航空無線通信士 試験問題集 第2集 ―合格精選310題―




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はじめに

近年、世界的な傾向として旅客機の小型化が進み、またLCCと呼ばれる格安な航空運賃で運行する航空会社が増加するのに伴って、航空機の数が増加しています。また、航空機の操縦士(パイロット)や航空整備士などの航空従事者の数も増加傾向にあります。

このような事情から、近年、航空従事者が無線通信に従事するための国家資格である航空無線通信士(航空通)の免許を取得する方が増加しています。航空通の資格は、定期運送用操縦士や事業用操縦士として航空機に乗務する、特に旅客機のパイロット、そして航空整備士としての仕事に従事される方には必須の免許です。

航空通の無線従事者の免許を取るには、(公財)日本無線協会で行われる国家試験に合格するのが近道です。そして、短期間に合格するには既出問題集で学習する方法が一番の近道です。しかし、これまでに出題された問題の種類は結構多く、また、専門用語が多いので単に暗記しようとしてもなかなかたいへんです。

そこで本書は、航空通の国家試験で出題された問題を項目別にまとめて、単なる言葉の暗記ではなく、問題を解くために必要な解説を付けて内容が理解できるようにしました。また、チェックボックスによって理解度を確認できるようにしましたので、これらのツールを活用して学習すれば、短期間で試験に合格する力を付けることができます。

航空関係の無線従事者の資格は、航空通と航空特殊無線技士(航空特)があります。航空通は航空局や航空機の無線設備についてほぼ全ての操作を行うことができますが、航空特の資格では無線設備の規模や技術操作について制限があります。また、航空特の通信操作の範囲は国内通信に限定されますので、航空従事者として業務に従事するには航空通の資格の取得をお勧めします。

受験者の皆さんが、本書で勉強され、合格されることを祈念しています。

2017年12月
編者しるす

吉川忠久 (著), QCQ企画 (編集)
東京電機大学出版局; 第2集版 (2018/1/22)
、出典:出版社HP

もくじ

合格のための本書の使い方

・無線工学
電気物理
電気回路
半導体
電子回路
通信方式
送信機
受信機
電波航行装置
電源
空中線および給電線
電波伝搬

・法規
無線局の免許
無線設備
無線從事者
運用
監督、罰則
業務書類
国際法

・電気通信術
・英語

吉川忠久 (著), QCQ企画 (編集)
東京電機大学出版局; 第2集版 (2018/1/22)
、出典:出版社HP

合格のための本書の使い方

無線従事者国家試験の出題の形式は、マークシートによる選択式の試験問題です。学習の方法も問題形式に合わせて対応していかなければなりません。国家試験問題を解く際に、特に注意が必要なことをあげると、

1どのような範囲から出題されるかを知る
2問題の中でどこがポイントかを知る
3計算問題は必要な公式を覚える
4問題文をよく読んで問題の構成を知る
5わかりにくい問題は繰り返し学習する

本書は、これらのポイントに基づいて、効率よく学習できるように構成されています。

・ページの表に問題・裏に解答解説
まず、問題を解いてみましょう。次に、問題のすぐ次のページに解答が、必要に応じて解説も収録されていますので、答えを確かめてください。間違った問題は問題文と解説をよく読んで、内容をよく理解してから次の問題に進んでください。また、解説のポイントなどはマスコットキャラクターが教えてくれますので、楽しく学習することができます。

・国家試験の傾向に沿った問題をセレクト
問題は、国家試験の既出問題およびその類題をセレクトし、各項目別にまとめてあります。また、国家試験の出題に合わせて各項目の問題数を決めてありますので、出題される範囲をバランスよく効率的に学習することができます。

・チェックボックスを活用しよう
各問題には、チェックボックスがあります。正解した問題をチェックするか、あるいは正解できなかった問題をチェックするなど、工夫して活用してください。チェックボックスを活用して、不得意な問題が確実にできるようになるまで、繰り返し学習してください。

・問題をよく読んで
解答がわかりにくい問題では、問題文をよく読んで問題の意味を理解してください。何を問われているのかが理解できれば、選択肢もおのずと絞られてきます。問題について正解するために必要な知識がなくても、ある程度正解に近づくことができます。また、穴埋め式の問題では、問題以外の部分も穴埋めになって出題されますので、穴埋めの部分のみを覚えるのではなく、それ以外のところも理解し覚えてください。特に、他の試験問題で異なる部分が穴埋め問題として出題された用語については、太字で示してあります。それらの用語も合わせて学習してください。

