らくらく突破 衛生管理者 第1種・第2種 合格教本
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はじめに
衛生管理者とは、常時50人以上の労働者を使用する事業場において選任することが義務付けられている重要な職務であり、職場で働く人の健康を守るス ペシャリストです。
厚生労働省の調査によると定期健康診断による有所見率は毎年50%を超え ており、強い不安・悩み・ストレスがある労働者は60%前後で推移しています。さらに、休業4日以上の業務上疾病者数は毎年7千人を超え、職場でのさまざまな要因により疾病にかかっている人がたくさんいることが分かります。
また、新規化学物質の製造届出の件数は毎年約千件前後あり、それらの化学 物質には新たな有害性を含んでいる可能性もあります。
このような社会において、職場で働く人の健康を守る衛生管理者は、大変重 要なポジションであるといえます。衛生管理者として職場で選任されるために は、衛生管理者免許試験という国家試験に合格しなければなりません(大学の 医学部を卒業した者等は衛生管理者免許を受けることができますが、試験に合格することが一般的な免許取得ルートです)。
第1種・第2種衛生管理者の受験者数は、年間約8万人で、合格率は第1種が 50%台、第2種が60%台となっており、比較的挑戦しやすい資格試験といえる でしょう。ただし、試験を受けるには一定の実務経験などの受験資格が必要に なり、受験者には管理職・専門職が多くいる実情もあって、合格率だけを見て 試験の難易度を判断することはできません。
私は化学事業所において、有害放射線、特定化学物質、有機溶剤を取扱う業 務、グループ内の健康づくり活動等の実務経験を積んできました。その後、衛生管理者試験対策講習会を開催し、これまで多くの試験合格者を輩出してきま した。その中で受講者の生の声を聴き、学習する際に理解しにくい箇所、難しく感じた箇所を体感し、次回の講習会に活かせるよう改善を重ねてきました。
本書は、これまで私が培ってきた試験対策ノウハウを、惜しげもなく詰め込んだ合格するための必勝バイブルです! 「千里の道も一歩から」本書を手に取った今日が、あなたの試験合格へのファーストステップです。 本書を有効活用して、是非あなたの手で合格を掴み取ってください!
平成29年5月 資格合格実践会 奥田 真史
目次
衛生管理者試験とは
衛生管理者試験 合格するための5つのルール
本書の使い方
第1章 関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)
1-1 労働安全衛生法・安全衛生管理体制
1-2 総括安全衛生管理者
1-3 衛生管理者の選任・業務等
1-4 産業医
1-5 安全委員会・衛生委員会
1-6 安全衛生教育
■演習問題1-1
1-7 一般健康診断等
1-8面接指導
1-9衛生基準
1-10 事務所衛生基準規則
■演習問題1-2
1-11 労働基準法・平均賃金・解雇
1-12 労働時間・変形労働時間制
1-13 休憩・休日・割増賃金
1-14 年次有給休暇
1-15 年少者・妊産婦等
1-16 就業規則・寄宿舎規則
1-17 監督等・事業者の手続き等
■演習問題1-3
第2章 労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)
2-1 労働衛生管理・教育方法
2-2 温熱環境
2-3 空気環境
2-4 視環境
■演習問題2-1
2-5 VDT作業・重量物取扱作業
2- 6受動喫煙の防止・ホルムアルデヒド濃度低減
2-7 健康保持増進
2-8 メンタルヘルスケア
2- 9労働衛生管理統計
2-10 疾病休業統計
■演習問題2-2
2-11 脳・心臓疾患
2-12 熱傷
2-13 食中毒・熱中症
2-14 一次救命処置
2-15 骨折
2-16 出血
■演習問題2-3
コラム 最新の公表問題は必ずやろう
第3章 労働生理
3-1 神経系
3-2 体温調節
3-3 感覚器官
3-4 呼吸
3-5 血液・心臓と循環
■演習問題3-1
3-6消化と吸収
3-7 肝臓・腎臓
3-8内分泌器官
3-9 筋肉・運動機能検査・肥満度の評価
■演習問題3-2
3-10 代謝
3-11 疲労
3-12 ストレス・睡眠
■演習問題3-3
第4章 関係法令(有害業務に係るもの)
4-1 安全衛生管理体制 (有害)
4-2 作業主任者・特別教育
4-3 譲渡等の制限・製造禁止と許可物質
4-4 特殊健康診断
4-5 健康管理手帳
4-6 有害な作業環境における衛生基準・じん肺法
■演習問題4-1
4-7 有機溶剤中毒予防規則
4-8 特定化学物質障害予防規則
4-9 電離放射線障害防止規則
4-10 酸素欠乏症等防止規則
4-11 粉じん障害防止規則
4-12 石綿障害予防規則
■演習問題4-2
4-13 定期自主検査
4-14 作業環境測定
4-15 労働基準法関係・事業者の手続き等 (有害)
■演習問題4-3
第5章 労働衛生(有害業務に係るもの)
5-1 有害物質の分類
5-2 化学物質の吸収等
5-3有害ガスによる健康障害
5-4 有機溶剤による健康障害
5-5 金属・その他化学物質による健康障害
■演習問題5-1
5-6 粉CLICA健康障害
5-7 職業
5-8 騒音による健康障害
5-9 有害光線による健康障害
5-10 職業性疾病
■演習問題5-2
5-11 勞働衛生对策
5-12 作業環境測定
5-13 局所排气装置
5-14 作業環境改善手法
5-15 衛生保護貝
5-16 特殊健康診断の実施
■演習問題5-3
模擬問題
1. 模擬問題 法令(一般)
2. 模擬問題 衛生(一般)
3. 模擬問題 労働生理
4. 模擬問題 法令(有害)
5. 模擬問題 衛生(有害)
解答·解説
さくいん
参考文献
衛生管理者試験とは
「衛生管理者は働く人の健康を守るスペシャリスト!」
事業者は、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、衛生管理者の 免許を受けた者のうちから衛生管理者を選任し、安全衛生業務のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければなりません。また、衛生管理者の選任数は、 事業場の規模が大きくなれば増員する必要があります。
第1種衛生管理者免許を有する者は、運送業や製造業などすべての業種の事 業場において衛生管理者として選任することができます。第2種衛生管理者免許を有する者は、有害業務と関わりの少ない卸売・小売 業、旅館業、通信業、金融・保険業など一定の業種の事業場においてのみ、衛生管理者として選任することができます。
職務は、労働者の健康障害を防止するための作業環境管理、作業管理および 健康管理、労働衛生教育、健康保持増進対策、メンタルヘルス対策などです。
2 受験地
全国にある安全衛生技術センターで、毎月1~3回試験が開催されています。
