農業簿記を取得するメリットとは? – 特徴や有利になる点をチェック!
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農業を行う人に注目され、年々受験者も増加している農業簿記ですが、この資格にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は農業簿記取得のメリットを紹介するので、資格の取得に役立ててみてください。
農業簿記とは
農業簿記とは、農業に従事している人やその関係者が、現代にあった農業経営を行うために必要な簿記の知識を評価する資格です。日商簿記と違い、農業に関する問題も出題範囲に含まれているので、農業組合や農業系の学校からの受験者が多いです。
1級・2級・3級があり、誰でも受験することができます。財務会計や原価計算のような簿記の基本問題から農企業の財務諸表など農業簿記ならではの問題が、マークシートで出題されます。農業に携わっている人やその予定の人に注目されており、年々受験者が増えています。
合格率は3級が60%以上、2級が35〜45%、1級が25〜40%です。3級はそれほど難しい試験ではありませんが、2級や1級に合格するためにはしっかりと学習する必要があります。
農業簿記取得のメリット
経営の状態を把握できる
農業を行っていると、家計と農業会計を混同してしまうことが多いです。そのため、正確に経営の状態を把握できていない農家もあるのが実情です。しかし、会計管理や帳簿作成などを正確に行うと、経営の状態を数字として把握することができるようになります。
農業簿記の取得がより良い経営計画を立てたり、現在行っている無駄な費用を抑えたりすることにつながります。
収入保険制度の導入
農業経営を行っていると、台風などの自然災害や豊作による農作物の価格の低下、農作物の盗難などにより収入が激減することがあります。収入保険制度とは、このようなさまざまな要因で収入が減少した場合、国がその収入を補てんしてくれる制度です。具体的な保証内容は、過去5年の平均収入の9割を下回ったときに、下回った額の9割を上限に補てんするというものです。
この制度を利用するためには過去5年の平均収入を出す必要がありますが、正しい会計の知識がなければこれを行うことができません。農業簿記の勉強では正しい会計の知識や帳簿の流れを知ることができるので、収入保険制度も適切に利用することができるようになります。そのため、収入保険制度が導入された平成31年1月から農業簿記の受験者が増加し、より需要が高まっています。
受験費用が安い
日本商工会議所が主催する日商簿記の受験費用との比較が以下の表になります。
農業簿記 | 日商簿記 | |
1級 | 4,400円 | 7,850円 |
2級 | 2,200円 | 4,720円 |
3級 | 1,650円 | 2,850円 |
比較すると農業簿記の受験費用が非常に安いということがわかります。農業のために簿記の資格を取ろうとしている人であれば、農業独特の簿記を学ぶことができて費用も安い農業簿記を取得するのが最も良いでしょう。
難易度が高くない
農業簿記は1級、2級、3級がありますが、どれもそれほど難易度は高くありません。忙しくてなかなか勉強する時間が取れないという人でも、公式テキストや問題集で確実に合格できるレベルまで知識をつけることができます。農業経営を行っていると毎日仕事があるという場合も多いので、難易度が高くないということは農業簿記の大きなメリットでしょう。
おすすめの参考書・講座
公式テキスト・問題集
農業簿記を主催する日本ビジネス技能検定協会が出している公式テキストと問題集です。公式テキストと問題集を完璧にしておけば合格ラインに必ず届きます。1度目を通して終わりではなく、何度も勉強しましょう。
3級
農業簿記検定 教科書3級 (第2版)
農業簿記検定 問題集3級 (第2版)
農業簿記検定 過去問題集 3級 (第4版)
2級
農業簿記検定 教科書2級 (第4版)
農業簿記検定 問題集2級 (第4版)
農業簿記検定 過去問題集 2級 (第3版)
1級
農業簿記検定 教科書1級 財務会計編 第2版
農業簿記検定 問題集1級 財務会計編 第2版
農業簿記検定 教科書1級 管理会計編 第2版
農業簿記検定 問題集1級 管理会計編 第2版
農業簿記検定 教科書1級 原価計算編 第2版
農業簿記検定 問題集1級 原価計算編 第2版
通信講座
資格の大原
資格の大原が2級と3級の通信講座を行っています。講義DVDや質問対応などフォローサポートが充実しており、ひとりでの勉強に自信がないという人におすすめです。
まとめ
農業簿記は、農業を行う人にとって受験するメリットがたくさんある試験です。農業に特化した会計知識をつけるには、農業簿記が最も適しています。正確な経営状況を知らずに効率の悪い経営を行っている人は多いので、農業簿記を取得して自分の農家の経営状況をしっかりと分析してみましょう。