LCAエキスパート検定試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)




LCAエキスパート検定の概要

LCA(ライフサイクルアセスメント)は、製品のライフサイクルにおける投入資源、環境負荷及びそれらによる地球や生態系への環境影響を定量的に評価する方法として、また事業者間、消費者向けなど外部への情報開示ツールとして海外も含めて急速にその活用の途が拡大してきています。特に欧州環境フットプリントや米国のScope3など、LCAを活用した環境情報開示に関する動向が目まぐるしい状況です。
このような状況下で、LCA実施者がその専門性、技量等において一定の力量を有しているかどうかを評価し、LCA実務者として認定することを目的に、日本LCA学会と一般社団法人産業環境管理協会の共催でLCAエキスパート検定試験を実施しています。

LCAエキスパート検定試験の公式テキスト

公式ホームページから購入が可能です。
LCAエキスパート検定公式HP
また、ホームページでは、問題例を見ることができます。

目次 – LCA概論 (LCAシリーズ)

発刊にあたり

近年,地球環境問題に対する関心が高まり,持続可能な社会の構築が必要であるとの認識が広まってきました。こうした流れを定着させるためには,政府・産業・消費者がそれぞれの立場で持続可能な社会を目指した活動を展開することが大切です。

とりわけ産業・企業活動としては,環境配慮型経営(環境マネジメント)を推進し,環境配慮製品(エコプロダクツ)を開発・普及することが肝要であり,双方をともに進めていくことが,いま企業に求められています。

産業界のこの活動を支援することを目指して,1993年に国際標準化活動としてISO/TC207が設置されました。ISO/TC207のなかでは,事業所の環境マネジメントシステム(ISO14001)のような環境配慮型経営と,ライフサイクルアセスメント(LCA)(ISO14040シリーズ)やエコラベル(ISO14020シリーズ)のような製品の環境側面を改善し,普及する方法の国際標準規格が発行されてきました。

またLCAは,この10年間で目覚しい発展と普及が図られ,産業界においては多くの企業が環境側面の定量化のための基本ツールとして利用し実践しており,今後もLCAの実施者が増えていくことが想像されます。

本書ではとくに,製品やサービスの環境側面の評価手法であるLCAに焦点をあて,国際標準規格に規定されたLCA調査の実施の手順に沿って,それぞれ項目について、内容,実務的対処方法等,事例を参照しながら解説しています。

LCAの国際標準規格の本文を読んでもなかなか理解しにくい部分,理解できても実践的対応が不明確な部分等を重点的に解説し,LCA実務者がLCA調査の実施で困ったときに,実務的に対処できるような方法を示しました。読者が独学でLCAを理解し,実践できる知識と技能を身につけられるよう配慮したつもりです。

本書は1998年に発刊された『LCA実務入門』の改訂を目的として,LCAをやさしくかつ実践的に解説した実務入門書であり,先に発刊された『LCAの実務』(2005),『ライフサイクル環境影響評価手法』(2005)との3部作の一つです。

本書がLCAを初めて学ぶ高校生,大学生,社会人に向けた入門解説書として活用され役立てば望外の幸せです。

2007年10月
東京大学人工物工学研究センター/
産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センター
稲葉敦
社団法人產業環境管理協会環境技術部門
青木良輔

伊坪 徳宏 (著),成田 暢彦 (著),田原 聖隆 (著)
出版社: 産業環境管理協会 (2007/11/1)、出典:出版社HP

LCAシリーズ[第1分冊]LCA概論/執筆者名簿

監修
稲葉敦 東京大学人工物工学研究センター教授独立行政法人産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センター長
青木良輔 社団法人產業環境管理協会環境技術部門技術参与

執筆者
田原聖隆 独立行政法人産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センター環境效率研究チーム長(第1章,第2章,3.1,3.5,8.1.82)
成田暢彦 名古屋産業大学環境情報ビジネス学部教授(3.2~3.4,3.6,第5章~第7章,8.5)
伊坪德宏 武藏工業大学環境情報学部環境情報学科准教授独立行政法人産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターLCA手法研究チーム長(第4章,8.3,8.4,付録)

略語・化合物一覧表

 

