15日でマスター! ’19-’20年版 ユーキャンの証券外務員二種 速習テキスト&問題集【予想模擬試験つき(2回分)】 (ユーキャンの資格試験シリーズ)




【証券外務員(二種)試験のおすすめ参考書・テキスト(独学勉強法/対策)】も確認する

はじめに

一種証券外務員試験はだれでも受験でき、金融関連の入門資格として人気の資格です。しかし、科目数が多く出題範囲が広いため、効率的な学習が大切です。そのため、まず体系的に理解し、問題演習をこなし、パターンになれることが合格への近道となります。

本書は、生涯学習のユーキャンが、通信教材の制作ノウハウを生かして編集・制作していますので、はじめて学習する方にもわかりやすく、しっかりと理解しながら実力をつけることができます。

本書では、効率的に学習を行うために学習内容のポイントを絞り、実践演習となるテーマ別問題、予想模擬試験まで、1冊で完結できるようにしています。

●学習内容を70レッスンで構成
合格に必要な要点に絞り込んでいるので、はじめての学習でも15日間で完成!

●テーマ別問題
本試験と同じ形式の○×問題+五肢選択問題で構成された問題に挑戦。

●予想模擬試験
本試験と同じ問題数で構成された模擬試験(2回分)で学習の総仕上げ。

※令和2年版外務員必携発行後はホームページにてフォローします。

二種外務員の有資格者の活躍の場は広がっています。金融関係の仕事に就くことを希望している方には、ぜひとも取得しておいていただきたい資格です。読者の皆様方が、本書をフルにご活用され、短期間で試験に合格されることを念願いたします。

2019年8月
ユーキャン証券外務員試験研究会

本書の使い方

初学者でも15日間で学習が完成するよう、さまざまな工夫を凝らしています。

テキスト編

STEP1 重要度の確認
効果的な学習のための優先順位です。一通り勉強した後でもう一度復習するときや、試験直前など、優先順位の高い部分を短時間で学習するときに利用すると便利です。
A:重要度が特に高い
B:重要度が高い
C:普通
レッスンごとにA、B、Cの3段階で表示しています。法改正などにより出題の可能性が高いと予想される場合も重要度は高くなっています。

STEP2 レッスンの概要
冒頭のイラストやコメントから、このレッスンで何を勉強するか、大まかに把握しましょう。学習内容のイメージをつかむことで、学習がスムーズに進みます。

STEP3 本文の学習
いよいよ本文の学習です。赤シートを使いながらポイントを覚えていくようにしましょう。欄外の学習のアドバイスや覚え方のコツで、より理解を深めましょう。

ポイントがよくわかる充実の欄外解説

先生コメント
試験でよく出る重要ポイントや、学習の進め方などをアドバイスしています。

ここに注意!!
出題されやすいポイントや覚え方のコツなどをアドバイスしています。

違いで覚える
他のキーワードや数字などと比較しながら効率的に覚えるポイントをピックアップしています。

数字暗記
試験でよく出るポイントを数字に絞ってピックアップし、覚え方のコツなどをアドバイスしています。

他のレッスンでも取り上げられているポイントは、関連づけて覚えることで学習の効率が上がります。

STEP4 問題にチャレンジ
毎日の学習の最後に、本試験と同じ○×形式の確認問題に挑戦しましょう。できなかった問題は本文に戻って再確認することをおすすめします。また各レッスンの冒頭に、『テーマ別問題』の該当箇所へのリンクを記載していますので、より実践的な問題にも取り組んでみましょう。

15日間の学習が終わったら、P.191からの「よく出る!計算式マスター」で出題されやすい計算問題の考え方をチェックしましょう。計算問題は配点が高いため、ポイントさえ押さえておけば効率よく得点できます。

問題集編

STEP5 テーマ別問題で実践演習
実際の試験と同じ「○×」「五肢選択」形式で、重要ポイントにチャレンジ。必ず「解説」も読んで、理解を深めましょう。繰り返し学習のため、間違えた問題や知識があやふやな問題には、マークを付けておくとよいでしょう。

