’21~’22年版 ユーキャンの第1種衛生管理者 重要過去問&予想模試




衛生管理者試験のおすすめテキスト・過去問予想問題!も確認する

はじめに

衛生管理者試験は、総得点で60%以上、各科目で40%以上得点できれば、合格できる試験です。試験内容は、過去問題と類似した問題が繰り返し出題されるという特徴があります。

そこで、本書は、過去問題を徹底的に分析したうえで、効率的に問題演習を行いながら合格に必要な知識を身につけられるようさまざまな工夫をしています。

●徹底的に過去問題を分析し、重要問題268問を厳選!
今後も出題されやすい過去問題を論点別に整理して掲載。問題ごとに重要度を3段階で表示していますので、効率良く取り組めます。

●科目別、論点別に掲載!
第一種衛生管理者試験では、5つの科目それぞれで40%以上の得点が必要です。各科目で確実に40%以上を得点できるよう、本試験で出題された問題を、科目別・論点別に厳選・整理して掲載しています。

●充実したわかりやすい解説!
一問一問、平易な表現で詳しく解説しています。なお、必要最低限の知識で合格できるよう、同じ知識で解ける問題についてはできる限り同じ解説を採用しています。また、「チェック!ここが狙われる」「合格エッセンス」などのプラスαの解説も、知識の強化に役立ちます。

●本試験のシミュレーションが可能!
過去問題「令和3年4月公表試験問題」と予想模擬試験を収載しています。学習の総仕上げとしてはもちろん、本試験のシミュレーションに最適です。

本書は、基本書による学習→問題演習→基本書による知識の再確認という流れで、姉妹書である『ユーキャンの第1種・第2種 衛生管理者 速習レッスン』と併用していただくと、さらに効率良く学習を進めることができるようになっています。
本書には『速習レッスン』の該当箇所も表示していますので、すぐに基本書に戻って復習することができます。

過去問題集は「1回解いて終わり」ではありません。本書を繰り返しご活用になり、見事試験に合格されることを、心より応援しています。

監修 波場久実

本書の使い方

STEP1 論点別問題で重要事項のチェック
まずは「論点別問題」を解いて、重要事項を学習しましょう。
衛生管理者試験では、同じ知識が形を変えて繰り返し出題される傾向があるので、解説の太字部分を中心に、頻出の知識を丁寧に押さえましょう。

STEP2 本試験形式にチャレンジ
論点別問題を終えたら、過去問題[令和3年4月公表試験問題]と予想模擬試験にチャレンジ。時間を計るなどして、本試験と同様の条件で行うと、シミュレーションの効果が高まります。
終了後は別冊の「解答・解説」で採点するとともに復習を行いましょう。


重要度
過去に出題された頻出論点など試験対策として重要度の高い順に★の数で示しています。★の数が多い問題について繰り返し学習し、確実に得点できるようにしましょう。

問題表示
R2,10-23
問題には、上記のように出典を表示しています。この場合、「令和2年10月公表試験・問23」を表しています。
なお、法改正による改訂を加えた問題に関しては、末尾に「改題」を付しています。また、選択肢の順や用語のみが異なる問題については、末尾に「類」を付しています。

基本書と対応
姉妹書の『ユーキャンの第1種・第2種 衛生管理者 速習レッスン』の対応箇所を示しています。

STEP3 繰り返し学習で弱点を克服
苦手な部分を発見したら、再び関連する論点別問題に取り組み、知識を確実なものとしてください。
総仕上げとして、再度巻末の「過去問題」と「予想模擬試験」にチャレンジすることをお勧めします。

おことわり

本書は、2021年6月までに施行された法令に基づき編集しております。本書の記載内容について、執筆時点以降の法改正情報などで、試験の対象となるものについては、下記「ユーキャンの本」ウェブサイト内「追補(法改正・正誤)」にて、適宜お知らせいたします。
https://www.u-can.co.jp/book/information


有害業務表示
試験で「有害業務に係るもの」として出題された問題であることを示しています。

補足解説
キーワード
問題を解くために重要となる専門用語やわかりにくい語を詳しく解説しています。
チェック! ここが狙われる
試験に出題されやすいポイントをピックアップし、わかりやすく解説しています。
合格エッセンス
合格するためには確実に覚えておきたい重要事項をクローズアップして解説しています。

※上に掲載しているページは本書の使い方を説明するための見本です。

資格について

1 衛生管理者とは

「衛生管理者」の資格取得学習を始めるにあたり、まずは「衛生管理者」とはどんな業務を行うものなのかを確認しましょう。

昨今の多様化する労働環境のなか、労働災害を未然に防ぎ安全で健康的な職場づくりを推進するエキスパートとして、多くの企業から求められているのが「衛生管理者」です。「衛生管理者」は国家資格である衛生管理者免許試験に合格した者、または一定の資格をもつ者(医師、歯科医師等)でなければならないと規定されています。

