イラスト図解でスイスイわかる! 秘書検定2級 合格テキスト&問題集




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はじめに

私が「秘書検定2級」を受験したのは、就職して3年目で、社長秘書を拝命したときでした。今思えば、そのころの私は仕事をこなすことに精一杯で、とても秘書としての素養があったとは思えず、どうして異動になったのか不思議であり不安でもありました。

しかし、秘書の仕事は待ったなしです。そこで一念発起して「秘書技能検定試験」を受験することにし、一生懸命勉強をしました。その甲斐あって無事に2級に合格。さらに準1級も取得し、少し自信が持てるようにそして、その自信をさらに確かなものにするため1級に挑戦し、合格証をいただいたときの喜びは、今でも忘れることができない思い出です。級が上がるにつれ、面接試験で実技や応用が試され、「知っている」と「実践できる」の違いを体験し、「実践できること」の難しさと大切さを学ぶことができます。

その後転職し、同じく社長秘書として社内外のエグゼクティブに接する中で、緊張感を持ちながらも「的確な判断」をし、「実践すること」の重要性を学びました。そして、これらを皆様にお伝えすべく人材育成の会社を起業しました。今でも「知っている」と「実践できる」の違いは、講義や研修で大切なポイントの1つとしています。

「知っている」ことは秘書入門として、とても大切なことです。本書では、「秘書検定2級」の知識習得はもとより、資格取得を目指す方々のために、過去問題を10年以上さかのぼり、検定試験合格の手助けができるよう練習問題を吟味しました。“知識を得ると同時に過去問題で鍛える”をキーワードに作成した本書を、ぜひとも「秘書検定2級」合格への参考書として役立てていただければと思います。そして、その先にある「実践ができ、応用がきく」秘書を目指して秘書検定準1級、そして1級に挑戦していただき、憧れの的となる社会人・秘書を目指して研鑽を重ねてほしいと願っています。最後になりましたが、本書が皆様の「秘書検定2級」合格のお役に立てることを願うとともに、準1級の面接試験でお会いすることを楽しみにしています。

杉本直鴻

杉本 直鴻 (著)
出版社 : ナツメ社 (2020/9/16) 、出典:出版社HP

もくじ

はじめに
本書の使い方
秘書検定ナビ
合格への学習プラン&ポイント

理論編 Part① 必要とされる資質
1 社会人としての心構え
2 秘書は上司の補佐役
3 機密を守る
4 秘書の人柄と身だしなみ
5 求められる資質と判断力
6 秘書に必要な能力

理論編 Part② 職務知識
1 会社での秘書の役割
2 職務上の心得
3 仕事の進め方
4 秘書の定型業務
5 秘書の非定型業務

理論編 Part③ 一般知識
1 企業経営
2 人事・労務の知識
3 会計・財務の知識
4 手形・小切手の知識
5 税務の知識
6 法律と印鑑の知識
7 生産管理とマーケティング
8 知っておきたい用語

実技編 Part④ マナー・接遇
1 よい人間関係をつくる
2 敬語の使い方
3 間違えやすい敬語
4 来客応対の言葉づかい
5 好印象の話し方と聞き方
6 報告・説明・説得のしかた
7 注意・忠告のしかた・受け方
8 苦情処理、上手な断り方
9 電話応対
10 実際の来客応対
11 案内・席次・茶菓接待
12 慶事・パーティーのマナー
13 弔事のマナー
14 贈答のマナーと上書き
練習問題「記述」
解答と解説

実技編 Part⑤ 技能
1 会議と秘書の役割
2 社内文書の書き方
3 社外文書の書き方
4 グラフの作成
5 文書の取り扱い
6 郵便の知識
7 ファイリング・資料管理
8 日程管理と環境整備
練習問題「記述」
解答と解説

模擬試験①
問題
解答と解説
模擬試験②
問題
解答と解説

杉本 直鴻 (著)
出版社 : ナツメ社 (2020/9/16) 、出典:出版社HP

本書の使い方

3ステップで合格を目指す!
本書では、各領域の内容を学習したあと、「○×問題」でおさらいをし、「練習問題」(選択問題、記述式問題)、模擬問題にトライする3ステップ方式になっています。

●Pointと頻出度
各内容のポイントを簡潔に紹介。試験問題の頻出度から、重要度を★の数で表示しています。
★★★…最も重要。よく出題されています。
★★……重要。まぁまぁの頻度で出題されています。
★………普通。出題頻度は少ないです。

●キャラクターのひと言にも注目!
学ぶべきポイントや注会をアドバイスしています。

●よく出る度
試験問題でよく出る項目を★の数で表示しています。
★★★…高い頻度で出題されている項目。確実に覚えましょう。
★★……ある一定の頻度で出題されている項目。用語などは覚えておきましよう。
★………出題頻度は少ないものの、学習して理解しておきましょう。

part4「マナー・接遇」とpart5「技能」の巻末に「記述式問題」が18問
記述式問題は、「マナー・接遇」「技能」から、各2問ずつ出題されます。過去問題から、よく出る問題を出題しています。多くの事です。問題を解くことで、苦手意識がなくなり、自信がつきます。