STEP6 模擬試験にチャレンジ
テーマ別問題を終えたら、別冊の「予相描擬試験」(70問×2回分)にチャレンジしてみましょう。本試験と同じ条件で取り組んでみると、時間配分などが確認でき、より効果的です。終了後には「解答・解説」(本冊P.289)で採点してみましょう。

〇✕問題

五肢選択問題

CONTENTS

はじめに
本書の使い方
資格・試験について
二種証券外務員資格試験の基礎知識
科目ごとの出題傾向の分析と対策

テキスト編

1日目

LESSON1 証券市場の特徴
1.直接金融と間接金融
2.発行市場と流通市場

LESSON2 金融商品取引業と関係機関
1.投資者保護の概念と投資者保護基金
2.投資者保護基金以外の主な証券関係機関

LESSON3 金融商品取引業の概要
1.金融商品取引業の分類
2.金融商品取引業者の業務

LESSON4 投資家の区分と行為規制
1.投資家の区分
2.金融商品取引業者等の行為規制

LESSON5 投資勧誘・受託に関する行為規制等
1.業態・業務状況に係る行為規制
2.投資勧誘・受託に関する禁止行為
確認テスト

2日目

LESSON6 金融商品仲介業制度と外務員制度
1.金融商品仲介業制度
2.外務員制度

LESSON7 市場における取引規制
1.不公正取引に関する規制
2.内部者取引の規制

LESSON8 市場における開示制度
1.企業内容等開示制度
2.発行市場・流通市場における開示制度

LESSON9 公開買付制度・大量保有報告書等
1.公開買付制度
2.大量保有に関する開示制度
確認テスト

3日目

LESSON10 金融商品の勧誘・販売に関係する法律
1.金融商品販売法と消費者契約法
2.消費者契約法の効果
3.その他の金融商品の勧誘・販売に関係する法律

LESSON11 投資信託のしくみ
1.投資信託とは
2.契約型投資信託のしくみ

LESSON12 委託者指図型投資信託の構成
1.委託者の行為規制
2.投信委託会社の主な業務
3.受託者の業務と受益者

LESSON13 投資法人のしくみ
1.投資法人の組織
2.投資法人の設立手続き
3.不動産投資法人

LESSON14 投資法人の機関と業務
1.投資法人の機関
2.投資法人の業務と外部委託
確認テスト

4日目

LESSON15 投資信託の種類
1.投資信託の分類
2.投資信託の運用対象と分類

LESSON16 投資信託の詳細な区分
1.証券投資信託の詳細な区分
2.その他の投資信託の種類と特徴

LESSON17 投資信託の販売と運用
1.投資信託の販売
2.投資信託約款
3.投資信託の運用手法

LESSON18 投資信託の決算と収益分配
1.投資信託の決算と収益分配
2.投資信託の換金
確認テスト

5日目

LESSON19 投資勧誘と顧客管理
1.協会員の種類
2.協会員の投資勧誘と顧客管理の基本
3.顧客カードの整備
4.内部者登録カードの整備

LESSON20 顧客との取引に関する規則
1.勧誘開始基準と取引開始基準
2.協会員における顧客管理などの規則

LESSON21 有価証券の寄託の受入れ等に関する規則
1.寄託の受入れ等の制限
2.保護預り契約
3.照合通知書

LESSON22 協会員の従業員に関する規則
1.従業員の採用に関する制度
2.従業員の禁止行為
確認テスト

6日目

LESSON23 外務員資格とその他の
協会員に関する規則
1.外務員資格
2.その他の規則

LESSON24 店頭有価証券に関する規則
1.店頭有価証券の内訳
2店頭取扱有価証券の投資勧誘
3株式投資型クラウドファンディングと株主コミュニティ

LESSON25 各種取引に関する規則
1.フェニックス銘柄に関する規則
2.上場株券等の取引所外売買に関する規則
3.公社債の店頭売買と外国証券の取引に関する規則

