本試験によく出る!第1類消防設備士問題集 (国家・資格試験シリーズ 354)




まえがき

本書は、「わかりやすい第1類消防設備士試験」(弘文社)の続編として編集された問題集です。前書では,できるだけわかりやすく解説するようにつとめ,また,読者が効率的に暗記できるように、ゴロ合わせやイラストなどを随 所に入れ,それなりの結果を得ることができました。

しかし、どんな試験でもそうですが,本試験対策としては出来るだけ多くの問題に当たるというのが“常道”ではないかと思います。

そのような思いおよび要望もあり,今回,本試験対策としての第1類消防設 備士問題集を発刊するに至りました。 その主な特徴は,次のようになっています。

1.より実戦的な問題の採用

本書では,最近,数年間の本試験の動向を調査し,その中から繰返して出題されているような重要問題を中心にピックアップして、編集をしました。

従って、より実戦的な力を本書で身につけることができるものと思っております。

2.解説の充実

本書では、参考書が不要なくらいに解説を充実させるようにしました。

従って、独学で受験される方にとっては負担の少ない理解しやすい内容になっているものと期待しております。

3.暗記事項について

この第1類消防設備士試験では,暗記事項が多く、受験生の悩みの種になっています。そのような声が多いということで、「わかりやすい第1類消防設備 士試験」では楽に暗記できるよう、ゴロ合わせをできるだけ採用しました(その分,ページ数が増えましたが……)。

そういうわけで,この問題集でもそのようなご要望にお応えできるよう, 「わかりやすい第1類消防設備士試験」で使用したゴロ合わせをできるだけ採用しました。従って,暗記が苦手な方でもわりとスムーズに暗記することができるものと思っております。

4.実技試験の充実

本書の大きな特徴は,この実技試験の充実をはかったことです。鑑別はもちろん、多くの受験生の方が苦手とされている製図については、あらゆる情報を手掛かりにして,数多くの問題を掲載しました。

従って,多種多様な問題が出題される実技試験への対策としては、必要かつ十分な量の問題数ではないかと確信いたしております。

以上のような特徴によって本書は構成されていますので、本試験対策として,より効率的および実戦的に学習ができる構成になっているものと思っております。

従って,本書を十二分に活用いただければ,“短期合格”も夢ではないものと思っております。

最後になりましたが,本書を手にされた方が一人でも多く「試験合格」の栄冠を勝ち取られんことを、紙面の上からではありますが,お祈り申しあげております。

資格研究会KAZUNO (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2017/1/1)、出典:出版社HP

目次

まえがき

本書の使い方

受験案内

受験に際しての注意事項

第1編機械に関する基礎知識

第2編 電気に関する基礎知識

第3編構造,機能及び工事又は整備の方法・1機械に関する部分
第1章 共通事項
第2章 屋内消火栓設備,屋外消火栓設備
第3章 スプリンクラー設備,水噴霧消火設備

第4編 構造,機能及び工事又は整備の方法・2電気に関する部分

第5編 規格

第6編 消防関係法令(共通部分)
第1章 共通部分
第2章 類別部分

第7編鑑別等試験

第8編 製図

巻末資料(1~13)

本書の使い方

本書を効率よく使っていただくために,次のことを理解しておいてくだい。

1.マークについて

よく出題される重要度の高い問題には,その重要度に応じている マークを1個,あるいは2個表示してあります。従って、「あまり時間がない」という方は、これらのマークが付いている問題から先に進めていき、時間に余裕ができた後に他の問題に当たれば、限られた時間を有効に使うことができます。

なお、過去に出題されたことのある項目または問題には出たマーク、また逆に出題頻度の低いものにはイマヒトツマークを表示してあります。

2.重要ポイントについて

本文中,特に重要と思われる箇所は太字にしたり,重要マーククを入れて枠で囲むようにして強調してありますので,それらに注意しながら学習を進めていってください。

3.略語について

本書では、本文の流れを円滑にするために次のように略語を一部使用しています。

・特防:特定防火対象物
・自火報:自動火災報知設備
・自家発 :自家発電設備

4.最後に

本書では、学習効率を上げるために(受験に差しさわりがない範囲で)内容の一部を省略したり,または表現を変えたり,あるいは図においては原則として原理図を用いている,ということをあらかじめ断っておきます。

