防設備です。いまやこの消火設備は工事や点検業に携わる人だけでなく、ビル管理関係者にとっても、熟知しておかなければならない重要な設備の一つになっています。

数年前、著者が関係していた施設で、深夜、火災が発生しました。電気配線からの漏電火災でしたが、いち早く駆けつけた警備員の1人が操作困難な1号消火栓を使って見事に消し止め、初期消火に成功した事例があります。後で話を聞くと、その警備員は日頃から消火栓の操作方法を研究し、身に付けていたそうです。

非常に模範的な事例ですが、このとき、消防用ホースが破れていて使えなかった、消火ポンプが始動しなかった、あるいは始動しても水が出てこなかった、こうした故障で延焼拡大の可能性はあったはずで、実際にそのような事例は数多くあります。このようなことのないように、日頃から定期的に点検し、整備しておかなければなりません。

消防設備士制度は、そうした目的のために消防法で定められたもので、その免状には甲種と乙種の2種類があり、甲種は、免状に記載された消防用設備の設置工事と整備、乙種は整備を行うことができます。

本書は、初めて1類消防設備を学ぶ読者のみなさんを念頭に、わかりやすい解説を心がけています。文章はできるだけ単文形式とし、かつ、図表を多用しつつ、視覚的に理解しやすいよう配慮しています。また、見開き2ページ構成で、左側ページに解説、右側ページは演習問題を配置して、一つの節(レッスン)を完結します。左ページで学習した内容を、すぐに右ページの演習問題を解くことでどれだけ理解できたかを確認します。さらに模擬試験問題を充実させ、本書1冊で、甲種、乙種のどちらも合格できるような内容につくられています。

冒頭にふれましたように、消防用設備というものは、普段は人目につかない地味な存在ですが、いざ火災となると、最も頼りになる縁の下の力持ちです。しかし、点検整備の不備や対応を誤るとそれが役に立たず、延焼拡大で甚大な被害をもたらすことがあります。

そこに、消防設備士としての大きな使命があります。ですから、1類消防設備士資格の取得を目指す読者のみなさんは「使命感と誇りをもって」学習に取り組んでほしいと願っています。
本書が試験合格の一助となれば幸いです。

2019年8月
松岡浩史

松岡 浩史 (著)
出版社: オーム社; 改訂2版 (2019/8/24)、出典:出版社HP

本書の特徴

本書は、これまでの参考書とはまったく違う発想のもとに編集された受験参考書でありながら、一方では現場で役立つ実務(豆知識など)も要所に配した独創的な構成を特長としています。以下、その特長を列記します。

(1)原則、見開き2ページとして、偶数ページ(左側)に解説、奇数ページ(右側)にはよく出る問題を配置し、左ページで学習した内容をどれだけ理解しているかを、右ページの演習問題で確認できるよう工夫した。

(2)解説は簡潔明瞭を心がけ、わかりやすい単文形式とし、重要な箇所には「ゴシック色文字」を使用し注意を喚起した。また、解説文の随所に、重要!というキーワードを挿入し、重点学習部分を明確にした。

(3)実技試験対策を重視し、実技のページ配分を大きくするとともに、写真やイラストは構造を視覚的に把握できるように配慮した。

(4)各章(レッスン)の最終ページに、まとめとして「力試しテスト」「これは覚えておこう!」欄を設け、重要なポイントを効率よく理解し、記憶できるよう配慮した。

(5)各節の右肩にマーク、よく出る問題にもマークを付けて重要度(出題頻度)のランク付けをした。
〇〇〇:よく出題されるので必ず学ぼう(必ず得点したい)
〇〇:比較的出題されやすいので取り組もう(標準的レベル)
:あまり出題されないができれば取り組もう(難しいが取り組んでおきたい)

(6)「解答のテクニック」「覚え方のテクニック」を設け、受験者が間違いやすい事例や試験問題の捉え方などを筆者の体験に基づいて解説した。

(7)「マメ知識」を設け、1類消防設備士に付随する情報提供や誤作動などへの対応を実務者の視点で解説し、さらに「学習法のヒント!」を設け、著者の体験談などを交え学習継続へのモチベーション維持を図った。

(8)3学期には2回の模擬試験を配した。試験範囲は、甲種1類を想定しているが、筆記試験、鑑別試験分野において豊富な出題数を提供しているので、乙種1類受験者にとっても、受験対策として大いに活用できる内容になっている。

松岡 浩史 (著)
出版社: オーム社; 改訂2版 (2019/8/24)、出典:出版社HP

受験ガイダンス

1 消防設備士資格の種類
消防設備士資格には、甲種と乙種があり、表1のように甲種は第1類から第5類まで、乙種は第1類から第7類まであります。甲種は表1の区分に応じて工事と整備(点検を含む)を独占的に行える資格、乙種は整備のみを独占的に行うことができる資格です。

表1

分類 甲種 乙種 独占的に工事及び点検・整備ができる消防設備の区分
1類 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備
2類 泡消火設備
3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
4類 自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備
5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
6類 消火器
7類 漏電火災警報器

 

注)表1以外に「甲種特類消防設備士」という資格があります。この資格は特殊な消防設備の工事、点検、整備のための資格であり、以降、この資格についての記述は割愛します。

2 受験資格
1. 乙種消防設備士試験
受験資格として、年齢、性別、学歴などの制限はなく誰でも受験できます。

2. 甲種消防設備士試験
受験資格があり、国家資格または学歴、経験を必要とします。
(1)国家資格等による受験資格
①甲種消防設備士(試験の一部免除あり)
②乙種消防設備士であって、免状の交付後2年以上消防設備等の点検・整備の験を有する者
③技術士(試験の一部免除あり)
④電気工事士(試験の一部免除あり)
⑤電気主任技術者(試験の一部免除あり)
⑥消防用設備工事の補助者として5年以上の経験者
⑦專門学校卒業程度検定試検合格者
⑧管工事施工管理技術者
⑨工業学校の教員等
⑩無線従事者(アマチュア無線技士を除く)
⑪建築士
⑫配管技能士
⑬ガス主任技術者
⑭給水装置工事主任技術者
⑮消防設備等に関わる消防行政の事務について5年以上の実務経験を有する者
⑯消防法施行規則の一部を改正する省令の施行前(昭和41年4月21日以前)において、消防用設備等の工事について3年以上の実務経験を有する者
⑰昭和41年10月1日前の東京都火災予防条例による消防設備士

(2)学歴による受験資格
①大学、短期大学、高等専門学校(5年制)、または高等学校において機械、電気、工業化学、土木または建築に関する学科を修めて卒業した者
②旧制大学、旧制専門学校、または旧制中学校において、機械、電気、工業化学、土木、または建築に関する学科を修めて卒業した者
③大学、短期大学、高等専門学校(5年制)、専修学校または各種学校において、機械、電気、工業化学、土木、または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者
④防衛大学校、防衛医科大学校、水産大学校、海上保安大学校、気象大学校において、機械、電気、工業化学、土木または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者
⑤外国に存在する学校で、日本における大学、短期大学、高等専門学校または、高等学校に相当するもので、指定した学科と同内容の学科または課程を修めて卒業した者
⑥職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校、職業訓練大学校または職業訓練短期大学校もしくは雇用対策法の改正前の職業訓練法による中央職業訓練所において、機械、電気、工業化学、土木または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者
⑦理学、工学、農学または薬学のいずれかに相当する専攻分野の名称を付記された修士または博士の学位を有する者

3 試験の内容
甲種、乙種ともに筆記試験と実技試験があり、表2のような試験科目と出題数で構成されています。実技試験は装置等の操作が出題されるのではなく、筆記試験の一種と考えてよいでしょう。試験形態は、筆記試験が四肢択一式、実技試験は鑑別と製図があり、鑑別は写真やイラストなどを見て簡単な記述式で解答します。製図は甲種受験者のみが解答するもので、「未完成図面の完成」、「欠陥探しと手直し」などがあります。

筆記試験問題と実技試験問題の両方が同時に配布され、与えられた時間内に解答しなければなりません。どちらを先に解答してもかまいませんが、筆記試験が合格基準点に達していなければ実技試験は採点されません。なお、試験問題用紙を持ち帰ることはできません。

試験時間は、甲種は3時間15分、乙種は1時間45分です。

(1)試験科目

表2

試験科目(1類消防設備士) 出題数
甲種 乙種
筆記 基礎的知識 機械に関する部分 6 3
電気に関する部分 4 2
消防関係 法令 共通部分 8 6
1類に関する部分 7 4
構造、機能 及び工事・ 整備の方法 機械に関する部分 10 8
電気に関する部分 6 4
規格に関する部分 4 3
合計 45 30
実技 鑑別等 5 5
製図 2

 

(2)合格基準
①筆記試験は科目毎の出題数の40%以上、全体では出題数の60%以上、かつ、実技試験では60%以上の得点を獲得すれば合格となります。
②試験の一部免除者は、免除を受けている部分を除いて、60%以上の得点を獲得することが必要です。

(3)試験の一部免除
消防設備士、電気工事士、電気主任技術者、技術士等の有資格者は、申請に科目の一部が免除されますが、免除される問題数に応じて試験時間も短縮されます。
①消防設備士
取得している資格の種類によって、これから受験する資格の免除科目が決まります。表3に所有資格毎の免除科目をまとめました。
②電気工事士
「基礎的知識」および「構造・機能及び工事・整備」のうち、電気に関する部分が免除となります。

