CD2枚付 全国通訳案内士試験「英語2次(口述)」合格! 対策




本著を刊行するにあたって

全国通訳案内士を憧れの職業に!

2018年1月4日、通訳案内士法や旅行業法が改正され新法が施行されました。その改革には大きく2本の柱があります。1本目の柱は旅行サービス手配業者に対する規制でした。この改革によりノンライセンスガイドの手配に対する管理が可能になりました。
改革のもう1本の柱が、通訳案内士資格の業務独占を廃止し名称独占のみとすることです。これにより、訪日外国人に対し、全国通訳案内士や地域通訳案内士の資格を持っていない人でも有償で旅行に関する案内を行うことができるようになりました。

これは通訳案内士にとって大変重要な改正であり、既存の通訳案内士団体のほとんどがこの改正に反対してきたことは多くの方がご存知かと思います。私たち、会員数1,500名を超える日本最大の通訳案内士団体である「新日本通訳案内士協会」も、業務独占廃止反対の行動をとってきました。

しかし、2016年の国会の議決を経て制度改革が実施された今日においては、改革のマイナス面を嘆くだけでなく、通訳案内士にとってのプラス面を見出すように努め、前に進むことが大切なのではないでしょうか。新日本通訳案内士協会の開催する通訳案内士新人研修では、この団体の母体である特定非営利活動法人日本文化体験交流塾(IJCEE)の理事長である米原亮三氏から、「ピンチをチャンスに変える」ことこそ通訳案内士が成功する秘訣だというお話をいただきました。

観光庁研修のテキストの中に以下の記述があります。「今回の見直しによって、通訳案内業務における参入規制がなくなることで、多くの方がこの分野に参入することが予想されますが、全国通訳案内士は、高い語学力を有しているとともに、訪日外国人旅行者に対して我が国の歴史、地理、文化等について、正確に、かつ直接伝えることができる人材として国家資格を得た者であり、急増する訪日外国人旅行者や多様化するガイドニーズに的確に対応していくためには、今後も重要な役割を担っております。
観光庁としても、質の高い全国通訳案内士が「憧れの職業」となるよう環境を整備していきたいと考えています。

受験生の皆さん、逆境をプラスに変えましょう。新日本通訳案内士協会は、この諸制度改革のプラス面を生かし、全国通訳案内士が憧れの職業となるように取り組んでいきます。

ガイドラインが変わった

このような状況の変化の中で試験に合格するためには、2018年3月改正の全国通訳案内士試験ガイドライン(以下、新ガイドライン)を正確に読み取り、試験方法を十分に把握する必要があります。

口述試験には以下の2本の柱で成り立っています。
<第1の柱:通訳問題>
まず、新ガイドラインでは口述試験について以下のように記載されています。

試験は、総合的な外国語の能力並びに日本地理、日本歴史、一般常識及び通訳案内の実務に係る正確な知識を活用して行われる、通訳案内の現場で必要とされるコミュニケーションを図るための実践的な能力について判定するものとする。

「通訳案内の実務」という項目が、今回新たに口述試験のカテゴリーに追加されました。それに伴い、通訳問題は以下のように改訂されました。

試験委員が読み上げる日本語を外国語訳し、その問題文に関連した質疑を行う『通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応に関する質疑』

『通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応に関する質疑』とは、「通訳案内の実務」に関連する日本文の外国語訳になると考えられます。「通訳案内の実務」は筆記試験の科目であり、その試験内容は「全国通訳案内士が通訳案内を行うに当たって必要となる関係法令に関する知識や旅程管理の実務に関する知識、訪日外国人旅行者の国別・文化別の特徴等に関する知識、災害発生時等における応急的な医療対応や危機管理に関する知識」と記載されています。つまり通訳問題では、以下に関連する内容が出題されそうです。

①旅程管理の実務に関する知識
②訪日外国人旅行者の国別・文化別の特徴等に関する知識
③災害発生時等における応急的な医療対応や危機管理に関する知識

<第2の柱:プレゼンテーション問題>
これは選択的なテーマによるプレゼンテーション問題で、新ガイドラインには以下のように記載されており、これまでの内容と変化はありません。

提示される3つのテーマから受験者が1つを選び、外国語で説明を行い、そのテーマについて試験委員と外国語で質疑応答を行う『プレゼンテーション問題』

外国人観光旅客が多く訪れている又は外国人観光旅客の評価が高い観光資源に関連する地理、歴史並びに産業、経済、政治及び文化についての主要な事柄のうち、外国人観光旅客の関心の強いものを題材として、受験者に通訳案内の業務を擬似的に行わせる

