本当に独学で行政書士になれちゃうの!? 同文館出版が発行する「独学で確実に突破する! 『行政書士試験』勉強法」は世界を変えるのか?

表紙に「普通の人が、働きながら、独学で!」と書いてあるように、行政書士試験を独学で合格を目指す人を対象とした本です。一見、これから勉強を始める人の入門書のように思いますが、試験の概要や配点・配分、テキストの選び方、解答時間の短縮法や1点を削り出すテクニックまで触れられているので、スクールに通っている人も読んで損はない内容です。この本の著者・太田孝之氏は、「行政書士試験! 合格道場」の代表やスクール講師を務めた経験のある方で、多くの受験生を指導してきた方です。
“独学”で行政書士試験を突破するためのエッセンスが詰まった1冊
本書は約200ページで、第1章〜第8章までの構成になっています。最初の第1章では、行政書士試験の概要や行政書士という仕事の内容など、これから資格取得を目指す人に向けたガイダンス的な内容がまとめられています。特に、試験の配点や合格基準といった情報は、合格までの学習スケジュールを逆算するうえで欠かせません。試験の難易度や全体像を把握しておくことで、「何を、どの順番で、どれくらい学ぶか」が明確になり、学習意欲の維持にもつながります。まずはこの章で、行政書士試験に対する基本的な理解を固めておきたいところです。
第2章では、学習計画の立て方について触れられています。合格を目指すうえで非常に重要なのが、日々の勉強量ではなく「全体をどう設計するか」というスケジューリングです。見積もりが甘いと、試験日までに範囲を一通り終えることができず、直前期に焦ってしまう原因になります。本書では、学習の開始時期・可処分時間・苦手科目などを踏まえて、無理のない計画を立てる視点が示されており、初学者にも取り入れやすい内容になっています。
ここで印象的なのが、「スクールに通う人」と「独学で学習する人」の違いについての考え方です。著者は、両者に絶対的な優劣があるわけではなく、それぞれにメリット・デメリットがあると述べています。スクールには学習ペースを作りやすい・質問環境があるといった強みがある一方、独学には費用を抑えられる・自分に合った進度で進められるといった利点があります。そのため、自分の性格や生活スタイルに合った方法を選ぶことが、結果として合格可能性を高めることにつながると感じました。
続く第3章では、学習教材の選び方について解説されています。合格の鍵を握る要素のひとつが、やはり教材選びです。テキストが1冊だけでは不安に感じる反面、あれもこれもと手を広げすぎると、試験までに消化しきれないという事態に陥りがちです。実際、「合格者が使っていたから」という理由だけで教材を選んでしまうケースも少なくありませんが、本書ではそうした選び方の落とし穴にも触れながら、参考書・問題集・音声講義などをどう組み合わせると学習効率が上がるかが整理されています。
特に独学者にとっては、「教材の相性」が学習継続に直結します。内容の詳しさだけでなく、説明のわかりやすさ、レイアウト、問題演習との連動性など、自分が継続して使えるかどうかという観点は非常に大切です。この章は、意外と見落としがちな教材選びの基準を言語化してくれている点で、実践的な価値が高いと感じました。
そして第4章・第5章では、「学習の鉄則」について具体的に述べられています。第4章はインプット、第5章はアウトプットに焦点を当て、第2章で触れた学習スケジュールに沿って、何をどの順番で進めるべきかがわかりやすく書かれています。単に知識を詰め込むだけではなく、「覚えるための学習」と「点を取るための学習」をどうバランスよく回すかという視点があり、独学でも迷いにくい構成です。
また、スケジュールをこなしていくうえでのモチベーション維持の方法や、日常生活の中で起こりがちな誘惑・中断への対処法なども扱われています。「今日はやる気が出ない」「忙しくて計画通りに進まない」といった、受験生なら誰でも経験しやすい悩みに対して、現実的な対策が示されているのも本書の魅力です。合格には、勉強時間の確保だけでなく、継続できる仕組みづくりとメンタル管理が必要であり、その両方に対応できる考え方を身につけられます。
独学者にとって特に参考になるポイント
本書のよいところは、「独学=自己流」になりやすい部分を、あらかじめ言語化して補ってくれている点です。独学では、どこまで理解できていれば次に進んでよいのか、問題演習の量はどれくらい必要なのか、復習のタイミングはいつがよいのかなど、細かな判断を自分で行わなければなりません。本書はその判断基準を与えてくれるため、遠回りを減らしやすくなります。
また、「計画通りに進められない日があっても、どう立て直すか」という視点があるのも実用的です。受験勉強は長期戦になりやすいため、完璧な継続よりも、崩れた後に再開できる設計のほうが重要です。その意味で、本書は単なる勉強法の本というより、合格までの走り方を教えてくれる一冊だといえるでしょう。
この他、第6章以降では各科目の出題傾向や時間配分のテクニック、試験終了後や行政書士になった後のことまで触れられています。難易度の高い資格というと、「スクールに通って講義を受けないと厳しいのでは」と考えがちですが、本書を読むと、独学でも戦略次第で十分に突破を狙えることが伝わってきます。
独学で学習している人はもちろん、スクールに通っている人にとっても、「試験突破への考え方」や「日々の取り組み方」を見直すきっかけになる内容です。今の勉強方法に不安がある人、学習計画を立て直したい人、効率よく合格を目指したい人は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
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