医療秘書技能検定は本当に役に立つ?資格の概要から取得時の魅力まで




医療秘書技能検定とは?

医療秘書とは?

病院などの医療機関に勤務する、医学・医療知識、事務管理の知識・技能などを備えた秘書のことです。
一般的な秘書のイメージを持っていただけるとわかりやすいでしょう。
医師や院長、役員などのスケジュール管理など医療機関でサポート業務を行います。その他にも病院の受付、レセプトの作成などの事務作業も行うなど幅広い仕事内容となっています。

このように医療秘書のメインの仕事は秘書業務ですが、その他にも様々なことで医療機関に広く関わっていることがわかります。

医療秘書技能検定の概要

医療秘書としての必要な知識と技能をもっているかを測る検定試験のことです。この検定は一般社団法人 医療秘書教育全国協議会が実施している民間資格となっています。

この検定は年二回実施されており、1級、準1級、2級、3級と分かれています。
3級が最も難易度が低く合格率も70%以上です。
しかし2級、準1級、1級になるにつれ難易度は高まり、合格率も2級は50%程度、準1級は30%程度、1級においては20%程度と大変低くなっています。

出題内容としては医療秘書実務、医療機関の組織・運営、医療関連法規の領域1、医学的基礎知識、医療関連知識の領域2、医療事務の領域3の3つの領域があります。
それぞれの領域から各級の難易度に応じた問題が出題されます。

全級共通の合格基準として、3つの領域においてそれぞれ100点ずつ配点されています。全体で180点以上、各項目60%以上正解で合格となります。
出題形式としては、マークシートと記述式が併用された解答方式となっています。

この検定の大きな特徴として受験資格が必要ありません。
学生から主婦まで幅広い世代の人が検定試験を受験しており、誰でも受けられる検定となっているのです。

医療秘書を目指す方にとっては手がつけやすい資格の一つなのではないでしょうか。

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出典:出版社HP

医療秘書技能検定を受ける意味は?

就職ではそこまで有利にならない

まず、そもそも医療秘書になるために資格は取得する必要ありません。資格がなくても医療秘書として働けるのです。
実際、資格の有無を問わず求人募集しているところも多く、医療秘書技能検定を持っているからといって就職で有利になるとは言えないことは確かです。

かといって全く有利にならないわけではありません。医療秘書技能検定に合格しているということは、医療秘書として仕事するために必要な知識を一定程度持っていることの証明になるので、就職で有利になる場合もあります。

先ほども言いましたが、この医療秘書技能検定には受験資格が必要ありません。そのため気軽に挑戦できるので、医療秘書として働く際、持っておいて損はない資格の1つであるのです。

即戦力になれる

確かに、この資格は民間資格のため、国家資格ほど価値が高いとは言えません。この資格を目指すためにわざわざお金を払って通信講座などを受けるより、国家資格を目指した方が良いというような考え方もあります。
しかし、医療秘書という業務に関する深い知識を習得していることを証明できるので、即戦力として働け、仕事をしていく上で資格を持たない人よりは有利になると言えます。

専門知識が身に付く

また、医療秘書は業務の幅が広く、専門知識も必要になるため、資格を取得することでそれらの知識についても学ぶことができます。この医療秘書技能検定には受験資格が必要ないため、これから医療秘書として働こうと思っている方はもちろん、既に働いている方もスキルアップをするために手のつけやすい資格なのです。

ビジネスマナーが身に付く

その他にも、この検定では、敬語などの言葉遣いや適切な電話・来客対応、手紙の書き方など、医学的知識の他にも社会人として身につけておくべきビジネスマナーが問われます。そのため、この検定は仕事をする上で必要な礼儀作法も身につけられる資格ともいえるのではないでしょうか。

このような意味でも、この資格を取得する意味がないとは言いきれないでしょう。

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取得までに必要な勉強時間

先ほども説明した通り、試験範囲には領域1、領域2、領域3の3つの領域が含まれます。それぞれの領域によって難易度も異なり、特に領域2は医学の知識や解剖学、生理学や疾患、診療録・看護録の内容把握など、出題される範囲が幅広いので、出題を予測する事も難しいです。
一方、領域3に関しては、参考書やノート、診療点数早見表を持ち込めるので難易度はそれほど高くはありません。

どの分野に重点を置いて勉強するかの選択が大切になってきます。

では、それぞれの級においてどれくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。

それぞれの級での違い

医療秘書技能検定は1級、準1級、2級、3級と分かれています。
3級が最も難易度が低く、1級が難易度の最も高いものとなっています。
そのため、当然難易度が上がるにつれ勉強時間も増えることは納得していただけると思います。

それぞれの級の必要勉強時間は、3級で300時間、2級が400時間、準1級で400時間以上、1級は1年以上の勉強と実務経験が必要とも言われているのです。

勉強方法

勉強方法としては、独学と通信講座やスクールで受講する勉強法があります。

独学での勉強法としては、テキストや問題集を使い、過去問を中心に勉強する勉強法が有効ですが、準1級、1級に関しては問題集、過去問が発売されていません。そのため不可能とは言いませんが、独学で資格を取得することが大変難しいと言えます。

この検定自体、特に専門学校生が受験することが多く、専門知識をスクールで長期にわたって学習していることが多いのです。
そのため、医療系初心者の方は独学での勉強方法だけでなく通信講座で基礎を学び、医療関連の知識を習得するのも一つの手段であると言えます。

自分の好きな時間で勉強できる独学か通信講座で学ぶか、人によってどちらの方が良いというのは異なってくると思います。自分自身に合った勉強方法を探し対策を練ることが大切です。

まとめ

医療秘書として働くために資格は必要ありません。
しかし、医療現場で働くためには医学の基礎知識は必要なものとなってきます。

医療秘書技能検定は医学の基礎知識や秘書としてのマナーを学べる目指しやすい資格の1つなのではないでしょうか。

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