表3

所有資格 これから受験する消防設備士の資格
甲1 甲2 甲3 甲4 甲5 乙1 乙2 乙3 乙4 乙5 乙6 乙7
甲1
甲2
甲3
甲4
甲5
乙1
乙2
乙3
乙4
乙5
乙6
乙7

 

注1)●印:消防関係法令の共通部分と基礎的知識が免除されます。
○印:消防関係法令の共通部分のみ免除されます。
注2)乙種消防設備士の資格で甲種消防設備士試験科目の免除を受けることはできません。

③電気主任技術者
「基礎的知識」および「構造・機能及び工事・整備」のうち、電気に関する部分が免除となります。
④技術士
技術士の部門毎に指定区分の類に応じて、「基礎的知識」および「構造・機能及び工事・整備」が免除となります(表4)。

技術士の部門 指定区分の類
機械部門 第1, 2,3,5,6類
電気・電子部門 第4,7類
化学部門 第2,3類
衛生工学部門 第1類

 

(4)試験手数料(非課税)
甲種:5700円 乙種:3800円 (2019年8月現在)

松岡 浩史 (著)
出版社: オーム社; 改訂2版 (2019/8/24)、出典:出版社HP

合格への心構え

資格試験に関しては、1回目の試験で合格という優秀な受験者をたまに見かけますが、一般の受験者はなかなか一発合格というわけにはいかないのが実情です。筆者も若い頃、ある資格に挑戦し、5年目にしてようやく合格という苦い体験があります。しかし、この失敗体験が肥やしとなって、その後受験した資格試験のたいていは一発合格という成功体験もあります。

それぞれの人間には成長カーブというものがあります。そのカーブは必ずしも勉強は間に比例して実力が上がるというものではなく、むしろ、下積み時代が長く続きます。いくら努力を重ねても結果(合格)に結び付かない、そこで多くの受験者が挫折していきます。その下積みの期間をどれだけ耐えることができたか、それを、あなた自身がまされていると思わなければいけません。

「忍耐と成功は平凡という言葉によってつながる」という言葉があります。うまずたゆまず学習を続けるということは、平凡な日々ではあるけれども忍耐を伴うものです。成功への道は忍耐を通してこそ開けてきます。

水の入ったやかんを沸かすと、最初のうちは温度が上がっても冷たい水のように見えますが、水の持つエネルギーは確実に増えています。ここが下積みの時代です。徐々に実力が付き始めているのに、何度チャレンジしても失敗するのがこの時期です。これを乗り越えなければいけません。ここで努力を放棄すればせっかく熱湯に近い状態になっているのに、元の水に戻るだけです。

脱皮の時期は、ある日突然やってきます。熱湯はやがて沸騰を始めます。沸騰とは、液体から蒸気(気体)へと性質が変わることです。沸騰の瞬間とは、いままでの自分とはまったく違う自分へと変身することです。これを蓄積効果といって、いままでわからなかったことが一挙にわかるときがくるのです。

著者の場合は、5年の歳月をかけ、忍耐を重ねて一つの試験に合格した後は、冒頭にふれたように、たいていの資格試験が一発で合格できるようになりました。

それは、重要な部分(試験に出そうな部分)が見えるようになったからです。出題者の意図がわかるようになったのです。参考書といっても重要な部分はページ数でいえば2割程度にすぎません。しかし、その部分を押さえることができれば、8割の効果を上げることができる、これをパレートの法則といいます。試験の点数でいえば、100点満点中80点がとれるといってもよいでしょう。

通常、重要な2割の部分がわかるようになるためには、「沸騰の経験」が必要ですが、本書ではその部分を、「ゴシック色文字」で提供しています。

ですから、みなさんは、「ゴシック色文字」の部分を重点的に学習されるとよいでしょう。最初は、全ページに目を通してください。そして2回目に読むとき、ゴシック色文字の周辺部分をサブノートに書き写してください。その後は休日や通勤の途中、休憩時間などに目を通すように努めるのです。「書く」という行為は、読むことより数倍の記憶効果があります。ぜひ、試してみてください。

それから、「細切れの時間」を有効に活用することも重要です。5分、10分の細切れ時間であっても、トイレの中やちょっとした待ち時間の合間を活用することで数時間、数十時間と蓄積されていくので決してバカになりません。ですから、サブノートはポケットに入るくらいの大きさがよいでしょう。

多忙な勤務の連続で、なかなか学習の時間がとれず苦しんでいる読者も多いことかと思います。帰宅後、夕食を終えてから勉強しようにも疲れた頭になかなか入るものではありません。著者にもそうした経験がありますが、そのようなときには生活習慣の改善、すなわち、いままでより1時間早起きするよう心がけ、通勤までの1時間を勉強の時間に当てるようにしました。朝の1時間はものすごく字習効率が上がり、理解力や記憶力が格段に向上します。

このように、「サブノートをつくる」「細切れの時間を活用する」「早起きする」をぜひ試してみてください。この三つの習慣が、必ずやあなたを合格へと導くことでしょう。

松岡 浩史 (著)
出版社: オーム社; 改訂2版 (2019/8/24)、出典:出版社HP

目次

1学期 筆記試験対策

レッスン1 関係法令I (共通部分)
1-1 消防関係用語
1-2 消防の組織と措置命令
1-3 防火対象物1(消防法施行令別表第一)
1-4 防火対象物2(特定防火対象物等)
1-5 消防同意と着工届、設置届
1-6 防火管理および共同防火管理
1-7 防炎規制と危険物の規制
1-8 消防用設備等の体系
1-9 防火対象物の分割に関する特例
1-10 既存不遡及の原則と例外(遡及)規定
1-11 消防用設備等および防火対象物の点検制度
1-12 検定制度
1-13 消防設備士制度

レッスン2 関係法令Ⅱ(1類関係)
2-1 屋内消火栓設備の設置対象
2-2 スプリンクラー設備の設置対象
2-3 水噴霧消火設備および屋外消火栓設備の設置対象
2-4 パッケージ型消火設備等の設置対象
2-5 危険物施設の消火設備

レッスン3 屋内消火栓設備等の構造・規格、機能等
3-1 屋内消火栓設備1(システムの構成)
3-2 屋内消火栓設備2(1号消火栓と2号消火栓)
3-3 屋内消火栓設備3(消火栓の規格)
3-4 屋内消火栓設備4(起動シーケンス)
3-5 屋内消火栓設備5(ポンプの構造と性能)
3-6 屋内消火栓設備6(加圧送水装置の構成)
3-7 屋内消火栓設備7(加圧送水装置の規格、構造基準)
3-8 屋内消火栓設備8(水源の有効容量)
3-9 屋内消火栓設備9(消防用ホース、結合金具)
3-10 屋内消火栓設備10(配管材料、継手類)
3-11 屋内消火栓設備11(弁類①)
3-12 屋内消火栓設備12(弁類②)
3-13 屋外消火栓設備
3-14 水噴霧消火設備

レッスン4 スプリンクラー設備の構造・規格、機能等
4-1 スプリンクラー設備のシステムの構成
4-2 スプリンクラー設備の作動フロー図
4-3 閉鎖型湿式スプリンクラー設備
4-4 閉鎖型乾式および予作動式スプリンクラー設備
4-5 特定施設水道連結型スプリンクラー設備
4-6 開放型スプリンクラー設備
4-7 放水型スプリンクラー設備
4-8 スプリンクラーヘッドの作動原理と種類、性能等
4-9 水源の有効容量および加圧送水装置の吐出量
4-10 自動警報装置
4-11 一斉開放弁

レッスン5 消防用設備等の設置基準
5-1 屋内消火栓設備
5-2 屋外消火栓設備
5-3 水噴霧消火設備
5-4 スプリンクラー設備1(ヘッドの使用区分と水平距離)
5-5 スプリンクラー設備2(ヘッドの配置)
5-6 スプリンクラー設備3(閉鎖型ヘッドの設置基準①)
5-7 スプリンクラー設備4(閉鎖型ヘッドの設置基準②)
5-8 スプリンクラー設備5(開放型ヘッドの設置基準)
5-9 スプリンクラー設備6(付属設備の設置基準)

レッスン6 その他の1類関係消防用設備
6-1 パッケージ型消火設備
6-2 パッケージ型自動消火設備
6-3 共同住宅用スプリンクラー設備
6-4 ドレンチャー設備および補助散水栓
6-5 連結送水管および連結散水設備
6-6 非常電源
6-7 配線
6-8 総合操作盤

レッスン7 電気に関する基礎知識
7-1 オームの法則
7-2 静電気、動電気、クーロンの法則
7-3 物質の電気的性質と電気抵抗
7-4 電磁気
7-5 抵抗と合成抵抗
7-6 コンデンサと合成静電容量
7-7 分流器、倍率器およびホイートストンブリッジ
7-8 測定器
7-9 絶縁抵抗と電気設備技術基準
7-10 接地抵抗と電気設備技術基準
7-11 測定器の作動原理と測定誤差
7-12 電気機器1(変圧器、蓄電池)
7-13 電気機器2(誘導電動機)
7-14 交流理論1(交流回路の基礎知識)
7-15 交流理論2(力率の考え方と電力)

レッスン8 機械に関する基礎知識
8-1 水理1(流体の性質)
8-2 水理2(流体に関わる諸法則①)
8-3 水理3(流体に関わる諸法則②)
8-4 水理4(ベルヌーイの定理の応用など)
8-5 水理5(流体に生ずる諸現象およびポンプの動力)
8-6 機械材料1(金属材料)
8-7 機械材料2(熱処理と溶接)
8-8 荷重と応力、ひずみ
8-9 応力とひずみの関係
8-10 力とモーメント