LESSON26 倫理コード
1.モデル倫理コード
2.協会員の倫理コード

LESSON27 顧客本位の業務運営に関する原則と倫理観
1.顧客本位の業務運営に関する原則
2.外務員の仕事と倫理観
確認テスト

7日目

LESSON28 取引所に関する規程・受託契約準則等
1.取引参加者
2.清算・決済規程
3.受託契約準則

LESSON29 有価証券上場規程
1.上場審査基準
2.第一部指定、指定替え
3.上場廃止

LESSON30 取引所における有価証券の売買
1.有価証券の売買の種類
2.株式等の普通取引における決済
3.配当落または権利落としての売買

LESSON31 株式の売買注文と価格の決定
1.呼値と売買単位
2.売買契約の成立方法
3.約定値段の決定方法

LESSON32 株式の売買の受託
1.委託注文内容の確認と注文伝票の作成
2.現物取引と信用取引
3.その他の受託時の主な注意事項
確認テスト

8日目

LESSON33 株式ミニ投資と外国株式の取引
1.株式ミニ投資
2.外国株式の取引

LESSON34 株式売買の受渡金額の計算
1.株式売買の受渡金額
2実際の委託手数料と受渡金額の計算方法

LESSON35 株式投資計算1
1.株式利回りの計算
2権利付相場と権利落相場

LESSON36 株式投資計算2
1.株価収益率(PER)
2.株価純資産倍率(PBR)