目次

発行にあたり
略語・化合物一覧表

第1章 LCAとは

1.1LCAの考え方

1.2LCAの歴史

1.3ISOとの関係
1.3.1規格の概要

1.4LCAの一般的手順
1.4.1目的と範囲の設定
1.4.2インベントリ分析
1.4.3影響評価
1.4.4解釈
1.4.5報告とクリティカルレビュー

1.5LCAの特徴

1.6LCAの企業での活用と今後の発展
1.6.1タイプⅢラベル
1.6.2エコデザイン
1.6.3環境効率
1.6.4ライフサイクルコスティング
1.6.5LCAの今後の発展

第2章 目的と調査範囲の設定

2.1調査の目的

2.2調査範囲
(1)製品システムとシステム境界
(2)機能と機能単位
(3)配分方法
(4)選択された影響領域,影響評価の方法,解釈の方法
(5)データに必要とされる要件と初期のデータ品質要件
(6)限界
(7)クリティカルレビューのタイプ
(8)報告書の様式

第3章 インベントリ分析

3.1インベントリ分析の概要

3.2フォアグラウンドデータ
3.2.1製造工程のフォアグラウンドデータ
(1)原材料・エネルギーフローの把握
(2)共通部門の取扱い
(3)排出量の把握
3.2.2使用工程のフォアグラウンドデータ
3.2.3廃棄・リサイクル段階のフォアグラウンドデータ
3.2.4具体的なフォアグラウンドデータの事例
(1)素材製品の場合
(2)組立製品の場合
(3)フォアグラウンドデータの問題点

3.3バックグラウンドデータ
3.3.1バックグラウンドデータの種類
(1)積上げ法
(2)産業連関表に基づく環境負荷データ
3.3.2利用可能なバックグラウンドデータ
(1)LCA日本フォーラム
(2)ECOINVENT2000
(3)その他のデータベース
(4)バックグラウンドデータの選び方
3.3.3バックグラウンドデータの作成事例
(1)文献データの利用
(2)統計データの応用

3.4配分(アロケーション)とその問題点
3.4.1主製品と副製品の取扱い
(1)配分を回避する
(2)物理的な基準に基づいて配分する
(3)物理的な基準が適用できない場合には、価格などの基準を用いて配分してもよい
3.4.2物理的な基準に基づく配分
(1)基本的な手法
3.4.3経済価値に基づく配分
3.4.4塩の電気分解の配分事例
(1)質量基準の配分
(2)モル基準の配分
3.4.5生産システム全体としての評価
3.4.6配分の課題

3.5リサイクル工程を含むインベントリ分析
3.5.1リサイクル評価の一般的考え方
3.5.2リサイクル効果の算出例
(1)クローズドループ型リサイクルの事例
(2)オープンループ型リサイクルの事例
(3)サーマルリサイクルの事例
3.5.3マルチインプットの問題

3.6インベントリ分析の今後の課題
3.6.1データベースの構造
3.6.2データベースの拡充
(1)世界の物流フローの反映
(2)目的に応じた排出物の把握
3.6.3LCA手法:第三国貿易の取扱い

第4章 ライフサイクル影響評価

4.1LCIAの歴史と特徴
4.1.1LCIAの意義
4.1.2LCIAの歴史
4.1.3企業でのLCIA実施例

4.2LCIAの一般的手順

4.3LCIAの必須要素
4.3.1影響領域の種類とインベントリ項目の分類化
4.3.2特性化
(1)入力にかかわる影響領域
(2)出力にかかわる影響領域

4.4LCIAの任意要素
4.4.1被害評価
(1)人間健康の被害指標と被害係数
(2)生物多様性
(3)1次生産
(4)資源・社会資産

4.4.2正規化

4.4.3統合化
(1)物質比較型
(2)問題比較型
(3)被害算定型

第5章 ライフサイクル解釈

5.1ライフサイクル解釈の概要

5.2重要な環境問題の特定
5.2.1情報の特定および体系化
(1)重要な環境問題の特定

5.3評価
5.3.1完全性点検
(1)カットオフの影響
5.3.2感度点検
(1)ISOでの規定
5.3.3整合性点検

5.4結論,限界および提言

第6章 報告書
6.1第三者向け報告書の要求事項および指針
6.2比較主張のための詳細な報告要求事項

第7章 クリティカルレビュー

7.1クリティカルレビューの必要性
7.2クリティカルレビューの方法
(1)内部または外部専門家によるクリティカルレビュー
(2)利害関係者の委員会によるクリティカルレビュー
7.3クリティカルレビューの事例

第8章 冷蔵庫のケーススタディ

8.1冷蔵庫の評価における目的と調査範囲の設定
8.1.1冷蔵庫の評価における目的の設定
8.1.2冷蔵庫の評価における調査範囲の設定
(1)製品システムとシステム境界
(2)機能と機能単位
(3)配分
(4)選択された影響領域,影響評価の方法
(5)解釈の方法

