浄化槽管理士試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




浄化槽管理士の概要

浄化槽管理士とは、浄化槽の保守点検業務に従事する資格です。法廷処理施設など一部の処理施設を除いて排水をする場合、浄化槽での処理をしなければなりません。浄化槽を設置するには浄化槽設備士の監督が必要であり、保守点検には浄化槽管理士の資格が必要になります。浄化槽法により基づいている国家資格です。浄化槽設備士とは異なり、資格の受験に実務経験の有無は問われていません。また、浄化槽設備士講習を修了することでも資格を取得できます。浄化槽設備士の資格を有している場合は、試験科目の一部が免除されます。

最新の浄化槽管理士テキストを確認する
Amazon  Rakuten

浄化槽管理士試験の公式テキストは?

公式の対策テキストの確認はできませんでした。浄化槽管理士講習会のテキストである「浄化槽の維持管理」が運営元の日本環境整備教育センターから販売されています。テキストは公式ホームページで購入できます。ここでは市販の対策テキストをご紹介します。

浄化槽管理士のおすすめテキスト

1.「6ヵ年全問題収録 浄化槽管理士試験完全解答(改訂6版)」(オーム社)

設備と管理編集部 (編集)
出版社: オーム社; 改訂6版 (2019/6/15)、出典:amazon.co.jp

本書は、浄化槽管理士試験の問題とその解答・解説を、2013(平成25)年度から2018(平成30)年度までの6年間分を全問収録した書籍です。浄化槽管理士試験合格への近道は、過去問をより多く制覇することにあります。本書では、関連する法令(抜粋)を掲載し、随時参照しながら学習できるようにしています。また、本書を通じて浄化槽管理の実務に必要な事柄を学ぶことができるので、現在の仕事にも役立ちます。

2.「よくわかる最新水処理技術の基本と仕組み[第3版]」(秀和システム)

和田洋六 (著)
出版社: 秀和システム; 第3版 (2017/12/20)、出典:amazon.co.jp

本書は、一般の方や学生向けに、汚れた水をきれいな水に蘇らせ再利用できるようにする水処理技術をわかりやすく解説した入門書です。薬品を使わない水処理、膜処理の要点、物理化学的排水処理、MBR、雨水利用、汚泥の処理など水処理技術の基礎知識がわかります。

最新の浄化槽管理士テキストを確認する
Amazon  Rakuten

目次 – 6ヵ年全問題収録 浄化槽管理士試験完全解答(改訂6版)

はしがき

昭和60年に施行された浄化槽法において,浄化槽の適正な保守点検を確保するための制度として,浄化槽管理士の資格が設けられました.

浄化槽は,人間の活動に伴う汚水を処理する手段として下水道と並んで重要な施設であり,初期には便所の水洗化に大きな役割を果たしました.また近年では、台所や浴室等から排出される生活雑排水による水質汚濁が問題となり,平成13年にはこれらを併せて処理する合併処理浄化槽の設置が法律で義務づけられました.さらに,環境問題への関心が高まるなかで浄化槽法など関連法規は改正を重ね,より浄化能力の高い設備が要求されるようになっています.

これらの法律に従って設置された浄化槽でも,適切に維持管理されなければ,本来の機能を発揮することはできません.このため,浄化槽の保守点検業務を行う浄化槽管理士の果たす役割はますます重要なものとなり,求められる知識も専門化しています.浄化槽管理士の国家試験の重要性が高まるのは必定でしょう.

本書は,浄化槽管理士試験の問題を,平成25年から30年までの6年間にわたって掲載し,その解答と解説を試みたものです.実際の試験問題を数多く解くことによって、出題のパターンとポイントをつかむことができ、短期間で効率的に実力アップを図ることができます.また巻末には、関連する法規や基準値(浄化槽法,環境省関係浄化槽法施行規則,屎尿浄化槽及び合併処理浄化槽の構造方法を定める件,水質汚濁に係る環境基準,一律排水基準)等を収録し,随時参照できるようにしてあります.

本書を活用され,みごと合格の栄冠に輝けることを祈念いたします.

