2020年版 集中マスター 美容師国家試験合格対策&問題集




本書の使い方

本書は、国家試験である美容師試験の筆記試験対策のサブテキスト兼問題集です。
美容師試験は、2020年以降、以下のような内訳で出題されます。バランスよく勉強することが大切なのがおわかりいただけると思います。

関係法規・制度及び運営管理―10問
衛生管理―15問
公衆衛生・環境衛生
感染症
衛生管理技術(消毒法)
美容保健―10問
人体の構造及び機能
皮膚科学
香粧品学―5問
文化論及び美容技術理論―15問
計―55問

本書の使い方ですが、学習される方のタイプ別に紹介しましょう。

●まじめな人向け
学校の副読本として配付された場合は、先生の指示にしたがって使っていくとよいでしょう。自分で買った場合には、その日に学校の授業で出てきた部分について、「試験ではどう出題されるのか」のポイントを確認してください。実際に問題に取り組まなくても、それだけで随分役立つことと思います。理想としては、毎日の授業の後、本書の「重要ポイントチェック」でポイントを確認し、過去問題を解いておくとよいでしょう。本書は、授業の復習用教材としても使えるのです。

●筆記試験の勉強が嫌いな人向け
「実技は好きだけど筆記試験は苦手」といって、授業に身を入れて参加しなかったような人でも、美容師になるためには、筆記試験に合格する必要があります。試験前になったら本書で集中して勉強することで、出るポイントや出題傾向がわかり、短時間で対策を立てることができます。

●勉強はしていたけれど復習はしていない、という人向け
直前1ヵ月前からは本格的に対策をしてほしいところですが、最初に「演習試験問題」を1回分やってみましょう。すると、自分が苦手な分野がわかるので、その苦手な分野から順に勉強してみてください。一通り勉強したところで、次の「演習試験問題」にチャレンジ。そしてまた苦手なところから復習することをお勧めします。

どのタイプの人もこの本を活用して、美容師試験を突破してほしいと思います。ただし、試験突破の一番大切なポイントは、学校での授業をきちんと聞くこと(通信課程の人であればきちんと教科書を読むこと)です。わからないことは遠慮せずに、先生方に質問するとよいでしょう。総仕上げとして、新制度に対応した本書の「予想模擬試験問題」には、どのタイプの人もぜひ挑戦してみてください。

本書では、教科書に掲載されていない用語や内容でも、実際に試験で出題されたものは著者の判断で取り上げています。読者の皆様が美容師試験に合格なさることを、心よりお祈りしております。

JHEC事務局長
石井至

※本書は2019年9月1日時点の情報をもとに作成されています。
※最新の国家試験に関する情報は、公益財団法人理容師美容師試験研修センター(https://www.rbc.or.jp/index.html)の「お知らせ」等でご確認ください。

石井 至 (著) , JHEC[日本美容教育委員会] (編集)
出版社: 日本能率協会マネジメントセンター (2019/11/29)、出典:出版社HP

CONTENTS

本書の使い方
美容師試験の基本知識

I部 合格対策

関係法規・制度及び運営管理
重要ポイントチェック
重要ポイントチェック 答えと基本ポイント整理

衛生管理
重要ポイントチェック
重要ポイントチェック 答えと基本ポイント整理

美容保健
重要ポイントチェック
重要ポイントチェック 答えと基本ポイント整理

香粧品化学 (美容の物理・化学)
重要ポイントチェック
重要ポイントチェック 答えと基本ポイント整理

文化論及び美容技術理論
重要ポイントチェック
重要ポイントチェック 答えと基本ポイント整理

II部 演習試験問題

第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
予想模擬試験問題

別冊・解答と解説

石井 至 (著) , JHEC[日本美容教育委員会] (編集)
出版社: 日本能率協会マネジメントセンター (2019/11/29)、出典:出版社HP

知っておきたい美容師試験の基本知識

◎美容師になるには
美容師について定める美容師法という法律では、第3条1項で「美容師試験に合格した者は、厚生労働大臣の免許を受けて美容師になることができる」と定めています。つまり、美容師試験に合格した人だけが美容師になれるのです。

◎美容師試験とは
美容師試験は、同法第4条の2で、厚生労働大臣が指定試験機関を指定して試験の事務を行わせることができると定めており、現状では、公益財団法人理容師美容師試験研修センターが唯一の指定試験機関になっています。

公益財団法人理容師美容師試験研修センター問い合わせ先
〒135-8507 東京都江東区有明3-7-26 有明フロンティアビルB棟9F
TEL 03-5579-0911 または各ブロック事務所・府県支部等

◎受験資格
美容師試験の受験資格は、同法第4条3項の規定により、「厚生方働大臣の指定した美容師養成施設において厚生労働省令で定める期間以上美容師になるのに必要な知識及び技能を修得したものでなれば受けることができない」とされています。つまり、美容学校を卒業した人でないと受験できないことになっています。また、美容学校の期間は、美容師法施行規則第11条に定められているとおり、昼間・夜間課程は2年間、通信課程は3年間になっています。

◎試験科目
現在の枠組みで行われた最初の試験(平成12年7月2日)以降、以下の形で出題されています。なお、解答時間は1時間40分で、60%以上の正答率で合格となります(ただし、いずれの課目においても無得点がないこと)。

なお、平成31年3月に試験科目と出題数の変更が発表されました。主な変更点は、「運営管理」「文化論」が加わったことです。「運営管理」は経営、労務管理、マーケティング等の内容を含んでおり、現場の美容所の運営に必要な内容です。また、「文化論」は美容業の歴史、日本と西洋のファッション文化史、洋装を含む礼装についての内容になっています。

<平成12年~令和3年(経過措置)>

課目(科目) 出題数
関係法規・制度 5問
衛生管理 15問
美容保健 10問
美容の物理・化学 10問
美容理論 10問
合計 50問

 

<令和2年~>

課目(科目) 出題数
関係法規・制度及び運営管理 10問
衛生管理 15問
美容保健 10問
香粧品化学 5問
文化論及び美容技術理論 15問
合計 55問

 

◎美容師免許
美容師試験に合格した人は、同施行規則第1条のとおりに、免許申請書に戸籍謄本(または抄本、住民票の写し)と医師の診断書をそえて、厚生労働大臣の指定登録機関に提出します。審査を通過すると、美容師名簿に登録され、指定登録機関から美容師免許証明書が交付されることになります。

◎傾向と対策、予想について
満点を狙うわけでなければ、過去問題を勉強し、この合格対策&模擬問題集に取り組めば、十分、合格点が取れます。集中して取り組んでほしいと思います。教科書の改訂を受けて、試験の内容が変わったところもありますが、一方で、現在の教科書に載っていない部分も引き続き出題されています。教科書に書いていないことが試験で出題されるのはおかしい、という意見はその通りですが、苦情を言ったところで点数が取れるわけではありません。教科書に書いていないところでも、自分で調べて教科書に書き足すくらいの意欲で取り組むことをおすすめします。

略称について
本文では下記のように略称を用いています。
法…美容師法
施行令…美容師法施行令(政令)
施行規則、規則…美容師法施行規則(厚生労働省令)

石井 至 (著) , JHEC[日本美容教育委員会] (編集)
出版社: 日本能率協会マネジメントセンター (2019/11/29)、出典:出版社HP