8.2インベントリ分析
8.2.1冷蔵庫の製造段階
(1)素材データ
(2)組立データ
8.2.2製品輸送段階
8.2.3製品使用段階
8.2.4廃棄・リサイクル段階
8.2.5バックグラウンドデータの収集とインベントリ分析結果

8.3影響評価
8.3.1インベントリ→特性化→正規化→重み付けの手順で実施した場合
(1)特性化
(2)正規化
(3)重み付け
8.3.2インベントリ→特性化→被害評価→正規化→重み付けの手順で実施した場合
(1)特性化
(2)被害評価
(3)正規化
(4)統合化

8.4解釈
8.4.1インベントリ分析結果の感度分析
8.4.2影響評価結果の感度分析
(1)異なる特性化係数を利用したときの計算結果の変化
(2)異なる統合化手法を利用したときの評価結果の変化

8.5報告書
付録LCIAの係数リスト
付録1特性化係数リスト
付録2被害係数リスト

索引

伊坪 徳宏 (著),成田 暢彦 (著),田原 聖隆 (著)
出版社: 産業環境管理協会 (2007/11/1)、出典:出版社HP

目次 – LCAの実務 (LCAシリーズ)

まえがき

1993年にLCAの国際標準規格化の作業が開始されてから10年以上が経過し,数多くの企業がライフサイクルアセスメント(LCA)を使用した製品の環境側面の評価を環境報告書に掲載するようになってきている.また,2002年4月に社産業環境管理協会によりタイプIIラベルが「エコリーフ」として実施され,2005年1月末で約220製品のエコリーフが公開されている.LCAは、工業製品の環境側面の評価手法として、着実に産業界の実務に定着してきている.

さらに,工業製品のみならず,農水産物の生産システムや社会インフラの環境影響をLCAを用いて評価する事例もみられるようになり,ライフサイクルコスティングなどLCA手法を基礎とした新たな手法の提案も数多くなされ,LCAの応用ならびに研究が多方面に拡大しつつある.

このような状況のなかで,現在最先端にあるLCA実施例をとりまとめたものが本書である.第1章では,各分野でのLCAの実施例を紹介した。LCAは、国際標準規格では,インベントリ分析と影響評価(インパクトアセスメント)を二つの柱としている.しかし,実務においては、インベントリ分析だけを実施し社内の製品開発に活用している例も多い.

また,影響評価の方法も国際標準規格では具体的な実施方法が示されていないので,実施者がその目的に応じてさまざまな方法を採用している。この章では、インベントリ分析と影響評価の具体的な実施例を示すことに努めた.

第2章では,LCAの活用例として,環境報告書への記載,環境効率とファクターを取り上げた.また,企業の環境活動の評価事例を示した、とくにここでは、環境影響評価の一例として環境負荷を経済価値に換算する方法が紹介されている.この章で取り上げたLCAの活用方法は,実施方法が模索されている段階にあり、また手法開発の速度が速いので,本書の記載がすぐに陳腐化する心配があるが,現在の最先端を示し,手法開発の基礎となる考え方を示すためにあえて紹介した.

第3章では,LCAの結果を公開するタイプIIラベルである「エコリーフ」の実例を示した。エコリーフの作成時に議論となった点と,その解決方法が明確になるように努めた.

前述したように,本書は現在におけるLCA実施の最先端を示す事例集である.本書が,これからLCAを実施しようとする方々にとってはLCA実施のための指針を得るものとして,またすでに実施されている方々には今後の活動の参考になることを願っている.

最後に、ご多忙中にもかかわらず本書をご執筆くださった皆様に感謝するとともに,LCAに関するさまざまな活動が今後さらに発展することを願って,発刊のご挨拶に代えたい.