2学期 実技試験対策

レッスン1 写真および図面鑑別
1-1 図面鑑別1(消火栓および消火ホース)
1-2 図面鑑別2(加圧送水装置)
1-3 図面鑑別3(呼水槽および補助高置水槽)
1-4 図面鑑別4(閉鎖型湿式スプリンクラー設備)
1-5 図面鑑別5(開放型スプリンクラー設備)
1-6 図面鑑別6(放水型スプリンクラー設備)
1-7 写真鑑別1(消火ポンプおよび付属設備)
1-8 写真鑑別2(屋内消火栓および付属設備)
1-9 写真鑑別3(屋外消火栓および付属設備)
1-10 写真鑑別4(閉鎖型ヘッド①)
1-11 写真鑑別5(閉鎖型ヘッド②)
1-12 写真鑑別6(開放型ヘッドなど)
1-13 写真鑑別7(流水検知装置)
1-14 写真鑑別8(一斉開放弁)
1-15 写真鑑別9(弁類①)
1-16 写真鑑別10(弁類②)
1-17 写真鑑別11(送水口、管継手他)
1-18 写真鑑別12(管継手および配管支持材)
1-19 写真鑑別13(工具類①)
1-20 写真鑑別14(工具類②)
1-21 写真鑑別15(測定工具)
1-22 アンカボルトなどの施工方法

レッスン2 試験の方法および試験装置
2-1 測定器および測定方法
2-2 警報試験1(加圧送水装置)
2-3 警報試験2(閉鎖型スプリンクラー設備)
2-4 警報試験3(開放型スプリンクラー設備)
2-5 耐圧試験

レッスン3 製図
3-1 図記号
3-2 屋内消火栓設備1(加圧送水装置関連の作図)
3-3 屋内消火栓設備2(配管および電気配線の作図)
3-4 屋内消火栓設備3(ポンプの全揚程の計算①)
3-5 屋内消火栓設備4(ポンプの全揚程の計算②)
3-6 スプリンクラー設備1(加圧送水装置関連の作図)
3-7 スプリンクラー設備2(スプリンクラー配管の作図)
3-8 スプリンクラー設備3(電気配線の作図)
3-9 スプリンクラー設備4(ヘッドの平面配置①)
3-10 スプリンクラー設備5(ヘッドの平面配置②)

3学期 模擬試験

レッスン1 模擬試験(第1回)
レッスン2 模擬試験(第2回)

松岡 浩史 (著)
出版社: オーム社; 改訂2版 (2019/8/24)、出典:出版社HP

目次 – 消防設備士1類超速マスター第2版

はじめに

第1類消防設備士は,デパートやビルなどの建物に設置する「屋内消火栓設備」や「スプリンクラー設備」など,水系消火設備の工事や整備を行うために必要な資格です。甲種・乙種の2種類の免状があり,「甲種」は設置工事と整備,「乙種」は整備のみができます。

本書は,これから第1類消防設備士の試験を受ける方のために,必要な科目を解説したテキストです。予備知識ゼロからでも学習できるように,基礎からできるだけていねいに解説しました。

消防設備士は法令で定められている事項をたくさん覚えなければならないため,ともすると無味乾燥な解説になりがちですが,本書では図版を多用して,なるべく視覚的に理解できるよう配慮しています。

さらに,各節ごとに多くの問題を用意しているので,これ一冊で合格に必要な実力が身につきます。

消防設備は,火災が発生したときに確実に作動するよう,正しく設置され,普段からきちんと整備されていなければなりません。ぜひ一人でも多くの人材が試験に合格して,この責任ある職務を担っていただきたいと願います。本書がその一助になれば幸いです。

ノマドワークス(消防設備士研究会) (著)
出版社: TAC出版; 第2版 (2019/9/12)、出典:出版社HP

目次

はじめに
受験案内

第1章 機械に関する基礎知識

1 水理
流体の性質
流体と圧力
動水力学
チャレンジ問題
解説 解答

2 材料について
荷重と応力
金属材料
チャレンジ問題
解説 解答

3 「力」について
「カ」とは
運動と仕事
チャレンジ問題
解説 解答

第2章 電気に関する基礎知識

1 電気回路の計算
オームの法則
電圧と電流の分配
ブリッジ回路
電力と電力量
コンデンサと静電容量
電気と磁気
交流回路
チャレンジ問題
解説 解答一覧

2 電気計測
電圧計と電流計
いろいろな電気計器
指示電気計器
測定値と誤差
チャレンジ問題
解説 解答

3 電気材料・電気機器
電気材料
変圧器
電池
チャレンジ問題
解説 解答

第3章 消防関係法令

1 消防関係法令(各類に共通する部分)
防火対象物
火災の予防
防火管理者
防炎規制
危険物施設
消防用設備等の設置
消防用設備等の設置の届出と点検
消防設備士制度 検定制度
チャレンジ問題
解説 解答一覧

2 消防関係法令(第1類に関する部分)
屋内消火栓設備・屋外消火栓設備の設置
スプリンクラー設備の設置
水噴霧消火設備の設置
チャレンジ問題
解説 解答

第4章 構造と機能,工事と整備

1 屋内・屋外消火栓設備
屋内消火栓設備
水源
加圧送水装置
配管・バルブ類
屋内消火栓
非常電源・配線
屋内消火栓設備の試験と点検
屋外消火栓設備
パッケージ型消火設備
チャレンジ問題
解説 解答

2 スプリンクラー設備
スプリンクラー設備の構成
スプリンクラーヘッドの構造と機能
スプリンクラーヘッドの設置基準
自動警報装置
配管・弁類
放水性能と水源水量
水噴霧消火設備
その他の消火設備
チャレンジ問題
解説 解答

第5章 実技試験対策

1 鑑別等試験
各部の名称と役割

2 製図試験
系統図の作成

索引

写真提供:株式会社横井製作所,千住スプリンクラー株式会社,ホーチキ株式会社,
ゼンシン株式会社,クシダ工業株式会社

ノマドワークス(消防設備士研究会) (著)
出版社: TAC出版; 第2版 (2019/9/12)、出典:出版社HP

受験案内

◆消防設備士とは
消防設備士は,劇場,デパート,ホテルなどの建物に設置されている「消防用設備等」の工事や整備,点検を行うために必要な資格です。甲種消防設備士は,消防用設備等の工事と整備を行うことができ,乙種消防設備士は,消防用設備等の整備のみを行うことができます。

甲種消防設備士は,取り扱う設備の種類に応じて,特類および第1類~第5類に分かれてます。乙種消防設備士も同様に,第1類~第7類に分かれています。

甲種 乙種 類別 消防用設備等
特類 特種消防用設備等
第1類 屋内消火栓設備,屋外消火栓設備, スプリンクラー設備, 水噴霧消火設備,パッケージ型消火設備,パッケージ型自 動消火設備,共同住宅用スプリンクラー設備
第2類 泡消火設備, パッケージ型消火設備,パッケージ型自動消火設備
第3類 不活性ガス消火設備, ハロゲン化物消火設備,粉末消火設備, パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備
第4類 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備,消防機関へ通報する火災報知設備など
第5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
第6類 消火器
第7類 漏電火災警報器

 

上の表のとおり,本書で扱う第1類では,屋内消火栓設備や屋外消火栓設備,スプリンクラー設備などの水系消火設備を取り扱います。

◆受験資格

●乙種
乙種消防設備士の試験は,学歴,年齢,国籍,実務経験を問わず誰でも受験できます。

●甲種
甲種消防設備士試験を受験するには,下記の資格または実務経験をもっているか,大学・高校等で特定の学科を修めている必要があります。以下のいずれか1つに該当する方には受験資格があります。

【資格または実務経験】
1 他の類の甲種消防設備士
2 乙種消防設備士の免状を得た後,2年以上消防用設備等の整備の経験を有する者
3 技術士の第2次試験に合格した者
4 電気工事士(第1種・第2種)
5 電気主任技術者(第1種~第3種)
6 消防用設備等の工事の補助者として,5年以上の実務経験を有する者
7 専門学校卒業程度検定試験(機械・電気・工業化学・土木または建築の部門に関するもの)の合格者
8 管工事施工管理技士(1級・2級)
9 高等学校の「工業」の教員免許を有する者
10 無線従事者(アマチュア無線技士を除く)の免許を受けている者
11 1級建築士または2級建築士
12 配管技能士(1級・2級)
13 給水装置工事主任技術者
14 消防行政に係る事務のうち,消防用設備等に関する事務について3年以上の実務経験を有する者
15 消防法施行規則の一部を改正する省令の施行(昭和41年)の前において,消防用設備等の工事について3年以上の実務経験を有する者
16 昭和41年前の東京都火災予防条例による旧制度の消防設備士

【学歴】
1 次に掲げる学校において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する学科(課程)を修めて卒業した者
・大学,短大,高等専門学校(5年制)
・高等学校または中等教育学校
・外国に所在する学校で,日本における大学,短大,高等専門学校(5年制)または高等学校に相当するもの
・旧制大学,旧制専門学校,高等師範学校,実業学校教員養成所,旧制専門学校卒業程度検定試験合格者
2 次に掲げる学校において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する関する科目を15単位以上修得した者(単位制ではない学校の場合は授業時間で換算)
・大学,短大,高等専門学校(5年制),専修学校
・学校教育法第134条第1項に定める各種学校
・大学及び高等専門学校の専攻科
・防衛大学校,防衛医科大学校,水産大学校,海上保安大学校,気象大学校
・職業能力開発総合大学校,職業能力開発大学校,職業能力開発短期大学校,職業訓練大学校,職業訓練短期大学校,中央職業訓練所
3 理学,工学,農学または薬学のいずれかに相当する専攻分野の名称を付記された修士または博士の学位を有する者