LESSON37 株式投資計算3
1.総資産利益率(ROA)
2.自己資本利益率(ROE)
確認テスト

9日目

LESSON38 債券の基礎知識
1.債券の特徴
2.債券の条件

LESSON39 債券の種類
1.国債の種類と特徴
2.その他の債券等

LESSON40 債券の発行市場と流通市場
1.債券の発行市場
2.債券の流通市場

LESSON41 債券市況と変動要因
1.債券市況について
2.債券市況の変動要因

LESSON42 債券の売買手法
1.入替売買
2.現先取引
3.着地取引

10日目

LESSON43 債券の利回り計算1
1.債券の利回り
2.最終利回り
3.応募者利回り

LESSON44 債券の利回り計算2
1.所有期間利回り
2.直接利回り
3.債券の単価計算

LESSON45 債券(利付債)の売買代金の計算
1.債券の経過利子
2.利付債の売買代金の計算

LESSON46 転換社債型新株予約権付社債(転換社債)
1.転換社債のしくみ
2.株式への転換
3.転換社債の評価方法と投資計算
確認テスト

11日目

LESSON47 付随業務
1.付随業務の種類
2.キャッシング業務
3.有価証券に関する顧客の代理

LESSON48 累積投資契約
1.累積投資契約の締結
2.株式累積投資
3.株式累積投資におけるインサイダー取引規制

LESSON49 企業形態と会社の設立
1.企業形態
2.多様な株式会社
3.株式会社の設立

LESSON50 株式の種類等
1.株式の分割、併合、消却
2.株式の種類

LESSON51 株主の権利と株主総会
1.株主の権利
2.株主総会
確認テスト

12日目

LESSON52 5つの会社の機関
1.取締役
2.監査役
3.その他の機関

LESSON53 会社の計算と新株発行等
1.会社の計算
2.新株発行
3.自己株式(金庫株)の規制

LESSON54 組織の再編
1.会社の合併と分割
2.株式交換と株式移転
3.会社の解散

LESSON55 経済指標と経済関連統計1
1.景気関連統計
2.消費関連統計
3.雇用関連統計

LESSON56 経済指標と経済関連統計2
1.物価関連統計
2.国際収支統計
3.為替レート
確認テスト

13日目

LESSON57 通貨と金利
1.通貨
2.マネーストック
3.マーシャルのk

LESSON58 金融機関と金融市場
1.金融機関
2.金融市場
3.金融政策

LESSON59 財政
1.国の予算
2.政府支出
3.財政の役割

LESSON60 財務諸表のしくみ
1.財務諸表とは
2.貸借対照表のしくみ
3.損益計算書のしくみ
4.財務諸表の関係

LESSON61 買借対照表
1.資産
2.負債
3.純資産
確認テスト

14日目

LESSON62 損益計算書
1.収益と費用
2.損益計算書の読み方

LESSON63 収益性分析
1.売上高利益率2.資本利益率

LESSON64 安全性分析
1.安全性分析の意義
2.流動性分析
3.財務健全性分析

LESSON65 資本効率性分析と損益分岐点分析
1.資本効率性分析
2.損益分岐点分析

LESSON66 その他の分析と配当政策
1.キャッシュ・フロー分析
2.成長性分析
3.配当政策

確認テスト

15日目

LESSON67 証券関連税制
1.所得税の納税義務者
2.所得の種類
3所得税の課税方法と源泉徴収

LESSON68 利子・配当課税
1.利子所得等の課税
2.公社債等の課税方法
3.配当所得に対する課税

LESSON69 株式等の譲渡所得
1.株式等の譲渡益課税
2株式等に係る譲渡所得等の金額の計算

LESSON70 上場株式等に関する税制
1.特定口座
2上場株式等の譲渡損失・繰越控除の特例
3.相続税の課税価格となる株式の評価
確認テスト

よく出る!計算式マスター

モデル倫理コードと行動規範原則
NISA等(少額投資非課税制度)について

問題集編

テーマ別問題

第1章証券市場の基礎知識
第2章金融商品取引法
第3章金融商品の勧誘・販売に関係する法律
第4章投資信託及び投資法人に関する業務
第5章協会定款・諸規則
第6章セールス業務
第7章取引所定款・諸規則
第8章株式業務
第9章債券業務
第10章付随業務
第11章株式会社法概論
第12章経済・金融・財政の常識
第13章財務諸表と企業分析
第14章証券税制

予想模擬試験解答・解説
第1回予想模擬試験
第2回予想模擬試験

索引

別冊
第1回予想模擬試験問題
第2回予想模擬試験問題

資格・試験について

1 外務員とは
金融商品取引業者等(いわゆる証券会社や銀行など)でお客様に有価証券の取引の勧誘などの業務を行う人のことを、外務員といいます。この外務員の職務は外務員資格がなければ行うことができません。

試験の実施と登録
外務員資格試験は日本証券業協会が行い、試験に合格すれば所定所定の手続きを経て日本証券業協会の外務員登録原簿に登録することができます。

外務員資格試験の種類
外務員資格試験は、対象業務の範囲や取り扱う機関によって、種類が分かれています。このうち、一般の方が受験できるのは、一種および二種外務員資格試験で、本書が対象としている二種外務員資格では、株式等の現物取引、債券、投資信託、などの取引に係る外務員の職務を行うことができます。

二種外務員の受験資格
特に制限はありません。年齢・職業にかかわらず、だれでも受験できます。

実際に仕事をするには
外務員資格試験に合格しただけでは外務員の職務を行うことはできません。金商品取引業者等に所属する必要があります。金融商品仲介業者として登録する場合も、いずれかの金融商品取引業者等に所属することになります。

2 二種外務員試験について

勉強のしかた
外務員資格試験は、専門用語が頻繁に登場する試験ですが、出題範囲が広いという特徴も併せ持っています。実際の試験は○×問題と五肢選択問題なので、専門語の暗記を含め広く浅く学習する方が効果的です。

五肢選択問題は、計算問題と正解を1つまたは2つ選ぶ問題が中心です。計算問題といっても、複雑な問題ではないので、公式を覚え、繰り返し練習することで確実に得点できます。

出題形式と合格基準
問題形式と配点 ○×方式50問(各2点)+五肢選択方式20問(各10点) 計300点
合格基準 7割(210点)以上

試験はPCで実施
試験は、試験会場に備えられたPCによって行われます。PCといっても複雑な操作はありませんが、受験手順をダウンロードし、事前に操作方法に慣れておくとよいでしょう。

ダウンロード先:プロメトリック(株)受験手順
※内容は外務員の試験とは異なります。
http://it.prometric-jp.com/tutorial/index.html

試験の概要

試験会場
全国の主要都市に設置されているプロメトリック(株)の試験会場(テストセンター)で実施

試験実施日
原則として、月曜日から金曜日の毎日(祝祭日、年末年始を除く)

試験時間
2時間

試験申込可能期間
申込日の翌日を1日目として5日目(土日祝祭日、年末年始を除く)の日から1ヵ月間に行われる試験について申込み可能

受験料
8,704円(税込)
※2019年10月1日以降実施の試験より8,866円(税込)