資格研究会KAZUNO (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2017/1/1)、出典:出版社HP

受験案内

1 消防設備士試験の種類

消防設備士試験には,次の表のように甲種が特類および第1類から第5類まで,乙種が第1類から第7類まであり,甲種が工事と整備を行えるのに対し,乙種は整備のみ行えることになっています。

表1

甲種 乙種 消防用設備等の種類
特類 特殊消防用設備
1類  屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備
2類 泡消火設備
3類 不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
4類 自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備
5類 金属製避難はしご、救助袋、緩降機
6類 消火器
7類 漏電火災警報器

 

2 受験資格

(詳細は消防試験研究センターの受験案内を参照して確認して下さい)

(1) 乙種消防設備士試験
受験資格の制限はなく誰でも受験できます。

(2) 甲種消防設備士試験
甲種消防設備士を受験するには次の資格などが必要です。

〈国家資格等による受験資格(概要)〉

①(他の類の)甲種消防設備士の免状の交付を受けている者。
②乙種消防設備士の免状の交付を受けた後2年以上消防設備等の整備の経験を有する者。
③ 技術士第2次試験に合格した者。
④ 電気工事士
⑤ 電気主任技術者(第1種~第3種)
⑥ 消防用設備等の工事の補助者として,5年以上の実務経験を有する者。
⑦ 専門学校卒業程度検定試験に合格した者。
⑧ 管工事施工管理技術者(1級または2級)
⑨ 工業高校の教員等
⑩ 無線従事者(アマチュア無線技士を除く)
⑪ 建築士
⑫ 配管技能士(1級または2級)
⑬ ガス主任技術者
⑭ 給水装置工事主任技術者および旧給水責任技術者
⑮ 消防行政に係る事務のうち,消防用設備等に関する事務について3年以上の実務経験を有する者。
⑯ 消防法施行規則の一部を改定する省令の施行前(昭和41年1月21日以前)において,消防用設備等の工事について3年以上の実務経験を有する者。
⑰ 旧消防設備士(昭和41年10月1日前の東京都火災予防条例による消防設備士)

<学歴による受験資格(概要)>
(注:単位の換算はそれぞれの学校の基準によります)

① 大学,短期大学,高等専門学校(5年制)、または高等学校において 機械,電気,工業化学,土木または建築に関する学科または課程を修めて卒業した者。
② 旧制大学,旧制専門学校,または旧制中等学校において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する学科または課程を修めて卒業した者。
③ 大学,短期大学,高等専門学校(5年制)、専修学校,または各種了 校において,機械,電気,工業化学、土木または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者。
④ 防衛大学校、防衛医科大学校,水産大学校,海上保安大学校、気象大 学校において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する授業料目を15単位以上修得した者。
⑤ 職業能力開発大学校,職業能力開発短期大学校,職業訓練開発大学校,または職業訓練短期大学校,もしくは雇用対策法の改正前の職業訓練法による中央職業訓練所において,機械,電気,工業化学,土木または建築に関する授業科目を15単位以上修得した者。
⑥ 理学,工学,農学または薬学のいずれかに相当する専攻分野の名称を付記された修士または博士の学位を有する者。

3 試験の方法

(1) 試験の内容
試験には筆記試験と実技試験があり、表2のような試験科目と問題数があります。試験時間は,甲種が3時間15分,乙種が1時間45分です。

表2 試験科目と問題数

試験科目 問題数 試験時間
甲種 乙種
筆記 基礎的知識 機械に関する部分 6 3 甲種:3時間15分 乙種:1時間45分
電気に関する部分 4 2
消防関係 法令 共通部分 8 6
1類に関する部分 7 4
構造、機能 及び工事・ 整備の方法 機械に関する部分 10 8
電気に関する部分 6 4
規格に関する部分 4 3
合計 45 30
実技 鑑別等 5 5
製図 2

 

(2) 筆記試験について
解答はマークシート方式で、4つの選択肢から正解を選び,解答用紙の該当する番号を黒く塗りつぶしていきます。

(3) 実技試験について
乙種の実技試験は,鑑別等試験のみで,甲種の場合は,鑑別等の他に製図試験も加わります。

4 合格基準

① 筆記試験において,各科目ごとに出題数の40%以上,全体では出題数の60%以上の成績を修め、かつ
② 実技試験において60%以上の成績を修めた者を合格とします。
(試験の一部免除を受けている場合は、その部分を除いて計算します)