・試験の開催地
北海道安全衛生技術センター
〒061-1407
北海道恵庭市黄金北3-13
0123-34-1171
東北安全衛生技術センター
〒989-242
宮城県岩沼市里の杜1-1-15
0223-23-3181
関東安全衛生技術センター
〒290-001
千葉県市原市能満2089
0436-75-1141
中部安全衛生技術センター
〒477-0032
愛知県東海市加木屋町丑寅海戸51-5
0562-33-1161
近畿安全衛生技術センター
〒675-0007
兵庫県加古川市神野町西之山字迎野
1079-438-8481
中国四国安全衛生技術センター
〒721-0955
広島県福山市新涯町 2-29-36
084-954-4661
九州安全衛生技術センター
〒839-0809
福岡県久留米市東合川5-9-3
0942-43-3381
このほかにも、各都道府県地区で出張試験が年に1回程度開催されまくわしくは、公益財団法人安全衛生技術試験協会のホームページをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。
●公益財団法人 安全衛生技術試験協会
ホームページ http://www.exam.or.jp/
電話番号 03-5275-1088
3 受験資格
衛生管理者試験の受験資格を以下に示します。
・衛生管理者試験の受験資格
1学校教育法による大学(短期大学を含む。)または高等専門学校注1)を卒業した者で、 その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの 他
2学校教育法による高等学校または中等教育学校(注2)を卒業した者で、その後3年 以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
3船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた者で、その後1年以上労働衛生 の実務に従事した経験を有するもの
4高等学校卒業程度認定試験に合格した者、外国において学校教育における12年の 4課程を修了した者など学校教育法施行規則第150条に規定する者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
5・専門課程の高度職業訓練のうち能開則別表第6により行われるもの注3)を修了した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
・応用課程の高度職業訓練のうち能開則別表第7により行われるものを修了した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの。
6普通課程の普通職業訓練のうち能開則別表第2により行われるもの「注31を修了し した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
7旧専修訓練課程の普通職業訓練を修了した者で、その後4年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
8 10年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
9・外国において、学校教育における14年以上の課程を修了した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
・特別支援学校(旧盲学校、聾学校または養護学校)の高等部を卒業した者など学校教育法第90条第1項の通常の課程による12年の学校教育を修了した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
【注1】 高等専門学校には、専修学校・各種学校等は含まれない。
【注2】中等教育学校とは中高一貫教育の学校のことで、中学校ではない。
【注3】改正前の法令により当該訓練と同等とみなされるものを含む。
4試験科目
衛生管理者試験には、第1種衛生管理者、第2種衛生管理者、特例第1種衛 生管理者の3種類の試験があります。それぞれの試験科目を以下に示します。
第1種衛生管理者
試験科目 | 出題数(配点) | 試験時間 |
関係法令 (有害業務に係るもの) | 10問(80点) | 3時間 (科目免除関係者は2時間15分) |
労働衛生(有害業務に係るもの) | 10問(80点) | |
関係法令(有害業務に係るもの以外のもの) | 7問(70点) | |
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) | 7問(70点) | |
労働衛生 | 10問(80点) |
第2種衛生管理者
試験科目 | 出題数(配点) | 試験時間 |
関係法令(有害業務に係るもの以外のもの) | 10問(80点) | 3時間 (科目免除関係者は2時間15分) |
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) | 10問(80点) | |
労働衛生 | 10問(80点) |
特例第1種衛生管理者
試験科目 | 出題数(配点) | 試験時間 |
関係法令(有害業務に係るもの以外のもの) | 10問(80点) | 2時間 |
労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの) | 10問(80点) |
※特例第1種衛生管理者免許試験とは、第2種衛生管理者免許を受けた者が第1種衛生管理者免許試験を受験する場合です。
5科目の免除について
次の者は、労働生理の科目が免除されます。
●科目免除者
・船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの
6合格基準・試験方式
(1) 合格基準 各科目40%以上、かつ合計60%以上を得点すること。
(2) 試験方式 五肢択一のマークシート方式。
7 受験申請書
(1)受験申請書の請求
受験申請書は、公益財団法人安全衛生技術試験協会、各安全衛生技術センターまたは受験申請書取扱機関で無料配布されています。また、受験申請書は、郵送で取り寄せることもできます。
(2)受験申請書類の作成
・免許試験受験申請書(所定の用紙)
・添付書類(卒業証明書、事業者証明書など)
・試験手数料 (6,800円)
・証明写真(30mm×24mm)
※試験手数料は、変更される場合があります。
(3)受験申請書の受付
受験を希望する各安全衛生技術センターに提出。
郵便(簡易書留)の場合
第1受験希望日の2か月前から14日前(消印有効)までに郵送。
センター窓口へ持参の場合
直接提出先に第1受験希望日の2か月前からセンターの休業日を除く2日前までに持参。
※定員に達したときには、受験日は第2希望日になります。
衛生管理者試験 合格するための5つのルール
(1) 目的を明確にする!