合否の発表
試験終了後、試験会場にて「外務員資格試験受験結果通知」により確認
(2018年度の二種外務員試験の受験者数は14,357人、合格率53.3%)

不合格の場合
受験し不合格になった場合、不合格となった試験の受験後30日間は受験できない

問い合わせ先(一般の方)
プロメトリック(株)予約受付センター
URL http://pf.prometric-jp.com/testlist/jsda/jp/index.html

出題科目と範囲

法令・諸規則
1金融商品取引法
2金融商品の勧誘・販売に関係する法律
3協会定款・諸規則
4取引所定款・諸規則

商品業務
5株式業務
6債券業務
7投資信託及び投資法人に関する業務
8付随業務

関連科目
9証券市場の基礎知識
10株式会社法概論
11経済・金融・財政の常識
12財務諸表と企業分析
13証券税制
14セールス業務

試験の出題範囲
1日本証券業協会発行の「外務員必携(1~3)」を中心とした基礎的知識
2コンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項

二種証券外務員資格試験の基礎知識

二種証券外務員資格試験の学習内容は、かなり細かい専門的な部分踏み込むことになります。ありがちなのが、細かい部分を理解しようとするあまり全体像を見失ってしまうことです。あらかじめ、学習する内容の全体像を意識しつつそれぞれの科目の関係性をつかんでおくと、学習を進める際に役立ちます。

コンプライアンス系分野

株式、債券、投資信託などの金融商品を取り扱ううえで遵守しなければならない法令・諸規則等。外務員には、これらの法令・諸規則等の遵守だけでなく、高い倫理観が求められるため、総合的なコンプライアンスをセールス業務で学習します。

○金融商品に関する業務のベースとなる法令・諸規則等

株式業務
安定操作取引、内部者取引…金融商品取引法
店頭取引、取引所外取引…協会定款・諸規則
売買のしくみ、取引所取引…取引所定款・諸規則

債券業務
社債引受…金融商品取引法
店頭取引…協会定款・諸規則

投信業務
投資信託の販売…金融商品販売法

商品系分野

情券、投資信託など代表的な金融商品のしくみや取引方法などを学びます。金融商品の知識が外務員試験のコアとなる部分なので、商品どうしのつながりや共通点、あるいは、コンプライアンス系や経済系との関連で覚えることで効率よく学習できます。

商品どうしのつながりや共通点で覚える
株式・債券の取引株式業務、債券業務…発行市場・流通市場証券市場
キャッシング業務付随業務…MRF等投信業務
株式累積投資付随業務…ミニ株株式業務

他の分野との関連で覚える。
株式業務:株主の権利…株式会社法(経済系)
債券業務:国債、債券価格と金利の関係、金融政策…経済・金融・財政(経済系)
投資信託業務:市場型間接金融…証券市場(経済系)
付随業務:付随業務に該当するか否か…金融商品取引法(コンプライアンス系)

経済系分野

株式、債券、投資信託などの金融商品が取引される市場と、金融商品取引に必要な分析手法や税制などを学習します。まずは証券市場で外務員試験の基礎を固めてから、法令等や金融商品のしくみなどを習得しましょう。経済、財務、税務などの知識を加えることで、全体的な理解が深まります。

他の分野との関連
証券市場:証券金融会社、投資者保護基金などの証券関係機関…金融商品取引法
株式会社法:株式会社のしくみ…投資法人のしくみ投信業務
経済・金融・財政:国庫短期証券、CD、CP….債券業務
財務諸表と企業分析:ROE、ROA…株式業務
証券税制:金融商品の譲渡益、利子・配当等…株式業務、債券業務、投信業務

科目ごとの出題傾向の分析と対策

二種外務員資格試験の合格に向けて学習を始める前に、まず試験に出題される内容について分野ごとに把握しておきましょう。二種外務員の出題範囲は広く、大きく「法令・諸規則」「商品業務」「関連科目」の3つの分野に分かれ、合計14の科目から成り立っています。本書(テキスト編)は、学習の効率性を重視し、科目間で重複する内容のうちほかへの影響が小さいところは1レッスン(2ページ)にまとめ、1日4~5レッスン、15日間で70レッスンの学習により合格レベルに達するように構成しています。