※受験資格の詳細については,在学されていた学校もしくは消防試験研究センターにお問い合わせください。

◆試験科目・出題形式

甲種・乙種ともに,筆記試験と実技試験があります。試験時間は,甲種が3時間15分,乙種が1時間45分です。

●筆記試驗
4つの選択肢から正解を1つ選ぶマークシート方式です。試験科目と問題数は次のとおりです。

試験科目 甲種 乙種
Ⅰ.基礎的知識 機械に関する部分 6 3
電気に関する部分 4 2
Ⅱ.消防関係法令 共通部分 8 6
1類に関する部分 7 4
Ⅲ.構造・機能 ・工事・ 整備 機械に関する部分 10 8
電気に関する部分 6 4
規格に関する部分 4 3
合計 45 30

 

●実技試験
実技試験は,写真やイラスト,図面などによる出題に対して,記述式で解答します。試験科目と問題数は次のとおりです。

試験科目 甲種 乙種
鑑別等 5 5
製図 2

※製図試験は乙種にはありません。

◆合格基準
次の①と②の両方の成績を修めた方が合格となります。

①筆記試験 Ⅰ〜Ⅲの各科目ごとに40%以上、全体では60%以上
②実技試験 60%以上

 

◆試験の一部免除
以下の資格をもっている受験者は,試験の一部が免除されます。

①消防設備士
すでに他の類の消防設備十免状をもっている方は免状の種類に応じて筆記試験の以下の科目が免除されます。

もっている免状 甲種第1類を受験する場合 乙種第1類を受験する場合
甲種第2,3類 ・消防関係法令の共通部分(8問) ・基礎的知識(10問) ・消防関係法令の共通部分(6問) ・基礎的知識(5問)
甲種第4,5類 ・消防関係法令の共通部分 (8問) ・消防関係法令の共通部分(6問)
乙種第2,3類 免除なし ・消防関係法令の共通部分 (6問) ・基礎的知識(5問)
乙種第4~7類 ・消防関係法令の共通部分(6問)

 

※乙種第1類の免状を持っている方が,甲種第1類を受験する場合,免除科目はありません。

②電気・機械関係の資格
電気工事士,電気主任技術者,機械または衛生工学部門の技術士の資格をもっている方は,筆記試験の一部が以下のように免除されます。

もっている免状 免除科目
電気工事士 基礎的知識の電気に関する部分
構造・機能・工事・整備の電気に関する部分
電気主任技術者 基礎的知識の電気に関する部分
構造・機能・工事・整備の電気に関する部分
技術士(機械部門・ 衛生工学部門)」 基礎的知識
構造・機能・工事・整備

 

◆試験日程
消防設備士試験は,都道府県ごとに実施されます。居住地や勤務地にかかわらず,希望する都道府県で受験できますが,試験日程や試験会場は都道府県ごとに異なるので注意してください。

なお,試験日程によっては,複数の類を受験できる場合があります。詳細は消防試験研究センターの試験案内等を参照してください。

◆受験手続
受験申込みをするには,書面による方法(書面申請)と,インタータートによる方法(電子申請)があります。どちらの場合も,試験日程によって申請期間が異なるため,あらかじめ受験したい都道府県の試験日程を調べておきましょう。

書面申請は,受験したい都道府県の受験願書を入手し,必要事項を記して郵送します。受験願書は,各都道府県の消防試験研究センター支部消防本部で入手できます。

電子申請は,消防試験研究センターのホームページ(http://www.shoubo-shiken.or.jp/)から行います。センターからの連絡を受信するためのメールアドレス(携帯電話,フリーメールアドレスは不可)と,受験票を印刷するためのプリンターが必要になります。

なお,危険物取扱者試験の電子申請も同じホームページから行っているので,間違えないように注意してください。

◆試験当日の準備
試験当日は,受験票(写真を貼付したもの),鉛筆(HBまたはB),消しゴムを必ず持参してください。電卓は使用できません。

◆問合せ先
受験願書の申込みや試験の詳細については,財団法人消防試験研究センター各支部(東京の場合は中央試験センター)に問い合わせるか,消防試験研究センターのホームページを参照してください。

財団法人消防試験研究センター本部
〒100-0013 東京都千代田区霞が関1-4-2大同生命霞が関ビル19階
TEL 03-3597-0220
FAX 03-5511-2751
ホームページ:http://www.shoubo-shiken.or.jp/
モバイルサイト:http://www.shoubo-shiken.or.jp/m/

ノマドワークス(消防設備士研究会) (著)
出版社: TAC出版; 第2版 (2019/9/12)、出典:出版社HP

目次 – 本試験によく出る!第1類消防設備士問題集 (国家・資格試験シリーズ 354)

まえがき

本書は、「わかりやすい第1類消防設備士試験」(弘文社)の続編として編集された問題集です。前書では,できるだけわかりやすく解説するようにつとめ,また,読者が効率的に暗記できるように、ゴロ合わせやイラストなどを随 所に入れ,それなりの結果を得ることができました。

しかし、どんな試験でもそうですが,本試験対策としては出来るだけ多くの問題に当たるというのが“常道”ではないかと思います。

そのような思いおよび要望もあり,今回,本試験対策としての第1類消防設 備士問題集を発刊するに至りました。 その主な特徴は,次のようになっています。

1.より実戦的な問題の採用

本書では,最近,数年間の本試験の動向を調査し,その中から繰返して出題されているような重要問題を中心にピックアップして、編集をしました。

従って、より実戦的な力を本書で身につけることができるものと思っております。

2.解説の充実

本書では、参考書が不要なくらいに解説を充実させるようにしました。

従って、独学で受験される方にとっては負担の少ない理解しやすい内容になっているものと期待しております。

3.暗記事項について

この第1類消防設備士試験では,暗記事項が多く、受験生の悩みの種になっています。そのような声が多いということで、「わかりやすい第1類消防設備 士試験」では楽に暗記できるよう、ゴロ合わせをできるだけ採用しました(その分,ページ数が増えましたが……)。

そういうわけで,この問題集でもそのようなご要望にお応えできるよう, 「わかりやすい第1類消防設備士試験」で使用したゴロ合わせをできるだけ採用しました。従って,暗記が苦手な方でもわりとスムーズに暗記することができるものと思っております。

4.実技試験の充実

本書の大きな特徴は,この実技試験の充実をはかったことです。鑑別はもちろん、多くの受験生の方が苦手とされている製図については、あらゆる情報を手掛かりにして,数多くの問題を掲載しました。

従って,多種多様な問題が出題される実技試験への対策としては、必要かつ十分な量の問題数ではないかと確信いたしております。

以上のような特徴によって本書は構成されていますので、本試験対策として,より効率的および実戦的に学習ができる構成になっているものと思っております。

従って,本書を十二分に活用いただければ,“短期合格”も夢ではないものと思っております。

最後になりましたが,本書を手にされた方が一人でも多く「試験合格」の栄冠を勝ち取られんことを、紙面の上からではありますが,お祈り申しあげております。

資格研究会KAZUNO (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2017/1/1)、出典:出版社HP

目次

まえがき

本書の使い方

受験案内

受験に際しての注意事項

第1編機械に関する基礎知識

第2編 電気に関する基礎知識

第3編構造,機能及び工事又は整備の方法・1機械に関する部分
第1章 共通事項
第2章 屋内消火栓設備,屋外消火栓設備
第3章 スプリンクラー設備,水噴霧消火設備

第4編 構造,機能及び工事又は整備の方法・2電気に関する部分

第5編 規格

第6編 消防関係法令(共通部分)
第1章 共通部分
第2章 類別部分

第7編鑑別等試験

第8編 製図

巻末資料(1~13)

本書の使い方

本書を効率よく使っていただくために,次のことを理解しておいてくだい。

1.マークについて

よく出題される重要度の高い問題には,その重要度に応じている マークを1個,あるいは2個表示してあります。従って、「あまり時間がない」という方は、これらのマークが付いている問題から先に進めていき、時間に余裕ができた後に他の問題に当たれば、限られた時間を有効に使うことができます。

なお、過去に出題されたことのある項目または問題には出たマーク、また逆に出題頻度の低いものにはイマヒトツマークを表示してあります。

2.重要ポイントについて

本文中,特に重要と思われる箇所は太字にしたり,重要マーククを入れて枠で囲むようにして強調してありますので,それらに注意しながら学習を進めていってください。

3.略語について

本書では、本文の流れを円滑にするために次のように略語を一部使用しています。

・特防:特定防火対象物
・自火報:自動火災報知設備
・自家発 :自家発電設備

4.最後に

本書では、学習効率を上げるために(受験に差しさわりがない範囲で)内容の一部を省略したり,または表現を変えたり,あるいは図においては原則として原理図を用いている,ということをあらかじめ断っておきます。

資格研究会KAZUNO (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2017/1/1)、出典:出版社HP

受験案内

1 消防設備士試験の種類

消防設備士試験には,次の表のように甲種が特類および第1類から第5類まで,乙種が第1類から第7類まであり,甲種が工事と整備を行えるのに対し,乙種は整備のみ行えることになっています。