独立行政法人產業技術総合研究所
ライフサイクルアセスメント研究センターセンター長
稲葉敦

LCAシリーズ[第2分冊]:LCAの実務/執筆者名簿

監修
稲葉敦 独立行政法人産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターセンター長

校閱
八木田浩史 独立行政法人産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターエネルギー評価研究チーム長

執筆者
平尾雅彦 東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻助教授(1.1.1)
尾上俊雄 前神鋼リサーチ株式会社(1.1.2)
加藤博和 名古屋大学大学院環境学研究科都市環境学専攻助教授(1.1.3)
三津橋浩行 北海道立工業試験場環境エネルギー部生物資源応用科科長(1.1.4)
山戸昌子 トヨタ自動車株式会社環境部製品グループ担当課長(1.2.1)
市川牧彦 太平洋セメント株式会社中央研究所研究開発部セメント技術チームリーダー(1.2.2)
大川隆司 社団法人未踏科学技術協会特別プロジェクト研究主幹(1.2.3)
則武祐二 株式会社リコー社会環境本部環境経営推進室室長(1.2.4)
伊坪徳宏 独立行政法人産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターLCA手法研究チーム長(1.2.5)
加地靖みずほ 情報総研株式会社ビジネスイノベーションセンター環境戦略ソリューション室主任研究員(2.1)
中庭知重 社団法人産業環境管理協会環境管理部門環境経営情報センター企画開発室(2.2,3.1.4)
千田総雄 株式会社NIPPOコーポレーションエネルギー事業部計装電気設計グループ設計担当課長(2.3)
小関康雄 社団法人産業環境管理協会認証部門エコリーフ事業センター業務室室長(3.1.1~3.1.3)
石塚明克 キヤノン株式会社グローバル環境推進本部環境統括・技術センター製品環境推進部LCA推進室室長(3.2.1)
及川聡 富士通株式会社環境技術推進センターエコデザイン推進部課長(3.2.2)
布施健介 富士通株式会社環境技術推進センターエコデザイン推進部(3.2.2)
長岡晋作 コニカミノルタビジネスエキスパート株式会社社会環境統括部品質環境安全部マネージャー(3.2.3)
島裕和 三菱マテリアル株式会社総合研究所大宮研究センター環境技術研究部副主任研究員(3.2.4)
野水景三 関西電力株式会社環境室環境計画グループマネジャー(3.2.5)
八木晃一 独立行政法人物質・材料研究機構材料基盤情報ステーションステーション長(3.3)
船崎敦 財団法人日本自動車研究所総合研究部主任研究員(付録1)

稲葉 敦 (監修)
出版社: 産業環境管理協会 (2005/4/1)、出典:出版社HP

目次

第1章を読む前に(第1章の概要)

第1章 LCA評価の実践例

1.1インベントリ分析の実践例
1.1.1PETリサイクルのLCI分析
(1)PETリサイクルの現状
(2)インベントリ分析の目的と調査範囲の設定
(3)ライフサイクルシステム
(4)インベントリデータの収集
(5)インベントリ分析
(6)リサイクルシステムのインベントリ分析のまとめと課題
1.1.2容器包装アルミニウム缶のLCI分析
(1)調査の目的
(2)調査範囲
(3)アルミニウム缶のLCI算出
(4)考察
(5)まとめ
1.1.3建設構造物のLCI分析
(1)目的および調査範囲の設定における留意点
(2)インベントリ分析
(3)鉄道インフラを対象としたLCIの実例と解釈
(4)概略法を用いた鉄道システムのLCIの実例と解釈
1.1.4肥料化学肥料糞尿処理物のLCI分析
(1)はじめに
(2)化学肥料のインベントリ分析
(3)乳牛糞尿のメタン発酵処理
(4)化学肥料と糞尿処理物の比較
(5)おわりに

1.2インパクト評価の実践例
1.2.1自動車のLCA
(1)エスティマハイブリッド(HV)のLCI分析
(2)インパクト評価手法の検討
1.2.2セメント製造における廃棄物利用とLCIA
(1)はじめに
(2)副産物,物廃棄物利用による環境影響評価
(3)廃棄物利用拡大技続に関する実施例
1.2.3ワンウェイなんとリターナブルびんのLCIA
(1)はじめに
(2)背景
(3)時間消費法によるLCIAとは
(4)インベントリ分析
(5)インベントリ分析の手法の比較
(6)LCIA結果に関するまとめと考察
1.2.4複写機のLCA
(1)複写機に対する基準類
(2)インベントリデータの収集
(3)EPS手法による統合化
(4)統合化手法による差と考え方
(5)今後について
(6)おわりに
1.2.5ノート型パーソナルコンピュータを対象としたLCIAとフルコスト評価
(1)はじめに
(2)目的と調査範囲の設定
(3)LCIAの実施による外部費用の算定
(4)LCC分析の実施による内部費用の算定
(5)フルコスト算定結果
(6)まとめ