「衛生管理者」の設置について、具体的には、常時50人以上の労働者を使用する事業場において、衛生管理者免許を有する者のうちから労働者数に応じ一定数以上の衛生管理者を選任し、安全衛生業務のうち、衛生に係わる技術的な事項を管理させることが法律によって義務づけられています。ところが実際には、こうした「衛生管理者」の免許をもつ者の絶対数が不足していることもあり、未選任のままの企業も多く存在しています。このような状況のなかで、衛生管理者免許の取得者は、企業の総務・労務部門などから大いに期待されることは間違いないでしょう。

「衛生管理者」の免許には、第一種衛生管理者免許と第二種衛生管理者免許があります。
第一種衛生管理者免許を有する者は、工場などの危険あるいは有害な要素のある事業場を含むすべての事業場において、衛生環境を管理することができます。
第二種衛生管理者免許を有する者は、有害業務と関連のうすい情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など一定の業種の事業場においてのみ、衛生環境の管理が可能です。

衛生管理者免許を有する者の主な職務は、次のとおりです。

・健康に異常のある者の発見と処置
・労働環境の衛生に関する調査
・衛生教育や健康相談等の実施
・環境改善プランの立案と実行

2 衛生管理者試験について

それでは次に、衛生管理者試験がどのように行われるのかを確認しましょう。

衛生管理者試験は、厚生労働大臣指定試験機関である公益財団法人 安全衛生技術試験協会および全国7カ所にある安全衛生技術センターにて実施されています。受験に関しての概要は以下のとおりですが、詳細は、上記協会およびセンターにて頒布される免許試験受験申請書を各自で取り寄せて確認してください。

受験資格

衛生管理者試験の受験資格として、学校を卒業後、労働衛生に関する一定の業務に従事した経験のあることが必要です。受験に必要な労働衛生業務の実務経験年数は、最終学歴によって異なります。

〔最終学歴と経験年数〕
・大学(短大を含む)または高等専門学校の卒業者:労働衛生の実務経験1年以上
・高等学校の卒業者:労働衛生の実務経験3年以上
・中学校の卒業者:労働衛生の実務経験10年以上

有資格者(実務経験)

労働衛生に関する一定の業務(実務経験)については、通常、所属企業・団体などが発行する事業者証明書を提出することで認められます。実務経験は他の業務と兼任していても問題ありません。

出題数と受験科目

受験科目は、第一種、第二種ともに、「労働生理」「労働衛生」「関係法令」の3科目です。

労働生理 人体組織および機能、環境条件による人体の機能の変化、労働による人体の機能の変化、疲労およびその予防、職業適性などに関する知識
労働衛生 衛生管理体制、作業環境要素、職業性疾病、作業環境管理、作業管理、健康管理、健康の保持増進対策、労働衛生教育、労働衛生管理統計、救急処置などに関する知識
関係法令 労働基準法、労働安全衛生法、作業環境測定法およびじん肺法ならびにこれらに基づく命令中の関係条項に関する知識

有害業務に関連する問題は、第一種衛生管理者試験には出題されますが、第二種衛生管理者試験には出題されません。各科目の詳細と問題数は、次表のとおりです。

〔受験科目の詳細〕

受験科目 第一種衛生管理者(44問) 第二種衛生管理者(30問)
労働生理 10問 10問
労働衛生 有害業務に係るもの 10問
有害業務に係るもの以外のもの 7問 10問
関係法令 有害業務に係るもの 10問
有害業務に係るもの以外のもの 7問 10問

注:部分は、第一種、第二種共通出題分野です。

科目免除

第二種衛生管理者免許をすでにもっている者が第一種衛生管理者試験を受験するときは、「労働生理」の科目および「労働衛生」「関係法令」の2科目のうち有害業務に係るもの以外の問題が免除されます(特例第一種衛生管理者)。また、船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた者でその後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するものは、「労働生理」の科目が免除されます。

出題形式

試験の出題形式は、すべて5肢択一式で、解答用紙はマークシート記入方式の筆記試験です。

試験時間

各センターでの試験時間は、第一種衛生管理者試験、第二種衛生管理者試験ともに、3時間(13:30~16:30)です。ただし、特例第一種衛生管理者試験については、13:30~15:30の2時間。船員法による科目免除者については、13:30~15:45の2時間15分が試験時間となります。

合格基準

衛生管理者免許試験は、合格人数に制限はありません。基準点以上取れば、順位にかかわらず誰でも合格できます。試験科目(「有害業務に係るもの」と「有害業務に係るもの以外のもの」に範囲が分かれている科目はそれぞれの範囲を1科目とする)ごとに40%以上得点でき、かつ、すべての科目の合計得点が60%以上の場合に合格となります。