2017年度の口述試験では、「インスタ映え」、「奥入瀬渓流」、「交番」、「宮内庁」、「満員電車」、「コミックマーケット」、「千羽鶴」、「ジンギスカン」、「民泊」等のテーマが出題されました。2016年以前の出題と比較すると歴史関連の問題が減少し、一般的な内容(いわゆるジェネラルトピック)が増加したように思われます。プレゼンテーション問題の出題傾向は毎年大きく変化する傾向があり、今後も出題については予測が困難です。いずれにしても、基礎的な知識力や豊富な語彙力、英語による表現力が必要だと思われます。

<合格基準点の引き上げ>

今回の新ガイドラインでは、口述試験の合格基準についても以下の通り変更がありました。合否判定は、原則として7割を合格基準点とし、当該合格基準点に達しているか否かを判定することにより行う。

2016年の試験までの合格基準点は6割でしたので、そこから引き上げられたかたちとなります。今回のガイドラインの改正により、筆記試験の英語の免除規定も見直されました。TOEIC免除に有効期間が設定され、かつ免除基準が840点から900点に引き上げられました。先に述べたように、「全国通訳案内士が憧れの職業となるように」制度改革を進める以上、求められる合格水準も高く引き上げられるということです。

<ホスピタリティが問われる>

さらに今回のガイドライン改正では、評価基準だけでなく評価項目について以下のように追加されました。

評価項目
・プレゼンテーション
・コミュニケーション(臨機応変な対応力、会話継続への意欲等)
・文法及び語彙
・発音及び発声
・ホスピタリティ(全国通訳案内士としての適切な受け答え等)」

「コミュニケーション、文法及び語彙、発音及び発声」等の項目は従来からありましたが、「ホスピタリティ(全国通訳案内士としての適切な受け答え等)」は今回が新たに追加された評価項目です。
ホスピタリティについては、単なる知識でなく「旅程管理の実務」や「危機管理」に関連する質疑を通して評価されると推定されます。

本書の特徴

このように今年から全国通訳案内士試験の口述試験は大きく様相が変わります。本書はその新形式に対応すべく、以下の通り作成しました。

1:新しい通訳問題への対応
まず、2017年までの通訳問題を振り返ってみましょう。口述試験の問題は公表されていませんが、本書監修のTrue Japan Schoolの受講生レポートによると、2017年は以下のような問題が出題されていました。

問題1
カツ丼はご飯の上にタレと卵でとじた豚カツを乗せた日本の丼料理です。庶民的な家庭料理ですが外食としても人気があります。一般的なカツ丼はまず、豚カツを作り、玉ねぎとタレで軽く煮込んでからとき卵を入れ、温かいご飯の上に乗せて食べます。

問題2
演歌は日本人の心を歌う歌謡曲のひとつのジャンルです。古くからあるものと思われがちですがその歴史は意外と新しく、1960年代に始まったと言われています。明治時代から戦前まではジャズやシャンソンといった外国音楽や唱歌、軍歌などが人気でした。

問題3
道後温泉は四国・愛媛県松山市に湧出する温泉です。日本三古湯のひとつで、古くからその存在が知られており万葉集にもその名が記されています。また、夏目漱石の小説『坊ちゃん』の舞台にも登場したことで有名で、愛媛県を代表する観光地となっています。共同浴場がある道後温泉本館は街のシンボルです。

以上のような問題は、「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応」とは考えにくいものです。通訳問題は今年から大きく変わります。本書には通訳問題の予想問題を30問掲載しています。これは、ベテランの通訳案内士が「通訳案内の現場で必要とされるコミュニケーション」とは何かを話し合い、予想される問題を素材として作成したものです。

2:通訳問題のメモ取り例を全通訳問題に掲載
プロの通訳者でもある講師が全30問の通訳問題についてメモを取りました。実際の逐次通訳の現場で実践している生のメモ取り例をそのまま掲載しています。さらに、そのメモを細かく分析した解説も記載していますので、通訳そのものの勉強をしたことがない受験生にとっても学習しやすい内容になっています。