設備と管理 編集部

設備と管理編集部 (編集)
出版社: オーム社; 改訂6版 (2019/6/15)、出典:出版社HP

浄化槽管理士試験 実施要領

1. 試験期日
毎年 10月中~下旬の日曜日

2. 試験地
宮城県, 東京都, 愛知県, 大阪府, 福岡県
(試験会場等の案内は,受験票送付の際に通知)

3. 試験科目
(1) 浄化槽概論
(2) 浄化槽行政
(3) 浄化槽の構造及び機能
(4) 浄化槽工事概論
(5) 浄化槽の点検,調整及び修理
(6) 水質管理
(7) 浄化槽の清掃概論

4. 受験資格
学歴,実務経験は一切問われない.

5. 受験申請書の入手方法
受験を申し込むには、まず受験申請書を(公財)日本環境整備教育センターから取り寄せる必要がある.受験申請書の頒布は毎年6月初~中旬開始. 入手方法は、右ページ下の問い合わせ先に問い合わせるか、ホームページ(http://www.jeces.or.jp)で確認のこと.

6. 受験手続き

(1) 提出書類(受験申請書等)
①浄化槽管理士試験受験申請書
②浄化槽管理士試験受験写真用台紙(写真貼付)及び浄化槽管理士試験受験票
③浄化槽管理士試験受験票送付用の返信用封筒
④結果通知送付用シール

(2) 受験申請書等の受付期間,提出場所
①受験に関する書類は,決められた期間(毎年6月下旬から8月上旬頃まで)に、(公財)日本環境整備教育センターに提出する. 提出方法は,直接持参するか(土,日,祝日を除く午前 10時から午後4時まで),郵送の場合は簡易書留により送付する.
②受験申請書等が受理された後の,書類の返還と受験地の変更は認められない。
③受験手数料:20,200円(平成30年度)
(公財)日本環境整備教育センターが指定する払込用紙を用い,受験者名で郵便振替または銀行振込により納付し、払込受付証明書を受験申請書裏面に貼付する.

7. 受験票の送付
受験票は,(公財)日本環境整備教育センターから直接受験者に送付される(発送予定日は毎年9月中旬).

8. 合格者の発表/免状の交付
試験終了後2か月以内に,合格者の受験番号が(公財)日本環境整備教育センターのホームページ(http://www.jeces.or.jp)において発表されるとともに,合格証書または不合格の旨が郵送される.
合格者には,浄化槽管理士免状交付申請書が同封されるので,所定の手続きを行うと,浄化槽管理士免状が交付される.

■問い合わせ先
公益財団法人 日本環境整備教育センター 国家試験事業グループ
〒130-0024 東京都墨田区菊川2丁目 23 番地3
電話03-3635-4881
http://www.jeces.or.jp

もくじ

■浄化槽管理士試験 実施要項

浄化槽管理士試験過去問題と解答
平成30年度 問題/解答と解説
平成29年度 問題/解答と解説
平成28年度 問題/解答と解説
平成27年度 問題/解答と解説
平成26年度 問題/解答と解説
平成25年度 問題/解答と解説

関連法規
浄化槽法
浄化槽法施行令(抄)
環境省関係浄化槽法施行規則
屎尿浄化槽及び合併処理浄化槽の構造方法を定める件(告示)
浄化槽法の運用に伴う留意事項について(通知)
(環境基本法に基づく)
水質汚濁に係る環境基準(抜粋)
(水質汚濁防止法に基づく)
排水基準を定める省令(抜粋)

設備と管理編集部 (編集)
出版社: オーム社; 改訂6版 (2019/6/15)、出典:出版社HP

目次 – 浄化槽管理士試験 合格応援問題集-700問(7年分)の試験問題を分野別に掲載-

はしがき

「ようこそ浄化槽ワールドへ.(Welcome to the world of Johkasou)」

この本を手にされた方は,なんらかのきっかけで浄化槽に関心を持たれた方に違いない.

21世紀は「水の世紀」といわれる.現在,世界中で70億人を超える人口のうち,約5人に1人は安全な水を確保できず,約24億人が安全な衛生設備にアクセスできないといわれている.

本書は「浄化槽管理士」国家試験の合格を目指す方々のために,平成30年度(第35回)試験から直近の過去7年間の全問題(計700問)を出題分野別に整理し,解説を試みたものである.
浄化槽法が昭和58年(1983年)5月18日に制定され36年が経過した.昭和60年に第1回浄化槽管理士試験が

実施され昨年で計35回を数えるに至っている.この間,出題問題の公表が平成13年(2001年)の第18回から行われて,平成18年(2006年)の第23回からは,出題問題と共に解答も公表されるに至っている.

