改訂版 きのこ検定公式テキスト




はじめに

「きのこ」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか?
おいしい料理、体にいい健康食品、カラフルな雑貨、ゲームのキャラクター、危険な毒きのこ……。
人によりイメージするものは千差万別。それほどきのこは、私たちの生活に浸透し、また多様な面を持っています。
しかし、生態や歴史、栽培法など、きのこがどんな生物なのかについてはご存じない方も多いのではないでしょうか。
食べておいしい、見てかわいい、きのこの魅力をもっと知ってもらうため、2014年よりきのこ検定が始まりました。
生物としてのきのこから、きのこにまつわるカルチャーまで、様々な角度からきのこについての知識を問う試験です。
本書は、そのきのこ検定に準拠した公式ガイドブックです。
きのこにまつわる情報を分野ごとに章分けし、日本のきのこ150種を写真とともに紹介する「きのこ図鑑」も携えました。
知れば知るほど奥が深いきのこの世界。
本書が、きのこの世界に足を踏み入れるはじめの一歩となれば幸いです。

ホクトきのこ総合研究所 (監修)
出版社: 実業之日本社; 改訂版 (2016/10/29)、出典:出版社HP

もくじ

はじめに
きのこ用語集

●第1章 きのこを食べる
1.キレイになるきのこレシピ
2.きのこをおいしく食べる
3.菌のパワーを食生活に生かす
4.きのこの味と香り
5.きのこの食文化」
6.きのこの薬用利用
column
コスメにもきのこ
10月15日はきのこの日
“黒いダイヤ”トリュフ
きのこと薬膳麻薬成分のあるきのこ
毒きのこの毒とは?

●第2章 きのこ図鑑
分類方法
きのこ図鑑の見方
アミガサタケ科
アカカゴタケ科
アンズタケ科
イグチ科
イッポンシメジ科
オウギタケ科
オオモミタケ科
カノシタ科
カブラマツタケ科
ガマノホタケ科
カンゾウタケ科
キカイガラタケ科
キクラゲ科
キシメジ科
サルノコシカケ科
クロチャワンタケ科
サンゴハリタケ科
シメジ科
シロキクラゲ科
シロソウメンタケ科
ズキンタケ科
スッポンタケ科
タバコウロコタケ科
タマチョレイタケ科
タマバリタケ科
ツガサルノコシカケ科76
ツキヨタケ科
ディプロシスチジア科
テングタケ科
ナヨタケ科
ヌメリイグチ科
ヌメリガサ科
ノボリリュウタケ科
ノムシタケ科
ハナビラタケ科
ハラタケ科
ヒドナンギウム科
ヒメキクラゲ科
ヒメノガステル科
ヒラタケ科
フウセンタケ科
ベニタケ科
ボタンタケ科
ホテイタケ科
マクカワタケ科
マツバハリタケ科
モエギタケ科
ラッシタケ科
ラッパタケ科
column
きのこを記録する
きのこの切手
きのこのグッズ
きのことエンターテインメント

●第3章 きのこ生物学
1.きのこは「菌類」
2.きのこの構造・特徴・見分け方
3.きのこのライフサイクル
4.きのこの生育環境
5.きのこ狩りの注意点
column
きのこにはなぜ傘があるのか
最大のきのこと最小のきのこ
身近にあるきのこ
採取したきのこの保存方法
毒きのこの対処法

●第4章 日本のきのこ
1.日本のきのこの歴史
2.日本における人工栽培の歴史
3.日本の消費状況
column
きのこの語源と方言
きのこの栽培にチャレンジ
きのこの大規模生産

●第5章 世界のきのこ
1.世界のきのこの歴史
2.世界のきのこ栽培
3.世界の消費状況
column
きのこのことわざジンクス
各国語での「きのこ」
きのこ好きな民族
きのこの文学
きのこと地球環境
フェアリーリングとは?

「きのこ検定」について
模擬問題
解答解説

INDEX
ブックガイド&参考文献

ホクトきのこ総合研究所 (監修)
出版社: 実業之日本社; 改訂版 (2016/10/29)、出典:出版社HP

きのこ用語集

外被膜
ハラタケ類の若い子実体を覆う膜のこと。子実体が生長すると破れ、傘の表面や柄の基部に破片が残ることが多い。
管孔
イグチ類やサルノコシカケ類の傘の裏側にある、多数の孔のこと。その内面に担子胞子が作られる。
環紋
傘の中央を中心にした環のような模様。
偽根
柄の根元が、植物の根のように長く伸びたもの。
基部
根元のこと。
核菌
糸が密集してかたまり状になったもの。通常、胞子は形成されず、休眠状態になっている。
菌根
菌類の栄養菌糸が植物の根と共生している状態。ここで栄養分のやり取りをすると見られている。
菌糸
きのこの本体をなすもの。細い細胞が一列につらなり、糸状になっている。
菌糸
束多数の菌糸が集まり、束状になったもの。子実体の根元に根のようについていることがあるが、植物の根とは違う。
菌輪
子実体が輪になって発生した様子のことで、フェアリーリングともいう。
グレバ
腹菌類で、胞子を作る細胞を含む組織全体のこと。基本体ともいう。
群生
子実体が群れるように発生すること。
原基
傘や柄などに分化していない、初期段階の子実体のこと。
ロイグチ類やサルノコシカケ類の、管孔の開口部やその周辺部分。ここから胞子が放出される。
溝線
傘などに見られる、溝状にくぼんだ線。
散生
子実体がばらばらと発生すること。
子実層
子実体にある胞子が生じる層。子のうや担子器が作られる部分。
子実托子
実層のできる部分のことで、担子菌類ではヒダ、管孔、針、しわヒダなどを指す。
子実体
菌類が胞子を作るための器官。これを一般に「きのこ」と呼ぶ。
シスチジア
担子菌類の傘や柄、ヒダ、管孔の表面にある細胞のうち、形や大きさなどがほかとは異なるもののこと。のう状体ともいう。
子のう
子のう菌類で、胞子が入った袋状の細胞。
条線
全の周辺部にある放射線状の線。満線ほどははっきりしていない。
食菌食べられるきのこのこと。
しわヒダ
子実氏が脈状~しわ状になった状態。
成菌
子実体が生長して全が開ききった状態のこと。
束生
子実体が束になって発生すること。
担子器
担子菌類が持つ担子胞子を作る細胞のこと。子実層にある。
担子菌
担子器で担子胞子を作る菌類の総称。一般に「きのこ」と呼ばれるもののほとんどが含まれる。
担子胞子
担子菌類が担子器で作る胞子のこと。通常、ひとつの担子器に4つの担子胞子が作られる。
単生
実体がひとつずつ発生すること。

ハリタケ類などで、傘の裏面に針状に垂れ下がったもののこと。その表面に胞子ができる。
胞子
菌類やシダ植物などが作る、生殖細胞の一種。
ほだ木
きのこを栽培するために、木にきのこ菌を植えたもの。
幼菌
子実体の傘が開いていない、若い状態のこと。

ホクトきのこ総合研究所 (監修)
出版社: 実業之日本社; 改訂版 (2016/10/29)、出典:出版社HP