3:通訳問題のモデルアンサーは実際の通訳に即した形で掲載
通訳と翻訳は違います。翻訳は書いてあるものを別の言語の文章に変換することです。一方通訳は、相手の話し言葉を聞いて記憶しながらメモに取り、そのメモを見ながら聞き手の言語に口頭で変換して伝えることです。

そのため、本書の通訳問題のモデルアンサーはあえて日本語の問題文の完璧な翻訳にはしていません。通訳として最も現実的だと思われる英文をモデルアンサーとしています。例えば、1文がとても長い問題であった場合、その長い1文を短い日本文に変換してから英語に変換しています。関係代名詞等を多用して長い英文に変換することは、口述試験の通訳として考えた場合にあまり現実的ではないのであえて避けて掲載しています。

4:数字や固有名詞にとらわれない回答である
本書にはプレゼンテーションの予想問題も30問掲載しています。またモデルアンサーも掲載していますが、それらは全てプロの通訳案内士が実際の現場で使っているものです。難解な語句や複雑な構文の使用は極力避け。学習しやすい内容としています。

筆記試験では固有名詞や年代などの記憶力が重視されてきましたが、観光ガイドの現場では、年代や固有名詞を多用したガイディングは「下手なガイド」、「楽しくないガイド」、「眠くなるガイド」の典型です。良いガイドとは、難しい単語を使わなくても内容を分かりやすく伝えることができるガイドです。

また、口述試験の本番において、固有名詞や数字にこだわりすぎると咄嗟に思い出すことができず失敗する例も多くあります。実際の回答では数字や固有名詞を使っていることもありますが、固有名詞を忘れても全体の文脈で説明できるように理解力を高めてください。

本書が皆さんの合格の一助となれば幸いです。

新日本通訳案内士協会 会長
特定非営利活動法人日本文化体験交流塾 副理事長
山口和加子

新日本通訳案内士協会 (著), True Japan School (監修)
出版社: 三修社 (2018/8/30)、出典:出版社HP

本書の使い方

1章 通訳問題[30問]

A
音声を聞き取り、通訳問題の練習問題を解きましょう。実際の試験中もメモ取り可能なので、本書でも各問題にメモのページを設けています。

B
プロの現役通訳者による、メモ取りの例を紹介しています。「通訳問題の勉強方法と攻略法」のページでも触れていますが、メモ取りの方法は人それぞれです。しかし、本物のメモを見ることで、ご自身でも使えそうなメモ取り方法を発見したり、実際に通訳者になった気持ちで試験勉強のモチベーションになったりするでしょう。様々な場面で使えそうなメモは、吹き出しで日本語の解説を入れています。

C
Bのメモ例をさらに詳しく、モデルアンサーの英文に照らし合わせて解説しています。通訳の場合、1語1語をきちんと訳して伝えるというよりは、きちんと流れてきた音声を理解して、伝えることが重要です。そのため、日本語音声がモデルアンサーの直訳になっていないこともしばしばあると思いますが、日本語音声をどう理解して(メモとして取って)、英文に変換しているかを確認してみるようにしましょう。

D
Aで流れてきた日本語音声のスクリプトと、それを通訳した時にできる英文のモデルアンサーです。また、「実際のガイド中に想定される状況」は、実際に皆さんが全国通訳案内士になった時に、実際のガイド中で起こり得る状況を掲載しました。試験対策だけでなく、実際、通訳案内士になった後も十分使える内容ですので勉強してみましょう。
*「通訳問題」の想定質疑に関しては、1章の巻末に30のテーマごとに、質疑のみ、日本語で掲載しています。

2章 プレゼン問題 [30問]

E
実際の試験では3つのテーマのうちひとつを選びますが、練習問題という性格上、30のテーマを扱っています。

F
オリジナルワークシート(→参照)を使ってプレゼンの構成を考える練習もできます。このページでは、オリジナルワークシートを使うと、各テーマに対してどういったアイデアとプレゼン構成が立てられるかという一例をご紹介します。Gで紹介するモデルアンサーを作るまでの思考回路として参考にしてみましょう。

G
モデルアンサーです。右上にあるトラック番号に音声が収録されていますのであわせて確認してみましょう。「プレゼン問題の勉強方法と攻略法」でも紹介していますが、プレゼンのスピーチは型に当てはめることが重要です。モデルアンサーを型に当てはめて掲載しています。ここの音声だけはゆっくりとしたスピードで収録しています。実際は考えながらスピーチするので間があると思いますが、時間を余らせすぎず2分を超えないようにプレゼンしましょう。