・解説をよく読んで
問題の解説では、その問題に必要な知識を取り上げるとともに、類題が出題されたときにも対応できるように、必要な内容を説明してありますので、合わせて学習してください。「計算問題では、必要な公式を示してあります。公式は覚えておいて、類題に対応できるようにしてください。法規では条文を示してあります。その問題以外の部分が穴埋めになって出題されることがありますので、穴埋めの部分のみを覚えるのではなく、それ以外のところもよく読んで、覚えてください。

・いつでも・どこでも・繰り返し
学習の基本は、何度も繰り返し学習して覚えることです。いつでも本書を持ち歩いて、すこしでも時間があれば本書を取り出して学習してください。案外、短時間でも集中して学習すると効果が上がるものです。本書は、すべての分野を完璧に学習できることを目指して構成されているわけではありません。したがって、新しい傾向の問題もすべて解答できる実力が付くとはいえないでしょう。しかし、本書を活用することによって国家試験で合格占(70%)を取る力は十分に付きます。やみくもにいくつもの本を読みあさるより、本書の内容を繰り返し学習することが効率よく合格するこつです。

・電気通信術と英語について
航空無線通信士の国家試験の試験科目には、無線工学と法規のほかに電気通信術と英語があります。電気通信術の試験の概要については、279~282ページを、英語の試験の概要については、283~307ページをご覧ください。

吉川忠久 (著), QCQ企画 (編集)
東京電機大学出版局; 第2集版 (2018/1/22)
、出典:出版社HP

傾向と対策

・試験問題の形式と合格点(電気通信術を除く)
無線工学および法現の試験は、科目ごとに実施され試験時間は、いずれも1時間30分です。問題用紙はB4サイズ、答案用紙はA4サイズでマークシート形式です。なお、問題用紙は持ち帰ることができます。

・各項目ごとの問題数
確実に合格するには、どの項目から何問出題されるかを把握しておき、確実に合格ライン(70%)に到達できるように学習することが必要です。各項目の問題数は、試験期によってそれぞれ1問程度増減することがありますが、合計の問題数は変わりません。

吉川忠久 (著), QCQ企画 (編集)
東京電機大学出版局; 第2集版 (2018/1/22)
、出典:出版社HP

受験の手引き

・実施時期 毎年2月、8月

・申請時期
2月期の試験は、12月1日頃から12月20日頃まで8月期の試験は、6月1日頃から6月20日頃まで

・試験手数料 9,363円

・提出書類
(公財)日本無線協会(以下、「協会」といいます。)の定める様式による試験の申請書により申請します。

・申請書などの頒布
協会の事務所で(郵送により)入手することができます。試験の申請時期になったら、協会のホームページなどで確認してください。

・インターネットによる申請
申請書類によらないで、インターネットを利用して手続きを行うことができます。次に申請までの流れを示します。

1協会のホームページから「無線従事者国家試験申請システム」にアクセスします。
2「試験情報」画面から申請する国家試験の資格を選択します。
3「試験申請書作成」画面から住所、氏名などを入力し送信します。
4「申請完了」画面が表示されるので、「整理番号」と「申請日」を記録(プリントアウト)します。
5郵便局に備え付けてある郵便振替用紙を使用して、試験手数料を振り込みます。このとき、所定の欄の住所、氏名および通信欄に4の「整理番号」を記入します。申請期限日までに試験申請手数料の振り込みを済ませてください。

・受験時に提出する写真
試験申請書を提出すると、試験の行われる月の前月の中旬頃に、協会から受験票・受験整理票が送られてきます。これに写真を貼って受験の際に提出します。このため、あらかじめ写真を手元に用意してください。写真の規格は、無帽、正面、上3分身、無背景、白枠のない試験日前6か月以内に撮影した縦3.0cm、横2.4cmのものです。なお、裏面に氏名、生年月日を記入してから写真を貼ってください。

・試験結果の通知
試験終了後3週間ほどで、無線従事者国家試験結果通知書が郵送されます。また、協会のホームページにも一定の期間、合格者速報が掲載されます。

・最新の国家試験問題
最近行われた国家試験問題と解答は、協会のホームページからダウンロードすることができます。試験の実施前に、前回出題された試験問題をチェックすることができます。また、受験した国家試験問題は持ち帰れますので、試験終了後に発表されるホームページの解答によって、自己採点して合否をあらかじめ確認することができます。

・無線従事者免許の申請
国家試験に合格したときは、無線従事者免許を申請します。定められた様式の申請書氏名および生年月日を証する書類(住民票の写しなど、ただし、申請書に住民票コードまたは現に有する無線従事者の免許の番号等を記載すれば添付しなくてもよい。)、写真が必要になります。協会から申請書類一式を入手し、それにより申請します。

吉川忠久 (著), QCQ企画 (編集)
東京電機大学出版局; 第2集版 (2018/1/22)
、出典:出版社HP