第2章 企業におけるLCA活用事例

2.1環境報告書における活用事例
2.1.1現在の活用状況
(1)環境報告書への掲載状況
(2)製品への適用
(3)サービスの評価事例
(4)ウェブの活用
(5)企業活動のパフォーマンス開示への適用
2.1.2将来における活用の可能性
(1)ウェブ等を活用した情報提供
(2)LCA手法を用いた新技術等の研究開発状況の開示
(3)企業活動のパフォーマンス指標としての活用

2.2環境効率とファクターX
2.2.1環境効率,ファクターとは
(1)環境効率とは
(2)ファクターとは
2.2.2LCAの環境効率への適用
(1)環境効率の分母(環境負荷)
(2)環境効率の分子(製品・サービスの価値)
(3)算出方法の問題点
(4)今後の展望

2.3企業の環境活動評価へのLIMEの活用
2.3.1石油製品のライフサイクルと環境影響
2.3.2LIMEを活用した環境負荷の統合化
2.3.3環境効率の算定
2.3.4環境調和型製品の開発・販売による改善効果
(1)ENEOSヴィーゴ
(2)低硫黄軽油
(3)環境経営の充実に向けて

第3章 エコリーフ環境ラベル

3.1LCAに基づく環境ラベルの進展
3.1.1エコリーフプログラムの仕組みと制度
(1)エコリーフ環境ラベルの概要
(2)エコリーフ環境ラベルを支える六つの制度
(3)エコリーフ環境ラベルを支える運営体制
(4)エコリーフ環境ラベルの公開手続き
3.1.2エコリーフにおけるLCA手法の活用形態
(1)製品分類別基準(PSC)作成ルール
(2)製品分類別基準(PSC)制定におけるポイント
3.1.3エコリーフ環境ラベルの発行状況
3.1.4定量的環境情報表示ラベル(タイプIII)の国際動向
(1)国際規格化の動向ISO/TC207/SC3/WG4の動向
(2)諸外国の動向
(3)各国プログラムの製品分類別基準(PSC)

3.2エコリーフプログラムにみる製品LCAの事例
3.2.1事例1:乾式間接静電式複写機
(1)はじめに
(2)PSC作成にあたって
(3)PSCの詳細
(4)公開ラベルの解説
(5)まとめ
3.2.2事例2:ノート型パーソナルコンピュータ
(1)はじめに
(2)PSC作成にあたって
(3)PSCの詳細
(4)公開ラベルの解説
(5)まとめ
3.2.3事例3:レンズ付フィルム
(1)はじめに
(2)PSC作成にあたって
(3)PSCの詳細
(4)公開ラベルの解説
(5)まとめ
3.2.4事例4:構造用骨材
(1)はじめに
(2)PSC作成にあたって
(3)PSCの詳細
(4)公開ラベルの解説
(5)まとめ
3.2.5事例5:系統電力
(1)はじめに
(2)PSC作成にあたって
(3)PSCの詳細
(4)公開ラベルの解説
(5)まとめ

3.3エコリーフ環境ラベルの将来展望と課題
3.3.1エコリーフ環境ラベルの意義
3.3.2エコリーフ環境ラベルの将来展望
3.3.3エコリーフ環境ラベルの課題

付録1 LCAの支援ソフト

1はじめに

2LCAと支援ソフトとのかかわり
(1)LCAの実施手順と支援ソフトの基本機能
(2)インベントリ分析
(3)インパクト評価243
(4)解釈と報告

3市販LCAソフト
(1)国内外の市販LCAソフトの概要
(2)海外の市販LCAソフト
(3)国内の市販LCAソフト

4おわりに

付録2 エコリーフ環境ラベルの事例と対象PSC・

事例1:乾式間接静電式複写機253
(1)製品環境情報(PEAD)
(2)製品環境情報開示シート(PEIDS)
(3)製品データシート(PDS)
(4)製品分類別基準(PSC)

事例2:ノート型パーソナルコンピュータ
(1)製品環境情報(PEAD)
(2)製品環境情報開示シート(PEIDS)
(3)製品データシート(PDS)
(4)製品分類別基準(PSC)

事例3:レンズ付フィルム
(1)製品環境情報(PEAD)
(2)製品環境情報開示シート(PEIDS)
(3)製品了一夕之一卜(PDS)
(4)製品分類別基準(PSC)

事例4:構造用骨材
(1)製品環境情報(PEAD)
(2)製品環境情報開示シート(PEIDS)
(3)製品データシート(PDS)
(4)製品分類別基準(PSC)
事例5:系統電力281
(1)製品環境情報(PEAD)
(2)製品環境情報開示シート(PEIDS)
(3)製品データシート(PDS)
(4)製品分類別基準(PSC)

付録3 LCI共通原单位リスト

索引

稲葉 敦 (監修)
出版社: 産業環境管理協会 (2005/4/1)、出典:出版社HP

第1章を読む前に(第1章の概要)

第1章では,インベントリ分析(1.1.1~1.1.4)と影響評価(1.2.1~1.2.5)について,それぞれ具体的な各分野での具体的な実施例を示すことにより,LCA評価におけるさまざまな局面において実際的なポイントとなる要素を概説した.

