オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Silver SE11




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はじめに

本書は、日本オラクル株式会社が実施している「Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11」(以下、Silver 試験)の試験対策用書籍です。

本試験はJava言語の基本文法から、オブジェクト指向プログラミング(クラス・インタフェース・例外処理など)が出題されます。試験範囲はBronze試験と多く重複しますが、細かな仕様や、比較的新しい機能である「ラムダ式」、「varによる変数宣言」、「モジュール・システム」についても問われます。

なお、「ラムダ式」と「モジュール・システム」の仕様は広範囲にわたりますが、Silver試験で出題されるのはごく一部です。しかし、特にラムダ式は、今後のJavaアプリケーション開発で多用されるため、旧バージョンからJava言語を使用している方も、ぜひこの機会に仕様書をひととおりチェックし、習得いただきたいと思います。

また、本書は、基本的には各章ごとに項目が独立していますが、関連のある項目は詳細がどこに記載されているかを明示しているので、途中で知らないことが出てきても、再度読み直して理解を深めていただきたいと思います。

近年の開発現場では、様々なソフトウェアやツールを使用しコーディングを行うため、言語仕様を深く理解しなくてもコードが書けます。しかし、そのことにより潜在的なバグを埋め込んでしまう危険があります。

原理原則をしっかりと理解し知識を積み上げていくことで、バグの少ない、そして無駄のないソースコードを記述することができると思います。

本書を通じて、試験合格だけでなくJava言語のスキルを高める手助けになることを願っております。
最後に本書の出版にあたり、株式会社翔泳社の野口亜由子様をはじめ、編集の皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

2019年10月
山本道子

山本 道子 (著)
出版社: 翔泳社 (2019/11/18)、出典:出版社HP

Java SE 11認定資格の概要

Java SE 11認定資格は、日本オラクルが実施しているJava プログラマ向けの資格です。2012年にスタートしたJava SE 7認定資格から、現行試験のようなBronze、Silver、Goldの 3レベルが設けられ、2015年にJava SE 8認定資格が、2019 年にJava SE 11認定資格が開始されました。

Java SE 11は、2017年9月に発表された新しいリリース・モデルへの移行後、初のLTS (Long Term Support)であり、企業システムやクラウド・サービス、スマートデバイスなどで活用されるアプリケーション開発の生産性向上に重点をおいています。この資格を取得することで、業界標準に準拠した高度なスキルを証明します。 Java SE 11認定資格は、Bronze、Silver、Goldの3つのレベルがあります。

Bronze
言語未経験者向けの入門資格で、Java言語を使用したオブジェクト指向プログラミングの基本的な知識を有するかどうかを測ります。Bronze (Oracle Certified Java Programmer, Bronze SE) 試験の合格が必要です。なお、Oracle Certified Java Programmer, Bronze SE 7/8認定資格を持っていると、自動的にBronze認定資格者として認定されます。

Silver
Silver SE 11 (Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11) 認定資格は、Javaアプリケーション開発に必要とされる基本的なプログラミング知識を有し、上級者の指導のも とで開発作業を行うことができる開発初心者向け資格です。 日常的なプログラミング・スキルだけでなく、さまざまなプ ロジェクトで発生する状況への対応能力も評価することを目 的としています。Silver SE 11認定資格を取得するためには、「Java SE 11 Programmer I (1Z0-815)」試験の合格が必要です。

Gold
Gold SE 11 (Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 11) 認定資格は、設計者の意図を正しく理解して独力で機能実装が行える中上級者向け資格です。Javaアプリケーシ ョン開発に必要とされる汎用的なプログラミング知識を有 し、設計者の意図を正しく理解して独力で機能実装が行える 能力評価することを目的としています。なお、Gold SE 11認定資格を取得するためには、「Java SE 11 Programmer II (1Z0-816)」試験の合格が必要です。

山本 道子 (著)
出版社: 翔泳社 (2019/11/18)、出典:出版社HP

本書の使い方

本書では、Java SE 11 Silver(試験番号:1Z0-815) 試験の出題範囲に定められたすべてのトピックを解説の対象とし ています。

本書の構成
Chapterl~8では、出題範囲にもとづいて解説を行っています。各章には本文やサンプルコード、実行結果、図表の他に以下の要素があります。

・構文:Java言語やコマンドの構文を説明しています。文例やコマンド例を示しているところもあります
・POINT:試験で正解するために知っておきたいことがらです
・参考:注意事項や付加情報、参照先などです
・URL:Web上にある参考資料などのURLです
・章末練習問題:その章で説明した内容に関する知識を確認するため、出題範囲にもとづく試験問題および解説を収録しています。

模擬試驗
実際の試験を徹底分析し、作成した模擬試験が2回分掲載されています。問題の後には詳しい解説もありますので、受験前の総仕上げとしてご活用ください。

試験直前チェックシート
試験に関する重要なポイントを抜粋して掲載してありま す。受験前に、自信のないところや再度確認しておきたい項 目を重点的にチェックしましょう。なお、ミシン目がついて いるので切り離して持ち歩くことができます。

表記について
●キーワードや重要事項は太字で示しています。
●メソッドは基本的に「メソッド名()」という形式で表し ます。メソッドは引数をとる場合もあれば、とらない場合もあります。
●構文の表記における山かっこ(くう)内の語は、構成要素 のユーザ指定部分を示します。プログラムやコマンド、 パスなどで実際に使用したり記載したりする場合、この部分の値を適切に指定する必要があります。
●実際のソースコードでは改行していないが、紙面の都合 で折り返している箇所は「→」で表しています。
●章末問題、巻末問題では、サンプルコードが不完全であったり、ファイル名が省略されていることがあります が、実試験でも同様の表記となっています。問題文の趣 旨を見極めて問題を解くようにしてください。

