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目次 – 森林管理士への道 STEP1
目次
第1章 森林管理士の役割(吉澤光三)
1.1森林管理士の目標
1.2森林の働き(多面的機能)
1.3日本の森林・林業の現況
1.4森林管理士の役割
第2章 育林学・森林生態学(谷本丈夫)
2.1育林学(造林学)と森林生態学との関係
2.2育林技術の目標と変遷
2.3森林の仕立て(造林)
第3章 森林と林業(石島操)
3.1森林と林業に関する基本認識
3.2森林・林業の課題
第4章 森林の機能と有効活用(清野嘉之)
4.1地球環境保全
4.2国土保全機能
第5章 森林・林業再生プランと森林法の改正(落合辰巳)
5.1森林・林業再生プラン
5.2森林法の改正
5.3森林経営計画
第6章 森林の快適環境形成機能と保健レクリエーション機能(香川隆英)
6.1森林の快適環境形成機能
6.2森林の保健レクリエーション機能
第7章 森林カーボン・オフセット(吉澤光三)
7.1森林カーボン・オフセットの概要
7.2J-VERによる森林プロジェクトの種類
7.3カーボン・オフセットの現状と将来の予測
第8章 森林管理における安全衛生管理(齋藤喜代子)
8.1林業労働災害の現状
8.2森林管理における労働安全衛生法
はじめに
1997年12月に京都で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で日本は、温室効果ガスを2008年から2012年までの5年間に1990年を基準年として6%削減することに調印した。その後2001年11月にモロッコのマラケシュで行われた京都議定書の細部取り決めの席で、日本森林の二酸化炭素吸収目標値の上限を1300万炭素トン、削減目標6%の内の3.8%まで認められることになった。この数値は、日本全体削減量6%の63%に当たり、森林の温暖化防止への役割は大きくなった。
しかし、日本の森林は、荒廃しCOP91、COP10*2で決められたCO2の吸収量の算出基準に適合しない部分があり、早急に基準に適合させる必要に迫られた。このため、除・間伐等の森林整備を行い、CO2の吸収・貯留能力の向上を図る必要にせまられた。政府は、森林のCO2削減目標達成のため2005年森林吸収源対策として「国民参加の森づくり」を発表し、この目標達成のため330万ヘクタールの森林整備が必要となった。
このため、2008年5月に「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」を成立させ、さらに、森林法の一部改正する法律が2011年3月公布され、2012年4月1日施行されている。2011年3月11日の東日本大震災の影響によって、電力供給の約30%を担っていた原子力発電所のほとんどが停止状態になり、この不足電力を補うためには、当分の間火力発電に頼らざるを得ないことになった。化石燃料による火力発電は、CO2の排出増加は免れない。
森林は、第一次産業としての林業の場のみならず、CO2吸収・貯留による地球温暖化防止の面でも大きな責務を課せられ、さらには国土保全機能としての公共機能、生物多様性維持機能等の面でも重要な役割をもっている。
これらの森林の役割を十分に発揮するためには、森林の適正管理が必須である。従来の森林管理手法に加え、アメリカやオーストリア等で活躍する民間の森林管理士(フォレスター)を活用して森林の適正管理、山村の活性化を推進することも必要と考え、NPO法人日本樹木育成研究会では2007年に「森林管理士資格養成講座」を開始した。当初は、一民間の資格養成講座であったが、2012年には「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」に基づく環境大臣および農林水産大臣の人材認定等事業に登録され、社会的、公共的な意義が強調されることになった。
「森林管理士」は、現在、20の都道府県に181名おり、ボランティアが行う除伐・間伐の手法、選定木の指導、林家の森林経営計画作成補助、セラピー森林の維持管理指導、子供を対象とした街路樹や校庭木のCO2吸収量の算定等の環境教育等、様々な活動を行っている。2012年には、東日本大震災による津波被災地の要請を受け宮城県石巻市雄勝町で植栽予定地の塩分濃度等の土壌分析や放射線量測定などを森林管理士が行った。
本書は、森林管理士養成講座をご担当されました先生方に執筆をご依頼しました。また、本書は、森林管理士の資格取得のための基礎知識や森林に対する初歩的な知識を得るための参考書として活用して頂ければ孝甚です。
2013年12月15日
森林管理士資格認定委員会
委員長 吉澤光三