試験問題の特徴は,広範囲ながら,重要なテーマについては,繰り返し出題されていることである.そこで,効果的な勉強の方法は,読者の得意な分野から手をつけることをお勧めする.本書は分野別になっているので,入りやすい分野から読み進んで自信をつけていかれることが得策と考える.浄化槽の維持管理は,法令関係はもちろんのこと,土木,建築,機械,電気,化学,生物などの幅広い知識が必要とされる総合エンジニアリングである.

汚水処理人口普及率は,下水道,農業集落排水施設等,浄化槽,コミュニティプラント等での汚水処理施設による整備人口の総人口に対する割合を示すものであり,平成28年3月末現在で89.9%である.未だ約1,300万人の人々が衛生的な汚水処理の恩恵に浴していない.一方,約420万基のみなし浄化槽が存在していることは,生活排水対策上,喫緊の課題である.

浄化槽は個別分散型の生活排水処理システム(Domestic Waste water Treatment System)であり,ライフサイクルコスト(L.C.C)の上からも費用対効果が優れている.下水道システムと浄化槽システムは車の両輪であり,これらのシステムのベストミックスを通して日本における健全な水循環と公共用水域の水質保全が担保されると考える.また,この優れた日本型浄化槽が,世界の生活排水対策に寄与できるものと確信する.

本書は,浄化槽管理士試験の受験者はもちろんのこと,排水処理関連の技術者,環境分野の学部学生,水環境に関心をもっておられる方々など,幅広い読者を想定して著した.

水道の給水栓(蛇口)をひねったとき,排水口に汚水を流すときに,懸命に働いている浄化槽に想いをめぐらせることのできるようなきっかけに本書がなれば,望外の喜びである.

最後に,本書を活用して1人でも多くの浄化槽管理士(iohkasou operator)が誕生し,活躍されることを願ってやまない.

もとより浅学非才ゆえ,誤っている箇所があるかと考える.忌憚のないご批判をいただけたら幸いである.

2019年6月
著者しるす

本文中の「上巻OP」,「下巻OP」について
「浄化槽の維持管理:浄化槽管理士講習テキスト(日本環境整備教育センター),2016年」の上巻,もしくは下巻の参照ページになります.

関根 康生 (著)
出版社: コアコンテンツ (2019/9/16)、出典:出版社HP

目次

■第1章 浄化槽概論
1.1 水資源と水循環
1.1.1 水資源
1.1.2 水の循環
1.1.3 水環境の保全
1.1.4 汚水の発生源とその種類
1.1.5 生活排水処理システムの種類
1.1.6 浄化槽のしくみ
1.2 生活環境の保全
1.2.1 汚水の水環境への影響.
1.2.2 水質汚濁の種類と影響
1.3 汚水処理に関する基礎知識
1.3.1 浄化槽で用いられる単位
1.3.2 汚水処理に関する物理作用
1.3.3 汚水処理に関する生物作用
1.3.4 汚水処理に関する反応
1.3.5 水質に関する基礎知識
1.4 汚水処理の基本的考え方
1.4.1 汚水処理のしくみ
1.4.2 生物膜と活性汚泥
1.4.3 物理・化学・生物処理の組み合わせ

■第2章 浄化槽行政概論
2.1 浄化槽をとりまく状況
2.1.1 生活排水処理の現状
2.1.2 生活排水処理の計画的推進
2.1.3 浄化槽の普及状況
2.2 浄化槽法
2.2.1 浄化槽法制定に至る経緯
2.2.2 浄化槽法の概要
2.2.3 浄化槽に定める定義
2.2.4 製造に関する規定
2.2.5 設置に関する規定
2.2.6 管理に関する規定
2.2.7 検査に関する規定
2.2.8 監督に関する規定
2.3 浄化槽管理士の身分資格と浄化槽の管理
2.3.1 身分と業務
2.3.2 保守点検の概説
2.3.3 清掃の概説
2.3.4 使用準則の概説
2.4 関係法規
2.4.1 関係法規の概要
2.4.2 水質保全関係法規