H
Gのモデルアンサーの訳と解説です。解説では、型にそった説明をしています。その他、表現のバリエーションやモデルアンサー以外のアイデアなども紹介しています。

I
「プレゼン問題」で考えられる質疑応答の例を掲載しています。

J
Iの訳と関連コラムを掲載しています。プレゼン問題でももちろんですが、質疑応答でも、そのテーマに関する様々な知識を持っていることが大切です。本書の30のテーマごとに試験に役立つテーマ選びの方法や日本文化・歴史の知識などの情報を載せていますので英語以外の知識も一緒に身につけて学習できます。

全国通訳案内士試験とは

「全国通訳案内士として必要な知識及び能力を有するかどうかを判定すること」(通訳案内士法第五条)を目的とした国家試験。

■受験資格
不問。

■試験科目
第1次(筆記)と第2次(口述)に分かれて構成される。
第1次(筆記試験)★該当資格者は免除あり。
・外国語(英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語)
・日本地理
・日本歴史
・産業・経済・政治及び文化に関する一般常識並びに通訳案内の実務

第2次(口述試験)
通訳案内の実務(筆記試験で選択した外国語による、通訳案内の現場で必要とされるコミュニケーションを図るための実践的な能力を判定するための面接形式の試験)。
・2018年の法改正により、筆記(第1次)試験に「通訳案内の実務」が追加。

■試験日
第1次(筆記):8月中旬頃
第1次(筆記)合格発表:11 月上旬頃
第2次(口述):12月上旬頃
最終合格発表:翌年2月上旬頃
*例年のおおまかなスケジュールですが、毎年変動しますので、詳しくは観光庁HPをご確認ください
(https://www.jnto.go.jp/jpn/projects/visitor_support/interpreter_guide_exams/index.html)

■受験手数料
11,700円(税込)

2次試験(口述)とは

■試験方法
・試験は、総合的な外国語の能力並びに日本地理、日本歴史、一般常識及び通訳案内の実務に係る正確な知識を活用して行われる、通訳案内の現場で必要とされるコミュニケーションを図るための実践的な能力について判定するものとする。
・試験を受けることができる外国語は、受験者が筆記試験において選択したものと同一のものとする。
・試験は、外国人観光旅客が多く訪れている又は外国人観光旅客の評価が高い観光資源に関連する地理、歴史並びに産業、経済、政治及び文化についての主要な事柄のうち、外国人観光旅客の関心の強いものを題材として、受験者に通訳案内の業務を擬似的に行わせることにより実施するものとする。
・試験時間は、10分程度とする。
・終了者からの問題の漏洩を避けるため、当該時間帯の間、終了者を未受験者と別の部屋に待機させ、通信機器を預かる等の措置を取るとともに、時間帯によって大きな差が出ないように質問内容のレベルを合わせるなど、受験者間で不公平が生じないような方法とする。
・内容は、試験委員が読み上げる日本語を外国語訳し、その問題文に関連した質疑を行う「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応に関する質疑」、提示される3つのテーマから受験者が1つを選び、外国語で説明を行い、そのテーマについて試験委員と外国語で質疑応答を行う「プレゼンテーション問題」の2題とする。なお、「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応に関する質疑」において、試験委員が読み上げる問題内容については、メモを取ることを認める。
・「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応に関する質疑」については、試験委員に対して、受験者は全国通訳案内士としての適切な受け答えをすること。

■合否判定
・合否判定に当たっては、試験委員ごとに基準が大きく異なることがないよう、あらかじめ以下の評価項目ごとに、具体的な評価基準を設定しておくものとする。合否判定は、原則として7割を合格基準点とし、当該合格基準点に達しているか否かを判定することにより行う。

評価項目
・プレゼンテーション
・コミュニケーション(臨機応変な対応力、会話継続への意欲等)
・文法及び語彙
・発音及び発声
・ホスピタリティ(全国通訳案内士としての適切な受け答え等)

*日本政府観光局(JNTO)のHP
(https://www.jnto.go.jp/jpn/projects/visitor_support/interpreter_guide_exams/index.html)をもとに作成しています(2018年6月現在)。
最新情報はHP をご確認ください。