表1

甲種 乙種 消防用設備等の種類
特類 特殊消防用設備
1類 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備
2類 泡消火設備
3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
4類 自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備
5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
6類 消火器
7類 漏電火災警報器

 

2 受験資格

(詳細は消防試験研究センターの受験案内を参照して確認して下さい)

(1) 乙種消防設備士試験
受験資格の制限はなく誰でも受験できます。

(2) 甲種消防設備士試験
甲種消防設備士を受験するには次の資格などが必要です。

〈国家資格等による受験資格(概要)〉

①(他の類の)甲種消防設備士の免状の交付を受けている者。
②乙種消防設備士の免状の交付を受けた後2年以上消防設備等の整備の経験を有する者。
③ 技術士第2次試験に合格した者。
④ 電気工事士
⑤ 電気主任技術者(第1種~第3種)
⑥ 消防用設備等の工事の補助者として,5年以上の実務経験を有する者。
⑦ 専門学校卒業程度検定試験に合格した者。
⑧ 管工事施工管理技術者(1級または2級)
⑨ 工業高校の教員等
⑩ 無線従事者(アマチュア無線技士を除く)
⑪ 建築士
⑫ 配管技能士(1級または2級)
⑬ ガス主任技術者
⑭ 給水装置工事主任技術者および旧給水責任技術者
⑮ 消防行政に係る事務のうち,消防用設備等に関する事務について3年以上の実務経験を有する者。
⑯ 消防法施行規則の一部を改定する省令の施行前(昭和41年1月21日以前)において,消防用設備等の工事について3年以上の実務経験を有する者。
⑰ 旧消防設備士(昭和41年10月1日前の東京都火災予防条例による消防設備士)

<学歴による受験資格(概要)>
(注:単位の換算はそれぞれの学校の基準によります)

① 大学,短期大学,高等専門学校(5年制)、または高等学校において 機械,電気,工業化学,土木または建築に関する学科または課程を修めて卒業した者。
② 旧制大学,旧制専門学校,または旧制中等学校において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する学科または課程を修めて卒業した者。
③ 大学,短期大学,高等専門学校(5年制)、専修学校,または各種了 校において,機械,電気,工業化学、土木または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者。
④ 防衛大学校、防衛医科大学校,水産大学校,海上保安大学校、気象大 学校において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する授業料目を15単位以上修得した者。
⑤ 職業能力開発大学校,職業能力開発短期大学校,職業訓練開発大学校,または職業訓練短期大学校,もしくは雇用対策法の改正前の職業訓練法による中央職業訓練所において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者。
⑥ 理学,工学,農学または薬学のいずれかに相当する専攻分野の名称を付記された修士または博士の学位を有する者。

3 試験の方法

(1) 試験の内容
試験には筆記試験と実技試験があり、表2のような試験科目と問題数があります。試験時間は,甲種が3時間15分,乙種が1時間45分です。

表2 試験科目と問題数

試験科目 問題数 試験時間
甲種 乙種
筆記 基礎的知識 機械に関する部分 6 3 甲種:3時間15分 乙種:1時間45分
電気に関する部分 4 2
消防関係 法令 共通部分 8 6
1類に関する部分 7 4
構造、機能 及び工事・ 整備の方法 機械に関する部分 10 8
電気に関する部分 6 4
規格に関する部分 4 3
合計 45 30
実技 鑑別等 5 5
製図 2

 

(2) 筆記試験について
解答はマークシート方式で、4つの選択肢から正解を選び,解答用紙の該当する番号を黒く塗りつぶしていきます。

(3) 実技試験について
乙種の実技試験は,鑑別等試験のみで,甲種の場合は,鑑別等の他に製図試験も加わります。

4 合格基準

① 筆記試験において,各科目ごとに出題数の40%以上,全体では出題数の60%以上の成績を修め、かつ
② 実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格とします。
(試験の一部免除を受けている場合は、その部分を除いて計算します)

5 合格率
第1類消防設備士の場合,甲種,乙種とも,おおむね35%前後で,一般的に、他の類より低い傾向にあります。

6 試験の一部免除
一定の資格を有している者は,筆記試験の一部が免除されます。
① 他の国家資格による筆記試験の一部免除

次の表の国家資格を有している者は,○印の部分が免除されます。

表3

             資格  試験科目 技術士 電気主任技士 電気工事士
基礎的知識 機械に関する部分
電気に関する部分
消防関係法令 各類に共有する部分
1類に関する部分
構造・機能及び 工事、整備 電気に関する部分
規格に関する部分

 

② 消防設備士資格による筆記試験の一部免除

<甲種第1類消防設備士試験を受ける者>

○他の類の甲種消防設備士免状を有している者
⇒消防関係法令のうち、「各類に共通する部分」が免除されます。
また,甲種第2類,甲種第3類消防設備士免状を有している者は、さらに「機械に関する基礎的知識」と「電気に関する基礎的知識」も免除されます。

<乙種第1類消防設備士試験を受ける者>

○他の類の甲種消防設備士,乙種消防設備士免状を有している者
⇒消防関係法令のうち,「各類に共通する部分」が免除されます。
また,甲種第2類,甲種第3類消防設備士免状および乙種第2類,乙 種第3類消防設備士免状を有している者は,さらに「機械に関する基礎 的知識」と「電気に関する基礎的知識」も免除されます。

7 受験手続き
試験は消防試験研究センターが実施しますので,自分が試験を受けようと する都道府県の支部などに試験の日時や場所,受験の申請期間,および受験願書の取得方法などを調べておくとよいでしょう。

一般財団法人消防試験研究センター中央試験センター
〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷1-13-20
電話03-3460-7798
Fax03-3460-7799
ホームページ:http://www.shoubo-shiken.or.jp/

8 受験地
全国どこでも受験できます。

9複数受験について
試験日,または試験時間帯によっては、4類と7類など,複数種類の受験ができます。詳細は受験案内を参照して下さい。

※本項記載の情報は変更されることがあります。詳しくは試験機関のウェブサイト等でご確認下さい。

資格研究会KAZUNO (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2017/1/1)、出典:出版社HP

受験に際しての注意事項

1.願書はどこで手に入れるか?
近くの消防署や消防試験研究センターの支部などに問い合わせをして確保しておきます。

2.受験申請
自分が受けようとする試験の日にちが決まったら,受験申請となるわけですが、大体試験日の1ヶ月半位前が多いようです。その期間が来たら、郵送で申請する場合は、なるべく早めに申請しておいた方が無難です。というのは、もし申請書類に不備があって返送され,それが申請期間を過ぎていたら、再申請できずに次回にまた受験,なんてことにならないとも限らないからです。

3.試験場所を確実に把握しておく
普通,受験の試験案内には試験会場までの交通案内が掲載されていますが、もし,その現場付近の地理に不案内なら,ネット等で情報を集めておいた方がよいでしょう。実際には,当日,その目的の駅などに到着すれば,試験会場へ向かう受験生の流れが自然にできていることが多く,そう迷うことは少ないとは思いますが,そこに着くまでの電車を乗り間違えたり,また,思っていた以上に時間がかかってしまった,なんてことも起こらないとは限らないので、情報をできるだけ正確に集めておいた方が精神的にも安心です。

4.受験前日
これは当たり前のことかもしれませんが,当日持っていくものをきちんとチェックして、前日には確実に揃えておきます。特に,受験票を忘れる人がたまに見られるので、筆記用具とともに再確認して準備しておきます。

なお,解答カードには、「必ず HB,又はBの鉛筆を使用して下さい」と指定されているので,HB,又はBの鉛筆を2~3本と、できれば予備として濃い目のシャーペンと、消しゴムもできれば小さ目の予備を準備しておくと完璧です(試験中、机から落ちて“行方不明”になったときのことを考えて)。

資格研究会KAZUNO (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2017/1/1)、出典:出版社HP

目次 – らくらく突破 消防設備士 甲種/乙種 第4類 合格テキスト

はしがき

わが国では、昭和23年に市町村条例により火災報知設備を設置する規制が行われ、昭和35年に全国的に統一された基準ができ、さらに昭和40年の法律第65号の制定により消防設備士の制度が整備されました。現在では数多くの消防設備士の方々が活躍され、人命の安全確保のために日夜活動されています。

本書は、第4類消防設備士試験の合格を目指して勉強される方々のために、受験に必要な科目の勉強をしていただけるように、テキストおよび問題集として製作されています。

災害が起こるたびに規制強化が行われ、その内容も細かくなってきていますが、最近では、法令が改正されると数年後にはその内容に関連する問題が出題されるようになってきています。そこで、最新の内容を理解してやさしく学べるように、覚えていただきたいポイントや練習問題も掲載しました。

一方、実際に仕事現場で古い機種にも出会うことが多いことから、最新のものとは異なる機種に対応できるように、古い方法なども解説しています。

学習される時は、インターネットを活用し、関係の法令集や火災報知機メーカーのカタログにある機器の写真などもホームページで確認することをお勧めします。消防庁のホームページでは、専門家の方向けの告示や通知といった内容を確認することもできます。

第4類の消防設備士の試験範囲は幅広く、勉強に時間がかかるかも知れませんが、学習の一助となれば喜ばしい限りです。合格の際には消防設備士として日々の業務に励んでいただき、防災の活動を目指していただくことを願っております。