〔過去3年間の試験実施状況〕

第一種衛生管理者 第二種衛生管理者
年度 受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
2018年度 67,080人 29,631人 44.2% 32,985人 17,271人 52.4%
2019年度 66,498人 32,026人 46.8% 33,559人 18,511人 55.2%
2020年度 43,157人 18,916人 43.8% 22,220人 11,729人 52.8%

受験手続

公益財団法人 安全衛生技術試験協会および全国7カ所にある安全衛生技術センターにて頒布されている免許試験受験申請書用紙を入手のうえ、安全衛生技術センターへ申込手続を取ることが必要です。衛生管理者試験は毎月1~5回程度、各センターで実施されています。また、各センターから遠方の地域では年に1回、出張特別試験が実施されている場合もあります。ご自分の都合のよい受験日・受験場所を選んで申し込みましょう。

申込みの受付期間は、受験日の2カ月前から、郵送(簡易書留郵便による)の場合は14日前の消印まで、安全衛生技術センターの窓口へ持参する場合は2日前までです(各試験日の試験定員に達した場合は、受付期間内であっても受付が締め切られます)。

試験手数料は6,800円です。受験申請とともに支払うことになります。

試験に関する問い合わせ先

公益財団法人
安全衛生技術試験協会
〒101-0065 東京都千代田区西神田3-8-1
千代田ファーストビル東館9階
03-5275-1088
北海道安全衛生技術センター 〒061-1407 北海道恵庭市黄金北3-13 0123-34-1171
東北安全衛生技術センター 〒989-2427 宮城県岩沼市里の杜1-1-15 0223-23-3181
関東安全衛生技術センター 〒290-0011 千葉県市原市能満2089 0436-75-1141
中部安全衛生技術センター 〒477-0032 愛知県東海市加木屋町丑寅海戸51-5 0562-33-1161
近畿安全衛生技術センター 〒675-0007 兵庫県加古川市神野町西之山字迎野 079-438-8481
中国四国安全衛生技術センター 〒721-0955 広島県福山市新涯町2-29-36 084-954-4661
九州安全衛生技術センター 〒839-0809 福岡県久留米市東合川5-9-3 0942-43-3381

出題傾向分析&対策

第一種衛生管理者の試験科目は「労働生理」「労働衛生」「関係法令」の3科目に分かれています。うち、「労働衛生」と「関係法令」の2科目は、〈有害業務に係るもの〉と〈有害業務に係るもの以外のもの〉に分かれています。
試験は各科目(有害、非有害は別科目となるので、5科目)で40%以上、合計得点60%以上で合格となります。つまり、合計得点が60%以上であったとしても、5科目のうち40%未満の得点の科目が1科目でもあれば合格できないのです。広範な学習分野を効率良く学習し、苦手分野でも確実に得点するために、各科目ごとの概要と試験対策を紹介します。

労働生理

1. 科目概要

人体の組織やそのメカニズム、環境条件や労働による人体への影響などについて学習します。

2. 試験対策

労働生理は、中学校の理科で学ぶような内容です。人体に関する分野のため、なじみのある単語も多く、学習しやすく、得点源となる科目です。
科目範囲からまんべんなく出題される傾向にありますが、特に頻出の問題については重要度の★が3つとなっていますので、それらの問題から確実に解けるよう、優先的に繰り返し学習しましょう。なお、近年、「睡眠」や「疲労」「ストレス」に関しても出題頻度が上がってきています。★の数は少ないですが、きちんと学習しておきましょう。

労働衛生<有害業務に係るもの>

1. 科目概要

人体に悪影響を及ぼす危険で有害な環境と、それらがもたらす疾病などについて学習します。

2. 試験対策

「職業性疾病」に関しては、必ずといっていいほど複数問出題されます。有害物質の名称など、なじみのない単語が多く出てくるため学習しにくいと感じる科目です。10問中4問は確実に得点できるよう「守り」の学習をしましょう。

「合格エッセンス」などのプラスαの解説を上手に使い、覚えるべき知識を確実なものにしていくことが合格への近道です。

労働衛生<有害業務に係るもの以外のもの>

1. 科目概要

一般的な作業環境にある事業場について、気温や空気、照明などが与える人体への影響と、救急処置の方法について学習します。

2. 試験対策

この分野は、かなり広範囲にわたって出題されるのが特徴です。ただし、繰り返し出題される比較的解きやすい問題も少なくないので、丁寧な学習を心がけ、確実に40%以上得点できるように知識を身につけましょう。