●練習問題
過去問題またはそれに似た選大問題にチャレンジすることで、その項目からの出題傾向を知ることができます。解答と解説で、間違えやすいミもチェックするようにしましょう。

●Check! ○×問題
学んだあとの「おさらい」問題で、自分の理解度を確認することができます。迷ったり、間違ったりしたら、もう一度、その項目をよく見直してください。

杉本 直鴻 (著)
出版社 : ナツメ社 (2020/9/16) 、出典:出版社HP

秘書検定ナビ

秘書検定を受けるには

受験資格 特になし(年齢、性別の制限はありません)
試験実施日 原則、毎年2月、6月、11月の年3回
受験地 全国主要都市
2級受験料 4,100円
受付期間 試験日の約2カ月前から1カ月前まで

申し込み方法

▶︎団体申し込みの場合
学校が、まとめて申し込みを受け付けている場合は、検定協会所定の「受験願書」に必要事項を記入し、受験料を添えて、学校の担当部署や担当者に申し込みます。

▶︎個人で申し込みの場合
書店 全国の秘書検定特約店で配布されている「検定案内」の「個人申込用受験願書」に受験料を添えて特約書店に申し込み、受付印が押された願書を協会に郵送します。
郵送 現金書留で、実務技能検定協会へ「個人申込用受験願書」と受験料を郵送します。
インターネット 公益財団法人実務技能検定協会の以下のアドレスにアクセスし、必要事項を入力します。受験料は、クレジットカードまたはコンビニエンスインターストアで支払います。
●パソコンの場合 https://jitsumu-kemtei.jp/
●スマホなど携帯電話の場合 https://www.jitsumu-kentei.jp/mb/index.pho

申し込み後、試験日の約1週間前までに受験票が届きます。

受験後、約1カ月後に合否が発送されます。合格者には「合格証」が同封されています。なお、希望者には手数料が別途必要ですが、「合格証明書」が発行されます。

◎「受験願書」に付いている「秘書検定案内」に、受験料、試験会場、合否通知、合格証の発行などについて書かれています。不明な点は協会にお問い合わせください

●問い合わせ先
公益財団法人 実務技能検定協会 秘書検定部
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1丁目4番15号
TEL 03(3200)6675 https://jitsumu-kentei.jp/kentei-info

試験領域と合格基準

領域 内容 問題数 出題形式
理論編 必要とされる資質 ①仕事を行う際に秘書が備えておくべき要件
②要求される人柄
5問 選択問題
職務知識 ①秘書の仕事の機能
②上司の機能と秘書的な仕事・機能の関連
5問 選択問題
一般知識 ①社会常識
②経営管理に関する初歩的な知識
3問 選択問題
実技篇 マナー・接遇 ①人間関係についての一般知識
②ビジネスマナーを心得ている
③一般的な敬語や接遇用語が使える
④短い報告、説明、簡単な説得ができる
⑤真意をとらえる聞き方、忠告が受けられ、注意ができる
⑥慶事・弔事に伴う業務
⑦贈答のマナー
⑧上司が加入している団体や会の事務を扱うことができる
10問
2問
選択問題
記述問題
技能 ①会議に関する知識や計画、準備、事後処理
②社内外の文書作成、会議の簡単な議事録作成
③折れ線、棒、簡単な円グラフの作成
④文書の送付方法、受発信事務
⑤秘文書の取り扱いの知識
⑥ファイリング、資料整理
⑦スケジュール管理
⑧環境、事務用品の整備
8問
2問
選択問題
記述問題

 

合格ライン
理論編 正解が60%以上
実技編 正解が60%以上

つまり理論編13問中8問、実技編22問中14問を正解すれば、合格できるということだよ。

杉本 直鴻 (著)
出版社 : ナツメ社 (2020/9/16) 、出典:出版社HP

合格への学習プラン&ポイント

■学習のコツ
1. 本書の★の多い項目の内容、用語などは、確実に覚える
2. 練習問題や模擬試験をくり返し解く。
3. 理論編と実技編をバランスよく学習し、理解を深める。