2019年5月
著者

パナソニック ライフソリューションズ創研株式会社 (著)
出版社: 技術評論社 (2019/6/1)、出典:出版社HP

目次

はしがき
受験ガイド
学習のポイント

第1章 消防関係法令

1-1消防組織、制度
1-2法令用語
1-3屋外における障害除去の措置命令他
1-4立入検査、措置命令
1-5建築許可等の消防同意
1-6防火管理の制度
1-7防火対象物定期点検報告制度
1-8防炎の規制
1-9市町村条例への委任
1-10危険物の規制
1-11消防用設備等の設置と維持
1-12消防用設備等・特殊消防用設備等の検査、点検等
1-13消防設備士制度
1-14検定制度
消防法施行令別表第1
章末問題
解答と解説

第2章 電気の基礎

2-1電気の基礎と単位
2-2電気材料
2-3抵抗の基本
2-4オームの法則とジュールの法則
2-5静電容量
2-6電気と磁気
2-7交流とは
2-8交流回路とインピーダンス
2-9単相交流の電力と力率
2-10電気回路の計算例
2-11電気計測
2-12電気機器
2-13蓄電池
2-14電気設備技術基準
章末問題
解答と解説

第3章 自動火災報知設備の構造・機能

3-1自動火災報知設備
3-2自動火災報知設備の受信機
3-3自動火災報知設備の感知器
3-4中継器
3-5発信機
3-6地区音響装置
3-7ガス漏れ火災警報設備
3-8消防機関へ通報する火災通報装置
章末問題
解答と解説

第4章自動火災報知設備の工事・整備

4-1自動火災報知設備
4-2受信機・中継器の設置基準
4-3感知器の設置基準
4-4感知器の設置
4-5発信機・地区音響装置の設置基準
4-6自動火災報知設備の配線
4-7自動火災報知設備の電源
4-8ガス漏れ火災警報設備の設置基準
4-9消防機関へ通報する火災報知設備
章末問題
解答と解説

第5章 試験・点検

5-1自動火災報知設備の試験と点検..
5-2試験・点検器具類…
5-3ガス漏れ火災警報設備の試験・点検(抜粋)
5-4消防機関へ通報する火災報知設備の試験・点検(抜粋)
章末問題
解答と解説

第6章 自動火災報知設備等の規格

6-1感知器の規格
6-2発信機の規格
6-3受信機の規格
6-4中継器の主な規格
6-5蓄電池設備の主な規格
章末問題
解答と解説

第7章 鑑別他

7-1試験器類
7-2工具類
7-3部材類
章末問題
解答と解説

第8章 設計編

8-1設計問題
8-2平面図の設計
8-3系統図の設計
8-4設計問題の解き方
章末問題
解答と解説
索引

パナソニック ライフソリューションズ創研株式会社 (著)
出版社: 技術評論社 (2019/6/1)、出典:出版社HP

受験ガイド

1消防設備士とは
デパートやホテル、劇場などの建物には、規模や用途、収容人数に応じた消防用設備や特殊消防用設備などの設置が法律で義務付けられています。これらの設備の工事や整備を行うのに必要なのが消防設備士の資格です。

消防設備士の資格には甲種と乙種があります。甲種消防設備士は消防設備等の工事と整備を行い、乙種消防設備士は整備のみを行います。また、工事・整備のできる設備に応じて、次の表のように分かれています。本書は第4類消防設備士が対象です。

種類 工事・整備などができる設備
甲種 特類 特殊消防用設備等
甲種
または
乙種
第1類 屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外 消火栓設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火 設備、共同住宅用スプリンクラー設備:
第2類 泡消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備
第3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、 パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備
第4類 自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備、特定小規模施設用自動火災報知設備、複合型居住施設用自動火災報知設備
第5類 金属製避難はしご (固定式)、救助袋、緩降機
乙種 第6類 消火器
第7類 漏電火災警報器

 

2受験資格
受験資格は、甲種と乙種で異なります。

(1)乙種
学歴、年齢、実務経験などにかかわらず、誰でも受験できます。
(2)甲種
甲種を受験するには、次のいずれかの受験資格が必要です。
・国家資格などの資格を取得しているか、実務経験がある
・大学や高校などで指定された学科・課程を履修している

受験資格について、詳しくは「一般財団法人消防試験研究センター」のホームページを参照してください。
一般財団法人消防試験研究センター
https://www.shoubo-shiken.or.jp

3試験科目について

(1)試験科目と問題数
試験は、筆記と実技があります。筆記試験は、4つの選択肢から正しいものを選んでマークシートに記入する方式です。実技試験は、写真などを見て記述式で答える鑑別等の試験と、製図問題があります。なお、乙種には製図問題はありません。

第4類の試験科目と問題数は次の表のとおりです。

種類 試験科目 問題数
甲種 筆記 消防関係法令 15
基礎的知識 10
消防用設備等の構造・機能・工事・整備 20
実技 鑑別等 5
製図 2
乙種 筆記 消防関係法令 10
基礎的知識 5
消防用設備等の構造・機能・整備 15
実技 鑑別等 5

 

(2)一部免除について
受験する種類以外の消防設備士や電気工事士など、すでに取得している資格がある場合、申請すると試験科目が一部免除されることがあります。詳しくは消防試験研究センターのホームページを参照するか、消防試験研究センターに問い合わせてください。

(3)試験時間と注意事項試験時間は、甲種が3時間15分、乙種が1時間45分です。試験では、電卓、テンプレート等の定規類、携帯電話などの機器類を使用することができません。注意してください。

4合格基準と合格発表
次の成績を満たすと、合格となります。

・筆記試験で各科目が40%以上、なおかつ全体の出題数の60%以上
・実技試験で60%以上

合格発表は、支部ごとに合格者の受験番号を公示するほか、消防試験研究センターのホームページにも掲示されます。また、受験者には郵便はがきで合否が通知されます。

5受験の手続きと試験日程
消防設備士試験は都道府県ごとに行われ、希望する都道府県で受験することができます。試験日、試験会場、願書の受付期間などは都道府県によって異なりますので、消防試験研究センターのホームページで確認してください。

受験の申し込み方法は、受験願書を提出する「書面申請」とインターネットによる「電子申請」があります。書面申請で使用する受験願書は、消防試験研究センターの各支部や関係機関等で配布されています。願書など必要書類を揃えて受付期間内に申請します。

電子申請は消防試験研究センターのホームページから行います。事前に注意事項等をよく読んで申請方法を確認しておきましょう。なお、試験の詳細は変更されることがあります。受験の際には、必ず消防試験研究センターのホームページなどで最新情報を確認してください。

パナソニック ライフソリューションズ創研株式会社 (著)
出版社: 技術評論社 (2019/6/1)、出典:出版社HP

学習のポイント

本書は「第4類消防設備士」の取得を目指して勉強される方が、効率的に知識を習得し、合格していただけるように科目ごとに解説をしています。各章の最初のリードで学習内容をまとめて記載してあります。覚えておくべきポイントや出題傾向の多い項目などをまとめました。

各節には、「重要度」を★マークで表示しています。★は最大3個です。★の多い項目は出題されやすい傾向にあります。繰り返して学習し、覚えましょう。また、本文中では重要な用語などを赤字で表記しました。赤字の部分を繰り返し確認しましょう。重要な部分です。

「これだけは押さえておこう」は、項目ごとにまとめています。ポイントと共に必ず覚えておきましょう。「練習問題」は○×問題として、読んだ後に確認できるように作成してあります。解説も記載していますので、間違えたり理解があいまいな部分がないか、よく確認してください。

各章の終わりには、「章末問題」があります。その章で学習したことを試験問題に近い形で出題してありますので、必ず解いてみてください。また、回答には解説をつけてありますので、解いた後は解説を読みながら再度確認しましょう。

お勧めの学習方法は、毎日少しずつでも学習することです。本書では、各項目を2~4ページ程度で区切りをつけられるようにしてありますので、毎日少しずつでも、きりのいいところまで学習を進めて下さい。また、記憶に残すために復習も必ずやりましょう。合格を目指して、やりきってください。

パナソニック ライフソリューションズ創研株式会社 (著)
出版社: 技術評論社 (2019/6/1)、出典:出版社HP

目次 – 試験にココが出る! 消防設備士4類[甲種・乙種]教科書+実践問題

最重要項目直前チェック

試験の直前に、復習しておきたい項目をまとめました。

関係法令
1自動火災報知設備を設置する防火対象物

防火対象物の種類 延べ面積 地階・無窓階 3階以上 11階以上の階 道路用途 駐車場のある階 通信機器室 特定1階段等 防火对禦物 指定可燃物
(1) 劇場・映画館・演芸場または観覧場 300m2以上 床面積
300m2以上
床面積300m2以上 すべて 道路の用途に供される部分で、その部分の床面積が屋上の場合は600m2以上,それ以外の階の場合は400m2以上 地階または2階以上に床面積200m2以上の駐車場がある階に設置 床面積500m2以上の通信機器室 特定用途部分が避難階以外にあり、そこから避難階に直通する屋内の階段が1つしかないもの 指定数量の500倍以上の指定可燃物を貯蔵・取り扱う建築物
公会堂または集会場
(2) キャバレー・カフェー・ナイトクラブ 100m2以上
遊技場またはダンスホール
風俗店
カラオケボックス・漫画喫茶等 すべて
(3) 待合・料理店等 300m2以上 100m2以上
飲食店
(4) 百貨店・マーケット・物販販売店舗または 展示場 300m2以上
(5) 旅館・ホテル・宿泊所 すべて
寄宿舎・下宿または共同住宅 500m2以上 300m2以上
(6) 病院・診療所・助産所 入院施設あり すべて
           入院施設なし 300m2以上 300m2以上
自力避難困難者入所施設 すべて
(6)項ロ以外の社会福祉施設等 宿泊あり
             宿泊なし 300m2以上 300m2以上
幼稚園・特別支援学校
(7) 小・中・高等学校・大学・専修学校等 500m2以上
(8) 図書館・博物館・美術館等
(9) 熱気浴場、熱気浴場等 200m2以上
その他の公衆浴場 500m2以上 300m2以上
(10) 停車場・船舶・航空機の発着場
(11) 神社・寺院・教会等 1000m2以上
(12) 工場・作業場 500m2以上
映画スタジオ・テレビスタジオ
(13) 自動車車庫・駐車場
飛行機等の格納庫 すべて
(14) 倉庫 500m2以上 300m2以上
(15) その他の事業場(会社などの事務所) 1000m2以上
(16) 特定用途を含む複合用途防火対象物 300m2以上 300m2以上
※4
(16)項イ以外の複合用途防火対象物 ※1 300m2以上
(16) 地下街 300m2以上
※2
(16) 準地下街 500m2以上
※3
(17) 重要文化財・史跡 すべて