「1.1.1PETリサイクルのLCI分析」では,リサイクルに対するLCA評価手法の活用として,リサイクルシステム全体あるいはライフサイクル全体としての環境負荷を評価するツールとしてのLCA手法の有効性について,PETボトルリサイクルによる繊維製品製造を例として取り上げ説明している.その際,評価シナリオを設定して,ライフサイクルシステム内の変数を変化させて解析を行うシナリオLCA手法についても言及している.

「1.1.2容器包装―アルミニウム缶のLCI分析」では、リサイクルの実態を考慮したLCI分析として、アルミニウム缶を例として取り上げ説明している.とくにオープンループリサイクルの評価について、アルミニウム原料としての経済価値に基づく評価手法を提案,検討している.

「1.1.3建設構造物のLCI分析」では,インフラのLCA評価として,建設構造物である鉄道橋梁・高架橋を例として取り上げ,設計段階の環境負荷の予備的検討手法としての概略推計法について説明している.また環境負荷発生原単位の算出方法として産業連関法,積上げ法を比較するとともに,両者を組み合わせて利用する組合せ法(プロセス法)を説明している.

さらに交通システムを例として,整備に伴う変化を考慮したシステムのライフサイクル環境負荷(SyLCEL),さらに波及効果を考慮した拡張ライフサイクル環境負荷(ELCEL)といった概念についても言及している.

「1.1.4肥料化学肥料/糞尿処理物のLCI分析」では、LCI分析において、評価対象とする製品の製造データが結果に影響する例として、化学肥料製造における原料の硫酸を取り上げ説明している.またLCI分析に基づく環境改善可能性の提示として,糞尿処理工程で発生するメタンの有効利用についても言及している。

「1.2.1自動車のLCA」では,製品のライフサイクルの特徴を考慮したLCIAとして,自動車のLCIAにおける重要環境側面としての環境影響評価カテゴリーの設定およびその評価方法として地域的な大気汚染に関して地域的な特性化係数の設定についてハイブリッド車と従来車の比較評価を例にとって説明している.

「1.2.2セメント製造における廃棄物利用とLCIA」では、LCIA手法として,Eco-Indicator99,EPS,Eco-Point,LIMEを取り上げ,ポルトランドセメントの製造を例にとって,インパクト統合化について相互比較可能な形で評価結果を示している.また廃棄物利用技術として注目されているエコセメントAKシステムの評価例についても示している。

「1.2.3ワンウェイびんとリターナブルびんのLCIA」では,LCIA手法として時間消費法を取り上げその概要を説明するとともに,ワンウェイびんとリターナブルびんを例にとって,EPS2000,エコインディケーター95/99,LIMEと相互比較可能な形で評価結果を示している.

「1.2.4複写機のLCA」では,リサイクル製品の評価において重要である資源消費評価に関して,LCIAにおける将来コストの考慮法に起因する差異について,EPSとLIMEと相互比較可能な形で評価結果を示しつつ問題提起と説明をしている.また製品の使用時の評価について,標準として使用されることが多い省エネ法のエネルギー消費効率と実際の使用状況の違いを,複写機の実態例に基づき説明するとともに,回収・リサイクルを含む各プロセスのインベントリデータ収集のポイントについても言及している.

「1.2.5ノート型パーソナルコンピュータを対象としたLCIAとフルコスト評価」では,LCIAの発展的な活用法として,環境影響によって社会が負担しなくてはならない費用(外部費用)にLCCによる内部費用を統合した評価手法であるFCAに関して,ノートパソコンを例にとって説明をしている.LCCの実施による内部コスト算定法について具体的に説明されるとともに,FCAにLIMEを活用する際の手続きについても概説されている.

稲葉 敦 (監修)
出版社: 産業環境管理協会 (2005/4/1)、出典:出版社HP