詳しい2次試験の流れについては、こちらをご覧ください。

新日本通訳案内士協会 (著), True Japan School (監修)
出版社: 三修社 (2018/8/30)、出典:出版社HP

目次

本著を刊行するにあたって
本書の使い方
全国通訳案内士試験とは
音声ファイルダウンロード
2次試験(口述)の概要

1章 通訳問題

通訳問題の勉強方法と攻略法
練習問題1 【JR の運転見合わせ-1】
練習問題2 【JR の運転見合わせ-2】
練習問題3 【遊覧船の欠航アナウンス】
練習問題4 【観光地が修復中】
練習問題5 【Welcome letter】
練習問題6 【ホテルのベッドサイズ】
練習問題7 【予約したホテルで禁煙室が用意できない】
練習問題8 【旅館の説明】
練習問題9 【電車内の優先席のご案内】
練習問題10 【寺院入場の際の注意事項】
練習問題11 【博物館内の注意事項】
練習問題12 【博物館の説明】
練習問題13 【参拝の際のルール】
練習問題14 【お寺の見学時の説明】
練習問題15 【山岳ツアー時の注意事項】
練習問題16 【村での過ごし方の説明】
練習問題17 【物産展での説明】
練習問題18 【庭園で有名な記念館での説明】
練習問題19 【会席料理の説明】
練習問題20 【旅館での火災報知器】
練習問題21 【山梨のホテルで地震】
練習問題22 【台風の襲来】
練習問題23 【免税店でのアナウンス】
練習問題24 【現金のみの対応】
練習問題25 【食券の購入】
練習問題26 【旅行中の病院受診】
練習問題27 【忘れ物を送ってもらう】
練習問題28 【居酒屋のお通し】
練習問題29 【奈良公園の鹿】
練習問題30 【温泉の入り方】
テーマ別 想定質疑リスト
1章&2章で使える「必勝!英単語 必須バイブル」活用法

2章 プレゼン問題

プレゼン問題の勉強方法と攻略法
練習問題1 【天皇制度】 歷史
練習問題2 【侍】 歷史
練習問題3 【幕末から明治にかけて】 歷史
練習問題4 【日本のお祭】 年中行事
練習問題5 【鎌倉】 地名・固有名詞
練習問題6 【日本の城】 建築
練習問題7 【日本のサラリーマン】 ジェネラル・トピック
練習問題8 【山岳信仰】 宗教
練習問題9 【高山】 地名・固有名詞
練習問題10 【日本の世界遺產】 ジェネラル・トピック
練習問題11 【富士山】 地名・固有名詞
練習問題12 【宮島】 地名・固有名詞
練習問題13 【平泉】 地名・固有名詞
練習問題14 【日本の建築樣式】 建築
練習問題15 【日本の庭園】 建築
練習問題16 【和食】 食
練習問題17 【日本酒】 食
練習問題18 【精進料理】 食
練習問題19 【新幹線】 交通
練習問題20 【盆栽】 伝統文化
練習問題21 【忍者】 歷史
練習問題22 【茶道】 伝統文化
練習問題23 【風呂敷】 伝統文化
練習問題24 【歌舞伎】 伝統文化
練習問題25 【お寺と神社】 宗教
練習問題26 【アニメとマンガ】 ポップカルチャー
練習問題27 【芸者】 伝統文化
練習問題28 【居酒屋】 ジェネラル・トピック
練習問題29 【相撲】 伝統文化
練習問題30 【桜】 ジェネラル・トピック

全国通訳案内士試験2次・2次共通 必勝!英単語必須バイブル
合格に向けた3つのステップ
著者紹介及び関連組織紹介
付録 オリジナルワークシート

2次試験(口述)の概要

試験の大きな流れ(約10分)

●試験開始前
受付
・受験票、筆記試験の合格通知、身分証明書などを提示します。
・番号札が渡されるのでこれを首にかけます。

待合室
・携帯電話や電子機器等は使用を禁止されます(試験終了後、会場の外に出るまで禁止)。
・ノートや本は見ても良いとされています。
・飲み物は良いですが、食事(あめやガムを含む)は禁止です。
・トイレには係員の誘導で複数名が並んでいきます。

試験室への入室前
・係員の案内で複数名が待合室から試験室前の廊下へ移動し、番号順に椅子に座って待ちます。
・本を読んだり、飲み物を飲んだりすることはできません。

試験室入室
・試験室の中から試験官が出てきて「次の方、どうぞ」と受験者に声をかけます。
・試験官は2名(1名は日本人、1名は受験言語のネイティブ)
・名前と受験番号を聞かれます。
・受験者の調子や来場方法などについて聞かれる場合もあります(採点には関係しません)。

