【書籍】行政書士の「お仕事」と「正体」がよ〜くわかる本




行政書士に興味はもったけど、仕事内容と経営の実態がわからない、そんな人向けに働くうえでの本音を解説した業界研究書です。筆者は自身も行政書士のお仕事をされている、行政書士法人GOAL代表のの石下貴大氏。また行政書士が実務を学ぶ場が少ないという実情を変えるべく、各業務の現役の専門家のみを講師に迎える行政書士の学校「行政書士の学校」も開校。

ここでは、筆者の行政書士の仕事を中心として解説、また実際に行政書士試験の勉強法について書かれた「第1章 行政書士になろう![行政書士の世界]」を中心にピックアップします。第2章 行政書士試験に合格したら[合格したらどうする?]/ 第3章 行政書士のお仕事[幅広い実務の世界]については下記【全目次】で気になるところを本書を通してご確認下さい。

石下貴大 (著)
出版社: 秀和システム; 第2版 (2018/3/20)、出典:amazon.co.jp

第1章 行政書士になろう![行政書士の世界]

行政書士とは? 行政書士って何する人?

行政書士という仕事がどんな仕事をしているかわかりにくい一つの理由はその業務範囲の広さによるものだと言及しており、行政書士は他の法律で制限されているもの以外について官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察」 署等)に提出する書類の作成、同内容の相談やこれらを官公署に提出する手続きについて代理することだと伝えております。
また、内容で分類すると遺産分割協議書作成や遺言書作成などの市民法務業務、 建設業や宅建業などの許認可業務、外国人のビザ関係などの入管業務、会社や一般社団法人設立等の 起業支援業務と幅広く、また許認可業務だけでも1万種類以上あるとも言われています。

また行政書士は雇用がほとんどないいう点で、これが他の士業と大きく異なっているところでもあり、行政書士として開業、経営することの難しさの一つだと言えるそうです。そういう理由から活躍している行政書士事務所の多くは個人事務所で、そのパターンを3つあげ(1〜3)、活躍している行政書士を筆者が考察し、分類したパターンもあげております(4〜6)。詳しくは本書をご確認下さい。
1. 自分で独立開業
2. 共同事務所で開業
3. 行政書士事務所、行政書士法人の勤務行政書士
4. 超実務特化型
5. 実務特化+コンサル型
6. コンサルティング型

どうやって勉強する? 目指せ! 短期合格

試験概要~行政書士試験はどんな試験? -合格ラインは?

・行政書士試験は年1回、毎年1月の第2日曜日に行われ、時間は13時から16時までの3 時間。他の資格試験の中では短い方といえる。
・行政書士の試験科目は、「一般知識」と「法令等科目」の2つがあり、合わせて8科目。
・出題の配分は、法令等科目から必題、一般知識から4題が出題。試験は300点がフルスコアで、合格のラインとなるのはは出題の60%がボーダーラインの目安といわれている。
・試験は、筆記試験によって行い出題の形式は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択 一式及び記述式、「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式となっている。記述式は、字程度で記述するものが3問出題されるが、記述式で8点だからこの対策はとても大事である。また、出題される法律の種類が多く、範囲が広いのが行政書士試験の特徴と言える。
・行政法だけでも、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法とある のだからそう生易しい試験でないことだと伝えています。

しかし、もちろん一夜漬けでは合格で切れるレベルの試験ではないが、合格するための勉強を効率よくやれば短期間での合格は不可能でないとも言います。満点を取る必要はなく、あくまで合格点を取ればよく、完璧主義に陥るのが一番危険ということです。

では実際にはどのような勉強法があるのでしょうか。

資格の予備校の活用法・独学との比較

行政書士資格予備校を活用するのか? それとも独学でやるのか?

資格予備校を活用するのか? それとも独学でやるのか? としての筆者としての意見はそれぞれの経済状況やこれまでの学習状況、合格にかけられる時間 などケースバイケースなので、何がベストかということはできないというのが正直な感想とのことです。 実際に周りの行政書士を見渡しても、独学の人もいれば予備校に通っていた人もやはりいるとのことです。

もちろ んどちらが凄いとかいうことではなく、合格してしまえば同じなのであるのはあるのですが、やはりこの選択に悩んだ場合、筆者個人的な意見としては、社会人のように勉強に充てられる時間が少ない場合に は特に、予備校を利用することはおススメとのことです。筆者自身は時間はあっても金がなかったの で独学だったのであるが、予備校を活用するメリットは大きいと思っているらしいです。

何より予備校は当然であるが合格のためのプロ集団であるので、(他の資格を持っているとか受験慣れをしている人を除いて)そもそも法律の勉強が初めてであれば書店でテキストを買って 読み進めてもなかなか理解できない可能性があるので予備校に行くか行かないか迷った場合には、書店でテキストを一通り読んで理解で きるかどうかを判断するというがいいかということです。

余談として…予備校は講義だけでなく、模試なども豊富なので、自分がどの位置にいるのかを知ることもできるし、共に学ぶ仲間がいたり、ときにその存在がモチベーションになったりできるので、勉強を継続してでき、勉強 のペースを把握できるなどの利点もあります。

行政書士通信講座を利用する

また、現在であれば(筆者が受験時にはなかった方法として)予備校に通学しなくても、iPodやインターネットで通信講座を受けることも できるので、場所的、時間的な制限もなくなり、より活用しやすくなったようであるのでこれも是非選択肢の一つとしてカウントしても良いと筆者は言います。これは特に地方在住で、そもそも資格予備校が近くにない場合は利用を前向きに考えるのも良いでしょう。

ただ、予備校 に行かなくて(通信講座を受講しなくて)は合格しないというものでもないので、例えば直前模試だけ予備校を活用するなど、自分の状況に合わせて学習計画を立てることが大切だと言及しています。あくまでも合格点を超えることを目標とすることです。

オンラインでの学習サービスも注目

最近では資格の予備校の提供する通信講座とは異なる、オンラインでの学習サービスについても伝えております。例えば資格スクエアでは合格に必須とはい えない「大きな校舎」「広告宣伝費」などは大胆にカットし、合格に必要な「テキスト」「問題演習」「講義」「サポート体制」に費用の大部分を投資することにより、価格を抑えつつ、質の高い 学習を提供していると違った形ものも一度ご確認してみるのが良いでしょうとのことです。



行政書士の参考書・テキスト・教材について

教材については書店で読みやすそうな基本書を読み込み、過去問を何回も解いていくスタンスはどの資格試験勉強で大切であります。筆者としては同じ教材を徹底的に読み込んで使 い倒す方が間違いなく効率的であると宣言しています。 そして直前になったら雰囲気に慣れるためにも予備校の開催する予想模試等を受けることも勧めています。理由として模試だけであればそれほど費用的にも時間的にも負担にならず,受験 プロが威信をかけて予想したものなので利用してみることは必要だといいます。

試験本番での対応 緊張するのは当然

本書では試験本番の対応についても書かれており、そちらの一読もおすすめします。

今回は本書での勉強法を中心としたレビューになり、上記でも記載した合格後の活動、実際の仕事内容につきましては下記目次を参考にして本書をご確認ください。実際の予備校でのパンフレットなどではない、仕事の具体的な実務や実態を紹介しています。

石下貴大 (著)
出版社: 秀和システム; 第2版 (2018/3/20)、出典:amazon.co.jp