5 合格率
第1類消防設備士の場合,甲種,乙種とも,おおむね35%前後で,一般的に、他の類より低い傾向にあります。

6 試験の一部免除
一定の資格を有している者は,筆記試験の一部が免除されます。
① 他の国家資格による筆記試験の一部免除

次の表の国家資格を有している者は,○印の部分が免除されます。

表3

             資格  試験科目 技術士 電気主任技士 電気工事士
基礎的知識 機械に関する部分
電気に関する部分
消防関係法令 各類に共有する部分
1類に関する部分
構造・機能及び 工事、整備 電気に関する部分
規格に関する部分

 

② 消防設備士資格による筆記試験の一部免除

<甲種第1類消防設備士試験を受ける者>

○他の類の甲種消防設備士免状を有している者
⇒消防関係法令のうち、「各類に共通する部分」が免除されます。
また,甲種第2類,甲種第3類消防設備士免状を有している者は、さらに「機械に関する基礎的知識」と「電気に関する基礎的知識」も免除されます。

<乙種第1類消防設備士試験を受ける者>

○他の類の甲種消防設備士,乙種消防設備士免状を有している者
⇒消防関係法令のうち,「各類に共通する部分」が免除されます。
また,甲種第2類,甲種第3類消防設備士免状および乙種第2類,乙 種第3類消防設備士免状を有している者は,さらに「機械に関する基礎 的知識」と「電気に関する基礎的知識」も免除されます。

7 受験手続き
試験は消防試験研究センターが実施しますので,自分が試験を受けようと する都道府県の支部などに試験の日時や場所,受験の申請期間,および受験願書の取得方法などを調べておくとよいでしょう。

一般財団法人消防試験研究センター中央試験センター
〒151-0072
東京都渋谷区幡ヶ谷1-13-20
電話03-3460-7798
Fax03-3460-7799
ホームページ:http://www.shoubo-shiken.or.jp/

8 受験地
全国どこでも受験できます。

9複数受験について
試験日,または試験時間帯によっては、4類と7類など,複数種類の受験ができます。詳細は受験案内を参照して下さい。

※本項記載の情報は変更されることがあります。詳しくは試験機関のウェブサイト等でご確認下さい。

資格研究会KAZUNO (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2017/1/1)、出典:出版社HP

受験に際しての注意事項

1.願書はどこで手に入れるか?
近くの消防署や消防試験研究センターの支部などに問い合わせをして確保しておきます。

2.受験申請
自分が受けようとする試験の日にちが決まったら,受験申請となるわけですが、大体試験日の1ヶ月半位前が多いようです。その期間が来たら、郵送で申請する場合は、なるべく早めに申請しておいた方が無難です。というのは、もし申請書類に不備があって返送され,それが申請期間を過ぎていたら、再申請できずに次回にまた受験,なんてことにならないとも限らないからです。

3.試験場所を確実に把握しておく
普通,受験の試験案内には試験会場までの交通案内が掲載されていますが、もし,その現場付近の地理に不案内なら,ネット等で情報を集めておいた方がよいでしょう。実際には,当日,その目的の駅などに到着すれば,試験会場へ向かう受験生の流れが自然にできていることが多く,そう迷うことは少ないとは思いますが,そこに着くまでの電車を乗り間違えたり,また,思っていた以上に時間がかかってしまった,なんてことも起こらないとは限らないので、情報をできるだけ正確に集めておいた方が精神的にも安心です。

4.受験前日
これは当たり前のことかもしれませんが,当日持っていくものをきちんとチェックして、前日には確実に揃えておきます。特に,受験票を忘れる人がたまに見られるので、筆記用具とともに再確認して準備しておきます。

なお,解答カードには、「必ず HB,又はBの鉛筆を使用して下さい」と指定されているので,HB,又はBの鉛筆を2~3本と、できれば予備として濃い目のシャーペンと、消しゴムもできれば小さ目の予備を準備しておくと完璧です(試験中、机から落ちて“行方不明”になったときのことを考えて)。

資格研究会KAZUNO (著)
出版社: 弘文社; 改訂第2版 (2017/1/1)、出典:出版社HP