山本 道子 (著)
出版社: 翔泳社 (2019/11/18)、出典:出版社HP

CONTENTS

Java SE 11認定資格の概要
本書の使い方

Chapterl Javaプログラミング基礎
・Javaテクノロジーの概要
Javaの特徴

・Java環境のセットアップ
Java環境とは
JDKの新しいリリース・モデルおよび提供ライセンスについて(参考)
JDK JRE

・Javaプログラムのコンパイルと実行
プログラム実行までの流れ
ソースファイルの作り方
コンパイル
プログラムの実行
コメント
ソースファイルとクラスファイル
コンパイルせずにJavaコードの実行
クラスの実行
CLASSPATH(クラスパス)

・パッケージ宣言とインポート
パッケージ
パッケージ化
パッケージ化されたクラスのコンパイルと実行
import
利用される側のクラスに関する注意
Java言語が提供する主なパッケージ

練習問題
解答・解説

Chapter2 変数と配列
・リテラル
リテラルの種類
(アンダースコア)がある数値リテラル

・変数や定数の宣言と初期化
変数
データ型
変数宣言と代入
符号つき整数と浮動小数点数のデフォルトの型
定数
文字列は参照型

・変数のスコープ(有効範囲)

・ローカル変数の型推論
varによる変数宣言

・1次元配列
配列とは
配列の作成
添え字(インデックス)

・多次元配列
コマンドライン引数の利用

練習問題
解答・解説

Chapter3 演算子と分岐文
・演算子と演算子の優先順位
演算子とは
算術演算子と単項演算子
代入演算子と複合代入演算子
関係演算子
論理演算子

・文字列の扱い(StringクラスとStringBuilderクラス)
Stringクラス
StringBuilderクラス

・データの比較
基本データ型の比較
参照型の比較
文字列の比較
StringとStringBuilderでの注意点
null比較

・基本データ型の型変換
基本データ型の型変換ルール
基本データ型の暗黙型変換
キャストを使用した基本データ型の型変換
基本データ型の型変換での注意
ラッパークラスとBoxing/Unboxing

・if文.if-else文
制御文とは
条件文とは
if文
if-else
else if X
条件演算子
if文のネスト

・switch文

練習問題
解答・解説

Chapter4 繰り返し文と繰り返し制御文
・while
繰り返し文とは
whilex

・do-while文
do-while文

・for文と拡張for文
for
拡張for文

・制御文のネスト

・繰り返し制御文
繰り返し制御文とは
break文
continue文
ラベル

練習問題
解答・解説

Chapter5 クラス定義とオブジェクトの生成・使用
・クラスとオブジェクト
クラスとは
オブジェクトとは
クラスの定義
変数の宣言
メソッドの定義
インスタンス化
インスタンス変数およびメソッドの呼び出し
変数のスコープ
メンバ変数とローカル変数の初期化

・コンストラクタ
コンストラクタの定義
コンストラクタの呼び出し
デフォルトコンストラクタ

・オーバーロード
オーバーロードとは
コンストラクタのオーバーロード

・可変長引数
可変長引数とは
可変長引数とオーバーロード

・static変数とstaticメソッド
static変数とは・staticメソッドとは
static変数とstaticメソッドの呼び出し
インスタンスメンバとstaticメンバのクラス内でのアクセ
nullに対するstaticメンバ呼び出し
staticイニシャライザ

・アクセス修飾子とカプセル化
アクセス修飾子
カプセル化

・値コピーと参照情報コピー
引数・戻り値における基本データ型と参照型の違い

・ガベージコレクター
ガベージコレクタとは
オブジェクトをガベージコレクタの対象にする

練習問題
解答・解説

Chapter6継承とポリモフィズム
・継承
継承関係のあるクラスの定義
java.lang.Objectクラス

・オーバーライド
オーバーライドとは
Overrideアノテーション
staticメンバの再定義
final修飾子

・thisとsuperの利用
this
super

・抽象クラス
抽象クラスとは
抽象クラスの継承クラス

・インタフェース
インタフェースとは
インタフェースでの定数
インタフェースでのメソッド
インタフェースの実装クラス
インタフェースの継承

・参照型の型変換
参照型の型変換ルール
参照型の暗黙型変換
キャストを使用した参照型の型変換
継承時のprivateメンバ
参照型の型変換での注意
instanceof演算子
オーバーライド時に呼び出されるメンバ

・ポリモフィズム

・コレクション
コレクションとは
コレクションの種類と特徴
Listインタフェースの実装
Setインタフェースの実装
Mapインタフェースの実装

・ジェネリックス
ジェネリックスとは

・オブジェクトの順序づけ
ソート機能を備えたクラス
オブジェクトの比較

・配列とリストのソートと検索
Collectionsクラス
Arraysクラス

・コレクションとラムダ式の基本
関数型インタフェース
ラムダ式
コレクションAPIの利用

練習問題
解答・解説

Chapter7 例外処理
・例外と例外処理
例外とは
例外処理

・例外クラス
checked
unchecked
主な例外クラス
独自例外クラスの定義

・try-catch-finally
try-catch-finallyブロック
複数のcatchブロック定義

・throwsとthrow
throws
ライブラリ利用時の注意
throw

・オーバーライドの注意点

練習問題
解答・解説

Chapter8 モジュール・システム
・モジュール・システムの概要
モジュール・システムとは

・モジュール定義ファイル
モジュールの宣言

・モジュール化されたプログラムのコンパイル、実行
他モジュールの利用

・モジュール・グラフ
名前付きモジュールとその他のモジュール
まとめ

練習問題
解答・解説

模擬試験1
・模擬試験1
・模擬試験1 解答・解説

模擬試験2
・模擬試験2
・模擬試験2 解答・解説

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