あなたは、何のために衛生管理者の試験を受けるのでしょうか。目的を明確 にすることが、合格に向けての第一歩です。目的が明確であればあるほど、学習はやる気に満ち溢れたものになり、途中で挫折することも少なくなります。
(2) 問題正解率90%以上を目標にする!
演習問題や模擬問題は、90%以上得点できるようになりましょう。試験合 格は合計60%以上得点をすることですが、試験回ごとに難易度が異なります。 90%以上得点できるようになっていれば、難しい試験の回でも合格ラインを超 えることができます。
(3) 問題をたくさん行う!
衛生管理者試験のような選択式の試験では、問題をたくさん解くことが大切 です。問題を解くことで、試験に合格するための解答力が身に付くからです。 参考書の内容は、問題を解くためにあるということを、肝に銘じておいてください。また、本書のダウンロード問題もやっておきましょう。
(4) 選択肢のポイントを押さえる!
問題の選択肢には、正否を判断するポイントがあります。たとえば、「赤血球は、 血液凝固作用に関与している。」という選択肢は誤りです。正しくは、赤血球で はなく血小板ですが、「血小板=血液凝固」というポイントを押さえていればわかることです。どんなに長い文章の選択肢でも、ポイントを見つければ覚える のが楽になります。
(5) コツコツ学習する!
子供の頃に比べて記憶力が悪くなったと考える人は多いでしょう。実は、大 人になると、一夜漬けのように短期間で覚える能力は衰え、色んな知識を連合 させて記憶する能力が上がるといわれています。詰め込み学習ではなく、なるべくコツコツと合格に向けて学習していきましょう。
本書の使い方
本書は、第1種衛生管理者試験、第2種衛生管理者試験、特例第1種危4 理者試験を受験する方を対象としたテキストです。試験で出題される学習項目 (テキスト)、演習問題および模擬問題で構成されています。
1学習項目(テキスト) 本書では各項目を2ページから6ページで構成し、コンパクトにまとめています。通勤/通学時間、お昼休みの空いた時間、仕事の移動時間など短い時間 でも効率的に学習可能です。
「第1種衛生管理者試験」を受験する方は、第1章から第5章まですべてを、
「第2種衛生管理者試験」を受験する方は、第1章から第3章までを、
「特例第1種衛生管理者試験」を受験する方は、第4章と第5章を、
それぞれ学習してください。
1節のテーマ:節のテーマとこの節で学習する内容について示しています。
2 重要度:各項目の重要度を★の数で表しています。3つ星(★★★) の項目は重要度が高いので、しっかり読んで必ず覚えましょう。
3 図表:重要ポイントや理解しづらいテーマについて、図や表を用いて解説しています。
4練習問題:学んだことを復習する○×問題です。○×問題はどこが正しいか、どこが間違っているかの理解度チェックに役立ちます。
5ポイント:学習ポイントについてまとめています。
6対応する試験:どの試験に対応しているかを表しています。「特1」は特例第1種衛生管理者試験に対応しています。
2 演習問題
本書には、随所に演習問題を挟み込んであります。演習問題を解いて、いままで学習した内容を確認しましょう。この 演習問題は、公益財団法人安全衛生技術試験協会が公表している「公表試験問題」を厳選し、使用しています。理解度を 深めるため、何度も繰り返し解いてください。
※「公表試験問題」を一部改定した問題もあります。
3 模擬問題
巻末には、模擬問題を掲載しています。問題を50問掲載しています。
4 ダウンロードについて
本書では、追加のコンテンツをインターネットからダウンロードで提供して います。ダウンロードで提供するコンテンツは次のとおりです。
・模擬問題 (第2回)、解答・解説
・模擬問題 (第3回)、解答・解説