出題科目と本書の対応

分野 出題科目 本書対応
テキスト編 テーマ別問題
法令・諸規則 金融商品取引法 LESSON2~9 第2章
金融商品の勧誘・販売に関係する法律 LESSON10 第3章
境界定款・諸規則 LESSON19~25 第5章
取引所定款・諸規則 LESSON28~31 第7章
商品業務 株式業務 LESSON30,32~37 第8章
債券業務 LESSON38~46 第9章
投資信託及び投資法人に関する業務 LESSON11~18 第4章
付随業務 LESSON47~48 第10章
関連科目 証券市場の基礎知識 LESSON1~2 第1章
株式会社概論 LESSON49~54 第11章
経済・金融・財政の常識 LESSON55~59 第12章
財務所業と企業分析 LESSON60~66 第13章
証券税制 LESSON67~70 第14章
セールス業務 LESSON26~27 第6章

1法令・諸規則
「法令・諸規則」は、法律用語も多く、初めて学ぶ方にはとっつきにくい分野ですが、問題そのものは平易なので、独特な用語や言い回しは深く追求せず、ある程度割り切って暗記に徹するのも1つの方法です。

1金融商品取引法
本試験にかかわる法律の中では「金融商品取引法」がメインです。金融商品取引法は条文が多く規制も広範囲にわたりますが、本書では、金融商品取引業者等やその役職員に対する業務規制、禁止行為、内部者取引、情報開示など試験対策上重要なところに絞っています。また、外務員制度は本試験全体のメインテーマなので、LESSON6でしっかり学習しましょう。

2金融商品の勧誘・販売に関係する法律
金融商品の勧誘・販売のための基本的な法律が中心です。とくに重要となる金融商品販売法と消費者契約法の要点を、LESSON10で比較できるようにしています。全体的に、他の法令・諸規則、「投資信託及び投資法人に関する業務」と関連付けて学習すると効果的です。

3協会定款・諸規則
「協会定款・諸規則」は、本試験の中でも出題ウエイトが高い科目といえます。この科目の中心は、日本証券業協会の自主規制規則ですが、中でも従業員に関する規則や禁止行為は重要です。全体的に守備範囲が広いので、外務員制度、店頭取引、倫理コードなど他科目とのつながりを意識して学習すると効果的です。また、学習時間と得点が比例しやすい科目の1つで、一般常識で解答できる内容も少なくないので、着実に得点に結び付けられるよう、要点を確認しながら学習しましょう。

4取引所定款・諸規則
取引所関連では、上場基準、上場廃止基準や受託契約準則からの出題が中心となりそうです。取引所取引による売買や決済方法など実務的な内容が多く、次の「株式業務」へのつなぎとして重要なところです。なお、株式業務と重複する「株式等の取引所売買」についてはLESSON30でまとめています。

2商品業務
「商品堂旅」は、株式、債券、投資信託という代表的な商品に関する知識が問われます。投資経験の有無や金融商品に対する関心度により差がつきやすいところですが、初学者の方は、それぞれの商品のもつ特性やしくみを理解することに重点を置きましょう。とくに、1問10点の五肢選択方式で問われる計算問題はウエイトが高いので、計算式を確実にマスターしておきたいところです。

1株式業務
○×問題は、株式の売買注文を受託してから決済(受渡し)までの流れなど、証券会社の株式業務が中心になると予想されますが、株式の取引種類、外国株式、株式ミニ投資などを含め広範囲にわたっています。
五肢選択問題では、PER、PBR、ROEなどの投資指標や売買の受渡代金を求める計算問題をマスターすることが得点力アップにつながります。簿記の学習経験のない方は、ここだけで投資指標の意味を理解するのは難しいので、LESSON36・37は軽く流し、「財務諸表と企業分析」を学習後にもう一度振り返ると理解しやすくなります。