 

※1各用途部分の床面積の合計に応じて設置
※2(2)項二、(5)項イ、(6)項イ(入院施設あり)、(6)項口の用途部分には延べ面積にかかわらず設置する
※3特定用途部分が300mの場合
※4(2)項、(3)項の用途部分を含む地用・転窓際にあっては、床面積100m2以上

2防火管理者が必要な防火対象物

1自力避難困難者入所施設 収容人員10人以上
2特定防火対象物 収容人員30人以上
3非特定防火対象物 収容人員50人以上
4新築工事中の建物・建造中の旅客船 収容人員50人以上

 

3統括防火管理者が必要な防火対象物

1高層建築物(高さ31メートル超) すべて
2自力避難困難者入所施設 3階以上・収容人員10人以上
3特定防火対象物 3階以上・収容人員30人以上
4非特定複合用途防火対象物 5階以上・収容人員50人以上
5地下街 消防庁または消防署長が指定する場合
6準地下街 すべて

 

4防火対象物点検が必要な防火対象物

1自力避難困難者入所施設が避難階以外にある特定1階段等防火対象物 収容人員 10人以上
2特定1階段等防火対象物 収容人員30人以上
3特定防火対象物 収容人員 300人以上

 

5消防用設備等の設置届と検査が必要な防火対象物

・カラオケボックス、ネットカフェ等
・旅館・ホテル・宿泊所
・病院・診療所・助産所(入院施設のあるもの)
・自力避難困難者入所施設
・その他の社会福祉施設等(宿泊施設のあるもの)
・上記用途部分を含む複合用途防火対象物・地下街・準地下街
すべて
特定1階段等防火対象物 すべて
特定防火対象物 延べ面積300m2以上
非特定防火対象物(消防長または消防署長の指定を受けたもの) 延べ面積300m2以上

 

ノマド・ワークス (著), 一般社団法人 東京防災設備保守協会 (監修)
出版社: インプレス (2016/12/5)、出典:出版社HP

目次

受験ガイド
重要項目事前チェック

第1章 消防関係法令
第2章 電気に関する基礎知識
第3章 自動火災報知設備の構造と機能
第4章 自動火災報知設備の工事・設備
第5章 自動火災報知設備の点検
第6章 鑑別等問題
第7章 製図問題

模擬テスト
索引

ノマド・ワークス (著), 一般社団法人 東京防災設備保守協会 (監修)
出版社: インプレス (2016/12/5)、出典:出版社HP

防火対象物

「学習ポイント」
・防火対象物と消防対象物との違いは?
・特定防火対象物に分類される防火対象物は?

防火対象物と消防対象物の違い
まず最初の重要な用語として、防火対象物という言葉を覚えてください。防火対象物とは、火災予防の必要上、規制の対象となる建築物のことで、消防法には次のように定義されています。

覚える防火対象物
「山林または舟車、船きょもしくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物。もしくはこれらに属する物」

防火対象物とまぎらわしいものに、消防対象物があります。こちらは次のように定義されています。
「山林または舟車、船きょもしくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物、または物件」

消防対象物には、消火活動の対象となるものが幅広く含まれるので、建築物以外の「物件」(家具、植木など)も含まれます。

消防法施行令別表第1を覚えよう
防火対象物は、用途によって表のように分類されます。この表は、消防法施行令という政令の別表第1(略して「令別表第1」)と呼ばれるもので、この後も繰り返し出てきます。表のなかでは(6)項の分類がとくにややこしいので、少しくわしく説明しておきましょう。

1(6)項イ病院・診療所・助産所
「病院」と「診療所」は医療法という法律で区別されますが、令別表第1では次の4つに分類されています。これらは、大きく入院施設があるもの(1~4)と入院施設がないもの(2)の2種類に分けて考えます。

用途
(1) イ劇場、映画館、演芸場または観覧場
口公会堂または集会場)
(2) イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブ等
日 遊技場またはダンスホール
ハ性風俗関連特殊営業を営む店舗等
ニカラオケボックス・ネットカフェ・漫画喫茶等
(3) イ 待合、料理店等
口 飲食店
(4) 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗または展示場
(5) イ 旅館、ホテル、宿泊所等
口 寄宿舎、下宿または共同住宅
(6) イ 病院・診療所・助産所
口自力避難困難者入所施設。
ハその他の社会福祉施設等
二幼稚園または特別支援学校
(7) 小学校、中学校、高等学校、大学、専修学校等
(8) 図書館、博物館、美術館等
(9) イ 蒸気浴場、熱気浴場等
ロイ以外の公衆浴場
(10) 車両の停車場または船舶もしくは航空機の発着場
(11) 神社、寺院、教会等
(12) イ 工場または作業場
ロ 映画スタジオまたはテレビスタジオ
(13) イ 自動車車庫または駐車場
口 飛行機または回転翼航空機の格納庫
(14) 倉庫
(15) 前各項に該当しない事業場(会社などの一般的な事務所)
(16) イ 複合用途防火対象物のうち、その一部が特定防火対象物の用途に供されているもの
ロイ以外の複合用途防火対象物
(16の2) 地下街
(16の3) 準地下街
(17) 重要文化財、史跡等に指定された建造物。
(18 ) 延長 50 メートル以上のアーケード
(19) 市町村長の指定する山林
(20 ) 総務省令で定める舟車

 

2(6)項口自力避難困難者入所施設
老人ホームなどの社会福祉施設のうち、主に自力で避難するのが困難な人が入所・入居している施設が、(6)項ロに入ります。具体的には次のような施設が該当します(細かく覚える必要はありません)。

1老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、老人短期入所事業を行う施設、小規模多機能型居宅介護施設、認知症対応型老人共同生活援助施設など
2救護施設
3乳児院
4障害児入所施設
5障害者支援施設、障害者短期入所等施設

3(6)項ハその他の社会福祉施設等
(6)項ロに含まれない社会福祉施設等が、(6)項ハに入ります。具体的には次のような施設が該当します(こちらも細かく覚える必要はありません)。消防設備士試験では、これらの施設を、大きく。宿泊施設のあるものとないものに分けて考えます。

1老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム、老人デイサービス事業を行う施設、小規模1多機能型居宅介護事業を行う施設など
2更生施設
3助産施設、保育所、認定こども園、児童養護施設、児童自立支援施設、児童「家庭支援センター、一時預かり・家庭的保育事業を行う施設など
4児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設、児童発達支援・放課後等デイサービス施設
5身体障害者福祉センター、障害者支援施設、地域活動支援センター、福祉ホームなど

ノマド・ワークス (著), 一般社団法人 東京防災設備保守協会 (監修)
出版社: インプレス (2016/12/5)、出典:出版社HP

特定防火対象物
防火対象物のうち、不特定多数の人が出入りする施設や、利用者の避難が難しい施設については、特定防火対象物としてより厳しい規制をかけています。

特定防火対象物かどうかまぎらわしいものもいくつかあるので注意しましょう。たとえば、デパート(百貨店)やホテルは特定防火対象物ですが、マンションなどの共同住宅は非特定防火対象物になります。また、幼稚園や保育所は特定防火対象物ですが、小学校以上の学校や図書館、博物館、美術館などは非特定防火対象物です。

複合用途防火対象物
1つの建物を、複数の用途(令別表第1(1)~(15)項の用途)で使っている場合を複合用途防火対象物といいます。店舗とレストランと映画館が併設された複合商業施設や、いわゆる「雑居ビル」などが該当します。複合用途防火対象物の用途の1つに、特定用途が含まれている場合には、その建物全体が特定防火対象物(令別表第1(16)項イ)となります。

病院に食堂や売店が付属している場合など、複数の用途部分があっても、複合用途防火対象物とみなされない場合もあります。

地下街、準地下街とは
地下街は、公共の地下通路に面して、店舗などが設けられている施設です。また、建物の地階部分を公共の地下通路でつなぎ、地下街を構成している場合を準地下街といいます。地下街も準地下街も、用途にかかわらず特定防火対象物となります。ちなみに、全国に地下街は64か所、準地下街は7か所あります。

理解度チェック
正しい記述は○、誤っている記述は×で答えなさい。

1防火対象物とは、山林または舟車、船きょもしくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物または物件をいう。
2複合用途防火対象物とは、防火対象物で政令で定める2以上の用途に供されるものをいう。
3消防法令上、幼稚園は特定防火対象物である。
4消防法令上、マンションは特定防火対象物である。