■領域ごとの学習ポイント&プラン

必要とされる資質
(Part1)
・秘書の心構えや要求される資質は何か、その本質を理解すること。
・暗記することは少ないが、試験には「上司への気遣い」の他「上司の指示」や「他の上役からの依頼」にどう対処するかなど、秘書としての考え方が多く出題されるので、「秘書」の立場ならどうすべきかに焦点を当て、テキストを読み込む。
・練習問題や模擬試験を何回も解き、正しい答えと思えるような表現の問題に迷わないようにする。
職務知識
(Part2)
・秘書的な仕事の機能と役割、秘書の業務について理解する。
・暗記することは少ないが、試験には「上司の期待に応える仕事の仕方」の他、「秘書の業務全般」や「職務上の心得」など、秘書としての物事のとらえ方、行動が出題される。多岐にわたる「秘書」の仕事についてよく理解する。
・練習問題や模擬試験を何回も解き、正しい答えと思えるような表現の問題に迷わないようにする。
一般知識
(Part3)
・企業と経営、社会常識について理解する。
・専門用語などを暗記する。
・35問中、一般知識からの出題は3問と少ないが、専門用語の出題が多いので、しっかり暗記をして、3問正解を目指そう。
マナー・接遇
(Part4)
・人間関係、マナー、話し方や接遇、交際の業務について理解する。
・敬語の使い方をしっかりとマスターし、よく使う接遇用語は暗記する。
・人間関係における話し方と聞き方、説明、説得、忠告の仕方を覚える。
・電話応対の基本的なフレーズを覚える他、上司への取り次ぎ方を把握する。
・お茶の出し方や席次のマナーを覚える。
・暗記だけでなく、記述問題で出題される祝儀袋の上書きなどが書けるようにしておく。そのためにも、記述の練習問題、模擬試験を何度も解く。
技能
(Part5)
・会議、文書の作成・取り扱い、ファイリング、日程管理を理解する。
・ビジネス文書作成のポイントを押さえ、慣用表現や、社内文書と社外文書の使い分けを覚える。
・円グラフ、帯グラフ、棒グラフ、折れ線グラフを、きれいに作成できるようにする。
・ファイリングの仕方を覚える。
・日程管理、出張事務に関して覚える。
・記述問題では、返信用はがきの書き方や、封筒の表書き、グラフの作成が出題されることが多いので、記述の練習問題、模擬試験を何度も解く。

 

■試験にあたっての注意点
●試験では、「HBの黒鉛筆」と筆記用具が指定されています。ペンケースに入れる筆記具は、HBの黒鉛筆にしておくとよいでしょう。
●消しゴムは、しっかりと消すことができる高性能のものを用意します。
●マークシートは、マークする部分を正確に塗りつぶし、はみ出さないようにします。
●記述式のグラフ作成の問題では、「定規を使わなくてもよい」と記されていますが、定規を使ってもかまいません。フリーハンドでも、きれいに作成するようにします。
●記述式では、読みやすさが重視されますので、文字は丁寧に、きれいに書くように心がけましょう。

■問題を解くときのポイントと注意点
1.「適当」と「不適当」を間違えないよう、印をつける
マークシート方式は、5つの選択肢から
・適当と思われるものを一つ選びなさい。
・不適当と思われるものを一つ選びなさい。
の2タイプがあります。
問題文の「適当」には○印、「不適当」には×印をつけておくと、「適当」と「不適当」を間違えるうっかりミスを防ぐことができます。

2.5つの選択肢に○×をつけていく
5つの選択肢を1つずつ読み、「適当」=合っているなら○、「不適当」=間違っているなら×の印をつけていきます。迷ったときは△にし、もう一度、問題文と選択肢を読んでみます。

3.問題のキーワードを見落とさない.
問題文には、「会議中に」などの状況設定が書かれていることがあります。そのキーワードを見落とさなければ、会議中のNG行動やOK行動から、選択肢を「適当」か「不適当」かチェックすることができます。特に、問題文が長い場合は、その文のポイントやキーワードと思えるところに○印をつけておくと、見落としません。

4.引っかけ問題に注意する。
●通常よい評価を得ることも、秘書としては「不適当」とされるものもある
「必要とされる資質」や「職務知識」の出題には、選択肢の落とし穴といえる引っかけ問題が多いので注意。例えば、「人の意見に流されず、自分の信念は曲げない人」というのは、一般的によいとされますが、協調性を求められる秘書という立場でいうと×になります。秘書の立場、役割を理解し、問題を解くことが大切です。

●「不適当」を選ぶ問題で、不適当な選択肢が2つある場合は、最も不適当なものを選ぶ
不適当な選択肢2つを見比べてみて、どちらがより不適当かを考えます。例えば、①上司の仕事のじゃまになると思い、何も言わずにお茶を机の上におく。②あいさつをしながら上司のところへ行き、日程の確認をする。この2つが不適当と思われる場合、②はあいさつをしているが、①は何も言わない=あいさつをしないということになるので、①のほうが不適当と考えます。
同様に、「適当」を選ぶ問題で、適当な選択肢が2つある場合は、より適用なものを選びます。

5.迷った問題は後回しにする
わからない問題に時間をかけるのは、もったいないことです。迷った問題には印をつけて次の問題に進み、ひと通り解き終わったあとで、じっくりと読み、解答するようにします。

6.最後の見直しは記入漏れをチェック
問題は、1つずつしっかりと解きます。最後に必ず見直し、マークの記入漏れがないかを確認します。

杉本 直鴻 (著)
出版社 : ナツメ社 (2020/9/16) 、出典:出版社HP