2債券業務
この科目は得点に差がつきやすく、配点の高い計算問題対策が鍵になります。特に利回り計算が重要です。ここで得点を稼ぐには、債券価格と金利の関係、債券投資手法など総合的な理解力が必要になります。
また、「債券業務」全体を横断的に学習することで、理論問題や計算問題に対応できるだけでなく、すでに学んだ「証券市場の基礎知識」の復習ができ、12日から学習する「経済・金融・財政の常識」のベースになるなど、他科目への次以果も大きいので注力したいところです。

3投資信託及び投資法人に関する業務
「投資信託及び投資法人に関する法律並びに関係法令」が統合され、範囲が広がりました。投資信託の具体的なしくみや特徴、分類方法などを整理する必要があります。多様化している投資信託の商品特性や税制など実践的な内容が多いのも特徴です。

4付随業務
一緒業務に該当する業務は多く、すべてを学習することは非効率です。したがって、本書では、付随業務の具体的な内容に関しては重要度の高い「キャッシング業務」と「株式累積投資」を中心にLESSON47・48にまとめています。他の業務は、付随業務に該当するか否かを区分できるようにしましょう。

3関連科目
この分野では、幅広い知識が問われます。暗記が必要なところもありますが、全体としては基本事項を着実に理解することで、得点力が大きく伸びる分野です。

1証券市場の基礎知識
この科目そのもののウエイトはさほど高くはありませんが、発行市場と流通市場の違いや金融商品取引業と関係機関の業務内容など、ほかの科目への橋渡し的な要素が多く含まれているため、全体としての重要度は高いといえます。本書では学習の第一歩として、LESSON1・2に掲載していますので、ここでしっかり基礎を固めましょう。

2株式会社法概論
比較的難易度が高いと感じられる科目で、やみくもに覚えようとすると迷路にはまってしまうおそれがあるので、要点を絞って学習しましょう。株主総会や取締役会の決議事項、監査制度などが重要です。会社設立の手続きや種類株式なども要注意です。株主の権利について漠然とする場合は、すでに学んだ「株式業務」を振り返って法律と業務をつなげてみるとよいでしょう。

3経済・金融・財政の常識
範囲が広い科目の1つです。暗記事項も多いため知識が混ざりやすく、中途半端な状態で本番に臨むと五肢選択問題が択一で出題された場合に「2つまでは取れるけれど…」といった状況に陥ってしまうことがあります。これを避けるためには、ターゲットを絞って学習することが大切です。経済では景気指標と物価指数、金融では短期金融市場と金融政策、財政では予算についてしっかりマスターしましょう。すでに学んだ内容と重なるところも少なくないので、「債券業務」や「証券市場の基礎知識」などを振り返りつつ学習すると効果的です。

4財務諸表と企業分析
学習のスタート時点では、簿記の知識の有無による差が反映されますので、簿記を学んだ経験のない方は、まず始めに貸借対照表と損益計算書の基本的なしくみをマスターし、次に重要な勘定科目の意味を覚えましょう。企業分析の対策としては、代表的な勘定科目が分子にあるのか分母にあるのかを意識して学習すると、計算問題でも理論問題でも得点力が高まります。
なお、ROAやROEの算出については「株式業務」と共通するところですが、アプローチの仕方が異なるので、理解しやすい方を中心に学習してもよいでしょう。

5証券税制
証券税制をきちんと理解するには税制全般の知識も必要ですが、本書では効率性を重視し、証券に関係する税制を中心に学習します。実際、利子所得、配当所得、株式等の譲渡所得、NISA、株式の相続税評価額が出題の中心になりそうです。五肢選択問題が計算問題の場合は、配点が10点と大きいので、計算間違いのないように準備しておきましょう。また、○×問題では、ほかの税制に関する問題も若干想定されますが、落としてしまっても影響は小さいので、あまり手を広げないようにしましょう。

6セールス業務
この科目はコンプライアンスが中心です。「協会定款・諸規則」と共通する倫理コード関連については、重複項目としてLESSON26にまとめています。また、日本証券業協会の平成31年版外務員必携には、出題範囲として、「出題科目についての実務的、専門的知識」と並んで、「コンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項」が記されています。本書では、LESSON27でコンプライアンスについて重要なところをまとめていますが、それ以外は全体を学習する中で判断できるレベルなので、考えすぎてこぼさないようにしましょう。