第3章 浄化槽の構造と機能
3.1 概論
3.1.1 構造基準の変遷
3.2 汚水処理の流れ
3.3 計画と設計の考え方
3.3.1 基本的な考え方
3.3.2 汚水量,水質の設定
3.3.3 処理対象人員算定基準の留意事項
3.4 構造基準
3.4.1 構造基準・構造方法
3.4.2 一般構造
3.4.3 一次処理装置の構造と機能
3.4.4 二次処理装置の構造と機能
3.4.5 汚泥処理装置の構造と機能
3.4.6 付属機器類の構造と機能
3.4.7 高度処理装置の構造と機能
3.4.8 国土交通大臣による認定
3.4.9 その他の方式を含めた高度処理の方法
3.5 付加装置
3.5.1 油脂分離装置
3.5.2 汚泥濃縮,脱水装置

第4章浄化槽工事概論
4.1設置の手続きと関連法規
4.1.1 関連法則
4.2 図面の見方
4.2.1 図面の見方
4.2.2 寸法
4.2.3 配管図
4.2.4 電気図
4.2.5 浄化槽図面の事例
4.3 施工状況の把握
4.3.1 一般的な工事の手順
4.3.2 排水管・升の施工法
4.3.3 工事に関する写真の保存
4.3.4 電気工事

第5章 水質管理の意義と実際
5.1 試料の採取及び水量の測定方法
5.1.1 試料の採取方法
5.1.2 水量の測定方法
5.2 試験方法とその意義
5.2.1 現場における水質測定の方法と意義
5.2.2 室内における水質分析の方法と意義
5.2.3 簡易測定器による水質測定の意義と方法
5.3 処理水質の評価
5.3.1 水質評価の方法

第6章 処理方式別保守点検,機能評価及び管理技術
6.1 保守点検の技術上の基準と維持管理ガイドライン
6.1.1 保守点検の技術上の基準
6.2 保守点検の実施にあたっての注意事項
6.2.1 保守点検の保存
6.2.2 保守点検に用いる器具機材
6.2.3 使用開始直前の保守点検
6.3 通常の使用状態における保守点検
6.3.1 現場における保守点検の手順
6.3.2 一次処理装置
6.3.3 二次処理装置
6.3.4高度処理装置
6.4 処理機能の評価と実流入条件に対応した管理技術
6.4.1 みなし浄化槽の処理機能の評価と実流入条件に対応した管理技術
6.4.2 浄化槽の処理機能の評価と実流入条件に対応した管理技術
6.5 浄化槽における衛生害虫対策
6.5.1 衛生害虫による被害
6.5.2 浄化槽から発生する害虫の種類
6.5.3 衛生害虫対策
6.6 臭気対策
6.6.1 臭気の発生実態
6.6.2 臭気の発生源別原因と対策
6.6.3 臭気の測定 6.6.4 騒音対策

第7章 修理,改善及び変更工事
7.1 配管設備の点検及び修理
7.2 躯体の点検及び修理
7.2.1 FRP製浄化槽の事故と修理
7.2.2 RC製浄化槽の事故と修理
7.3 付帯設備の修理
7.3.1 自動運転に使用される機器類
7.3.2 モーター
7.3.3 換気装置
7.3.4 ポンプ
7.3.5 ブロワ
7.3.6 電磁弁・電動弁及び汚泥掻き寄せ機
7.4 既設施設の改善
7.4.1 浄化槽の改善

第8章 清掃概論。
8.1 清掃の技術上の基準
8.2 現場における清掃作業の手順及び注意点
8.2.1 みなし浄化槽の清掃作業の手順及び注意点
8.2.2 浄化槽の清掃作業の手順及び注意点
8.3 清掃に用いる器具・機材
8.4 浄化槽汚泥の処理
8.4.1 浄化槽汚泥の処理の考え方
8.4.2 浄化槽汚泥の発生量
8.4.3 処理,処分について

第9章 衛生・安全対策
9.1 衛生対策
9.1.1 水系の主な感染症
9.2 安全対策
9.2.1 安全管理体制
9.2.2 酸素欠乏
9.2.3 硫化水素中毒
9.2.4 感電

参考文献
索引

関根 康生 (著)
出版社: コアコンテンツ (2019/9/16)、出典:出版社HP