関係法令<有害業務に係るもの>

1. 科目概要

労働安全衛生法および有害物質に関する厚生労働省令を中心に、有害な労働環境から労働者を保護するための法知識を学びます。

2. 試験対策

関係法令の出題はかなり広範囲になりますが、出題の中心は「労働安全衛生法」です。細かい知識が出題されることもありますが、頻出知識を確実に身につけておけば、正解を導くことはできます。まずは本書に掲載されている問題が確実に解けるようになることを目標にしましょう。

関係法令<有害業務に係るもの以外のもの>

1. 科目概要

労働基準法、労働安全衛生法、事務所衛生基準規則など、労働者を取り巻く環境に関する法令に関する知識を学びます。

2. 試験対策

試験では、法令の条文そのものが出題されることはほとんどありません。しかし、条文の内容をきちんと把握していれば解ける問題が多いので、基本書等で身につけた知識をどのように使って正解を導くのか、問題演習を通して学習しましょう。

解説は、問題を解くための思考の過程をできるだけ詳しく記載しています。繰り返し学習するうちに徐々に理解が深まりますので、焦らずじっくり取り組みましょう。

衛生管理者試験は毎月1~5回実施される非常に回数の多い試験です。そのため試験問題は、ある程度のパターンに絞られるといっても過言ではありません。基本的な知識を押さえ、そのうえで、過去に出題された問題を選択肢ごとに吟味するという地道な繰り返しが、なによりの攻略法となります。まずは姉妹書の『ユーキャンの第1種・第2種衛生管理者 速習レッスン』で基礎的な知識を身につけ、本書『ユーキャンの第1種衛生管理者 重要過去問&予想模試』で復習を兼ねた問題演習を行うことをおすすめします。

CONTENTS

ユーキャンの第1種衛生管理者「重要過去問&予想模試」

はじめに
本書の使い方
資格について
出題傾向分析&対策
目次
略語一覧

論点別問題

労働生理
1. 血液・循環器系
2. 呼吸器系
3. 消化器系
4. 代謝・内分泌系
5. 泌尿器系
6. 感覚器系
7. 神経系
8. 運動器系
9. 環境による心身の変化

労働衛生
〈有害業務〉
1. 有害作業環境
2. 化学的要因と疾病
3. 物理的要因と疾病
4. 作業環境測定・評価
5. 局所排気装置
6. 作業管理
7. 労働衛生保護具
8. 特殊健康診断
〈非有害業務〉
9. 温熱環境
10. 空気環境
11. 生物化学的要因と疾病
12. 作業要因と疾病
13. 救急蘇生法
14. さまざまな応急手当
15. 労働衛生教育
16. 労働衛生管理統計
17. 一般作業環境の改善
18. 作業管理
19. 健康の保持増進対策

関係法令
〈有害業務〉
1. 安全衛生管理体制
2. 機械等・有害物質に関する規制
3. 安全衛生教育
4. 健康の保持増進のための措置
5. 有機溶剤中毒予防規則
6. 特定化学物質障害予防規則
7. 酸素欠乏症等防止規則
8. 電離放射線障害防止規則
9. 粉じんに関する法令
10. 衛生基準関係法令
11. 安衛法の横断問題
12. 労働時間・休憩・休日
13. 年少者および女性の保護
〈非有害業務〉
14. 労働安全衛生法の概要
15. 安全衛生管理体制
16. 安全衛生教育
17. 健康の保持増進のための措置
18. 衛生基準関係法令
19. 変形労働時間制等
20. 年次有給休暇
21. 年少者および女性の保護
22. 就業規則

過去問題
令和3年4月公表試験問題

予想模擬試験
予想模擬試験 問題

参考資料

〈別冊〉
過去問題 予想模擬試験
解答・解説編
解答用紙

本書における科目の順番について

論点別問題の科目順番は『学びやすさ』という観点から、実際の試験の科目順とは異なっています。

略語一覧

本書では、必要に応じて略称を使用しています。下記以外の略称も、以下の基準に準じて略しています。

法令名 略語
労働安全衛生法 安衛法
労働安全衛生法施行令 安衛令
労働安全衛生規則 安衛則
有機溶剤中毒予防規則 有機則
鉛中毒予防規則 鉛則
特定化学物質障害予防規則 特化則
高気圧作業安全衛生規則 高圧則
電離放射線障害防止規則 電離則
酸素欠乏症等防止規則 酸欠則
事務所衛生基準規則 事務所則
粉じん障害防止規則 粉じん則
作業環境測定法 測定法
じん肺法施行規則 じん肺則
石棉障害予防規則 石綿則
労働基準法 労基法
労働基準法施行規則 労基則
女性労働基準規則 女性則
年少者労働基準規則 年少者則