解答
1×「または物件」は消防対象物です。
2○正しい。
3○正しい。18ページの表の(6)項二参照。
4×マンション(共同住宅)は非特定防火対象物です。

ノマド・ワークス (著), 一般社団法人 東京防災設備保守協会 (監修)
出版社: インプレス (2016/12/5)、出典:出版社HP

目次 – 試験にココが出る! 消防設備士6類 教科書+実践問題

目次

受験ガイド
重要項目直前チェック

第1章 消防関係法令
第2章 消防関係法令(第6類に関するもの)
第3章 機械に関する基礎知識
第4章 消火器の構造
第5章 消火器の規格
第6章 消火器の点検と整備
第7章 実技試験対策

模擬テスト
索引

ノマド・ワークス (著)
出版社: インプレス (2017/9/15)、出典:出版社HP

防火対象物

ここで学習する用語
・防火対象物・・・火災予防の対象となる山林、川車、繁留中の船舶、建築物その他の工作物もしくはこれらに属する物
・消防対象物・・・消火活動の対象となる山林、滑車、繋留中の船舶、建築物その他の工作物または物件
・特定防火対象物・・・消防法施行令別表第1(1)~(4)項、(5)1項、(6)項、(9)項イ(16)項、(16の2)項、(16の3)項の防火対象物
・複合用途防火対象物・・・・2つ以上の用途に供される防火対象物

防火対象物とは
まず最初の重要な用語として、防火対象物という言葉を覚えてください。防火対象物とは、火災予防の必要上、規制の対象となる建築物のことで、「消防法」という法律で次のように定義されています。

防火対象物
山林または舟車、船きょもしくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物もしくはこれらに属する物。

防火対象物とまぎらわしいものに、消防対象物があります。こちらは次のように定義されています。

消防対象物
山林または舟車、船きょもしくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物または物件。

消防対象物には、消火活動の対象となるものが幅広く含まれるので、建築物以外の「物件」(家具、植木など)も含まれます。防火対象物に関係する、次の用語も頭に入れておきましょう。

関係者
防火対象物または消防対象物の所有者や管理者、占有者をまとめて「関係者」といいます。たとえばテナントビルの場合は、ビルのオーナーが所有者、管理を受け持つ管理会社が管理者、各部屋の入居者が占有者です。

関係のある場所
防火対象物または消防対象物のある場所のことです。

check!○か?×か?
防火対象物とは、山林または舟車、船きょもしくはふ頭に繋留された船舶、建築物その他の工作物または物件をいう。
答え 「または物件」ときたら、消防対象物です。(答え:×)

特定防火対象物とは
防火対象物は、用途によって次ページの表のように分類されます。この表は、消防法施行令という政令の別表第1(略して令別表第1)と呼ばれるもので、この後も繰り返し出てきます。表のうち、色文字で示す用途の建築物を特定防火対象物といいます。特定防火対象物は不特定多数の利用者が出入りしたり、利用者の避難が困難だったりするので、通常の防火対象物より規制が厳しくなっています。

用途
(1) イ劇場、映画館、演芸場または観覧場
口公会堂または集会場)
(2) イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブ等
日 遊技場またはダンスホール
ハ性風俗関連特殊営業を営む店舗等
ニカラオケボックス・ネットカフェ・漫画喫茶等
(3) イ 待合、料理店等
口 飲食店
(4) 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗または展示場
(5) イ 旅館、ホテル、宿泊所等
口 寄宿舎、下宿または共同住宅
(6) イ 病院・診療所・助産所
口自力避難困難者入所施設。
ハその他の社会福祉施設等
二幼稚園または特別支援学校
(7) 小学校、中学校、高等学校、大学、専修学校等
(8) 図書館、博物館、美術館等
(9) イ 蒸気浴場、熱気浴場等
ロイ以外の公衆浴場
(10) 車両の停車場または船舶もしくは航空機の発着場
(11) 神社、寺院、教会等
(12) イ 工場または作業場
ロ 映画スタジオまたはテレビスタジオ
(13) イ 自動車車庫または駐車場
口 飛行機または回転翼航空機の格納庫
(14) 倉庫
(15) 前各項に該当しない事業場(会社などの一般的な事務所)
(16) イ 複合用途防火対象物のうち、その一部が特定防火対象物の用途に供されているもの
ロイ以外の複合用途防火対象物
(16の2) 地下街
(16の3) 準地下街
(17) 重要文化財、史跡等に指定された建造物。
(18 ) 延長 50 メートル以上のアーケード
(19) 市町村長の指定する山林
(20 ) 総務省令で定める舟車

 

ノマド・ワークス (著)
出版社: インプレス (2017/9/15)、出典:出版社HP

特定防火対象物

(1)項イ 劇場、映画館、演芸場または観覧場 項ロ 公会堂または集会場
(2)項イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブ等 項ロ 遊技場またはダンスホール 項ハ 性風俗関連特殊営業を営む店舗等 項ニ カラオケボックス、ネットカフェ等
(3)項イ 待合、料理店等 ロ 飲食店
(4)項 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗または展示場
(5)項イ 旅館、ホテル、宿泊所等
(6)項イ 病院、診療所、助産所 項ロ 自力避難困難者入所施設 項ハ その他の社会福祉施設 項ニ幼稚園または特別支援学校
(9)項イ 蒸気浴場、熱気浴場等
(16)項イ 複合用途防火対象物のうち、その一部が特定防火対象物の用途に供されているもの
(16の2)項 地下街
(16の3)項 準地下街

試験ではこう出る!
次のうち、特定防火対象物のみからなる組合せはどれか。

1映画館、地下街、事務所
2ホテル、共同住宅、デパート
3幼稚園、小学校、図書館
4蒸気浴場、特別養護老人ホーム、保育所

答え 本試験では、特定防火対象物がどれかを答える問題がよく出題されます。
1映画館は(1)項、地下街は(16の2)項の特定防火対象物です。銀行やオフィスビルなどの事務所は(15)項の「前各項に該当しない事業場」に該当し、特定防火対象物ではありません。
2ホテルは(5)項イ、デパート(百貨店)は(4)項の特定防火対象物です。マンション、アパートなどの共同住宅は、(5)項ロに該当するので、特定防火対象物ではありません。
3幼稚園は(6)項ニの特定防火対象物ですが、小学校、図書館はそれぞれ(7)項、(8)項に該当し、特定防火対象物ではありません。
4蒸気浴場は(9)項イ、特別養護老人ホームは(6)項ロ、保育所は(6)項ハに該当する特定防火対象物です。
(答え:4)

令別表第1の詳しい説明
令別表第1の各項のうち、とくに注意が必要なものについて説明しておきましょう。

1病院・診療所・助産所
令別表第1の(6)項イは、病院と診療所、助産所などの特定防火対象物です。「病院」と「診療所」は、入院患者のベッド数などによって区別されますが、令別表第1ではさらに細かく、次の4つに分類されています。

1特定診療科の病院
2特定診療科の診療所(4人以上の入院施設があるもの)
31以外の病院、2以外の有床診療所・有床助産所
4無床診療所・無床助産所

消防設備士の試験では、これら4つを、おおまかに入院施設があるもの(1~3)と、入院施設がないもの(4)とに分けて考えます。

2自力避難困難者入所施設
令別表第1の(6)項ロは、老人ホームなどの社会福祉施設のうち、主に自力で避難するのが困難な人が入所・入居している施設が該当します。具体的には次のような施設です(細かく覚える必要はありません)。

1老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、老人短期入所事業を行う施設、小規模多機能型居宅介護施設、認知症対応型老人共同1生活援助施設など
2救護施設
3乳児院
4障害児入所施設
5障害者支援施設、障害者短期入所施設
※避難が困難な要介護者を主として入居させるものに限る。

3その他の社会福祉施設等
(6)項ロに含まれない社会福祉施設等が、(6)項ハに分類されます(こちらも細かく覚える必要はありません)。

1老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム、老人
福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム、老人デイサービス事業を行う施設、小規模多機能型居宅介護施設など
2更生施設
3助産施設、保育所、認定こども園、児童養護施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター、一時預かり・家庭的保育事業を行う施設など
4児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設、児童発達支援・放課後等デイサービス施設
5身体障害者福祉センター、障害者支援施設、地域活動支援センター、福祉ホームなど
これらの施設も、「宿泊できるもの」と「宿泊できないもの」で規制が異なる場合があります。
※(6)項ロに掲げるものを除く。

4複合用途防火対象物
1つの建物を、複数の用途で使っている場合を複合用途防火対象物といいます。店舗とレストランと映画館が併設された複合商業施設や、いわゆる「雑居ビル」などが、複合用途防火対象物です。複合用途防火対象物の用途の1つに特定防火対象物の用途が含まれている場合は、その建物全体が特定防火対象物(令別表第1(16)項イ)となります。病院に食堂や売店が付属している場合など、複数の用途部分があっても、複合用途防火対象物とみなされない場合もあります。

5地下街、準地下街
公共の地下通路に面して、店舗などが設けられている施設を地下街といいます。これに対し、建物の地階部分を公共の地下通路でつなぎ、地下街を構成している場合を準地下街といいます。地下街も準地下街も、用途にかかわらず特定防火対象物です。
全国に地下街は64か所、準地下街は7か所あります。

○か?×か?
1階が店舗、2階と3階が共同住宅の建物は、特定防火対象物である。
答え 1階が特定用途(飲食店)の複合用途防火対象物なので、特定防火対象物です。
(答え:○)

ノマド・ワークス (著)
出版社: インプレス (2017/9/15)、出典:出版社HP

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