●逐次通訳問題
☆本書では1章(所要時間:1分30秒程度)
試験官が、通訳案内の現場で必要となる知識等に関する日本語の文章を読み上げ、受験生はそれを聞き取りメモを取ります。読み上げが終わったら受験外国語に訳します。その後その内容に関して質疑が行われます。
・今年のガイドライン改定で、通訳問題は「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する」内容となった
・読み上げられる日本文は例年120字~150文字程度
・日本語の文章の読み上げは1回のみ
・読み上げの際にはメモを取ることができる(メモと筆記用具はその場に用意されているもののみ使用可能)
・例年、日本語の読み上げが終了したら、すぐに通訳を開始し、1分以内に終えなければならない(受験生の報告による)

●質疑応答
☆本書では1章の終わりに掲載(所要時間:3分程度と推定)
受験生が訳した内容に関して質疑が行われます。通訳に関しての質疑は2018年から新しく導入されます。
・「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する」質疑となる。
・この質疑への対応についてガイドラインには「受験者は全国通訳案内士としての適切な受け答えをすること。」と記載されている。

●プレゼンテーション問題
☆本書では2章(所要時間:2分30秒程度)
3枚の異なったテーマが日本語で書かれたカードが渡され、受験生はその中からひとつ選び、テーマに沿った2分程度のプレゼンを行います。プレゼンの後は試験時間が終わるまで質疑応答です。
・受験生は3つのテーマから自分で好きなものをひとつ選びプレゼンの構成を考える。この時間は30秒間のみ
・選んだテーマを試験官に伝え、2分程度で、受験外国語でプレゼンを行う
・プレゼンは2分が経過した時点で試験官から合図があり終了となる

●質疑応答
☆本書では2章の各テーマにそれぞれ掲載(所要時間:3分程度)
受験者が話した内容に基づいて受験外国語による質疑応答が行われます。
10分間の試験時間が終了するまで行われる。

●試験終了後
試験室退出と待機
・試験終了後、試験室を退出し係員誘導のもと指定された場所で待機します(解散となるまで勝手に帰ってはいけません)。
・自分のグループ全員の試験が終了するまで、そこで待機します。
・この間、電話をしたり私語をしたりすることは禁止されています(係員が監視しています。読書は可)。

解散
・グループ全員が揃うと番号札が回収されます。
・他の教室も全員試験を終えたことが確認された後、係員の先導で待合室(あるいは椅子の置いてある廊下)から退出して解散となります。

★合格のために口述試験の受験生が留意しておくべきポイント★
❶試験室に入室した瞬間に合否はほぼ決まる!
試験官は1人の受験生が退出すると、ほとんど空き時間なく次の受験生を招き入れています。つまり一人ひとりの受験生の合否についてゆっくり考える時間はないのです。試験室に入室の際には、満面の笑顔で「Hello!」と言って試験官に挨拶しましょう。そうするだけで試験官はあなたに対して「明るくてガイドらしい人だな」と好印象を抱きます。
「メラビアンの法則」をご存知でしょうか。話し手が聞き手に与える影響は下の図のようになると言います。

❷口述試験は「外国語の試験」ではない!
口述試験は何の試験でしょうか?全国通訳案内士になるための面接試験ですよね。
つまり、「ガイドとしての適性」が評価され、「ガイドとして外国から来たお客様に、しっかりと日本を紹介して楽しませてくれそうだな」という「印象を試験官に与えた」人が合格します。よく勘違いされがちですが、単なる英語の試験ではありません。過去に英語がとても堪能な方が不合格になった例もあります。

❸10分間でしっかりと自分を演出すること!
❶と❷をふまえると、試験の10分間で「ガイドらしい自分」をしっかりと演出できた人が合格すると言えるでしょう。

ガイドらしさを演出するポイントは3つです!
①笑顔・・・・・・・・口角を上げるだけではなく、目までしっかり笑いましょう。
②ホスピタリティ・・・お客様を楽しませるために全身全霊の意識を傾けます。
③真摯さ・・・・・・・難しいことや知らないことを聞かれても、真摯に向き合う心意気が必要です。

新日本通訳案内士協会 (著), True Japan School (監修)
出版社: 三修社 (2018/8/30)、出典:出版社HP